闇の中の光
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#200 [ゆーちん]
「ここにいて。」
「ここ…って集会?」
「こんな風に集まって、喋ったり騒いだり笑ったり…みんな楽しいのかな?」
「そりゃ楽しいっしょ。だから来てんだし。」
「何が楽しいんだろ。」
「んー、仲間に会えるからじゃね?」
「仲間?」
:09/01/01 20:49 :SH901iC :XAv2cR7M
#201 [ゆーちん]
康孝は煙草に火をつけた。
「ここならきっとシホちゃんにも仲間が出来ると思うよ。」
「上辺だけの仲間じゃなくって本当の仲間がいい。」
「おう、できるできる。そもそも上辺だけの奴なんて仲間って言わないからさ。」
:09/01/01 20:50 :SH901iC :XAv2cR7M
#202 [ゆーちん]
康孝の言葉に励まされたのは予想外だった。
ちょっとバカっぽいのに、なぜか私に勇気をくれた。
萌子の時には作れなかった本当の仲間を作りたい。
そう思ってしまうのは贅沢なのかな?
いいんだよね、私、普通の人生を過ごしても。
:09/01/01 20:50 :SH901iC :XAv2cR7M
#203 [ゆーちん]
「でも、いつ終わるかわからない人生だから…やっぱり仲間なんかいらないのかも。」
「何で?別に明日終わろうが今終わろうが仲間を作っちゃいけないなんてルールないよ。」
「そうだけど。」
「哲夫はシホちゃんを殺したりしないよ。」
:09/01/01 20:51 :SH901iC :XAv2cR7M
#204 [ゆーちん]
ぽんぽんと灰を地面に落とした康孝。
「…何で言い切れるの?私に飽きたらいつでも殺すって約束だもん。」
「殺す相手に服なんか与えないし、みんなに紹介しないっしょ。」
康孝が笑った。
なぜか安心した。
私、殺されないで済むの?って。
:09/01/01 20:51 :SH901iC :XAv2cR7M
#205 [ゆーちん]
死にたかったはずなのに、たった2日で気持ちが変わった。
たった1人の男の存在で気持ちが変わった。
出来ることなら、死なずにいたい。
このまま哲夫のペットでいたいんだ。
「根性ないなぁ…。」
「ほえ?何が?」
「ううん。独り言。」
:09/01/01 20:52 :SH901iC :XAv2cR7M
#206 [ゆーちん]
生きたいと願ってしまっていることが情けない。
もし昨日死んでいたのなら、あそこにいる哲夫の笑顔を見て、ちょっと心が温まるというような気持ちに襲われる事はなかったんだろうな。
それにー仲間を作りたいとも思わなかったのかもね。
:09/01/01 20:53 :SH901iC :XAv2cR7M
#207 [ゆーちん]
▽▲▽▲▽▲▽
リズム
▽▲▽▲▽▲▽
:09/01/01 21:00 :SH901iC :XAv2cR7M
#208 [ゆーちん]
「シホ、お待たせ。」
哲夫が戻って来ると康孝はどこかに行ってしまった。
「康と何話してたの?」
私の隣に腰を降ろす哲夫。
「仲間を作るってどういう事なのかな、って思って。」
「…。」
:09/01/01 21:00 :SH901iC :XAv2cR7M
#209 [ゆーちん]
「私、仲間とか友達とか…そういうの苦手だから。」
しばらく黙り込んだ哲夫。
煙草に火をつけ、一口吸ってからゆっくり白い息を吐き出すと、低い声で話してくれた。
「ここにいる奴らはさ、みんな何かしら訳有りが多いんだ。同情っつーか傷の舐め合いだって言われるかもしんないけど、俺には必要な存在。」
:09/01/01 21:01 :SH901iC :XAv2cR7M
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