冷たい彼女
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#251 [ゆーちん]
不安や諦めもあったけど、何とか間に合った。


文化祭当日。


素晴らしい作品が運動場に飾られた。


ダンボールで作った大きな地球儀。


画用紙や折り紙で大陸や海を作ったり、飾り付けをして華やかにする。

⏰:08/12/12 13:13 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#252 [ゆーちん]
まさに汗と涙の3年生の作品は、堂々と運動場で来客を見下ろしてくれている。


「あ、あそこ俺が貼った大陸だ!」


地球儀に向かって指さすと凜は言った。


「どうりで貼り方が汚いはずだ。」


たまには褒めてくれてもいいんじゃないですか、凜ちゃんよ。

⏰:08/12/12 13:13 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#253 [ゆーちん]
劇をしない文化祭はやっぱりどこか暇だった。


だけど作品を完成できた達成感には満ち溢れていた。


「心。」

「はい?」

「今日文化祭終わったらウチ来る?」

「…え?」


まさかのお誘い!


まさかの杉浦家!


まさかの…凜ちゃんの部屋。

⏰:08/12/12 13:16 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#254 [ゆーちん]
「心の家ばっか言ってて、うちには来た事ないからさ。」

「行った事ないから行く!てゆーか行った事はあるけど。」

「私の部屋は初めてでしょ?」

「うん!行く行く行く!」

「わかったから、その子供みたいな反応辞めて。恥ずかしい。」

⏰:08/12/12 13:17 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#255 [ゆーちん]
1年生の劇、2年生の劇を見て、カラオケ大会的なものもして、文化祭終了。


「凜ちゃん帰ろう!」


俺が凜の席に駆け寄ると、後ろから香奈が言った。


「何言ってんの。後片付けサボる気?」


おっと。


俺とした事が、先走りすぎました。

⏰:08/12/12 13:20 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#256 [ゆーちん]
凜ちゃんに『バカ。』と言われたけど、楽しみな事が待っているとどんなに面倒な後片付けでも楽しかったりする。


「せっかく作ったのに燃やすの勿体ないよなー。」

「記念に写真撮っとくか。」


竜の提案で地球儀の前で5人で写真を撮った。


一生の宝。

⏰:08/12/12 13:21 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#257 [ゆーちん]
運動場にキャンプファイヤーのような火が立ち上る。


地球儀を焼き、作品とおさらば。


みんな炎を見ながら騒いでいた。


「凜ちゃん。」

「ん?」

「今のうちに帰っちゃおうよ。」

「抜け駆けって奴?」

「そう。」

⏰:08/12/12 13:22 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#258 [ゆーちん]
「そんなに私の部屋来たいの?」

「行きたい行きたい!」

「本当、変態バカだね。」


凜が手を差し延べたので、俺はその小さな手を握り締めた。


竜や大輝、香奈には何も言わないで学校から抜け出して、杉浦家に向かった。

⏰:08/12/12 13:23 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#259 [ゆーちん]
近道を使い、杉浦家に到着。


「やべぇー!緊張して来た。」

「別に何もないよ。」


凜が玄関のドアを開けると、家の中は電気が消えていた。


「お邪魔しま〜す。」

「おじいちゃん達、まだ帰って来てないみたい。」

⏰:08/12/12 13:24 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


#260 [ゆーちん]
杉浦のじいちゃんばあちゃんも文化祭に来ていたらしい。


キャンプファイヤー見ながらみんなと喋ってんのかな?


何にせよ、杉浦家には俺と凜の二人きり。


階段を上がり、ずっと物置だった部屋が今の凜の部屋になっていて、俺の知ってる杉浦家じゃない気がして妙に緊張した。

⏰:08/12/12 13:26 📱:SH901iC 🆔:ufvbrGno


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