冷たい彼女〔続編〕

バイトを休ませてもらったおかげも大いに関わっている。

いつもならバイトをしている時間に、俺は凜に勉強を教えてもらってたんだから。

【しょうゆ】や【とんこつ】じゃなく、【ｘ】や【ｙ】を書いていた自分がちょっと歯痒かった。

周りのみんなのおかげで頑張れた。

だから次も頑張らないと。

ご褒美のキスは自分からねだった。

「私さ、最近心に甘いような気がするの。」

「気のせいだよ。」

そう言って長く甘いキスをした。

気のせいなんかじゃないんだ。

凜は、確実に俺に優しくなってきている。

時々、甘えすぎる凜を見て思う。

凜ってこんな子だっけ？って。

複雑だけど、こればっかりはやっぱ嬉しいもんだよ。

自分の好きな人がココロを開いて、性格まで穏やかになっていくってのは。

甘いキスは二人の息が乱れるまで交わし合った。

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>>2

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キョウダイ

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『アメリカに行く事にする。』と言ったのは冬休みに入る１日前だった。

「ハタチになったら帰って来る。それまでも夏と冬には帰って来る。」

「うん。」

「だから…」

どうやら江森家は遠恋家系らしいんだ。

父ちゃん達も遠恋だったけど、じいちゃん達も遠恋だったらしい。

最近知ったんだけどね。

「アメリカと日本。年に２回の帰国。３年後にはまた日本に戻って来る…んだよね？」

「…そ。」

切なげな顔をする凜に言った。

「待ってるから。」

凜の顔はパッと明るくなった。

俺の一言なんかで。

「…いいの？」

「うん。夏と冬に帰って来てくれんなら俺大丈夫だから。」

「…本当に？」

「俺には凜ちゃんしかいないから。」

今も不思議に思う。

凜みたいな美人で素敵な女の子が俺を好いていてくれてるって事。

嬉しいし自惚れちゃうし幸せだし…だけど疑問も多くて。

俺が彼氏でいいの？とかね。