冷たい彼女〔続編〕
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#201 [ゆーちん]
「久しぶりー。」


ちょっと気まずそうに笑った剛さん。


「こちらどうぞ。」


カウンター席に座った佐奈と剛さん。


「この前はごめん。初対面なのに、俺すげぇ格好だったよな。忘れてね。」


そう笑った剛さんの今日の服装は、なんともカッコイイ。

⏰:09/02/03 21:18 📱:SH901iC 🆔:HYcai0m6


#202 [ゆーちん]
お洒落なスニーカー、ズボン、Tシャツ、アクセサリー、キャップ。


佐奈にお似合いの彼氏だ。


この前のタンクトップにパンツ一枚姿は見なかった事にしよう。


凜にも忘れるように言わないと。

⏰:09/02/03 21:19 📱:SH901iC 🆔:HYcai0m6


#203 [ゆーちん]
「何にしますか?」


オーダーを取り、俺はこの前佐奈と話した時のようにわざわざカウンター席の近くで作業した。


「心くん。」


剛さんが俺を呼ぶ。


「はい。」

「今度マジで何かおごるね。」

「いや、お気遣いなく!」

⏰:09/02/03 21:19 📱:SH901iC 🆔:HYcai0m6


#204 [ゆーちん]
凜のように大人な対応をした俺。


ちょっと成長したでしょ?


「いやー、でもやっぱ迷惑かけたし。今日来たのも心くんが暇な日聞きに来たんだよ。」

⏰:09/02/03 21:23 📱:SH901iC 🆔:HYcai0m6


#205 [ゆーちん]
マジっすか?


やっぱり大学生はすごいね。


有言実行かぁ…カッコイイですね、剛さん。


「本当にいいんっすか?」

⏰:09/02/03 21:24 📱:SH901iC 🆔:HYcai0m6


#206 [ゆーちん]
成長したと思ったけど、やっぱりまだまだ甘えちゃう年頃。


いや、ただ単にいやしい奴なのかも。


でもおごりって響きは魅力的だしさ…。


それに、なにより剛さんともっと仲良くなりたいって思った。

⏰:09/02/03 21:25 📱:SH901iC 🆔:HYcai0m6


#207 [ゆーちん]
ファッションセンスや佐奈にはもちろん、俺たちまでへの優しさ。


人として、男としてカッコイイじゃん。


何か…憧れる。


「もちろん。心くん、いつなら暇?」


店内に飾っていたカレンダーを見て、覚えている限りのバイトが休みの日を告げた。

⏰:09/02/03 21:25 📱:SH901iC 🆔:HYcai0m6


#208 [ゆーちん]
剛さんは携帯電話のカレンダーを見て確認している。


「OK。あとは凜ちゃんの都合聞かないとね。」

「凜ちゃんってバイトしてんのー?」


佐奈ちゃんの質問に俺は『していない。』と答えた。

⏰:09/02/03 21:30 📱:SH901iC 🆔:HYcai0m6


#209 [ゆーちん]
凜の家は金持ちで、親から毎月有り余るほどのお金が振り込まれているらしい。


バイトなんかしなくても、凜は好きなように過ごせる。


羨ましい事だよな。


凜はどう思ってるのかは、わかんないけど…。

⏰:09/02/03 21:31 📱:SH901iC 🆔:HYcai0m6


#210 [ゆーちん]
「んじゃ、また行ける日わかったら連絡してよ。調整して、行ける日が合えば飯に行こうな。」

「はい!ありがとうございます!」


約束を交わしたところで、二人のラーメンが出来上がった。


何だかんだで食べ終わった佐奈たちは、またねと言って仲良く帰って行った。

⏰:09/02/03 21:32 📱:SH901iC 🆔:HYcai0m6


#211 [ゆーちん]
佐奈、今日は1杯しか食べなかった。


調子でも悪いのかな?


あ、もしかして剛さんの前だからぶりっ子してるとか?


