冷たい彼女〔続編〕
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#201 [ゆーちん]
「久しぶりー。」
ちょっと気まずそうに笑った剛さん。
「こちらどうぞ。」
カウンター席に座った佐奈と剛さん。
「この前はごめん。初対面なのに、俺すげぇ格好だったよな。忘れてね。」
そう笑った剛さんの今日の服装は、なんともカッコイイ。
:09/02/03 21:18 :SH901iC :HYcai0m6
#202 [ゆーちん]
お洒落なスニーカー、ズボン、Tシャツ、アクセサリー、キャップ。
佐奈にお似合いの彼氏だ。
この前のタンクトップにパンツ一枚姿は見なかった事にしよう。
凜にも忘れるように言わないと。
:09/02/03 21:19 :SH901iC :HYcai0m6
#203 [ゆーちん]
「何にしますか?」
オーダーを取り、俺はこの前佐奈と話した時のようにわざわざカウンター席の近くで作業した。
「心くん。」
剛さんが俺を呼ぶ。
「はい。」
「今度マジで何かおごるね。」
「いや、お気遣いなく!」
:09/02/03 21:19 :SH901iC :HYcai0m6
#204 [ゆーちん]
凜のように大人な対応をした俺。
ちょっと成長したでしょ?
「いやー、でもやっぱ迷惑かけたし。今日来たのも心くんが暇な日聞きに来たんだよ。」
:09/02/03 21:23 :SH901iC :HYcai0m6
#205 [ゆーちん]
マジっすか?
やっぱり大学生はすごいね。
有言実行かぁ…カッコイイですね、剛さん。
「本当にいいんっすか?」
:09/02/03 21:24 :SH901iC :HYcai0m6
#206 [ゆーちん]
成長したと思ったけど、やっぱりまだまだ甘えちゃう年頃。
いや、ただ単にいやしい奴なのかも。
でもおごりって響きは魅力的だしさ…。
それに、なにより剛さんともっと仲良くなりたいって思った。
:09/02/03 21:25 :SH901iC :HYcai0m6
#207 [ゆーちん]
ファッションセンスや佐奈にはもちろん、俺たちまでへの優しさ。
人として、男としてカッコイイじゃん。
何か…憧れる。
「もちろん。心くん、いつなら暇?」
店内に飾っていたカレンダーを見て、覚えている限りのバイトが休みの日を告げた。
:09/02/03 21:25 :SH901iC :HYcai0m6
#208 [ゆーちん]
剛さんは携帯電話のカレンダーを見て確認している。
「OK。あとは凜ちゃんの都合聞かないとね。」
「凜ちゃんってバイトしてんのー?」
佐奈ちゃんの質問に俺は『していない。』と答えた。
:09/02/03 21:30 :SH901iC :HYcai0m6
#209 [ゆーちん]
凜の家は金持ちで、親から毎月有り余るほどのお金が振り込まれているらしい。
バイトなんかしなくても、凜は好きなように過ごせる。
羨ましい事だよな。
凜はどう思ってるのかは、わかんないけど…。
:09/02/03 21:31 :SH901iC :HYcai0m6
#210 [ゆーちん]
「んじゃ、また行ける日わかったら連絡してよ。調整して、行ける日が合えば飯に行こうな。」
「はい!ありがとうございます!」
約束を交わしたところで、二人のラーメンが出来上がった。
何だかんだで食べ終わった佐奈たちは、またねと言って仲良く帰って行った。
:09/02/03 21:32 :SH901iC :HYcai0m6
#211 [ゆーちん]
佐奈、今日は1杯しか食べなかった。
調子でも悪いのかな?
あ、もしかして剛さんの前だからぶりっ子してるとか?
