【コラボ企画】秋のラノベ祭り投下スレ【withイラスト板】
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#32 [あんみつ]
あ、タイトルは
「受け継がれし者」です。

⏰:08/11/03 12:59 📱:D904i 🆔:3PH3.VE6


#33 [あんみつ]
 

はるか昔、もう一つの世界の国々で大規模な争いが起きた。

人々の寂しさ、憎しみ・・・それらが合わさって、いつしか大きな闇が生まれた。

その闇の暴走を止めるべく、国々は、それぞれの土地にまつわる神の協力の下、闇を封印することに成功した。

しかし、それは一時的なもので、闇が暴走しようとした時、再び封印の儀式を行う必要がある。
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⏰:08/11/03 13:01 📱:D904i 🆔:3PH3.VE6


#34 [あんみつ]
 
封印するためには、一人の神につき、一人の選ばれた他の世界の人間の力が必要であった。

それぞれの国からの神と、それに選ばれた人間たちが集まった時、真の力を発揮する。

そうして、神々と人間たちは、協力しあって生きてきたのだ。

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⏰:08/11/03 13:02 📱:D904i 🆔:3PH3.VE6


#35 [あんみつ]
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手作りのパンと乳製品の香りが立ち込め、棚に色とりどりの果物が並ぶ店内。

売り場の椅子に座って、自分の胸にかかったペンダントを手に取り、それを懐かしそうに見つめる一人の男がいた。

透明な石のはめ込まれたそれは、窓から差し込む光に当たってキラキラと輝く。

男は目をつむっては開き、再びそれを見つめては、また目を閉じる。
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⏰:08/11/03 13:03 📱:D904i 🆔:3PH3.VE6


#36 [あんみつ]
 
しばらくそれを繰り返して、男はそっと微笑んだ。

まるで、懐かしい思い出の蓋を開けて楽しむように。

男が仕事に戻ろうと立ち上がろうとする。

その時、ペンダントの中央にはめ込まれた石が赤く光った。

それに気付いた男は、目を見開いた後、何度もまばたきを繰り返す。

そして呟く。

「・・・とうとうきたか」

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⏰:08/11/03 13:04 📱:D904i 🆔:3PH3.VE6


#37 [あんみつ]
 

カランカランッ

「アーク!牛乳一本」

店のドアが勢いよく開いて、一人の少年が入ってきた。

アークと呼ばれた男は、一気に現実に引き戻される。

少年は慣れたように棚から牛乳を取り出し、男の前に置いた。
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⏰:08/11/03 13:06 📱:D904i 🆔:3PH3.VE6


#38 [あんみつ]
 
男は自分の首に下げたペンダントを外しながら、少年をじっと見つめる。

「・・・?なんだよ?」

訳が分からないといった様子の少年。

「・・・ん、何でもないよ」

そんな少年を見て、アークは納得したようににっこりと微笑んだ。

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⏰:08/11/03 13:06 📱:D904i 🆔:3PH3.VE6


#39 [あんみつ]
 

「ほら、牛乳。・・・と、これはおまけ」

言いながらアークは、小さな包みを取り出し、牛乳の横に置く。

「まじで?何それ?」

「んー・・・開けてからのお楽しみ」

少年の質問に、アークは意味深な笑みを浮かべて言った。

また飴かなんかだろ、そう思った少年は、その笑みを気にもとめない。

「ふーん、サンキュ」

それだけ言って、財布の中を覗く。
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⏰:08/11/03 13:07 📱:D904i 🆔:3PH3.VE6


#40 [あんみつ]
 
少し小銭をチャラチャラ言わせた後、お札を1枚取り出した。

アークはそれをちらりと見て、また少年に視線を戻す。

そして、口を開いた。

「・・・なぁ、ルキ。封印された闇の話知ってるか?」

「・・・?神と人間が協力して・・・ってやつ?」

ルキと呼ばれた少年が答えると、アークはその通りといった風に頷いた。

ルキは、それが何だよといった風な顔でアークを見る。
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⏰:08/11/03 13:08 📱:D904i 🆔:3PH3.VE6


#41 [あんみつ]
 
アークはそれが分かったのか、

「いや、知ってるならいいんだ」

それだけ言うと、ルキからお札を受け取って、おつりを取り出す。

おつりを受け取りながらも、どうも納得のいかない顔のルキに、アークは少し考えた後口を開いた。

「・・・俺の昔の話をしようか」

「アークの?」

ルキは聞きたい聞きたいと、台の上に身を乗り出す。

そんなルキを見て、アークは満足げにほほえんだ後、話し始めた。
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店内 [jpg/15KB]
⏰:08/11/03 13:11 📱:D904i 🆔:3PH3.VE6


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