何だかんだ言って、あいつも女の子なんだなぁ〜。


「江森、何笑ってんだ?」

⏰:09/02/03 21:32 📱:SH901iC 🆔:HYcai0m6


#212 [ゆーちん]
マスターが俺の顔を不思議そうに覗き込んでいた。


「えっ、俺、笑ってました?」

「前にもこんな事あったよな。お前やっぱどっか悪いのか?だったら無理すんじゃねぇぞ?」

「アハハ…大丈夫っすよ。すみません。」

⏰:09/02/03 21:35 📱:SH901iC 🆔:HYcai0m6


#213 [ゆーちん]
そのあとは、きちんと気を引き締めて仕事に取り組んだ。


めり張りは付けないとね。


無我夢中で働いていると、あっという間に上がる時間。


「お疲れ様でした!」

⏰:09/02/03 21:36 📱:SH901iC 🆔:HYcai0m6


#214 [ゆーちん]
店を飛び出し、凜のマンションまで急いだ。


息を切らしながら、インターホンを鳴らす。


「はい。」

「俺。」

⏰:09/02/03 21:36 📱:SH901iC 🆔:HYcai0m6


#215 [ゆーちん]
合い鍵を使わなくても、こうやってインターホン鳴らして入る事を覚えた俺。


つーか普通、こっちが常識だよな。


合い鍵使っていきなり行くのも非常識っていうか…。


島にいた頃は、プライバシーだのマナーだの、そんなの全然考えなかったから、本島に通うようになって改めて気付かされる事ばっか。

⏰:09/02/03 21:37 📱:SH901iC 🆔:HYcai0m6


#216 [ゆーちん]
何が普通で、何が普通じゃないのか。


なかなか難しいよ。


鍵が開き、中に入る。


「どちら様?」


意地悪く笑う凜が出迎えてくれた。


「俺様。」

「つまんない。」

「ウケると思ったんだけどな。」

⏰:09/02/03 21:37 📱:SH901iC 🆔:HYcai0m6


#217 [ゆーちん]
『まだまだ笑いのセンス低いね。』と言った凜は、ソファーに座る。


俺も凜の隣に座った。


「凜ちゃんさ、いつ暇?」

「何いきなり。」

「佐奈と剛さんが今日バイト先に来てくれて、マジでこの前のお詫びにご馳走してくれるんだって。」

⏰:09/02/03 21:38 📱:SH901iC 🆔:HYcai0m6


#218 [ゆーちん]
「本当に?」

「うん。だから俺のバイトが休みの日と凜ちゃんの暇な日を合わせて、剛さんに連絡しないといけないの。」


そういう事か、と納得しながら凜はスケジュール帳を開き、自分の予定と俺のバイトの休みを照らし合わせていった。

⏰:09/02/03 21:39 📱:SH901iC 🆔:HYcai0m6


#219 [ゆーちん]
「この日とこの日なら開いてる。ほら、心もその日は休みだし。」


凜は自分のスケジュール帳と俺のシフト表を指差しながら俺に言ってくれた。


「本当だ。んじゃさっそく剛さんに連絡入れとくねー。」

⏰:09/02/03 21:42 📱:SH901iC 🆔:HYcai0m6


#220 [ゆーちん]
さっき佐奈から送って来てもらっていた剛さんのメールアドレスに、俺と凜の都合のいい日を書いて送信した。


「まさか本当に連れてってくれるなんてねー。優しい人だね、剛さん。」

「だよねー。服装も超カッコイイんだよ?こないだはタンクにパンツ一枚だったけど。」

⏰:09/02/03 21:43 📱:SH901iC 🆔:HYcai0m6


#221 [ゆーちん]
「あぁ、そういえば。」

「あの姿は忘れてって剛さん言ってたよ。」

「でもあの姿の剛さんは印象深いしなぁ。」

「…それもそうだね。」


そんな話をしていると剛さんから返事が来た。


自分の都合と俺たちの都合を上手く調節してくれて、来週会う事になった。

⏰:09/02/03 21:44 📱:SH901iC 🆔:HYcai0m6


#222 [ゆーちん]
凜はさっそくスケジュール帳に書き込んでいた。


俺も忘れないようシフト表に【剛さん】と書いておいた。


「時間とか場所はまた改めて連絡くれるって。」

「わかった。」


また1つ、夏休みのお楽しみが増えた。

⏰:09/02/03 21:44 📱:SH901iC 🆔:HYcai0m6


#223 [ゆーちん]
夏休みはバイト尽くしだけど、もちろん遊びも忘れない。


竜や大輝、他にも同じクラスの奴や島の奴らとも夏を満喫した。


待ちに待った剛さんとの食事会が近付くにつれ、俺のココロが弾んでいく。

⏰:09/02/04 17:48 📱:SH901iC 🆔:LN85bOO.