何だかんだ言って、あいつも女の子なんだなぁ〜。
「江森、何笑ってんだ?」
:09/02/03 21:32 :SH901iC :HYcai0m6
#212 [ゆーちん]
マスターが俺の顔を不思議そうに覗き込んでいた。
「えっ、俺、笑ってました?」
「前にもこんな事あったよな。お前やっぱどっか悪いのか?だったら無理すんじゃねぇぞ?」
「アハハ…大丈夫っすよ。すみません。」
:09/02/03 21:35 :SH901iC :HYcai0m6
#213 [ゆーちん]
そのあとは、きちんと気を引き締めて仕事に取り組んだ。
めり張りは付けないとね。
無我夢中で働いていると、あっという間に上がる時間。
「お疲れ様でした!」
:09/02/03 21:36 :SH901iC :HYcai0m6
#214 [ゆーちん]
店を飛び出し、凜のマンションまで急いだ。
息を切らしながら、インターホンを鳴らす。
「はい。」
「俺。」
:09/02/03 21:36 :SH901iC :HYcai0m6
#215 [ゆーちん]
合い鍵を使わなくても、こうやってインターホン鳴らして入る事を覚えた俺。
つーか普通、こっちが常識だよな。
合い鍵使っていきなり行くのも非常識っていうか…。
島にいた頃は、プライバシーだのマナーだの、そんなの全然考えなかったから、本島に通うようになって改めて気付かされる事ばっか。
:09/02/03 21:37 :SH901iC :HYcai0m6
#216 [ゆーちん]
何が普通で、何が普通じゃないのか。
なかなか難しいよ。
鍵が開き、中に入る。
「どちら様?」
意地悪く笑う凜が出迎えてくれた。
「俺様。」
「つまんない。」
「ウケると思ったんだけどな。」
:09/02/03 21:37 :SH901iC :HYcai0m6
#217 [ゆーちん]
『まだまだ笑いのセンス低いね。』と言った凜は、ソファーに座る。
俺も凜の隣に座った。
「凜ちゃんさ、いつ暇?」
「何いきなり。」
「佐奈と剛さんが今日バイト先に来てくれて、マジでこの前のお詫びにご馳走してくれるんだって。」
:09/02/03 21:38 :SH901iC :HYcai0m6
#218 [ゆーちん]
「本当に?」
「うん。だから俺のバイトが休みの日と凜ちゃんの暇な日を合わせて、剛さんに連絡しないといけないの。」
そういう事か、と納得しながら凜はスケジュール帳を開き、自分の予定と俺のバイトの休みを照らし合わせていった。
:09/02/03 21:39 :SH901iC :HYcai0m6
#219 [ゆーちん]
「この日とこの日なら開いてる。ほら、心もその日は休みだし。」
凜は自分のスケジュール帳と俺のシフト表を指差しながら俺に言ってくれた。
「本当だ。んじゃさっそく剛さんに連絡入れとくねー。」
:09/02/03 21:42 :SH901iC :HYcai0m6
#220 [ゆーちん]
さっき佐奈から送って来てもらっていた剛さんのメールアドレスに、俺と凜の都合のいい日を書いて送信した。
「まさか本当に連れてってくれるなんてねー。優しい人だね、剛さん。」
「だよねー。服装も超カッコイイんだよ?こないだはタンクにパンツ一枚だったけど。」
:09/02/03 21:43 :SH901iC :HYcai0m6
#221 [ゆーちん]
「あぁ、そういえば。」
「あの姿は忘れてって剛さん言ってたよ。」
「でもあの姿の剛さんは印象深いしなぁ。」
「…それもそうだね。」
そんな話をしていると剛さんから返事が来た。
自分の都合と俺たちの都合を上手く調節してくれて、来週会う事になった。
:09/02/03 21:44 :SH901iC :HYcai0m6
#222 [ゆーちん]
凜はさっそくスケジュール帳に書き込んでいた。
俺も忘れないようシフト表に【剛さん】と書いておいた。
「時間とか場所はまた改めて連絡くれるって。」
「わかった。」
また1つ、夏休みのお楽しみが増えた。
:09/02/03 21:44 :SH901iC :HYcai0m6
#223 [ゆーちん]
夏休みはバイト尽くしだけど、もちろん遊びも忘れない。
竜や大輝、他にも同じクラスの奴や島の奴らとも夏を満喫した。
待ちに待った剛さんとの食事会が近付くにつれ、俺のココロが弾んでいく。
:09/02/04 17:48 :SH901iC :LN85bOO.
