人生の案内板
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#392 [幸]
私は笑顔で言った。
『……誰と?』
小早川君は足を止めて聞いた。
『ん〜私が怪我をした時
ハンカチをくれた人と。』
さすがに本当のことは
言えなかった。
:09/01/21 23:50 :W53H :M3EENPQc
#393 [幸]
『そっかぁ。』
小早川君は再び歩き始めた。
そして、そのまま別れた。
ふと携帯を見てみると、
メールが来ていた。
:09/01/21 23:52 :W53H :M3EENPQc
#394 [幸]
相手はかけるだった。
“今すぐあのレストランに恋。”
うれしかったが
なぜ来いっていう字が恋なんだか。
私は急いでレストランに向かった。
:09/01/21 23:55 :W53H :M3EENPQc
#395 [幸]
『はぁはぁはぁ…。』
レストランの看板には
“準備中”と書いてあった。
私は気にせずに入った。
『やぁ、かなさん。
いらっしゃーい!!』
と、またあの男性がいた。
:09/01/21 23:56 :W53H :M3EENPQc
#396 [幸]
『かけるに呼ばれたんですけど…』
『かけるが聞いてほしいって。』
奥を見ると、かけると
目があった。
その途端、ピアノの演奏が始まった。
:09/01/21 23:59 :W53H :M3EENPQc
#397 [幸]
とても綺麗だった…
イライラしてた気分が
一気に忘れさせてくれる。
かけるのピアノ好きだなぁ。
かけるのピアノは
どこまでも続いていた。
:09/01/22 00:00 :W53H :ORnfeSKs
#398 [幸]
かけるは弾き終わると
私に手話で話しかけてきた。
『‘昨日わごめん!!
このピアノで許して?’だって。』
男性が手話を通訳してくれた。
『平気だよ。
素敵な音楽、ありがと』
かけるは私の口で読んだのか、
ゆっくり笑顔を見せた。
:09/01/22 00:04 :W53H :ORnfeSKs
#399 [幸]
そしてまた手話をした。
『‘家まで送る’だって』
『えっ?いいよ。』
『‘少しぐらい格好つけさせろ’だって。』
『じゃあ、お言葉に甘えて。』
:09/01/22 00:06 :W53H :ORnfeSKs
#400 [幸]
2人でずうっと笑いあってた。
この時間がとても愛しく思えた。
『ごめんね〜。
今日は定休日だったし
かけるがいきなりピアノ
貸してって言うからさ―
ご飯ないの。』
と、男性が言った。
『いいえ、ピアノを
聞くために来たんですから。』
本当はかけると話したかっただけだけど。
:09/01/22 00:11 :W53H :ORnfeSKs
#401 [幸]
『ならよかったぁ。
気をつけてね。』
『はい!!』
『あれ?かなさん、
少し顔、赤くない?』
『そうですか?
走ってきたからだと
思いますよ。』
多分……。
:09/01/22 00:13 :W53H :ORnfeSKs
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