#224 [ゆーちん]
「それって恋じゃない?」

「え?」


紅茶を飲みながら凜は言った。


「剛さんに惚れた?」

「…そうなのかも。」

「どっか行っちゃえ。」

⏰:09/02/04 17:48 📱:SH901iC 🆔:LN85bOO.


#225 [ゆーちん]
バイト前に凜の部屋に立ち寄った俺。


こうやって冗談言い合って笑い合う時間が幸せだし、日頃のバイト疲れを癒してくれた。

⏰:09/02/04 17:49 📱:SH901iC 🆔:LN85bOO.


#226 [ゆーちん]
「ねぇ。」

「はい。」

「バイトまでまだ時間あるよね?」


全然余裕。


バイトの何時間も前から凜の部屋に転がり込むからね。


「あるよ。」

「ちょっと買い物付き合って。」

⏰:09/02/04 17:53 📱:SH901iC 🆔:LN85bOO.


#227 [ゆーちん]
紅茶を飲み終えた凜は、サッと化粧直しをし、出掛ける準備を始めた。


「どこ行くの?」

「繁華街。明後日、千夏と遊ぶんだけど、千夏もうすぐ誕生日でしょ?だからプレゼント買いたくて。」

「あぁー、そういえば夏生まれだっけ。」

⏰:09/02/04 17:53 📱:SH901iC 🆔:LN85bOO.


#228 [ゆーちん]
同じ島で15年間一緒に育ってきた。


だから誕生日もなんとなくなら覚えてる。


学校の行事として誕生日を祝ったことはあるけど、個人的には祝ってあげたことなんかない。

⏰:09/02/04 17:58 📱:SH901iC 🆔:LN85bOO.


#229 [ゆーちん]
「よし、俺も何かプレゼントをあげよう!」


と、俺の決意を口に出したところで、凜の支度が終わった。


可愛いワンピースがよく似合う。

⏰:09/02/04 18:00 📱:SH901iC 🆔:LN85bOO.


#230 [ゆーちん]
涼しそうな格好。


あんまり肌とか見せないで欲しいんだけど…まぁ凜ちゃんが好きなファッションに文句は言えないもんね。


「戸締まりして。」

「はーい。」

⏰:09/02/04 18:00 📱:SH901iC 🆔:LN85bOO.


#231 [ゆーちん]
二人は慣れた手つきで戸締まりを済ませ、繁華街へと繰り出した。


暑い。


夏の日差しは容赦なく俺らを照らす。


「いや?」


暑いから繋ぎたくないかな、とダメ元で手を差し出すと、凜は何も言わず繋いでくれた。

⏰:09/02/04 18:01 📱:SH901iC 🆔:LN85bOO.


#232 [ゆーちん]
「フフッ。」

「何笑ってんの。暑さで頭おかしくなった?」

「ワッハッハーッ!」

「フッ。壊れた。」

⏰:09/02/04 18:02 📱:SH901iC 🆔:LN85bOO.


#233 [ゆーちん]
太陽が、凜の笑顔が、凜の手の平が、俺のココロをどんどん熱くしていく。


暑いのはいやだけど、夏は楽しい事だらけ。


夏は全然きらいじゃないよ。

⏰:09/02/04 18:02 📱:SH901iC 🆔:LN85bOO.


#234 [ゆーちん]
額に汗が滲み始めた頃、涼しい店内に入った。


汗がサッと引く。


「生き返る〜。」


クーラーの冷たさが、ほてった体を落ち着かせてくれた。


広い店内を見ながら、あれでもないこれでもないと誕生日プレゼントを探す。

⏰:09/02/04 18:05 📱:SH901iC 🆔:LN85bOO.


#235 [ゆーちん]
途中、主旨から脱線して、『心これ似合うかもよ?』と俺の顔にサングラスや帽子を合わせてはしゃぐ凜が、たまらなく可愛いかった。


「あ、これなんか可愛いし千夏に似合いそう!」


いきなり凜が見つけたのは夏らしい水色の花のピアス。


しばらく悩んではいたが、結局ピアスに決定した。

⏰:09/02/04 18:05 📱:SH901iC 🆔:LN85bOO.