#224 [ゆーちん]
「それって恋じゃない?」
「え?」
紅茶を飲みながら凜は言った。
「剛さんに惚れた?」
「…そうなのかも。」
「どっか行っちゃえ。」
:09/02/04 17:48 :SH901iC :LN85bOO.
#225 [ゆーちん]
バイト前に凜の部屋に立ち寄った俺。
こうやって冗談言い合って笑い合う時間が幸せだし、日頃のバイト疲れを癒してくれた。
:09/02/04 17:49 :SH901iC :LN85bOO.
#226 [ゆーちん]
「ねぇ。」
「はい。」
「バイトまでまだ時間あるよね?」
全然余裕。
バイトの何時間も前から凜の部屋に転がり込むからね。
「あるよ。」
「ちょっと買い物付き合って。」
:09/02/04 17:53 :SH901iC :LN85bOO.
#227 [ゆーちん]
紅茶を飲み終えた凜は、サッと化粧直しをし、出掛ける準備を始めた。
「どこ行くの?」
「繁華街。明後日、千夏と遊ぶんだけど、千夏もうすぐ誕生日でしょ?だからプレゼント買いたくて。」
「あぁー、そういえば夏生まれだっけ。」
:09/02/04 17:53 :SH901iC :LN85bOO.
#228 [ゆーちん]
同じ島で15年間一緒に育ってきた。
だから誕生日もなんとなくなら覚えてる。
学校の行事として誕生日を祝ったことはあるけど、個人的には祝ってあげたことなんかない。
:09/02/04 17:58 :SH901iC :LN85bOO.
#229 [ゆーちん]
「よし、俺も何かプレゼントをあげよう!」
と、俺の決意を口に出したところで、凜の支度が終わった。
可愛いワンピースがよく似合う。
:09/02/04 18:00 :SH901iC :LN85bOO.
#230 [ゆーちん]
涼しそうな格好。
あんまり肌とか見せないで欲しいんだけど…まぁ凜ちゃんが好きなファッションに文句は言えないもんね。
「戸締まりして。」
「はーい。」
:09/02/04 18:00 :SH901iC :LN85bOO.
#231 [ゆーちん]
二人は慣れた手つきで戸締まりを済ませ、繁華街へと繰り出した。
暑い。
夏の日差しは容赦なく俺らを照らす。
「いや?」
暑いから繋ぎたくないかな、とダメ元で手を差し出すと、凜は何も言わず繋いでくれた。
:09/02/04 18:01 :SH901iC :LN85bOO.
#232 [ゆーちん]
「フフッ。」
「何笑ってんの。暑さで頭おかしくなった?」
「ワッハッハーッ!」
「フッ。壊れた。」
:09/02/04 18:02 :SH901iC :LN85bOO.
#233 [ゆーちん]
太陽が、凜の笑顔が、凜の手の平が、俺のココロをどんどん熱くしていく。
暑いのはいやだけど、夏は楽しい事だらけ。
夏は全然きらいじゃないよ。
:09/02/04 18:02 :SH901iC :LN85bOO.
#234 [ゆーちん]
額に汗が滲み始めた頃、涼しい店内に入った。
汗がサッと引く。
「生き返る〜。」
クーラーの冷たさが、ほてった体を落ち着かせてくれた。
広い店内を見ながら、あれでもないこれでもないと誕生日プレゼントを探す。
:09/02/04 18:05 :SH901iC :LN85bOO.
#235 [ゆーちん]
途中、主旨から脱線して、『心これ似合うかもよ?』と俺の顔にサングラスや帽子を合わせてはしゃぐ凜が、たまらなく可愛いかった。
「あ、これなんか可愛いし千夏に似合いそう!」
いきなり凜が見つけたのは夏らしい水色の花のピアス。
しばらく悩んではいたが、結局ピアスに決定した。
:09/02/04 18:05 :SH901iC :LN85bOO.
