冷たい彼女〔続編〕
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#41 [ゆーちん]
「凜ちゃん。」

「ん?」

「超好き。」

「…心くん、いきなり話し飛んだね。」


冷たかった体はココアで温まった。


飲み干した空っぽのコップをテーブルに置く。

⏰:09/01/30 13:41 📱:SH901iC 🆔:ppkzlLQA


#42 [ゆーちん]
寂しくなった自分の手は、愛しい人の小さな手へと向かう。


凜の手も…温まっていた。


「キスしていい?」


飲みかけのココアが入ったコップをテーブルに置いた凜は笑いながら言った。


「やだ。」


そう呟いたくせに、俺の唇に自分の唇を重ねて来た。

⏰:09/01/30 13:41 📱:SH901iC 🆔:ppkzlLQA


#43 [ゆーちん]
触れただけのキスは、どんどん加速していく。


舌が行き来するキスは、ココアの味がした。


「甘いキスって、こういう事?」


上目になりながら、ニッと笑った凜ちゃんに胸ズキュン。

⏰:09/01/30 13:42 📱:SH901iC 🆔:ppkzlLQA


#44 [ゆーちん]
高校生になって、益々大人っぽくなったし…色っぽくなった俺の彼女。


そんな顔されると、止まんないんだけど。


「ファーストキスはココアの味ぃ〜。」

⏰:09/01/30 13:43 📱:SH901iC 🆔:ppkzlLQA


#45 [ゆーちん]
「別にファーストキスじゃないし?」

「あ、そっか。」

「…バカ心。」


再び交わしたキス。


やっぱり甘い甘いココアの味がした。

⏰:09/01/30 13:43 📱:SH901iC 🆔:ppkzlLQA


#46 [ゆーちん]
「…ねぇ。」


いきなり離れた凜の唇。


「ん?」

「明日バイト?」

「そうだよ。」

「友達と行くかも。」


ニッと笑って、再び俺の唇を塞いだ凜。


「…っ!マジ?」


慌てて唇を離した。

⏰:09/01/30 13:45 📱:SH901iC 🆔:ppkzlLQA


#47 [ゆーちん]
「うん。友達が行きたいって言うからさ。」

「緊張するから!やめて!来ないで!」

「何でよ。心が働いてるところ見たいんだもん。」

「そんなの見なくても別にいいじゃんかー。」

「もう行くって決めたんだから。」

「えぇ〜。明日休もっかなぁ。」

⏰:09/01/30 13:45 📱:SH901iC 🆔:ppkzlLQA


#48 [ゆーちん]
すると凜は優しく笑ってくれた。


「私だって心、好きだよ。好きだから見たいんじゃん。」


あぁー、もうさ。


そんな可愛いこと言われたら、ダメなんて言えないでしょ。

⏰:09/01/30 13:46 📱:SH901iC 🆔:ppkzlLQA


#49 [ゆーちん]
わざと?


作戦?


俺、凜ちゃんにコントロールされてる?


まぁでも凜ちゃんになら操られても、文句はないけどね。

⏰:09/01/30 13:46 📱:SH901iC 🆔:ppkzlLQA


#50 [ゆーちん]
「あんまジロジロ見ないでよ?」

「はいはい!」


その日、数えきれないくらいのキスを交わしてから凜のマンションを後にして、島に戻った。


離れ離れだけどさ、何だかんだで楽しくやってるよ。

⏰:09/01/30 13:48 📱:SH901iC 🆔:ppkzlLQA


#51 [ゆーちん]
●○●○●○●

とりあえず
今日はここで
STOPします

>>2

●○●○●○●

⏰:09/01/30 13:49 📱:SH901iC 🆔:ppkzlLQA


#52 [ゆーちん]
○●○●○●○

隠し事

○●○●○●○

⏰:09/01/31 10:09 📱:SH901iC 🆔:27oj1HQU


#53 [ゆーちん]
翌日。


放課後はいつも通りバイトに励む。


でもいつもと違うのは…。


「凜の彼氏、結構カッコイイね。」

「そう?バカだよ、あいつ。」

「あぁ、確かに。頭は悪そう。」

「悪いってもんじゃないよ。幼稚園児レベル。」

⏰:09/01/31 10:10 📱:SH901iC 🆔:27oj1HQU


#54 [ゆーちん]
凜ちゃんとそのお友達さん。


俺の悪口、めちゃくちゃ鮮明に聞こえるんですけど。


わざと…ですか?


