【コラボ企画】秋のラノベ祭り投下スレ【withイラスト板】
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#72 [あんみつ]
 
そこには、青い光に包まれる生き物とその前で剣を構える青い髪の女の子の後ろ姿。

キギャー!

生き物は叫びながら砂になり、風に流されて、消えた。

女の子は青い光に包まれる。

光が消えた時、そこには、茶色の髪の女の子と、その子より少し背の低い青い髪の女の子が立っていた。

俺は、どこから現れたか分からないその二人を交互に見て、まばたきを繰り返す。
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⏰:08/11/03 13:45 📱:D904i 🆔:3PH3.VE6


#73 [あんみつ]
 
森はもとの静けさを取り戻していた。

二人がゆっくりと俺の方を振り向く。

そして、

「大丈夫だった?」

茶色の髪の女の子が言った。

俺に向かってだろう。

「あ・・・あぁ」

俺がたどたどしくも答えると、同い年ぐらいであろうその子は、小さい子供のように笑った。

頬に小さなえくぼができている。
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⏰:08/11/03 13:46 📱:D904i 🆔:3PH3.VE6


#74 [あんみつ]
 
「フィン!」

俺がその笑顔に見とれていると、男の声がした。

声の主は、俺の視界の右端の木の上から飛び降りてきた。

緑の短い髪をした背の高い男。

俺より少し年上だろうか。

走ってこっちにやって来る。

「フィン!大丈夫か!?」

近づくなり男が言った。
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⏰:08/11/03 13:48 📱:D904i 🆔:3PH3.VE6


#75 [あんみつ]
 
フィンと呼ばれた茶髪の女の子は、ふぅと息を吐く。

「大丈夫。一匹だけだったから」

フィンが冷静に言うと、男は安心したのか、胸をなで下ろした。

次の瞬間、男が緑の光に包まれる。

光が消えた時、そこには、黒髪の男と緑の髪をした小柄な男の子がいた。

女の子の時と同じように。

(・・・なんなんだ)
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⏰:08/11/03 13:49 📱:D904i 🆔:3PH3.VE6


#76 [あんみつ]
 
俺が呆気にとられていると、小柄な男の子が、地面にへたり込んだままの俺に気づいた。

「あー!」

そして、俺の胸にぶら下がるペンダントを指差して叫ぶ。

その声で、フィンも男も女の子も、一斉にこっちを見た。

「え!?こいつもしかして・・・」

男が、驚きを隠せない表情でフィンを見る。

フィンはコクリとうなずくと、自分の胸元から青い石がはめ込まれたペンダントを取り出して、俺に見せた。
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⏰:08/11/03 13:50 📱:D904i 🆔:3PH3.VE6


#77 [あんみつ]
 
続いて、男も緑の石がはめ込まれたペンダントを取り出す。

俺は、自分の赤い石がはめ込まれたペンダントとそれらを見比べた。

「レジー!さっさと出てこいよ!」

そうしていると、男の子が俺に近づいてきて、いないはずのレジーに向かって言った。

その時、俺は赤い光に包まれる。

光が消えると、俺の隣には、まるで当然のような顔をしてレジーが立っていた。

俺の髪は、もとの短髪に戻っている。
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⏰:08/11/03 13:51 📱:D904i 🆔:3PH3.VE6


#78 [あんみつ]
 
「久しぶりだな。ウェリアス、カルジャ」

言いながらレジーは、女の子と男の子の顔を見て嬉しそうに笑う。

「針獣一匹に手間取るなんて、レジーらしくないんじゃない?」

ウェリアスと呼ばれた青髪の女の子が、いたずらっぽく言った。

「なんか久しぶりだと感覚が鈍っちゃってさ」

腕をぶんぶんと振って見せるレジー。

俺は状況が飲み込めずに、楽しそうに話す三人を見ていた。
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⏰:08/11/03 13:53 📱:D904i 🆔:3PH3.VE6


#79 [あんみつ]
 
そんな俺に気づいたレジーが、今度は全員を見渡しながら言う。

「こちらアーク、俺のパートナー」

俺は反射的に頭を下げた。

全員の視線が俺に集まる。

「私は水の神のウェリアス。こっちはパートナーのフィン。よろしくね」

「俺は森の神のカルジャ。こいつはパートナーのリク」

ウェリアスとカルジャが、順番に言った。
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⏰:08/11/03 13:54 📱:D904i 🆔:3PH3.VE6


#80 [あんみつ]
 
フィンは笑顔で頭を下げ、リクは、「こいつって何だよ」とカルジャを小突く。

(・・・水の神と、森の神?)

他にも理解できないことはたくさんある。

俺は必死で頭を回転させる。

そこで、リクが口を開いた。

「俺たちも、もとはアークと同じ世界にいたんだ。でも、このペンダントが光って・・・」

「・・・気づいたらこっちの世界にいた?」

俺が言うとリクは、その通りとうなずいた。
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⏰:08/11/03 13:55 📱:D904i 🆔:3PH3.VE6


#81 [あんみつ]
 
自分と同じ世界にいた、それだけなのに、親近感がわいてくる。

そこで俺は、ペンダントを置いていった男のことを思い出した。

「このペンダント、知らない男が俺の所に置いてったんだよ。あの男は?何か関係あんの?」

胸にぶら下がったペンダントに触れながら言うと、今度はレジーが口を開いた。

「そいつは、以前闇が暴走した時の俺のパートナー。俺がアークを選んだから、そいつが代わりにペンダントを渡してくれたんだ。そのペンダントは、俺たち神の分身みたいなもんだからな」
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⏰:08/11/03 13:56 📱:D904i 🆔:3PH3.VE6


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