#236 [ゆーちん]
「んじゃ、俺はこれプレゼントするわ!」
女の子の好きなものはよくわからないから、凜が選んだピアスによく似た花が付いているネックレスを選んだ。
「え、それにするの?」
「うん。変かな?」
:09/02/04 18:15 :SH901iC :LN85bOO.
#237 [ゆーちん]
「変とかじゃないけど…」
凜が目を伏せた。
あれ?
俺、何かマズイ事でも言った?
明らかに様子が変わり、千夏のプレゼントより、凜の方が気になってしまう。
:09/02/04 18:16 :SH901iC :LN85bOO.
#238 [ゆーちん]
「凜ちゃん、ごめん。俺なんか変な事言った?」
「変な事っていうか…」
「何?言って。」
:09/02/04 18:16 :SH901iC :LN85bOO.
#239 [ゆーちん]
俺は、鈍感な性格だから。
俺は、女心のわからない男だから。
「…私が、やだ。」
「え?凛ちゃんが?やっぱこのネックレスじゃセンス悪い?」
「違う。そうじゃなくって…」
:09/02/04 18:17 :SH901iC :LN85bOO.
#240 [ゆーちん]
俺は…凛のヤキモチになかなか気づけなかった。
困った顔の凛。
困った顔の俺。
困った困ったで睨めっこしてる場合じゃないんだよ。
「そういうアクセサリーとか、他の女の子にあげないで。」
:09/02/04 18:19 :SH901iC :LN85bOO.
#241 [ゆーちん]
小さな声で凛が呟いた。
「え?」
「ヤキモチ妬いちゃう…千夏に。」
「誰が?」
聞かなくてもわかるのに、俺ってば鈍感で女心のわからない奴で…ちょっと意地悪だから。
:09/02/04 18:20 :SH901iC :LN85bOO.
#242 [ゆーちん]
「私が!もう、何でわかんないのかな?」
ごめん、凛ちゃん。
何となくわかってんだけど、凛ちゃんが照れてる姿なんか滅多に見ないから、すっげー可愛く思えてさ。
:09/02/04 18:20 :SH901iC :LN85bOO.
#243 [ゆーちん]
「じゃあ、これならいい?」
ネックレスの変わりに、見つけ出したのは入浴剤。
「これなら消耗品だし、ね?」
:09/02/04 18:21 :SH901iC :LN85bOO.
#244 [ゆーちん]
凛は急に恥ずかしくなったのか、俺の腕を掴んで、耳元で『心、ムカつく。』と言った。
だから俺は笑いながら謝った。
「ヤキモチの妬き方知ってたんだ。」
「…ウザい!」
:09/02/04 18:21 :SH901iC :LN85bOO.
#245 [ゆーちん]
「アハハ。可愛いね〜凛ちゃんは。」
「もう、ムカつく!鈍感すぎ!」
「ごめんね。心配しなくても俺は凛ちゃん以外の女の子なんか興味ないから。」
:09/02/04 18:22 :SH901iC :LN85bOO.
#246 [ゆーちん]
「それはそれで困る。」
「えぇ〜。」
ちょっぴり不機嫌な凛を家に送り届けてから、バイトに行く。
:09/02/04 18:22 :SH901iC :LN85bOO.
#247 [ゆーちん]
バイト中、またマスターに熱でもあるのか?と不思議がられた。
どうやら俺はニヤニヤしていたらしい。
:09/02/04 18:23 :SH901iC :LN85bOO.
#248 [ゆーちん]
だってさ、嬉しいじゃん。
凛ちゃんがヤキモチだよ?
鈍感な俺も悪いかもしれないけど、ヤキモチだってわかったときは涙が出るほど嬉しかったんだよ。
:09/02/04 18:24 :SH901iC :LN85bOO.
#249 [ゆーちん]
でも俺は泣かなかった。
どう?
