冷たい彼女〔続編〕
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#481 [ゆーちん]
あー…やばい。
ヤリたいかも。
バイトまであと30分。
んー…、我慢しよう。
体を起こし、凜に抱き着きながら満タンになったとお礼を言った。
「私はキスだけじゃ満タンにならない。」
:09/02/23 22:11
:SH901iC
:VtEpKdxc
#482 [ゆーちん]
どっきーん。
何すか、その色っぽい発言は。
めちゃめちゃ心拍数上がりましたけど!
「まさか凜ちゃん…エッチしたかったとか?」
「自惚れるな、変態!」
:09/02/23 22:12
:SH901iC
:VtEpKdxc
#483 [ゆーちん]
俺の腕から抜け出し、冷ややかな笑顔を見せた凜。
そして、キスをくれた。
何だこれ。
最高に可愛いんですけど、僕の彼女ってば。
どっちが変態だよ。
凜ちゃんも知らず知らずのうちに、相当変態になってるよね〜。
:09/02/23 22:12
:SH901iC
:VtEpKdxc
#484 [ゆーちん]
ややムラムラ気分を残したまま、バイトの時間になったので凜とバイバイした。
バイト先に到着すると、真っ先に矢崎先輩が駆け寄って来た事に、俺は思わず笑みを浮かべた。
「先輩、お疲れ様でーす。」
:09/02/24 08:12
:SH901iC
:cic0lmnk
#485 [ゆーちん]
「おっ、おう。お疲れ様。江森、あっ、あのさ。ちちち千夏ちゃんに…」
何でこんな動揺してんだ?
思わず吹き出してしまった。
「ギャハハハ!先輩焦りすぎっすよ!」
「そりゃ焦るだろ?で、その千夏ちゃんは?どうなったんだよ!」
:09/02/24 08:13
:SH901iC
:cic0lmnk
#486 [ゆーちん]
正直に教えてあげようか、それともからかってみようか…。
「江森ぃ、そんなに焦らすなよ。」
俺は器用じゃないから、先輩をからかってみるだなんて無理だね。
それに俺、そんなキャラじゃないし。
:09/02/24 08:13
:SH901iC
:cic0lmnk
#487 [ゆーちん]
携帯電話を取出し、アドレス帳から千夏を探した。
そして【千夏】と表示された画面を先輩に見せる。
「千夏も先輩と仲良くなりたいみたいなんで、先輩から連絡してあげてください。」
:09/02/24 08:15
:SH901iC
:cic0lmnk
#488 [ゆーちん]
「…へ?」
何かよくわかってない様子の先輩。
「ほら、早く赤外線の準備してくださいよ。千夏の連絡先知りたくないんっすか?」
やっと理解のできた先輩はパーッと笑顔を咲かせ、自分の携帯電話を取り出した。
:09/02/24 08:15
:SH901iC
:cic0lmnk
#489 [ゆーちん]
赤外線完了。
「先輩から連絡してあげてくださいよ?」
「おぉ、おう。わ、わかってる!」
大丈夫かな、先輩。
「江森、ありがとな!」
笑ってくれた、先輩。
喜ばれると俺まで嬉しくなる。
:09/02/24 08:16
:SH901iC
:cic0lmnk
#490 [ゆーちん]
その日のバイトでの先輩は、とんでもなくご機嫌で常連さんにも『何かいい事あったのか?』とからかわれていたぐらい。
喜ばれる事をすると、自分を褒めたくなるのはなぜなんだろう。
そんな事を思うのは、俺ぐらいなのかな?
