双子の秘密
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#116 [ゆーちん]
自惚れても、いいのかな。
いつもなら私に好意がある男が現れても動揺なんてしないけど…先生のような20代の人と付き合った事がない私は、戸惑うばかりだった。
:08/12/08 20:49 :SH901iC :xLeVnYmI
#117 [ゆーちん]
「え…あの…」
「ブッ。テンパりすぎ。」
「だって意味が…」
「バカだから意味もわかんないのか〜。残念だな。」
先生はニコッと笑い、私の肩に手を乗せ、グッと立ち上がった。
「バカだけどバカじゃないし。」
「そういう発言がバカっぽいんだよ。」
「…うるさいな、もう。」
:08/12/08 20:50 :SH901iC :xLeVnYmI
#118 [ゆーちん]
怒ったフリをすると先生は声を出して笑った。
「ハハッ。んじゃ俺は戻るねー。」
「さっさとどっか行っちゃえ。」
「可愛くねーの。バイバイ。」
「…バイバイ。」
:08/12/08 20:51 :SH901iC :xLeVnYmI
#119 [ゆーちん]
煙草臭い中に甘い香水の匂いがした。
ほんの少しの甘い匂いを残し、先生は屋上から降りて行く。
再び一人ぼっちになった屋上で、運動場を見下ろしながら考えた。
さっきの先生が言った意味、やっぱそういう意味なのかな。
自意識過剰になってもいいのかな。
先生、私に好意持ってくれてるのかな。
だとしたら、どうすればいい?
付き合うの?
:08/12/08 20:52 :SH901iC :xLeVnYmI
#120 [ゆーちん]
いつもの私なら告白されれば大体OK。
来る者拒まず。
誰にでも足開いててさ。
でもね、最近はちょっと違うんだ。
上辺だけの恋人とかSEXとか…面倒なんだよね。
もし先生に告白されても、今の私なら断ると思う。
って、自惚れすぎか。
:08/12/08 20:54 :SH901iC :xLeVnYmI
#121 [ゆーちん]
ファンの子に屋上から突き落とされかねないね。
変な妄想をストップさせ、私も屋上を降りた。
ちょうどチャイムが校内に鳴り響いた時だった。
:08/12/08 20:55 :SH901iC :xLeVnYmI
#122 [ゆーちん]
その2日後。
また屋上で、私の隣で美味しそうに煙草を吸う由良先生の姿があった。
「先生さぁ。」
「ん?」
「いつから煙草吸ってんの?」
「斗美ぐらいの時から。」
「ふーん。」
:08/12/08 20:55 :SH901iC :xLeVnYmI
#123 [ゆーちん]
最初は、先生が隣にいるから昼寝できないじゃんって思ったけど、話をしてるうちに睡魔なんか飛んでっちゃった。
他愛もない話をしながら空を見上げる二人に、今日も優しい風が吹く。
:08/12/08 20:56 :SH901iC :xLeVnYmI
#124 [ゆーちん]
「何で教師になったの?」
「さぁ?自分でもわかんなーい。」
「アハハ。変なの。」
「昔の俺はさ、両親や担任や警察に迷惑かけまくりな少年だったの。」
「不良?」
「俺は不良だと思ってないんだけど、周りはそう呼ぶ。」
:08/12/08 20:57 :SH901iC :xLeVnYmI
#125 [ゆーちん]
「アハハ。自覚なかったんだ。バカじゃん。」
「斗美よりバカはいないって。」
「はぁ?」
私の顔を見てクスッと笑ってから先生は言った。
:08/12/08 20:58 :SH901iC :xLeVnYmI
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