ちょっとは大人になったでしょ?
:09/02/04 18:24 :SH901iC :LN85bOO.
#250 [ゆーちん]
そんな、幸せいっぱいの俺と、照れまくってた凛が、剛さんと佐奈との食事会を当日に迎えたのは3日後の事だった。
「今日は本当にありがとうございます。」
凛が剛さんに頭を下げると、『いやいや、こないだのお詫びだから頭なんか下げないでよ!』と自分も頭を下げていた。
:09/02/04 18:26 :SH901iC :LN85bOO.
#251 [ゆーちん]
なんか、性格の良さが滲み出てるよな、剛さんって。
「心。」
「ん?」
「私、なんで心の彼女が凛ちゃんなのか不思議でたまんないんだけど。」
:09/02/04 18:26 :SH901iC :LN85bOO.
#252 [ゆーちん]
「俺だって不思議だよ。佐奈ちゃんの彼氏が剛さんなんてー。」
「…どういう意味だ、コラ。」
「いや、別に。」
:09/02/04 18:27 :SH901iC :LN85bOO.
#253 [ゆーちん]
さっそく佐奈に殺されそうになったけど、なんとか交わして、とりあえず出発。
剛さんの運転は、佐奈と違って、なんだか落ち着いている。
いや、これが普通なのかも。
佐奈の運転が荒れすぎているだけだ。
:09/02/04 22:23 :SH901iC :LN85bOO.
#254 [ゆーちん]
「あ、凜ちゃんさー香奈に聞いたんだけど、お盆に島へ戻るんだって?」
佐奈が助手席から、後部座席の方を覗き込んで来る。
「うん、そうなの。どうせ帰ってくるならお盆においで、っておじいちゃんが。」
:09/02/04 22:24 :SH901iC :LN85bOO.
#255 [ゆーちん]
そうなんです。
凜が島へ里帰りする日が決まりました。
俺、今から超待ち遠しくてさ。
島に戻ってきたらカレー作ってもらいたいな。
凜のカレー、何だかんだで食べ損ねてるから…佐奈のせいでね。
:09/02/04 22:25 :SH901iC :LN85bOO.
#256 [ゆーちん]
「私と香奈もお盆に実家帰るんだ!フェリーの時間合わせて一緒に帰んない?」
「そうなの?うん、是非一緒に!」
佐奈と香奈、そして凜が一緒に里帰りか。
何か、凄いな。
:09/02/04 22:25 :SH901iC :LN85bOO.
#257 [ゆーちん]
すげぇ女が3人、鬼退治にでも来るのかよ。
…なんちゃって。
「剛さんは里帰りとかしないんっすか?」
俺が聞くと、剛さんは『考え中〜。』と言って、笑ったんだ。
:09/02/04 22:26 :SH901iC :LN85bOO.
#258 [ゆーちん]
笑顔もクールっすね〜。
「剛は私が里帰りでいない間に、浮気相手とデートしないといけないから忙しいんだよね〜?」
「そうなんだよ。俺ってモテる男だからさ。」
「死ねばいいのに。」
笑顔の佐奈パンチを受けた剛さん。
:09/02/04 22:28 :SH901iC :LN85bOO.
#259 [ゆーちん]
浮気ネタをもう笑いにできるなんて、内面も外面も大人すぎて本当…リスペクトです、剛さん。
恋にも似た感情を剛さんに抱きながら、俺らを乗せた車は20分かけて目的地に到着した。
:09/02/04 22:29 :SH901iC :LN85bOO.
#260 [ゆーちん]
剛さんオススメのお好み焼き屋さん。
結構綺麗なお店だった。
:09/02/04 22:29 :SH901iC :LN85bOO.
#261 [ゆーちん]
店に入って、注文して、他愛もない話をしていると、出来立てのお好み焼きがテーブルの鉄板に乗せられる。
いただきますをして、4人はお好み焼きを頬張った。
本当に美味しくて、こんなお店を知っている剛さんを天才だと思った。
:09/02/04 22:41 :SH901iC :LN85bOO.