:09/02/24 08:16
:SH901iC
:cic0lmnk
#491 [ゆーちん]
毎日が楽しそうな竜や千夏、それに先輩を見ていると、いつの間にか秋が近付いていた。
竜は相変わらず友達以上恋人未満の関係を楽しんでいるらしく、告白する機会を伺っているらしい。
:09/02/24 08:18
:SH901iC
:cic0lmnk
#492 [ゆーちん]
千夏と先輩はもうあと一歩。
お互い好きなのに、どちらも照れてしまい告白できずにいる。
そんなじれったい関係、見ているこっちがウズウズしてしまうんだ。
そんな秋の入り口。
凜の人生も変化しようとしていた。
:09/02/24 08:18
:SH901iC
:cic0lmnk
#493 [ゆーちん]
:09/02/24 08:19
:SH901iC
:cic0lmnk
#494 [ゆーちん]
○●○●○●○

震える声
○●○●○●○
:09/02/26 18:13
:SH901iC
:RwRUDo6M
#495 [ゆーちん]
「冬休みにね両親が来るの。」
凜はマグカップを握りながら呟いた。
「そうなの?よかったね。」
ココアを飲んだ凜の表情は【よかった】とは程遠いものだった。
:09/02/26 18:14
:SH901iC
:RwRUDo6M
#496 [ゆーちん]
「そうでもないよ。」
「どうして?」
「今までは海外を飛び回ってたんだけど、来年からはアメリカに留まれるみたいなんだ。」
「へぇ、いいねアメリカ。」
軽い気持ちで聞いていたけど、凜の次の言葉で俺の心臓は大きく波打った。
:09/02/26 18:15
:SH901iC
:RwRUDo6M
#497 [ゆーちん]
「私をアメリカに連れて行くって、お父さん張り切ってるんだって。」
…それって、つまり。
「凜ちゃんがアメリカに行っちゃうって事?」
「…かもしれない。」
:09/02/26 18:16
:SH901iC
:RwRUDo6M
#498 [ゆーちん]
思わず凜の手を握っていた俺。
「泣きそうなんだけど。」
「フフッ。何で?」
「凜ちゃんいないと生きてけないもん。」
そんな女々しい事を言ってる男なんて、頼りないって思われただろうな。
:09/02/26 18:17
:SH901iC
:RwRUDo6M
#499 [ゆーちん]
だけど本当なんだ。
俺は凜がいないと無理だから。
海外なんかに行くだなんて、耐えられない。
「寂しいから行かないで。」
「…その言葉をどうして卒業の時に言ってくんなかったのよ。」
:09/02/26 18:18
:SH901iC
:RwRUDo6M
#500 [ゆーちん]
数ヵ月前の事を思い出し、凜は笑ってた。
あのおかげで、俺は今、寂しいから行かないでと素直に言うって事を学べたんだ。
「あの時はごめん。でも今は…話そらさないで。」
「あぁ、うん。ごめん。」
:09/02/26 18:18
:SH901iC
:RwRUDo6M
#501 [ゆーちん]
「凜ちゃんはお父さん達に何て言ったの?」
「行きたくないって言ったよ。」
「だったら…」
「心。あの時とは違うんだよ。島から本島に行くのと、本島からアメリカに行くのは訳が違う。」
:09/02/26 18:20
:SH901iC
:RwRUDo6M
#502 [ゆーちん]
凜は続けた。
「それに私まだ未成年だし。親のすねかじりながら生きてるんだから、お父さん達の言う事も聞かなきゃいけないんだよ。久しぶりにまた3人で暮らせるんだから、本当は喜ばなきゃいけないの…」
:09/02/26 18:30
:SH901iC
:RwRUDo6M
#503 [ゆーちん]
まさにその通り。
俺は何も言えなかった。
「こんな事になるなら、最初から連れてって欲しかったよ。」
「何で?」
「心たちに会わずに済んだのに…離れたくないって、思わずに済んだのに…」
:09/02/26 18:30
:SH901iC
:RwRUDo6M
#504 [ゆーちん]
凜の声が震えた。
「心、私どうしたらいいんだろ。」
「…凜ちゃん。」
「心や香奈たちと一緒にいたいよ。でも…お父さんとお母さんと一緒にいたい気もするの。」
「うん。」
「どうしよう。心と離れたくないよ。」
:09/02/26 18:31
:SH901iC
:RwRUDo6M
#505 [ゆーちん]
そう言って抱き着いてきた凜は、泣いていた。
どうする事もできない。
「俺だって離れたくない。」
寂しい、行くな、離れたくない、って伝えても敵わない場合もあるんだ。
:09/02/26 18:33
:SH901iC
:RwRUDo6M
#506 [ゆーちん]
「心も一緒に来てよ。」
「うん、行きたい。」
「香奈も澪も千夏も美穂も…みんな連れて行きたい。」
