WHITE★CANDY
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#30 [ぎぶそん]
「いいじゃないか別に。
娘が学校でどんな風にしてるかは、親は気になる所なんだぞ。」

父がイスに座り、私が家に帰ってから作ったチャーハンをぱくつく。

「恥ずかしい…。」

私も同様にイスに座り、夕飯を始める。

⏰:09/01/14 20:22 📱:SH705i 🆔:E1ThpYqg


#31 [ぎぶそん]
小学校の時もそうだった。
運動会の徒競走で、私の出番になるとグラウンドに乱入して応援したり、放課後はよく車で迎えに来ていたりしていた。

中学の時は、文化祭で私が劇の主役に抜擢されると、ご近所にそれをわざわざ報告したりしていた。

一人娘が大事なのは分かるが、過保護な部分が見受けられる。

高校生にもなると、さすがにそれも少々煩わしくなる。

⏰:09/01/14 20:34 📱:SH705i 🆔:E1ThpYqg


#32 [ぎぶそん]
翌日―

昼休み、私は学校の屋上に一人で上がり、中央に寝転んだ。

春のぽかぽか陽気が全身に降り注いで、実に気持ち良い。

自分の視界に広がる無数の雲が、スムーズに移動する。

物事もこれ位、楽にいけばいいのに。

⏰:09/01/14 20:44 📱:SH705i 🆔:E1ThpYqg


#33 [ぎぶそん]
「よっ。」

途中で空と雲だけの視野に、優平の顔が映った。

「びっくりした。」

私は体を起こした。

「さっき、真希の姿が見えたから、後つけてきた。」

彼は私の隣に、同じように寝転んだ。

⏰:09/01/14 20:50 📱:SH705i 🆔:E1ThpYqg


#34 [ぎぶそん]
「あー、このまま寝ちゃいそー。」

「うん。」

「次の授業、何?」

「化学。そっちは?」

「国語。」

お互い、上を向いたまま会話をする。

⏰:09/01/14 20:53 📱:SH705i 🆔:E1ThpYqg


#35 [ぎぶそん]
「ねぇ、天国ってあると思う?」

「んー…、まあ、あるんじゃないの?」

「私のお母さんは、今頃この空の中で、何をしてるんだろうって思うんだ。」

「そっか。」

⏰:09/01/14 20:59 📱:SH705i 🆔:E1ThpYqg


#36 [ぎぶそん]
「お母さんは今の私と変わらない年齢の時に、お父さんと出会ってる訳だけど、
私もいずれ、誰かに恋をしたりするのかな。」

「んー、それが人間の永遠のテーマだからなー。」

空に、様々な疑問を放つ。

⏰:09/01/14 21:04 📱:SH705i 🆔:E1ThpYqg


#37 [ぎぶそん]
中学の時、見知らぬ同級生や先輩に、告白を受けたことがあった。

私には恋愛の「好き」という感情が、まだよく理解できない。

そのうち、一人の男性に対して、恋焦がれる時が来るのだろうか?

お母さんは、お父さんを好きになって、良かったと思ってる?―

⏰:09/01/14 21:08 📱:SH705i 🆔:E1ThpYqg


#38 [ぎぶそん]
「旅行!?」

「そう!夏休み皆で行こうよ!」

放課後―
エリが机の上に、旅行のパンフレットを広げている。

「優平ん家、熱海に別荘持ってるんだってー。」

優平は、この辺では有名な資産家の息子だった。

⏰:09/01/14 21:30 📱:SH705i 🆔:E1ThpYqg


#39 [ぎぶそん]
「お父さん、許してくれるかな…。」

一番のネックが、頭に浮かぶ。
これまで父の元を離れた遠出は、した経験がない。

「大丈夫って!
優平ん家が雇ってる運転手さんが、車出してくれるって!