#262 [ゆーちん]
「めちゃくちゃ美味ぇ!」
「だろ?お好み焼きといえばこの店なんだよ。他にも知りたい店とかあったら、いつでも俺に聞いてねー。」
そうだ、剛さんはクラブやご飯屋に詳しいんだ。
知識豊富で、思いやりのある人で、カッコよくて…最高っすよ、剛さん。
:09/02/04 22:42 :SH901iC :LN85bOO.
#263 [ゆーちん]
お好み焼きを食べ終えて、店を移動した。
ゆっくりできるカフェ。
みんなそれぞれ飲み物を頼む。
「私イチゴパフェとカプチーノね。」
:09/02/05 10:19 :SH901iC :YIV4zkBU
#264 [ゆーちん]
えぇー…。
お腹いっぱいお好み焼き食ったじゃん。
まだ食べる気かよ、佐奈。
この間、ラーメン屋で1杯しか食べなかったのは、別にぶりっ子でも何でもなかったんだな。
:09/02/05 10:19 :SH901iC :YIV4zkBU
#265 [ゆーちん]
「相変わらずよく食べるね。」
「そう?心も何か食べなよ。剛のおごりだよ?食べなきゃ損!」
「いやー、俺はもうお腹いっぱいだし。」
:09/02/05 10:20 :SH901iC :YIV4zkBU
#266 [ゆーちん]
佐奈は凜にも『何かデザート食べたら?』と聞いていたけど、少食な凜はコーヒーだけでいいと言った。
「私、トイレ行ってくる。」
凜が席を立つと、佐奈も立った。
「私もついでに行っとこーっと。」
:09/02/05 10:28 :SH901iC :YIV4zkBU
#267 [ゆーちん]
女2人が席を立つ。
俺と剛さんの2人っきり。
おいおいおいおい!
緊張するじゃねーか。
剛さんと、憧れの剛さんと2人っきりなんてさ!
:09/02/05 10:28 :SH901iC :YIV4zkBU
#268 [ゆーちん]
「剛さん!」
「あいよ。」
「色々とお店詳しいんですよね?よかったら、またお勧めのお店教えて下さい。」
:09/02/05 10:29 :SH901iC :YIV4zkBU
#269 [ゆーちん]
煙草を吸いながら、剛さんは答えた。
「もちろん。」
クール!
カッコイイ!
そのお洒落なアゴ髭なんて、俺がしたらネタになりますよ。
:09/02/05 10:31 :SH901iC :YIV4zkBU
#270 [ゆーちん]
「あざーっす!俺、本島には昔からよく来てたんですけど、やっぱまだまだ知らない事だらけで。」
「そっか。俺は生まれも育ちもここだから、結構色々知ってんだわ。凜ちゃんとデートするのにお勧めスポットも教えてやっから安心しろ!」
:09/02/05 10:31 :SH901iC :YIV4zkBU
#271 [ゆーちん]
…一生ついて行きます、剛兄様。
「ありがとうございます!」
:09/02/05 10:32 :SH901iC :YIV4zkBU
#272 [ゆーちん]
凜と佐奈が戻ってきてからも、俺は剛さんの話に夢中になった。
コーヒーや、佐奈のイチゴパフェが運ばれてからも剛さんに夢中な俺。
だってさ、為になる話ばっかなんだもん。
剛さんお勧めの古着屋の話を聞いていると、いつの間にか佐奈はパフェを完食していた。
:09/02/05 10:33 :SH901iC :YIV4zkBU
#273 [ゆーちん]
「帰るか?」
剛さんがそう切り出したのは、みんなの飲み物がからっぽになって、コップの中の氷が溶け切った時だった。
嫌だとは言えない。
まだまだ聞きたい事はたくさんあったけど、ご馳走になった俺らは凜のマンションまで送り届けてもらった。
:09/02/05 10:33 :SH901iC :YIV4zkBU
#274 [ゆーちん]
明日は朝からバイトだから今日は凜の部屋にお泊り。
ラッキー。
幸せな事尽くしだな。