#236 [ゆーちん]
「んじゃ、俺はこれプレゼントするわ!」


女の子の好きなものはよくわからないから、凜が選んだピアスによく似た花が付いているネックレスを選んだ。


「え、それにするの?」

「うん。変かな?」

⏰:09/02/04 18:15 📱:SH901iC 🆔:LN85bOO.


#237 [ゆーちん]
「変とかじゃないけど…」


凜が目を伏せた。


あれ?


俺、何かマズイ事でも言った?


明らかに様子が変わり、千夏のプレゼントより、凜の方が気になってしまう。

⏰:09/02/04 18:16 📱:SH901iC 🆔:LN85bOO.


#238 [ゆーちん]
「凜ちゃん、ごめん。俺なんか変な事言った?」

「変な事っていうか…」

「何?言って。」

⏰:09/02/04 18:16 📱:SH901iC 🆔:LN85bOO.


#239 [ゆーちん]
俺は、鈍感な性格だから。


俺は、女心のわからない男だから。


「…私が、やだ。」

「え?凛ちゃんが?やっぱこのネックレスじゃセンス悪い?」

「違う。そうじゃなくって…」

⏰:09/02/04 18:17 📱:SH901iC 🆔:LN85bOO.


#240 [ゆーちん]
俺は…凛のヤキモチになかなか気づけなかった。


困った顔の凛。


困った顔の俺。


困った困ったで睨めっこしてる場合じゃないんだよ。


「そういうアクセサリーとか、他の女の子にあげないで。」

⏰:09/02/04 18:19 📱:SH901iC 🆔:LN85bOO.


#241 [ゆーちん]
小さな声で凛が呟いた。


「え?」

「ヤキモチ妬いちゃう…千夏に。」

「誰が?」


聞かなくてもわかるのに、俺ってば鈍感で女心のわからない奴で…ちょっと意地悪だから。

⏰:09/02/04 18:20 📱:SH901iC 🆔:LN85bOO.


#242 [ゆーちん]
「私が!もう、何でわかんないのかな?」


ごめん、凛ちゃん。


何となくわかってんだけど、凛ちゃんが照れてる姿なんか滅多に見ないから、すっげー可愛く思えてさ。

⏰:09/02/04 18:20 📱:SH901iC 🆔:LN85bOO.


#243 [ゆーちん]
「じゃあ、これならいい?」


ネックレスの変わりに、見つけ出したのは入浴剤。


「これなら消耗品だし、ね?」

⏰:09/02/04 18:21 📱:SH901iC 🆔:LN85bOO.


#244 [ゆーちん]
凛は急に恥ずかしくなったのか、俺の腕を掴んで、耳元で『心、ムカつく。』と言った。


だから俺は笑いながら謝った。


「ヤキモチの妬き方知ってたんだ。」

「…ウザい!」

⏰:09/02/04 18:21 📱:SH901iC 🆔:LN85bOO.


#245 [ゆーちん]
「アハハ。可愛いね〜凛ちゃんは。」

「もう、ムカつく!鈍感すぎ!」

「ごめんね。心配しなくても俺は凛ちゃん以外の女の子なんか興味ないから。」

⏰:09/02/04 18:22 📱:SH901iC 🆔:LN85bOO.


#246 [ゆーちん]
「それはそれで困る。」

「えぇ〜。」


ちょっぴり不機嫌な凛を家に送り届けてから、バイトに行く。

⏰:09/02/04 18:22 📱:SH901iC 🆔:LN85bOO.


#247 [ゆーちん]
バイト中、またマスターに熱でもあるのか?と不思議がられた。


どうやら俺はニヤニヤしていたらしい。

⏰:09/02/04 18:23 📱:SH901iC 🆔:LN85bOO.


#248 [ゆーちん]
だってさ、嬉しいじゃん。


凛ちゃんがヤキモチだよ?


鈍感な俺も悪いかもしれないけど、ヤキモチだってわかったときは涙が出るほど嬉しかったんだよ。

⏰:09/02/04 18:24 📱:SH901iC 🆔:LN85bOO.


#249 [ゆーちん]
でも俺は泣かなかった。


どう?


ちょっとは大人になったでしょ?

