双子の秘密
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#106 [ゆーちん]
ゆっくり目を開けると、面倒臭い人物が座っていた。
「…何か用ですか。」
「あ、起きた?」
私を見下ろしながら笑ってるのは由良(ユラ)先生。
「昼寝の邪魔ですー。」
「こんな短いスカートで寝てると風さんにパンチラさせられんぞ。」
「セクハラー。」
:08/12/08 20:09 :SH901iC :xLeVnYmI
#107 [ゆーちん]
どうして隣に人がいると寝苦しくなるんだろう。
普通は人肌に安心して眠くなったりするんだろうけど、私は違う。
彼氏であろうが援交の客であろうが隣に誰かいると、グッスリ眠れない。
:08/12/08 20:11 :SH901iC :xLeVnYmI
#108 [ゆーちん]
体を起こし、先生に聞いた。
「おさぼりですか?」
「うん。チクったら屋上から落とすからなー。」
「シャレになんないよ。」
私が笑うと先生も笑った。
:08/12/08 20:12 :SH901iC :xLeVnYmI
#109 [ゆーちん]
由良先生に授業は教わっていないけど、校内の誰もが由良先生を知ってると思う。
教員の中で1番若くて、顔もまぁまぁ?
クラスの女子がギャーギャー騒ぐから、嫌でも覚える。
:08/12/08 20:44 :SH901iC :xLeVnYmI
#110 [ゆーちん]
「先生、知ってた?」
「知らない。」
「まだ言ってないんだけど。」
「僕、超能力でお前の言う事、先にわかるんですよ。」
「あっそ。」
「…ごめん、うそ。ふざけました。何?」
わたあめみたいな優しい風が私と先生の間を吹き抜けた。
:08/12/08 20:45 :SH901iC :xLeVnYmI
#111 [ゆーちん]
「校内禁煙なんだよー。」
「へぇー知らなかったー。」
明らかに知ってるでしょって感じの言い草。
知らないはずない。
教師なんだからさ。
こうやってふざけながら話しをする人って気楽でいいかも。
:08/12/08 20:46 :SH901iC :xLeVnYmI
#112 [ゆーちん]
「煙草吸ってサボってた、って校長にチクられたくなかったら100万円よこせ!」
「…お前の孫まで呪うからな。」
「アハハッ。」
先生の口元がキュッと上がり、笑いながら煙草のけむりを空へと吐き出した。
:08/12/08 20:46 :SH901iC :xLeVnYmI
#113 [ゆーちん]
「斗美は?」
「へ?」
「煙草、吸わないの?」
「吸わない。肌に悪いし。」
「ふーん。真面目だな。吸ってそうなイメージなのに。」
「よく言われる。」
携帯灰皿に煙草の吸い殻を入れ、煙草とライターと灰皿をポケットに直している先生。
:08/12/08 20:48 :SH901iC :xLeVnYmI
#114 [ゆーちん]
私は聞いてみた。
「私、先生に授業教わってない。」
「うん、そうねー。」
「何で私の名前知ってんの?」
「教師だもん。」
「ふーん。私のクラス全員の名前わかるの?」
「わかんねぇよ?斗美だけしか知らない。」
「だから何で私だけの名前知ってんの?」
:08/12/08 20:48 :SH901iC :xLeVnYmI
#115 [ゆーちん]
呆れ笑い混じりの質問に先生は笑顔で答えた。
「男だもん。」
「…意味、わかんない。」
「んー、わかんない?斗美の名前だけ、ちゃんと知ってるんだよ、俺。」
「どうして?」
「言ってんじゃん。俺だって男だもん。」
見つめ合いながら無言の会話をした。
:08/12/08 20:49 :SH901iC :xLeVnYmI
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