「美味しかったね〜お好み焼き。」
「うん。」
「さすが剛さんだよなー。」
:09/02/05 10:35 :SH901iC :YIV4zkBU
#275 [ゆーちん]
「心さ、剛さんにゾッコンラブすぎでしょ。」
凜が笑った。
「そう?」
「そうだよ。ずーっと剛さんの話、楽しそうに聞いてたし。今日あんまり私と目、合ってないよね。」
:09/02/05 10:36 :SH901iC :YIV4zkBU
#276 [ゆーちん]
「あれ?ヤキモチ?」
「バカ、違うよ。」
「剛さんにはヤキモチ妬かないの?」
「妬かない。」
「千夏には妬くのに?」
「もう!うるさいよバカ!」
:09/02/05 10:36 :SH901iC :YIV4zkBU
#277 [ゆーちん]
誰かにヤキモチを妬くだなんて事を知って以来、凜をからかってばかりだった。
そのたび、『あんな事言わなきゃよかった。』と恥ずかしそうにする凜が可愛くて…癖になっちゃうんだよな。
:09/02/05 10:37 :SH901iC :YIV4zkBU
#278 [ゆーちん]
「剛さんみたいな男になりたいな。」
「心は髭なんか似合わないよ。」
「…やっぱり?」
「自覚あるんじゃん。」
:09/02/05 10:38 :SH901iC :YIV4zkBU
#279 [ゆーちん]
「でも、剛さんは俺の憧れ。カッコイイも〜ん。」
「まるで好きな人を見るような目で、ずっと剛さんの事見つめてたから、まさか心、男が好きになったのかなって心配した。」
:09/02/05 10:38 :SH901iC :YIV4zkBU
#280 [ゆーちん]
好きだけど、それはまた違う【好き】だから。
凜と剛さんへの【好き】は種類が違う。
でもまぁ、わざわざそんな事言わなくてもわかってるだろうけど。
俺が1番好きなのは、大切なのは、愛してるのは凜ちゃんだって事。
:09/02/05 10:39 :SH901iC :YIV4zkBU
#281 [ゆーちん]
「さきにお風呂入ったら?」
「凜ちゃんも一緒に入ろ〜!」
「絶対やだ。」
「…ケチ。」
一人でお風呂。
つまんない。
いつか凜ちゃんと一緒にお風呂に入るぞってのが、俺の目標。
…なんてね。
:09/02/05 10:40 :SH901iC :YIV4zkBU
#282 [ゆーちん]
俺が出ると、入れ代わるように凜がお風呂に入る。
覗いてやろうかと何度も思ったけど、嫌われるのはイヤだから我慢。
凜のお風呂は長風呂で、待ってる間は暇だった。
やっと出てきたと思えば、化粧水だの美容液だの、なかなかベットに入れない。
:09/02/05 10:44 :SH901iC :YIV4zkBU
#283 [ゆーちん]
「眠い。」
「だから先に寝ていいって言ってんじゃん。」
「やだ。風呂も一緒に入れないのに、せめてベットくらい一緒に入る。」
「何だそれ。じゃあ髪の毛乾かしてよ。」
お安い御用だ。
:09/02/05 10:44 :SH901iC :YIV4zkBU
#284 [ゆーちん]
凜のサラサラした髪に、ドライヤーをあてる。
こんな繊細な髪に、ドライヤーの熱なんかあてちゃ悪い気さえする。
しばらくすると髪が乾いた。
「寝よっか。」
やっとベットに入る事ができたのは、俺が風呂から出て、1時間以上経っていた。
:09/02/05 10:45 :SH901iC :YIV4zkBU
#285 [ゆーちん]
「ふぅ〜。」
ベットに寝転がり、溜息を零す。
「今日は美味しかったし、楽しかった。」
「そうだね。」
「早くまた剛さんと遊びたいね。」
「…。」
:09/02/05 10:46 :SH901iC :YIV4zkBU
#286 [ゆーちん]
「あれ?凜ちゃん、寝た?」
「寝た。」
「ブッ。可愛い。んじゃおやすみ。」
「おやすみ。」