⏰:09/02/04 18:24 📱:SH901iC 🆔:LN85bOO.


#250 [ゆーちん]
そんな、幸せいっぱいの俺と、照れまくってた凛が、剛さんと佐奈との食事会を当日に迎えたのは3日後の事だった。


「今日は本当にありがとうございます。」


凛が剛さんに頭を下げると、『いやいや、こないだのお詫びだから頭なんか下げないでよ!』と自分も頭を下げていた。

⏰:09/02/04 18:26 📱:SH901iC 🆔:LN85bOO.


#251 [ゆーちん]
なんか、性格の良さが滲み出てるよな、剛さんって。


「心。」

「ん?」

「私、なんで心の彼女が凛ちゃんなのか不思議でたまんないんだけど。」

⏰:09/02/04 18:26 📱:SH901iC 🆔:LN85bOO.


#252 [ゆーちん]
「俺だって不思議だよ。佐奈ちゃんの彼氏が剛さんなんてー。」

「…どういう意味だ、コラ。」

「いや、別に。」

⏰:09/02/04 18:27 📱:SH901iC 🆔:LN85bOO.


#253 [ゆーちん]
さっそく佐奈に殺されそうになったけど、なんとか交わして、とりあえず出発。


剛さんの運転は、佐奈と違って、なんだか落ち着いている。


いや、これが普通なのかも。


佐奈の運転が荒れすぎているだけだ。

⏰:09/02/04 22:23 📱:SH901iC 🆔:LN85bOO.


#254 [ゆーちん]
「あ、凜ちゃんさー香奈に聞いたんだけど、お盆に島へ戻るんだって?」


佐奈が助手席から、後部座席の方を覗き込んで来る。


「うん、そうなの。どうせ帰ってくるならお盆においで、っておじいちゃんが。」

⏰:09/02/04 22:24 📱:SH901iC 🆔:LN85bOO.


#255 [ゆーちん]
そうなんです。


凜が島へ里帰りする日が決まりました。


俺、今から超待ち遠しくてさ。


島に戻ってきたらカレー作ってもらいたいな。


凜のカレー、何だかんだで食べ損ねてるから…佐奈のせいでね。

⏰:09/02/04 22:25 📱:SH901iC 🆔:LN85bOO.


#256 [ゆーちん]
「私と香奈もお盆に実家帰るんだ!フェリーの時間合わせて一緒に帰んない?」

「そうなの?うん、是非一緒に!」


佐奈と香奈、そして凜が一緒に里帰りか。


何か、凄いな。

⏰:09/02/04 22:25 📱:SH901iC 🆔:LN85bOO.


#257 [ゆーちん]
すげぇ女が3人、鬼退治にでも来るのかよ。


…なんちゃって。


「剛さんは里帰りとかしないんっすか?」


俺が聞くと、剛さんは『考え中〜。』と言って、笑ったんだ。

⏰:09/02/04 22:26 📱:SH901iC 🆔:LN85bOO.


#258 [ゆーちん]
笑顔もクールっすね〜。


「剛は私が里帰りでいない間に、浮気相手とデートしないといけないから忙しいんだよね〜?」

「そうなんだよ。俺ってモテる男だからさ。」

「死ねばいいのに。」


笑顔の佐奈パンチを受けた剛さん。

⏰:09/02/04 22:28 📱:SH901iC 🆔:LN85bOO.


#259 [ゆーちん]
浮気ネタをもう笑いにできるなんて、内面も外面も大人すぎて本当…リスペクトです、剛さん。


恋にも似た感情を剛さんに抱きながら、俺らを乗せた車は20分かけて目的地に到着した。

⏰:09/02/04 22:29 📱:SH901iC 🆔:LN85bOO.


#260 [ゆーちん]
剛さんオススメのお好み焼き屋さん。


結構綺麗なお店だった。

⏰:09/02/04 22:29 📱:SH901iC 🆔:LN85bOO.


#261 [ゆーちん]
店に入って、注文して、他愛もない話をしていると、出来立てのお好み焼きがテーブルの鉄板に乗せられる。


いただきますをして、4人はお好み焼きを頬張った。


本当に美味しくて、こんなお店を知っている剛さんを天才だと思った。

⏰:09/02/04 22:41 📱:SH901iC 🆔:LN85bOO.


