【コラボ企画】秋のラノベ祭り投下スレ【withイラスト板】
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#122 [紫陽花→渚坂 さいめ]
「ごめん。今週中にレポート6つまとめて、3つの裁判に同伴して、第153回神宮殿ファッションショーにもエントリーして、秘書官昇級試験も受けなきゃいけないんだ」
僕が言い終えない内にルカの口がどんどん開いていくのが目に入る。
そりゃそうだ。
たったこれだけの仕事でデートをすっぽかしているのだから。
「ご、ごめん!!こんの大した用事じゃないのに……全然ルカにかまってあげられなくて……」
:08/11/03 15:13 :F905i :WY17HTaw
#123 [紫陽花→渚坂 さいめ]
たかが3〜4の仕事にかまけてルカと遊びにも行けないなんて彼氏失格だ……。
「……忙しそうとは思ったけどまさかここまで多忙だったなんて……。私の方が謝るわ」
ルカはあんぐりと開けた口を急いで塞いで僕を見つめた。
……だから僕は彼女が好きなんだよね。
自分が悪いと思ったら即、謝罪してくれる。明るくて素直な彼女。
そうして僕らはお互いを許し合うように見つめ合う。
それは一種の儀式のように繊細で誰にもじゃまされない異空間。
:08/11/03 15:14 :F905i :WY17HTaw
#124 [紫陽花→渚坂 さいめ]
こんな時、いつも胸に熱い何かがこみ上げてくるが僕は気づかないふりをする。
なぜかって?
これ以上ルカを好きになってしまわないように。
「あっ!!もしかして僕に会う前靴ひも結びなおした?」
「あれ!?何で知ってるの!?」
ルカは不思議そうに履いているスニーカーと僕の顔を交互に見る。
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#125 [紫陽花→渚坂 さいめ]
「見てごらん。右足だけ紐の結び目がきつくて、左は緩いまんまだ。てことは……」
「右だけ靴紐を結んだってこと?」
「ご明察!!しかも財布をポケットに入れてれば……」
「そのときに落としたのかも!!ちょっと見てくる」
そう言って彼女は走り出した。
その小さな背中が見えなくなるまで立ち尽くしていた僕は、少しストーカーチックだな、と自分自身に呆れてからその場を後にした。
「さて、今日中にレポート3つは書かなくちゃ……」
:08/11/03 15:16 :F905i :WY17HTaw
#126 [紫陽花→渚坂 さいめ]
:08/11/03 15:17 :F905i :WY17HTaw
#127 [紫陽花→渚坂 さいめ]
ねぇ!!ベラトリスさん家のドラゴン使いが行方不明になったらしいわよ
ドラゴン使いって……あの碧い目のちっこい奴?
そうそう。私、年近いし結構仲良くやってたんだけどなー
お前のこと嫌いになったんじゃねーの?
あっ、ひどーい!!でもあの子『捨てられたオイラを育ててくれたベラトリスさんには感謝してる』って言ってたのに……
ふーん……。
で、お客さん何にします?
二人 [jpg/15KB]
:08/11/03 15:18 :F905i :WY17HTaw
#128 [紫陽花→渚坂 さいめ]
あ!!チーズ300グラムにミルク2リットルください
はいよ……。
ドラゴン使いが何を考えてたか知らんが、お前は急にいなくなるなよ
……なんで?
ばっか!!
惚れた女が消えちまったら悲しいからに決まってんだろ!!
:08/11/03 15:19 :F905i :WY17HTaw
#129 [紫陽花→渚坂 さいめ]
:08/11/03 15:20 :F905i :WY17HTaw
#130 [紫陽花→渚坂 さいめ]
その日はとても曇っていた。
これから俺らが成し遂げる犯罪に目をつむってくれるかのように。
金や名誉が欲しいんじゃない。
欲しかったのは、狂った世界。
――They are daredevil――
:08/11/03 15:20 :F905i :WY17HTaw
#131 [紫陽花→渚坂 さいめ]
アルバートから次の獲物が知らされたのは、月の全く見えない朔の日の夜だった。
「次は“亜神の命”を盗むぞ」
彼は豊かな顎髭を撫でるように触りながら、あたかも「明日遊園地に行こう」と軽々しくデートに誘うような口ぶりで俺を驚かせた。
「んな!?亜神の命じゃて!?」
思わずなまりがでてしまった。
:08/11/03 15:21 :F905i :WY17HTaw
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