「お待たせしました。しょうゆラーメンとみそラーメンです。」


昨日、凜が言ってた通り、今日は友達とここにラーメンを食べに来た。


あぁー…恥ずかしい。

⏰:09/01/31 10:10 📱:SH901iC 🆔:27oj1HQU


#55 [ゆーちん]
「心、あんたの事カッコイイってさ。よかったね。」


いやいや。


そのあとバカだとか頭悪いとかってけなしてたじゃんかー。


「あ、あざーす。」


聞こえてなかったフリして営業スマイルを見せた俺って、なかなか大人でしょ?

⏰:09/01/31 10:29 📱:SH901iC 🆔:27oj1HQU


#56 [ゆーちん]
そんな俺に凜ちゃんのお友達は言った。


「彼氏さん。」

「はい?」

「面白い事教えてあげよっか?」

「え、何ですか?」


営業スマイルは確かここまでちゃんとできてたはず。


なのにお友達の一言で俺の顔は真顔に戻った。

⏰:09/01/31 10:29 📱:SH901iC 🆔:27oj1HQU


#57 [ゆーちん]
「凜、かなりモテてるよ。告白されまくり。油断してると盗られちゃうかもだから気をつけてね〜。」


そう言った友達に、凜は『もう、いちいちチクんなくていいから。』と笑っていた。


いやいや。


チクるとかじゃなくてさ!