あれだったら、私からも説得するし!」

「うん。」

⏰:09/01/14 21:36 📱:SH705i 🆔:E1ThpYqg


#40 [ぎぶそん]
「ダーメ。ダメダメ。ダ・メ。」

「…。」

夜、帰宅した父にさっそく旅行の話を持ち出すと、
予想通りの反応が返ってきた。

「付き添いの大人の人もいるし、全然危なくないって。
それに、私ももう17だよ?」

「父さんも一緒ならOKだ。」

「…そんな恥ずかしい真似、出来ないよ。」

⏰:09/01/14 22:39 📱:SH705i 🆔:E1ThpYqg


#41 [ぎぶそん]
「もういい。お父さんが何と言おうと、旅行には行くからね。

薄毛を気にしてるお父さんなんか、知らないっ。」

私はそう言い残すと、自分の部屋に篭った。

「ちょ、真希、洗面台の棚に隠してあった育毛剤見たなぁ!?」

うるさい、うるさい。
お父さんは、私を束縛し過ぎる―

⏰:09/01/14 22:52 📱:SH705i 🆔:E1ThpYqg


#42 [ぎぶそん]
エリ、元基、優平は、私が初めて心から気を許している友達。

口にはしなくとも、私は三人のことを大切に思っている。

そんな三人との、初めての旅行。
行きたくない理由なんて、これ一つもない。

⏰:09/01/14 22:59 📱:SH705i 🆔:E1ThpYqg


#43 [ぎぶそん]


「雨宮さん、一緒にお弁当食べよー。」

「…うん。」

高校に入学して数日後、昼食の時間に、エリが私に声を掛けてきた。

これが私たちの、最初のやり取り。

「雨宮さんのお弁当、美味しそー!」

「お父さんが作ってるんだ。」

「へぇ、自慢のお父さんだね。」

⏰:09/01/14 23:05 📱:SH705i 🆔:E1ThpYqg


#44 [ぎぶそん]
エリは、人懐っこく、よく笑う。
そんな女の子であった。

今までずっと、特別親しい友人がいなかった私も、エリと一緒に過ごすことで、友達がいるとう楽しさを覚えた。

それから、一年の二学期。
エリからの告白で、彼女と元基は付き合うようになった。

⏰:09/01/14 23:14 📱:SH705i 🆔:E1ThpYqg


#45 [ぎぶそん]
元基と親しい間柄の優平も一緒になって、四人で沢山の思い出を作った。

それは、ある日の放課後だった。

「元基、部活は?」

「ん、課題の再提出が終わんねー。」

教室に忘れ物を取りに戻ると、一人元基が一枚のプリントにせっせと取り組んでいた。

⏰:09/01/14 23:23 📱:SH705i 🆔:E1ThpYqg


#46 [ぎぶそん]
「…優平の分を、写せば良かったじゃん。」

彼の前の席に座り、私は思ったことを口にした。

「…友達を利用するなんて、そんなこと出来るかよ。」

彼が、歯を出してニカッと笑う。

決して賢くはないが、いい奴に違いないと確信した。
エリの彼氏であり、自分の男友達が、元基で良かったと思った。

⏰:09/01/14 23:28 📱:SH705i 🆔:E1ThpYqg


#47 [ぎぶそん]
そして、優平。

「真希、何してるの?」

今日の昼休みの時みたいに、私が一人で過ごしていると、ひょっこり現れてくれる。

殻に閉じこもりやすい私。
そんな私を、何かと気にかけてくれているのだろう。

あまり喋らない者同士、彼とは、同じ波長が漂っているのを感じる。

⏰:09/01/14 23:37 📱:SH705i 🆔:E1ThpYqg


#48 [ぎぶそん]
*感想板を作成しました
m(__)m

良かったら遊びに来て下さい!(^O^)/

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/4172/

おやすみなさい(v_v)

