【コラボ企画】秋のラノベ祭り投下スレ【withイラスト板】
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#112 [紫陽花→渚坂 さいめ]
ぼーっとしていた頭を一気に覚ますような青年の思いもかけない言葉に、レインは一瞬言葉を失った。

「うぇ!?ななななんでオイラが……」

わたわたと首を振ってみるものの青年は怪しい笑みを浮かべるばかり。

⏰:08/11/03 15:03 📱:F905i 🆔:WY17HTaw


#113 [紫陽花→渚坂 さいめ]
「すいません……本来、僕が行くべきなんでしょうけど、僕の全てをかけた事件が時効になりそうなんです……」

申し訳なさそうにギードルは頭を下げた。

「事件?時効?ギードルさんは秘書なんじゃ……」

不思議そうにレインは首を傾げる。

「ギードルは18歳にして、学年トップ、秘書役、警視総監、弁護士とか、色んな肩書きを持ってらっしゃるんですよー」

イヤミったらしく、吐き捨てるように燕弥が説明する。

⏰:08/11/03 15:04 📱:F905i 🆔:WY17HTaw


#114 [紫陽花→渚坂 さいめ]
「うぇー、スゴい……だからってオイラが行かなくても」

「つべこべ言うな。時は一刻の猶予もないのだ。ギードル!!こいつに服と地図を!!」

レインの抗議も無視して話を進める。

こんな独裁主義者がこの世界の神様だなんて、大丈夫なのだろうか。

レインが青年にそんな不安を感じているとはつゆ知らず、ギードルはレインの着ていたボロ布の服を素早くひっぺかし、どこからか現れた新しい服を着せていく。

⏰:08/11/03 15:04 📱:F905i 🆔:WY17HTaw


#115 [紫陽花→渚坂 さいめ]
「うむ、流石コーディネーターの資格を持つギードルだ。なかなか良いではないか」

青年は自分が仕立てたかのように満足げに鼻を鳴らした。

レインの碧い瞳と同じ色の宝石が埋め込まれたベルトに、ボロ布とは違う上等な布で作られた服。

さっきまでのしがないドラゴン使いとは誰も思うまい。

そして、これもどこから取り出したのか青年は一枚の茶色く変色した地図をレインに差し出す。

レイン [jpg/19KB]
⏰:08/11/03 15:06 📱:F905i 🆔:WY17HTaw


#116 [紫陽花→渚坂 さいめ]
「これがこの世界の地図だ。レイン。“亜神の命”を取り戻してきてくれ」

初めて見せた青年の誠実な態度に驚きながらもレインは地図を受け取った。

「うぅ……。分かりました……」

「よし、それじゃあ出発だ!!なぁに、この燕弥様が付いてんだ。しっかり案内してやんよ!!」

燕弥はケラケラと笑いながら、バシバシとレインの背中を叩く。

こうして、大きな碧い目を持つ少年の長い長い旅は始まった。

⏰:08/11/03 15:07 📱:F905i 🆔:WY17HTaw


#117 [紫陽花→渚坂 さいめ]
―――――――…………

―――――………

時は20XX年。

幻と言われていたドラゴンは、この世の支配者と言わんばかりに地に轟き、その生き血を啜った者は不死を得られるという不死鳥もその羽を華麗に揺らしながら空を舞う。

そんな風景が当たり前の世界で、一人の少年が仲間とともに歩き出した。

この物語は、私たちの知らないもう一つの世界の物語。

⏰:08/11/03 15:07 📱:F905i 🆔:WY17HTaw


#118 [紫陽花→渚坂 さいめ]


This boy is almighty

⏰:08/11/03 15:08 📱:F905i 🆔:WY17HTaw


#119 [紫陽花→渚坂 さいめ]
「犯人はあなたです。大人しく捕まってください」

嗚呼……
そんなに驚いた顔をしないでください。真実なんですよ。

氷のように研ぎ澄まされた時間の中、僕はゆっくりと犯人を指差す。

なぜ指差すのかって?

そうすると、大抵の奴は成し遂げた罪の罪悪感に耐えられず、膝から崩れ落ちるってことを僕は知っているからさ。


――This boy is almighty――

⏰:08/11/03 15:09 📱:F905i 🆔:WY17HTaw


#120 [紫陽花→渚坂 さいめ]
「ギードルー!!また財布落としちゃったぁー」

もう呆れて、ものも言えない。

「ギードルったらぁー。いつもみたいにサクッと見つけてきてよ」

ルカは自身の小さな身長に似合う、少し甘えた口調で僕の側に寄ってくる。

ルカと僕は同い年なのに、こんなにも身長に差があるのは何故だろうといつも疑問に思うのだが答えはまだ見つかってない。

疑問と言えば、この前の事件の犯人自殺したって……

ギードル [jpg/8KB]
⏰:08/11/03 15:10 📱:F905i 🆔:WY17HTaw


#121 [紫陽花→渚坂 さいめ]
「ちょっと!!私の話聞いてる?」

「ん、あぁ……ごめんごめん。ちゃんと聞いてるよー」

彼女の話を聞いていなかったわけではない、ただそれと同時に別のことを考えていただけ。

「今忙しいってこともよく分かるけど、もう少しかまってくれたっていいじゃない……」

「……ごめん」

そう、僕は謝ってばかり。

僕とルカは付き合っているとは言っても一度もデートに行ったことがない。

そしてこれからも出来るかどうか……。

二人 [jpg/10KB]
⏰:08/11/03 15:12 📱:F905i 🆔:WY17HTaw


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