#262 [ゆーちん]
「めちゃくちゃ美味ぇ!」

「だろ?お好み焼きといえばこの店なんだよ。他にも知りたい店とかあったら、いつでも俺に聞いてねー。」


そうだ、剛さんはクラブやご飯屋に詳しいんだ。


知識豊富で、思いやりのある人で、カッコよくて…最高っすよ、剛さん。

⏰:09/02/04 22:42 📱:SH901iC 🆔:LN85bOO.


#263 [ゆーちん]
お好み焼きを食べ終えて、店を移動した。


ゆっくりできるカフェ。


みんなそれぞれ飲み物を頼む。


「私イチゴパフェとカプチーノね。」

⏰:09/02/05 10:19 📱:SH901iC 🆔:YIV4zkBU


#264 [ゆーちん]
えぇー…。


お腹いっぱいお好み焼き食ったじゃん。


まだ食べる気かよ、佐奈。


この間、ラーメン屋で1杯しか食べなかったのは、別にぶりっ子でも何でもなかったんだな。

⏰:09/02/05 10:19 📱:SH901iC 🆔:YIV4zkBU


#265 [ゆーちん]
「相変わらずよく食べるね。」

「そう?心も何か食べなよ。剛のおごりだよ?食べなきゃ損!」

「いやー、俺はもうお腹いっぱいだし。」

⏰:09/02/05 10:20 📱:SH901iC 🆔:YIV4zkBU


#266 [ゆーちん]
佐奈は凜にも『何かデザート食べたら?』と聞いていたけど、少食な凜はコーヒーだけでいいと言った。


「私、トイレ行ってくる。」


凜が席を立つと、佐奈も立った。


「私もついでに行っとこーっと。」

⏰:09/02/05 10:28 📱:SH901iC 🆔:YIV4zkBU


#267 [ゆーちん]
女2人が席を立つ。


俺と剛さんの2人っきり。


おいおいおいおい!


緊張するじゃねーか。


剛さんと、憧れの剛さんと2人っきりなんてさ!

⏰:09/02/05 10:28 📱:SH901iC 🆔:YIV4zkBU


#268 [ゆーちん]
「剛さん!」

「あいよ。」

「色々とお店詳しいんですよね?よかったら、またお勧めのお店教えて下さい。」

⏰:09/02/05 10:29 📱:SH901iC 🆔:YIV4zkBU


#269 [ゆーちん]
煙草を吸いながら、剛さんは答えた。


「もちろん。」


クール!


カッコイイ!


