【コラボ企画】秋のラノベ祭り投下スレ【withイラスト板】
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#207 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
「クーロン、おまえよく無事だったなぁ」
傷一つ負っていない部下を見て、感心の声を上げた。
「私はともかく。正直、シンは厳しい所でしたが増援が参りましたので」
「増援だと?」
ラルティスが訝しげに眉を寄せる。
「えぇ、あのお二方です」
クーロンが振り向くと同時に走り去る二つの影。
「…え?今の、まさか…」
見覚えのある姿。
ガイアとラルティスは顔を見合わせた。
:08/11/03 16:45 :SH905i :☆☆☆
#208 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
強く弾かれたカイトの体は軽々と宙を舞い上がった。
空中で体を捻って体勢を立て直し何とか着地する。
体には致命傷といえるほどの傷はないが、ダメージは結構ある。
「…ちっ」
カイトの正面には巨大な魔獣が待ち構えていた。
人間の数倍はある巨体に、鋭い牙と爪。
特別な剣でなくては傷すら付かない強靭な鱗。
暗闇で光る赤い眼光は常人ならば怯むだろう。
太く長い尾に、大きな双翼持つドラゴンであった。
:08/11/03 16:46 :SH905i :☆☆☆
#209 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
「さすがはドラゴン…といったところか」
カイトの感想に男は楽しげに笑った。
「その程度か?このドラゴンは四種類いるうちの最弱のドラゴンだぞ」
「馬鹿か。よく見ろよ」
カイトは小さく笑って皮肉を込めた。
指差す先にはドラゴンが。
「ご自慢の鱗が切り裂かれて、喉元から血が出てるぜ?」
:08/11/03 16:46 :SH905i :☆☆☆
#210 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
言ってる間に、ドラゴンの傷はみるみるうちに癒えていった。
「最弱でも一応はドラゴンの眷属か。オート・リカバリーかよ…。それに…」
カイトは片膝を突いたまま、ダメージの回復を待つ。
カイトを囲うようにいくつもの巨大な影が揺らめく。
「いくら最弱のリトルドラゴンとはいえ、五体相手はきついっての…」
:08/11/03 16:47 :SH905i :☆☆☆
#211 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
立ち上がろうとしたのもつかの間、けたたましい咆哮の次にドラゴンのブレスが五方向から襲う。
「くそっ…そりゃ怪我もするっつーの!」
大きく上に跳躍すると、岩を蹴りドラゴンとの間合いを取る、低い姿勢のまま着地して第二撃に備えた。
しかし次にきたのは攻撃ではなく、男性の声だった。
「カイト、交代の時間だ」
突然カイトとドラゴンの間に二つの影が立ち塞がった。
:08/11/03 16:48 :SH905i :☆☆☆
#212 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
慌てて顔を上げると、そこには見たことのない二人がこちらに背を向けて立っていた。
bbs1.ryne.jp/d.php/illust/1144/35「な、何で…」
見たことはない。
だが、知っている。
聞き覚えのある懐かしい声。
「久しぶり…だな」
「助けにきたよ海斗」
五ヶ月前に失った…。
「本当に…父さんと姉ちゃん…?」
「そうだよ」と笑う姉の声をした女剣士。
信じられないが事実だ。
:08/11/03 16:49 :SH905i :☆☆☆
#213 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
「話は後だ」
「後は任せて!」
再び正面を向いた二人は剣を抜く。
「レイナ、アイテムで移動魔法エクステレポートの用意を。私がドラゴンを引き付けよう」
「了解、ケイ」
言うと、男がすぐに駆け出した。
ケイと呼ばれた父は、ドラゴンのブレスをぎりぎりだが素早い身こなしで避け、ドラゴンの体から体へ飛び移っていく。
装備が普通の剣だからか、決して攻撃はしない。
:08/11/03 16:50 :SH905i :☆☆☆
#214 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
:08/11/03 16:50 :SH905i :☆☆☆
#215 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
人差し指を突き付けて更に声を張り上げる。
「全面戦争だ!カオス・オブ・ドリームズの全ユーザー総勢二千五百万人が、貴様らバグワールドの軍勢に宣戦を布告する!」
発動した移動魔法の効果で、カイトの体は光の柱に包まれる。
ケイの声が聞こえた。
「カイト、強くなったな。だが、これからが正念場だな」
「わかってる」
:08/11/03 16:51 :SH905i :☆☆☆
#216 [ふむ◆s8/1o/v/Vc]
ここは戦場だ。
俺は今まで人のために戦ってきた。
だから最後まで、人のために戦おう。
ただ今までと違うことが一つだけある。
今からは、人ためだけではなく、自分のためにも戦うのだ。
ここからは、俺の戦いだ。
:08/11/03 16:52 :SH905i :☆☆☆
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