:09/02/05 10:47 :SH901iC :YIV4zkBU
#287 [ゆーちん]
目を閉じると、俺はすぐに意識を手放した。
夢も見ずにぐっすり眠った。
おかげで、翌朝はとんでもない一日の始まりを迎えてしまった。
:09/02/05 10:55 :SH901iC :YIV4zkBU
#288 [ゆーちん]
まだ太陽が昇って間もないだろう。
なぜだか目が覚めたんだ。
目を開けると、目の前に凜がいた。
ビックリして声が出そうになったが、凜だと理解した瞬間、何だかたまらなく胸が騒いだ。
:09/02/05 10:55 :SH901iC :YIV4zkBU
#289 [ゆーちん]
だから、ほんの一瞬、触れただけのキスをした。
何も知らずに眠る凜。
やっべー。
朝から暴走してもいいですか。
:09/02/05 10:56 :SH901iC :YIV4zkBU
#290 [ゆーちん]
NOと言われても、俺の欲望だけが先走りしてしまっていた。
唇と手が、勝手に凜に触れる。
下着のつけていない胸を揉み、無防備な唇に強くキスをする。
:09/02/05 11:34 :SH901iC :YIV4zkBU
#291 [ゆーちん]
ここまでして気付かないなんて有り得ない。
凜は目を覚ました。
「…えっ、心?」
いきなりの事でテンパっている凜。
「おはよう。」
:09/02/05 11:35 :SH901iC :YIV4zkBU
#292 [ゆーちん]
「おはよ…てか、何してんの。」
「凜ちゃんに欲情。」
「何言って…んっ。」
目覚めのキスはなかなか受け入れてもらえなかった。
「ごめん…嫌?」
:09/02/05 11:35 :SH901iC :YIV4zkBU
#293 [ゆーちん]
凜は何も答えなかった。
良くも悪くもない、って事だ…きっと。
「続けるよ。」
俺の唇は凜の胸に移動した。
薄っぺらいキャミソールを胸の上までめくり上げると、白い肌が現れた。
:09/02/05 11:36 :SH901iC :YIV4zkBU
#294 [ゆーちん]
胸の先端に何度も何度もキスをする。
俺の頭を掴む凜の手に力が入るのがわかる。
「心…っ…」
「ん?」
「…ンッ。」
:09/02/05 11:37 :SH901iC :YIV4zkBU
#295 [ゆーちん]
久しぶりに聞いた凜の甘い声は、舌で胸の先を転がした時に溢れた。
固くなる胸の先を、指と舌で愛撫する。
本当に小さな声でもがいている凜が可愛かった。
:09/02/05 11:37 :SH901iC :YIV4zkBU
#296 [ゆーちん]
下半身はパイル生地の短パンから細くて白い足が伸びている。
短パンの上から、俺は凜をいじめた。
何度も何度も指を押し当て、凜の苦しむ表情を観察する。
:09/02/05 11:38 :SH901iC :YIV4zkBU
#297 [ゆーちん]
「アッ…」
色っぽい声が溢れ出す凜の短パンと下着を脱がせた時、外で鳥の鳴く音が聞こえた。
俺、朝っぱらから何やってんだろうと思い、一瞬だけ手が止まる。
:09/02/05 11:39 :SH901iC :YIV4zkBU
#298 [ゆーちん]
「…心?」
荒い息をする凜が、不思議そうに俺の顔を覗き込んだ。
「ごめんね、こんな朝早くに。」
「…別に、謝らなくても。」
:09/02/05 11:40 :SH901iC :YIV4zkBU
#299 [ゅず]
ぁげA
この小説大好き☆ャ
応援してますャ頑張って☆
:09/02/05 11:53 :913SH :/2ctAVi6
#300 [ゆーちん]
:09/02/05 12:27 :SH901iC :YIV4zkBU
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