そのお洒落なアゴ髭なんて、俺がしたらネタになりますよ。

⏰:09/02/05 10:31 📱:SH901iC 🆔:YIV4zkBU


#270 [ゆーちん]
「あざーっす!俺、本島には昔からよく来てたんですけど、やっぱまだまだ知らない事だらけで。」

「そっか。俺は生まれも育ちもここだから、結構色々知ってんだわ。凜ちゃんとデートするのにお勧めスポットも教えてやっから安心しろ!」

⏰:09/02/05 10:31 📱:SH901iC 🆔:YIV4zkBU


#271 [ゆーちん]
…一生ついて行きます、剛兄様。


「ありがとうございます!」

⏰:09/02/05 10:32 📱:SH901iC 🆔:YIV4zkBU


#272 [ゆーちん]
凜と佐奈が戻ってきてからも、俺は剛さんの話に夢中になった。


コーヒーや、佐奈のイチゴパフェが運ばれてからも剛さんに夢中な俺。


だってさ、為になる話ばっかなんだもん。


剛さんお勧めの古着屋の話を聞いていると、いつの間にか佐奈はパフェを完食していた。

⏰:09/02/05 10:33 📱:SH901iC 🆔:YIV4zkBU


#273 [ゆーちん]
「帰るか?」


剛さんがそう切り出したのは、みんなの飲み物がからっぽになって、コップの中の氷が溶け切った時だった。


嫌だとは言えない。


まだまだ聞きたい事はたくさんあったけど、ご馳走になった俺らは凜のマンションまで送り届けてもらった。

⏰:09/02/05 10:33 📱:SH901iC 🆔:YIV4zkBU


#274 [ゆーちん]
明日は朝からバイトだから今日は凜の部屋にお泊り。


ラッキー。


幸せな事尽くしだな。


「美味しかったね〜お好み焼き。」

「うん。」

「さすが剛さんだよなー。」

⏰:09/02/05 10:35 📱:SH901iC 🆔:YIV4zkBU


#275 [ゆーちん]
「心さ、剛さんにゾッコンラブすぎでしょ。」


凜が笑った。


「そう?」

「そうだよ。ずーっと剛さんの話、楽しそうに聞いてたし。今日あんまり私と目、合ってないよね。」

⏰:09/02/05 10:36 📱:SH901iC 🆔:YIV4zkBU


#276 [ゆーちん]
「あれ?ヤキモチ?」

「バカ、違うよ。」

「剛さんにはヤキモチ妬かないの?」

「妬かない。」

「千夏には妬くのに?」

「もう!うるさいよバカ!」

⏰:09/02/05 10:36 📱:SH901iC 🆔:YIV4zkBU


#277 [ゆーちん]
誰かにヤキモチを妬くだなんて事を知って以来、凜をからかってばかりだった。


そのたび、『あんな事言わなきゃよかった。』と恥ずかしそうにする凜が可愛くて…癖になっちゃうんだよな。

⏰:09/02/05 10:37 📱:SH901iC 🆔:YIV4zkBU


#278 [ゆーちん]
「剛さんみたいな男になりたいな。」

「心は髭なんか似合わないよ。」

「…やっぱり?」

「自覚あるんじゃん。」

⏰:09/02/05 10:38 📱:SH901iC 🆔:YIV4zkBU


#279 [ゆーちん]
「でも、剛さんは俺の憧れ。カッコイイも〜ん。」

「まるで好きな人を見るような目で、ずっと剛さんの事見つめてたから、まさか心、男が好きになったのかなって心配した。」

⏰:09/02/05 10:38 📱:SH901iC 🆔:YIV4zkBU


#280 [ゆーちん]
好きだけど、それはまた違う【好き】だから。


凜と剛さんへの【好き】は種類が違う。


でもまぁ、わざわざそんな事言わなくてもわかってるだろうけど。


俺が1番好きなのは、大切なのは、愛してるのは凜ちゃんだって事。

⏰:09/02/05 10:39 📱:SH901iC 🆔:YIV4zkBU


#281 [ゆーちん]
「さきにお風呂入ったら?」

「凜ちゃんも一緒に入ろ〜!」

「絶対やだ。」

「…ケチ。」


一人でお風呂。


つまんない。


いつか凜ちゃんと一緒にお風呂に入るぞってのが、俺の目標。


…なんてね。

⏰:09/02/05 10:40 📱:SH901iC 🆔:YIV4zkBU


#282 [ゆーちん]
俺が出ると、入れ代わるように凜がお風呂に入る。


覗いてやろうかと何度も思ったけど、嫌われるのはイヤだから我慢。


凜のお風呂は長風呂で、待ってる間は暇だった。


やっと出てきたと思えば、化粧水だの美容液だの、なかなかベットに入れない。

⏰:09/02/05 10:44 📱:SH901iC 🆔:YIV4zkBU


#283 [ゆーちん]
「眠い。」

「だから先に寝ていいって言ってんじゃん。」

「やだ。風呂も一緒に入れないのに、せめてベットくらい一緒に入る。」

「何だそれ。じゃあ髪の毛乾かしてよ。」


お安い御用だ。

⏰:09/02/05 10:44 📱:SH901iC 🆔:YIV4zkBU


#284 [ゆーちん]
