闇の中の光
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#459 [ゆーちん]
頬に傷を負っていた場所に絆創膏が貼ってあった。
「嘘つき。だって絆創膏貼ってあるじゃ‥」
「あぁ、これ?これはアレだよ。流行の最先端シール。」
笑ってしまった。
「何それ。」
哲夫も笑っていた。
:09/01/13 15:37 :SH901iC :4gcR8RAo
#460 [ゆーちん]
「心配すんな。余裕だから。」
私を抱きしめる力が強くなった。
哲夫の匂いや温かさが私を包む。
「ねぇ。」
「ん?」
「何だったの?一体…」
「その話はまた明日。俺眠いわ。」
さっきまでの騒ぎが嘘のようにこの部屋は静かだ。
:09/01/13 15:37 :SH901iC :4gcR8RAo
#461 [ゆーちん]
「やだ!気になって眠れないもん。」
「もぉ〜、めんどくせっ。」
「何だったの?」
「ただの殴り込みだよ。どこの奴らかは忘れたけど、前にあそこのチームと揉めてさ。向こうの頭と俺で話し合って和解したんだけど、どうやら頭が変わったらしいんだわ。」
:09/01/13 15:38 :SH901iC :4gcR8RAo
#462 [ゆーちん]
「向こうのリーダーが変わったから、哲夫と前のリーダーの和解なんて関係ない…みたいな?」
「まさに、それ。不意打ちすぎだから、女や新人はとりあえず逃がしたんだけど…何でお前ら逃げてなかったんだよ。」
:09/01/13 15:38 :SH901iC :4gcR8RAo
#463 [ゆーちん]
状況把握が遅くて逃げ遅れちゃったんだ、私とのんちゃん。
私のせいで、のんちゃんまで痛い思いさせちゃって…。
「…ごめんなさい。」
「どこ叩かれた?」
「腕とか…お腹蹴られたり。」
すると哲夫は急に体を起こし、私の服を脱がせた。
:09/01/13 15:39 :SH901iC :4gcR8RAo
#464 [ゆーちん]
「哲夫?」
「…うわ。本当だ。痛かっただろ?」
腫れたり青くなったりしている。
久しぶりにこんな汚い自分の肌を見て、また苦しくなった。
「ごめんな。助けてやれなくて。」
もう一度服を着せ、腫れている部分を撫でてくれた。
:09/01/13 15:39 :SH901iC :4gcR8RAo
#465 [ゆーちん]
再び寝転がった哲夫。
「哲夫のせいじゃない。」
「俺らのバカ騒ぎに、シホまで巻き込んでさ。本当、悪い。」
抱きしめられると殴られた腕が痛かった。
だけど痛いなんて言わない。
:09/01/13 15:40 :SH901iC :4gcR8RAo
#466 [ゆーちん]
このままこうしていたいから。
そう願ってしまうのは、ダメなことなのかな?
シホのままでいるのは、いけない事なのかな?
「なぁシホ。あの男…向こうのチームの奴だった。」
「…宗太郎?」
「シホの事泣かしたから殴ろうかと思ったのに、誰かが呼んだ警察が来ちゃって…みんな散らばって逃げたんだ。」
:09/01/13 15:40 :SH901iC :4gcR8RAo
#467 [ゆーちん]
哲夫は続けた。
「今回は警察のせいで解散したけど、白黒ハッキリさすために、あいつらはまた殴り込みに来ると思う。俺らもこのままやられっぱなしは嫌だし。だから近々また騒ぐと思う。その時は女無しで行くからさ…だからシホは留守番な。」
:09/01/13 15:41 :SH901iC :4gcR8RAo
#468 [ゆーちん]
何も言えない。
哲夫が誰かに殴られたり、誰かを殴ったりするのは嫌だ。
だけどそんなのを嫌がる権利なんて私にはない。
「うん…」
「なぁシホ?」
「何?」
「お前はシホだからな?変な事考えんなよ?」
:09/01/13 15:42 :SH901iC :4gcR8RAo
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