冷たい彼女
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#241 [ゆーちん]
俺は凜を連れて、無理矢理母ちゃんから逃げた。


「ゆっくりしてってね!」

「はい、ありがとうございます。」


いつも素っ気ない凜も、こういう時は幼い少女。


「…緊張した。」

「え?何が。」

「だって、心のお母さんだし。」


緊張だってするんだよ。


あの凜ちゃんが!

⏰:08/12/12 13:06 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#242 [ゆーちん]
それもうちの母ちゃんで!


何か割に合わない気が…。


部屋に入ると3人は勝手に作業を始めていた。


「凜ちゃんも適当に座って。」

「うん。」

⏰:08/12/12 13:06 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#243 [ゆーちん]
「おいコラ大輝。」

「アハハ!おばちゃんめちゃめちゃテンション上がってたじゃん。」

「ああなるから内緒にしてようと思ったのに。」

「え、何。凜って心の家来るの初めてなの?」


香奈が問い掛けると、凜は首を縦に振った。

⏰:08/12/12 13:07 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#244 [ゆーちん]
「マジ?いつもどこで遊んでんのさ。」

「海とか本島だよね!」


凜が答える前に俺が答えると、『お前に聞いてねぇよ!』と香奈に叱られた。


「まぁこんな汚い部屋だと彼女呼ぶにも呼べねぇわな。」


竜にいじわる言われながら俺は隣に腰を降ろした。

⏰:08/12/12 13:07 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#245 [ゆーちん]
「つーかさ、おばちゃんが騒ぐから彼女を紹介しないってのも、凜からすれば寂しい話だよね。」


香奈は作業しながら話した。


「理由はどうあれ、親に紹介したくないって事は女からすれば寂しいもん。だよね、凜。」


俺は香奈の言ってる事がよくわからなかった。

⏰:08/12/12 13:08 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#246 [ゆーちん]
今まで親に彼女を紹介しようなんて思った事なかったから。


凜を大事にすると言っておきながら、そういうところはまだまだ子供だ。


全然凜の気持ちを考えてあげられなかったのかも。

⏰:08/12/12 13:09 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#247 [ゆーちん]
「そう…なんだ。凜ちゃんごめんね。別に変な意味はなかったんだよ。ただ母ちゃんが騒ぐとうるさいから内緒にしてただけで。」

「ううん。明るくていいお母さんじゃん。それに私もあんまり親への紹介とかの意味がわかんないんだよね。」


香奈は『そうなの?』と驚いていた。

⏰:08/12/12 13:10 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#248 [ゆーちん]
「ちゃんとした付き合いってした事ないからさ。彼氏の親に会う事もなかったし。だからさっきはめちゃくちゃ緊張しちゃったよ。」


そう言って笑った凜はたまらなく可愛かった。


キスしてぇ。


…って今言ったら殴られそうだね。

⏰:08/12/12 13:11 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#249 [ゆーちん]
文化祭の準備のせいで、あの小屋でキスしたキリ、俺と凜は触れ合っていなかった。


手を繋ぐだけでいいから、凜に触れたかった。


みんながいるから触れられない。


早く文化祭が終わればいいのにと思う一方で、作業が間に合わないかもしれないから文化祭まだ来るなっつ思う気持ちもある。

⏰:08/12/12 13:12 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#250 [ゆーちん]
わがままな俺。


その日は8時まで作業した。


母ちゃんが作ったチャーハンを5人で食べてから解散。


明日もうちでするんだって。


本当に終わるのかな、この作業。

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