【コラボ企画】秋のラノベ祭り投下スレ【withイラスト板】
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#32 [あんみつ]
あ、タイトルは
「受け継がれし者」です。
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#33 [あんみつ]
はるか昔、もう一つの世界の国々で大規模な争いが起きた。
人々の寂しさ、憎しみ・・・それらが合わさって、いつしか大きな闇が生まれた。
その闇の暴走を止めるべく、国々は、それぞれの土地にまつわる神の協力の下、闇を封印することに成功した。
しかし、それは一時的なもので、闇が暴走しようとした時、再び封印の儀式を行う必要がある。
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#34 [あんみつ]
封印するためには、一人の神につき、一人の選ばれた他の世界の人間の力が必要であった。
それぞれの国からの神と、それに選ばれた人間たちが集まった時、真の力を発揮する。
そうして、神々と人間たちは、協力しあって生きてきたのだ。
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#35 [あんみつ]
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手作りのパンと乳製品の香りが立ち込め、棚に色とりどりの果物が並ぶ店内。
売り場の椅子に座って、自分の胸にかかったペンダントを手に取り、それを懐かしそうに見つめる一人の男がいた。
透明な石のはめ込まれたそれは、窓から差し込む光に当たってキラキラと輝く。
男は目をつむっては開き、再びそれを見つめては、また目を閉じる。
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#36 [あんみつ]
しばらくそれを繰り返して、男はそっと微笑んだ。
まるで、懐かしい思い出の蓋を開けて楽しむように。
男が仕事に戻ろうと立ち上がろうとする。
その時、ペンダントの中央にはめ込まれた石が赤く光った。
それに気付いた男は、目を見開いた後、何度もまばたきを繰り返す。
そして呟く。
「・・・とうとうきたか」
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#37 [あんみつ]
カランカランッ
「アーク!牛乳一本」
店のドアが勢いよく開いて、一人の少年が入ってきた。
アークと呼ばれた男は、一気に現実に引き戻される。
少年は慣れたように棚から牛乳を取り出し、男の前に置いた。
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#38 [あんみつ]
男は自分の首に下げたペンダントを外しながら、少年をじっと見つめる。
「・・・?なんだよ?」
訳が分からないといった様子の少年。
「・・・ん、何でもないよ」
そんな少年を見て、アークは納得したようににっこりと微笑んだ。
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#39 [あんみつ]
「ほら、牛乳。・・・と、これはおまけ」
言いながらアークは、小さな包みを取り出し、牛乳の横に置く。
「まじで?何それ?」
「んー・・・開けてからのお楽しみ」
少年の質問に、アークは意味深な笑みを浮かべて言った。
また飴かなんかだろ、そう思った少年は、その笑みを気にもとめない。
「ふーん、サンキュ」
それだけ言って、財布の中を覗く。
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#40 [あんみつ]
少し小銭をチャラチャラ言わせた後、お札を1枚取り出した。
アークはそれをちらりと見て、また少年に視線を戻す。
そして、口を開いた。
「・・・なぁ、ルキ。封印された闇の話知ってるか?」
「・・・?神と人間が協力して・・・ってやつ?」
ルキと呼ばれた少年が答えると、アークはその通りといった風に頷いた。
ルキは、それが何だよといった風な顔でアークを見る。
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#41 [あんみつ]
アークはそれが分かったのか、
「いや、知ってるならいいんだ」
それだけ言うと、ルキからお札を受け取って、おつりを取り出す。
おつりを受け取りながらも、どうも納得のいかない顔のルキに、アークは少し考えた後口を開いた。
「・・・俺の昔の話をしようか」
「アークの?」
ルキは聞きたい聞きたいと、台の上に身を乗り出す。
そんなルキを見て、アークは満足げにほほえんだ後、話し始めた。
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店内 [jpg/15KB]
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