⏰:09/01/15 00:20 📱:SH705i 🆔:w6Z68F9w


#49 [ぎぶそん]
「真希、そろそろ帰らなくていいのー?」

「うん、いい。」

放課後、エリと繁華街にあるゲームセンターに何時間も入り浸る。
この頃、毎日のように来ている。

「門限守らなくて大丈夫なの?
お父さん、心配してるかもよ?」

「いい。」

ひたすら、画面のゲームに夢中になる。

⏰:09/01/15 13:16 📱:SH705i 🆔:w6Z68F9w


#50 [ぎぶそん]
夜9時過ぎ―

「おい真希、こんな時間まで、最近どこをほっつき回ってるんだ。
ケータイも電源切ってて繋がらないし。」

「…。」

家に戻り、既に帰宅している父に咎められても、無言のまま部屋まで駆けていく。

旅行の件以来、口を聞いていない。

⏰:09/01/15 13:22 📱:SH705i 🆔:w6Z68F9w


#51 [ぎぶそん]
「雨宮さんっ。」

数日後の休み時間、移動教室で廊下を歩いていると、後ろから誰かに肩を叩かれた。

振り返ると、女子の三人組がそこにいた。
確か、優平と同じクラスの子たちだ。

声を掛けた一人の子は、走ったことによって、まだ息を切らしている。

「今週の日曜日、暇?」

「え!?まあ予定ないけど…。」

⏰:09/01/15 17:11 📱:SH705i 🆔:w6Z68F9w


#52 [ぎぶそん]
「良かったら、私たちと遊ばない!?」

「へっ!?」

行くか行かないか考える前に、何故?と思った。
彼女たちとは、まともに口を聞いたことがない。

「私たちね、雨宮さんみたいな綺麗な人と、いつも仲良くなりたいなって思ってて。
皆、雨宮さんに憧れてるんだよ?」

「は、はぁ…。」

悪い気はしなかったが、少し照れた。

⏰:09/01/15 17:17 📱:SH705i 🆔:w6Z68F9w


#53 [ぎぶそん]
特に用事もないのに断るのも失礼と思ったので、私は彼女たちと遊ぶことにした。

普段、エリ以外の女の子と休日にどこか出かけるということがないから、日曜日は接し方に戸惑うだろう。

次の授業を受けている間、新しい友達が出来るかもしれないという嬉しさに駆られた。

⏰:09/01/15 17:26 📱:SH705i 🆔:w6Z68F9w


#54 [ぎぶそん]
その日の夜。

「真希。真ー希ー。真希ちゃーん。」

「…。」

部屋のドア越しに、父が何度も声を掛ける。

「おーい。そろそろ口を聞いてくれー。」

⏰:09/01/15 17:57 📱:SH705i 🆔:w6Z68F9w


#55 [ぎぶそん]
「…旅行。」

「え?」

「旅行、行ってもいいよね?」

「…。」

父が、急に静かになる。
反対という気持ちは、変わっていないようだ。

「お父さんの分からず屋っ。」

⏰:09/01/15 18:52 📱:SH705i 🆔:w6Z68F9w


#56 [ぎぶそん]
「嫌い、お父さんなんか。」

「待ってくれ真希〜。
母さんを失った父さんは、お前まで失いたくないんだよー。」

父が、執拗にドアをノックする。

「…うるさい…。」

私は、簡単にいなくなったりしない。
私って、そんなに信用できない?―

⏰:09/01/15 20:41 📱:SH705i 🆔:w6Z68F9w


#57 [ぎぶそん]
これまで父には、極力、迷惑を掛けないように生きてきたつもりだ。

父は母さんを失くした悲しみを堪え、私を養ってきてくれたのだから。

でも…―
私だって、皆と同じように気兼ねなく遊んだり、楽しい思い出を沢山作りたい。

それなりに、青春を謳歌したい。

⏰:09/01/15 20:59 📱:SH705i 🆔:w6Z68F9w


#58 [ぎぶそん]
日曜日―

街中に立ってある銅像の前で、三人組を待つ。
張り切って、約束の時間より20分も早く着いてしまった。

「うわぁ!雨宮さん、私服も可愛いー!」

予定時刻を数分過ぎた後、三人組が揃ってやって来るのが、数メートル先から見えた。

竹下さんという、三人の中のリーダー的存在の子が、私を見つけると、急いで走ってきた。

⏰:09/01/15 21:31 📱:SH705i 🆔:w6Z68F9w


#59 [ぎぶそん]
私たちはまず、映画館に行った。

三人が私の好みに合わせてくれると言ったので、ゾンビを取り扱った内容の映画を観た。

「雨宮さんの趣味って、個性的だね、アハハ…。」

「で、でも!なかなか楽しかったね!」

館内を出た後、三人が様々な感想を述べる。

⏰:09/01/16 17:15 📱:SH705i 🆔:enD1izvA


#60 [ぎぶそん]
その後は、街をぷらぷらして目についた雑貨屋さんやブティック店を見て回り、気に入ったものがあれば購入したりした。

「んー。甘い。」

「雨宮さん、私のも食べてみて!」

一通り買い物を終えると、アイスクリーム屋さんに入った。

吉田さんという子が、私に自分のものを勧める。
以前、エリも同じようなことをしてくれたな、と思い出した。

同性同士ではしゃぐ楽しさが、だんだんと分かってきた。

⏰:09/01/16 17:31 📱:SH705i 🆔:enD1izvA


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