【コラボ企画】秋のラノベ祭り投下スレ【withイラスト板】
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#45 [あんみつ]
「これ、あげるよ」
親が買い出しに行っている間店番をしていた俺に、見慣れない客が牛乳と一緒にペンダントを台の上に置いた。
そう、それがこれ。
「・・・え?」
急なことに戸惑っていると、そいつは牛乳の分のお金を置いて、さっさと店を出て行ってしまった。
慌てて追いかけようと席を立った瞬間、ペンダントが輝きを増して、あまりの眩しさに俺は思わず目を閉じる。
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#46 [あんみつ]
そして、再び目を開けたら・・・
「・・・ここ、どこだ?」
森の中にいた。
初めは夢だと思った。
けど、肌を撫でる風の感触。
鼻をかすめる森のにおい。
耳に届く鳥のさえずり。
それらのすべてが夢にしてはあまりにリアルで、俺は何度も瞬きした後、自分の頬をつねる。
「・・・痛い」
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#47 [あんみつ]
俺は呟き、そして認識した。
・・・これは夢じゃない。
俺は、ここにいるんだ。
「夢じゃないって分かったか?」
突然後ろから声がして、振り向いた。
そこにいたのは、俺の肩の高さぐらいの背の男の子。
赤いな髪は短く、額に小さな傷がある。
そいつは驚く俺を見て、生意気そうな顔でにっと笑った。
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#48 [あんみつ]
「ま、軽く自己紹介でもしようか」
そう言って、少し大きめの石に腰掛ける。
そいつは、立ち尽くす俺をよそに口を開いた。
「封印された闇の話知ってるか?」
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#49 [あんみつ]
そいつの名前はレジー。
ここの近くにある国にまつわる火の神。
・・・とてもそうは見えないが。
封印された闇の話は、言い伝えなんかじゃなくすべて本当で、俺は、再び暴走し始めた闇を封印するべく選ばれた人間の一人。
・・・以上、レジーの話。
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レジー [jpg/36KB]
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#50 [あんみつ]
が、こんなこといきなり言われて、はいそうですか、なんて言えるわけがない。
「な、分かったか?とりあえず俺の国に行こう。力使うの久々だからこんな所に出ちゃって」
「・・・」
「どした?」
「・・・冗談じゃねぇ!俺は帰る!」
・・・そして、今に至る。
止めるレジーの言葉も聞かずに、当てもなく歩き続けた結果がこれ。
(こんなペンダントのせいで・・・)
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#51 [あんみつ]
ガッ!
俺はペンダントを勢いよく取ると、遠くの茂みに向かって投げた。
「あっ!」
レジーが叫ぶ。
ペンダントは、キレイな弧を描いて、茂みに消えた。
「おい!アーク!」
レジーが後ろから俺の腕を掴んだ。
俺は、その手を振り払って言う。
「何なんだよ!急にんなこと言われて納得できるわけねーだろ!選ばれたって・・・何で俺なんだよ!」
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#52 [あんみつ]
言った瞬間、レジーの顔が歪んだ。
振り払われた手を力なくおろして、唇を噛む。
が、すぐに拳を握りしめ、顔をキッと引き締めた。
「・・・俺が選んだんだよ!俺は、ずっと・・・」
ガサッ!
レジーの言葉を遮って、ペンダントが消えた茂みから音がした。
俺たちは揃ってそっちを見る。
見ると、茂みはまるで生きているかのように揺れ動いていた。
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#53 [あんみつ]
ガサガサという音は、徐々に大きくなっていき、それと共に茂みの揺れも激しさを増す。
(・・・何だ?)
俺たちは無言でそれを見ていた。
が、次の瞬間、レジーが何かを思い出したように急に顔色を変えた。
そして叫んだ。
「アーク!逃げろ!」
「え?」
ドンッ!
地面が揺れた。
俺はバランスを崩して、その場にしりもちをつく。
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#54 [あんみつ]
レジーはそんな俺の腕を掴んで、小さな体からは想像も付かない強い力で、俺を引き起こした。
「走れ!」
レジーに引かれるまま走り出す。
その時、
「ギギャー!!」
何かのけたたましい鳴き声がした。
俺は思わず後ろを振り向く。
「なっ・・・何だ、これ」
目の前の信じられない光景に、息をのんだ。
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:08/11/03 13:26 :D904i :3PH3.VE6
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