凜のサラサラした髪に、ドライヤーをあてる。


こんな繊細な髪に、ドライヤーの熱なんかあてちゃ悪い気さえする。


しばらくすると髪が乾いた。


「寝よっか。」


やっとベットに入る事ができたのは、俺が風呂から出て、1時間以上経っていた。

⏰:09/02/05 10:45 📱:SH901iC 🆔:YIV4zkBU


#285 [ゆーちん]
「ふぅ〜。」


ベットに寝転がり、溜息を零す。


「今日は美味しかったし、楽しかった。」

「そうだね。」

「早くまた剛さんと遊びたいね。」

「…。」

⏰:09/02/05 10:46 📱:SH901iC 🆔:YIV4zkBU


#286 [ゆーちん]
「あれ?凜ちゃん、寝た?」

「寝た。」

「ブッ。可愛い。んじゃおやすみ。」

「おやすみ。」

⏰:09/02/05 10:47 📱:SH901iC 🆔:YIV4zkBU


#287 [ゆーちん]
目を閉じると、俺はすぐに意識を手放した。


夢も見ずにぐっすり眠った。


おかげで、翌朝はとんでもない一日の始まりを迎えてしまった。

⏰:09/02/05 10:55 📱:SH901iC 🆔:YIV4zkBU


#288 [ゆーちん]
まだ太陽が昇って間もないだろう。


なぜだか目が覚めたんだ。


目を開けると、目の前に凜がいた。


ビックリして声が出そうになったが、凜だと理解した瞬間、何だかたまらなく胸が騒いだ。

⏰:09/02/05 10:55 📱:SH901iC 🆔:YIV4zkBU


#289 [ゆーちん]
だから、ほんの一瞬、触れただけのキスをした。


何も知らずに眠る凜。


やっべー。


朝から暴走してもいいですか。

⏰:09/02/05 10:56 📱:SH901iC 🆔:YIV4zkBU


#290 [ゆーちん]
NOと言われても、俺の欲望だけが先走りしてしまっていた。


唇と手が、勝手に凜に触れる。


下着のつけていない胸を揉み、無防備な唇に強くキスをする。

⏰:09/02/05 11:34 📱:SH901iC 🆔:YIV4zkBU


#291 [ゆーちん]
ここまでして気付かないなんて有り得ない。


凜は目を覚ました。


「…えっ、心?」


いきなりの事でテンパっている凜。


「おはよう。」

⏰:09/02/05 11:35 📱:SH901iC 🆔:YIV4zkBU


#292 [ゆーちん]
「おはよ…てか、何してんの。」

「凜ちゃんに欲情。」

「何言って…んっ。」


目覚めのキスはなかなか受け入れてもらえなかった。


「ごめん…嫌?」

⏰:09/02/05 11:35 📱:SH901iC 🆔:YIV4zkBU


#293 [ゆーちん]
凜は何も答えなかった。


良くも悪くもない、って事だ…きっと。


「続けるよ。」


俺の唇は凜の胸に移動した。


薄っぺらいキャミソールを胸の上までめくり上げると、白い肌が現れた。

⏰:09/02/05 11:36 📱:SH901iC 🆔:YIV4zkBU


#294 [ゆーちん]
胸の先端に何度も何度もキスをする。


俺の頭を掴む凜の手に力が入るのがわかる。


「心…っ…」

「ん?」

「…ンッ。」

⏰:09/02/05 11:37 📱:SH901iC 🆔:YIV4zkBU


#295 [ゆーちん]
久しぶりに聞いた凜の甘い声は、舌で胸の先を転がした時に溢れた。


固くなる胸の先を、指と舌で愛撫する。


本当に小さな声でもがいている凜が可愛かった。

⏰:09/02/05 11:37 📱:SH901iC 🆔:YIV4zkBU


#296 [ゆーちん]
下半身はパイル生地の短パンから細くて白い足が伸びている。


短パンの上から、俺は凜をいじめた。


何度も何度も指を押し当て、凜の苦しむ表情を観察する。

⏰:09/02/05 11:38 📱:SH901iC 🆔:YIV4zkBU


#297 [ゆーちん]
「アッ…」


色っぽい声が溢れ出す凜の短パンと下着を脱がせた時、外で鳥の鳴く音が聞こえた。


俺、朝っぱらから何やってんだろうと思い、一瞬だけ手が止まる。

⏰:09/02/05 11:39 📱:SH901iC 🆔:YIV4zkBU


#298 [ゆーちん]
「…心?」


荒い息をする凜が、不思議そうに俺の顔を覗き込んだ。


「ごめんね、こんな朝早くに。」

「…別に、謝らなくても。」

⏰:09/02/05 11:40 📱:SH901iC 🆔:YIV4zkBU


#299 [ゅず]
ぁげA
この小説大好き☆ャ
応援してますャ頑張って☆

⏰:09/02/05 11:53 📱:913SH 🆔:/2ctAVi6


#300 [ゆーちん]
>>299ぁずさん

ありがとうございます

⏰:09/02/05 12:27 📱:SH901iC 🆔:YIV4zkBU


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