⏰:09/01/31 10:34 📱:SH901iC 🆔:27oj1HQU


#58 [ゆーちん]
「凜ちゃん何それ!マジ?聞いてないよ!」


いきなり話しかけたせいか凜は少し驚いていた。


「えっ…言わなきゃダメ?言っても心、良い気しないでしょ?」

「そうかもだけど…でも…」

「大丈夫だって。私はあんただけで手一杯なんだから心配しなくていいよ。」

⏰:09/01/31 10:34 📱:SH901iC 🆔:27oj1HQU


#59 [ゆーちん]
凜はシレッと言い放ち、ラーメンをすすった。


『美味しい!』と呟いた顔が可愛かった。


「人前でイチャつくなよー。」


お友達に茶化されて凜が笑う。


「あ、すみませーん。」


俺も笑った。

⏰:09/01/31 11:00 📱:SH901iC 🆔:27oj1HQU


#60 [ゆーちん]
何か…俺、すげぇ嬉しい事言われたよね。


凜ちゃん、サラーッと言ったよね。


じわじわと嬉しさが込み上げて来て、俺は何だか脳内ノックアウト状態。

⏰:09/01/31 11:01 📱:SH901iC 🆔:27oj1HQU


#61 [ゆーちん]
ぼんやりしながら厨房に戻るとマスターに心配された。


「江森、大丈夫?」

「あぁ〜、はい。大丈夫っす〜。ヘヘッ。」

「熱でもあるか?」

⏰:09/01/31 11:01 📱:SH901iC 🆔:27oj1HQU


#62 [ゆーちん]
結局、浮かれたままバイトを終えた俺。


「お先で〜す。」

「おぅ、お疲れ。江森、体調悪いなら無理するなよ?」

「余裕っすよ〜?」

「…そうかい?なら、いいけど。気をつけて帰れよ。」

「は〜い、お疲れ様で〜す。」

⏰:09/01/31 11:06 📱:SH901iC 🆔:27oj1HQU


#63 [ゆーちん]
マスターに不思議がられた俺の足は、そのまま凜のマンションに向かった。


合い鍵を使い、部屋に入った。


「あ、やっぱり来た。」

「凜ちゃ〜ん!」

⏰:09/01/31 11:07 📱:SH901iC 🆔:27oj1HQU


#64 [ゆーちん]
いきなり抱き着いた俺に、凜はいつもみたく冷ややかな態度を取る。


「はいはい、わかったから。離してー。」

⏰:09/01/31 11:10 📱:SH901iC 🆔:27oj1HQU


#65 [ゆーちん]
俺の腕の中で無抵抗の凜がいる。


「今日嬉しかったよ〜。」

「何が?」

「俺オンリーなんだね。俺も凜ちゃんオンリーだから!」

「あぁ、別にそういう意味じゃ‥」


ないって言う前に俺は凜の言葉を遮った。

⏰:09/01/31 11:11 📱:SH901iC 🆔:27oj1HQU


#66 [ゆーちん]
「照れない照れない。色んな奴に告白されたっつーのはムカつくけど、凜ちゃんの気持ちは俺だけなんだってわかって泣きそうなくらい嬉しかったよ。」

「あぁ、そりゃよかった。バイト中に泣かなかったのは成長した証拠だねー。」

⏰:09/01/31 11:11 📱:SH901iC 🆔:27oj1HQU


#67 [ゆーちん]
「凜ちゃんがモテるのは百も承知なんだけどー、やっぱ告白とかされてるのは彼氏としては良い気しないね。」

「でしょ?だから言わなかったの。言った方がいいなら、これからはちゃんと報告するけど。」

⏰:09/01/31 11:55 📱:SH901iC 🆔:27oj1HQU


#68 [ゆーちん]
二人でいる時ぐらいキャラ変えればいいのに…。


凜ちゃんはとことん凜ちゃんのまま。


「んー、どうだろ。てか凜ちゃん自信満々だね。まだ告白される気?」

⏰:09/01/31 11:56 📱:SH901iC 🆔:27oj1HQU


#69 [ゆーちん]
「今日来てた友達も言ってたでしょ?私、モテるの。」

「そういう自信たっぷりなとこ好きー!」

「あー、はいはい。わかったからいい加減離して。」

⏰:09/01/31 11:56 📱:SH901iC 🆔:27oj1HQU


#70 [ゆーちん]
やっと抵抗した凜ちゃんを俺の腕から逃がすと、ソファーの方に向かって行った。


だから慌てて俺も追う。


「凜ちゃん。」

「んー?」

「聞きたくないけど、隠し事は無しにしたいから、告白されたらちゃんと報告して?」

「あぁ、うん。わかった。」

⏰:09/01/31 16:58 📱:SH901iC 🆔:27oj1HQU


#71 [ゆーちん]
一件落着。


昨日もしたけど、今日もしたい。


そんな願いを目を閉じながら訴えると、凜は黙って叶えてくれた。


昨日みたいに甘い味はしないけど、幸せなキスだった。

⏰:09/01/31 16:59 📱:SH901iC 🆔:27oj1HQU


#72 [ゆーちん]
そんな春が過ぎて、とうとう付き合って1年が経った。


プレゼントなんてものはなかったけど、デートして、笑って、手繋いで、キスをして…。


そんな柔らかな記念日だった。

⏰:09/01/31 17:01 📱:SH901iC 🆔:27oj1HQU


#73 [ゆーちん]
梅雨が明けて夏が来る。


その夏と一緒にちょっとした事件も来てしまった。


「剛が浮気した!」

「…。」

「どうにかしてよ、心!」

「どうにかって言われても…。」

「何、私のこと見捨てる気?ひっどい男になっちまったな!」

「えー、何キャラ。」

⏰:09/01/31 17:02 📱:SH901iC 🆔:27oj1HQU


#74 [ゆーちん]
正直、げんなり。


この派手派手している女子大生。


西山佐奈。


見た目からもわかる通り…香奈の姉ちゃん。

⏰:09/01/31 17:02 📱:SH901iC 🆔:27oj1HQU


#75 [ゆーちん]
香奈と佐奈は仲が良くて、香奈の彼氏も佐奈の友達なんだってさ。


どうりで香奈が大人びてる訳だ。


いや、大人びてるっつーか…ただの狂暴な女だけど。

⏰:09/01/31 17:06 📱:SH901iC 🆔:27oj1HQU


#76 [ゆーちん]
「佐奈じゃないと俺は生きてけねぇんだって泣き付いて来たのは、どこの誰?てめぇだっつーの、バカハゲ剛ぃ〜!」


姉妹揃って狂暴。


同じ血だよ、間違いなく。

⏰:09/01/31 17:28 📱:SH901iC 🆔:27oj1HQU


#77 [ゆーちん]
「佐奈ちゃんさ、お願いだからもうちょっと声抑えて。」

「抑えてるよ!」

「できればもう少し…」

「チッ。しけたラーメン屋だね。」

⏰:09/01/31 17:28 📱:SH901iC 🆔:27oj1HQU


#78 [ゆーちん]
舌打ちして、うちのラーメン屋の悪口を零す佐奈。


勘弁してくださーい。


マスターに聞かれたら、俺たまったもんじゃないからね?

⏰:09/01/31 17:29 📱:SH901iC 🆔:27oj1HQU


#79 [ゆーちん]
「つか、ラーメンまだ?」

「え、まだ食べるの?」

「当たり前でしょ!やけ食いせずにいられないっしょ?久しぶりに心に会いに来て、実の弟のように可愛がってあげていた心にも冷たくされて…食わずにいられないっつーの!」

⏰:09/01/31 17:31 📱:SH901iC 🆔:27oj1HQU


#80 [ゆーちん]
あぁー、やめて。


怖いから、普通に。


3杯目のラーメンを佐奈の元に運ぶと、まるでお腹がペコペコだったかのように勢いよく食べ始めた。


信じらんない。


こんなガリガリな体なのにどこ入ってんだよ、1杯目と2杯目のラーメンは。

⏰:09/01/31 17:31 📱:SH901iC 🆔:27oj1HQU


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