「佐奈ちゃんも、おじいちゃんおばあちゃんも、トメばあちゃんも、心の家族も…離れたくないよぉ。」
:09/02/26 18:35
:SH901iC
:RwRUDo6M
#507 [ゆーちん]
弱った声でそう言った凜を抱きしめてあげる事しかできなくて、もらい泣きした。
「泣くな、バカ心。」
「凜ちゃんが泣くからじゃんかぁ。」
「誰のせいで泣いてると思ってんのよぉ。」
:09/02/26 18:35
:SH901iC
:RwRUDo6M
#508 [ゆーちん]
誰のせいでもない。
これは神様が決めた運命なんだって思った。
泣きじゃくる俺と、綺麗な涙を流す凜。
結局、話は中途半端なまま凜のマンションを後にした。
夜空が腹立たしい程、明るかったのを今でも忘れられない。
:09/02/26 18:37
:SH901iC
:RwRUDo6M
#509 [ゆーちん]
凜の事でへこんでる時に、さらに追い討ちをかけられる俺。
「江森、このままじゃマズイな。」
担任にマズイと叱られたので、俺はしばらくバイトを休み、テスト勉強に集中する事にした。
留年なんて洒落にならないからね。
:09/02/26 20:15
:SH901iC
:RwRUDo6M
#510 [ゆーちん]
テスト勉強だと理由を作り、俺は凜のマンションに毎日通った。
バイトの時間まで、というタイムリミットのない夕暮れ時、俺は真面目に勉強を教わった。
:09/02/26 20:19
:SH901iC
:RwRUDo6M
#511 [ゆーちん]
二人して泣いたあの日から、凜の両親の話には触れなかった。
まだ、どうなるか100%わかった事じゃないし、俺が口を開けばわがままばかり言ってしまうだろうから。
:09/02/26 20:23
:SH901iC
:RwRUDo6M
#512 [ゆーちん]
行かないで、と言ってもまだわからない。
前の時と同じだけど、気持ちを伝える事で凜は安心してくれる。
だから正直に言った。
でも今回ばかりは…まだわからないんだ。
凜の未来にはアメリカが待っているのかもしれないんだ。
:09/02/26 20:27
:SH901iC
:RwRUDo6M
#513 [ゆーちん]
テスト勉強と名付けた口実で、マンションに転がり込んだ4日目。
俺は寂しさや不安などが限界を迎え、凜を抱いた。
キスを求める俺に、勉強しろと怒った凜も、最後は受け入れてくれた。
:09/02/26 20:28
:SH901iC
:RwRUDo6M
#514 [ゆーちん]
キスするたびに、不安になった。
白い肌に指が触れるたびに、寂しくなった。
凜の声が零れるたびに、時間が止まれって願った。
このまま一緒にいたいだけなのに、神様はずるすぎる。
:09/02/26 20:36
:SH901iC
:RwRUDo6M
#515 [ゆーちん]
そんなテスト期間が過ぎ、結果発表を迎えた。
「んー、何とかギリギリセーフってとこかな。」
担任の言葉に安心したのもつかの間。
油断するなと念を押された。
:09/02/26 20:37
:SH901iC
:RwRUDo6M
#516 [ゆーちん]
「凜ちゃんのおかげだよ。ありがと!」
「あと一歩のところで誘惑に負けないで頑張れば、油断するなって叱られなかったのに。」
まぁ、そうだよね。
でも、欲望に勝てず、凜を抱いた事を除けば結構頑張ったよな、俺。
:09/02/26 20:37
:SH901iC
:RwRUDo6M
#517 [ゆーちん]
バイトを休ませてもらったおかげも大いに関わっている。
いつもならバイトをしている時間に、俺は凜に勉強を教えてもらってたんだから。
【しょうゆ】や【とんこつ】じゃなく、【x】や【y】を書いていた自分がちょっと歯痒かった。
:09/02/26 20:42
:SH901iC
:RwRUDo6M
#518 [ゆーちん]
周りのみんなのおかげで頑張れた。
だから次も頑張らないと。
ご褒美のキスは自分からねだった。
「私さ、最近心に甘いような気がするの。」
「気のせいだよ。」
:09/02/26 20:44
:SH901iC
:RwRUDo6M
#519 [ゆーちん]
そう言って長く甘いキスをした。
気のせいなんかじゃないんだ。
凜は、確実に俺に優しくなってきている。
時々、甘えすぎる凜を見て思う。
凜ってこんな子だっけ?って。
複雑だけど、こればっかりはやっぱ嬉しいもんだよ。
:09/02/26 20:45
:SH901iC
:RwRUDo6M
#520 [ゆーちん]
自分の好きな人がココロを開いて、性格まで穏やかになっていくってのは。
甘いキスは二人の息が乱れるまで交わし合った。
:09/02/26 20:46
:SH901iC
:RwRUDo6M
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