スーパースター、スーパーヒロイン
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#70 [Gibson]
「ねぇ、ナナ?
ナナたちはどうして、私たち人間を助けようとするの!?

その、何て言うか…。」

ナナたちは人間じゃないから―
人類がどうなろうと、関係ない気もするけど…―

「…食物連鎖という言葉を知っているな?

微生物は土の中の養分を食べ、その微生物を虫が食べる。

その関係において、我々は普段、人間から放たれる見えないエネルギーを自らの蓄えとしている。」

「へぇ!?そうなの?」

⏰:09/02/07 21:59 📱:SH705i 🆔:jBtSb0nA


#71 [Gibson]
「それはどんな人間からのエネルギーでも、良いという訳ではない。
この国でしか、我々の必要な栄養分は得られない。

つまり、大勢の人間に死なれては困るということだよ。」

共倒れ、って奴ね―

「ねぇ、組織の目的は何なの!?
日本人を憎んでるなら、もっと一気に殺せばいいような気もするけど…。」

人殺しもちまちましててさ、イマイチ回りくどいのよね―

⏰:09/02/07 22:07 📱:SH705i 🆔:jBtSb0nA


#72 [Gibson]
「復讐には二つのパターンがある。
全てを瞬時にして跡形もなく失くす形と、ジワリジワリといたぶりながら消し去っていく形がある。

狙われてる者は皆、この国の発達において、大きな役割を果たしてきている。

その被害がもっと拡大すれはどうなるか?
主導者を瞬く間に失ったこの国は、混乱し始め、パニックを引き起こす。」

「つまり、復讐のパターンの後者の方ね…。」

怖いな…―
私たちのこと、そんなに憎んでるんだ…―

⏰:09/02/07 22:18 📱:SH705i 🆔:jBtSb0nA


#73 [Gibson]
ナナから色んな話を聞いている内に、17階に到着した。
階に着いてから、一つ一つの部屋のプレートを確認する。

「…第2実験室。ここね。」

大きな扉のドアノブに手をかける。
幸い、ドアに鍵は掛かっていなかった。

「ひゃあー!学生時代でいう、理科室って所!?
広さは比べものにならないけど…。」

暗幕のカーテンで閉ざされた室内を、色んな実験器具を見ながら歩き回る。
独特の薬品の臭いに、少し酔いそうになる。

⏰:09/02/07 22:28 📱:SH705i 🆔:jBtSb0nA


#74 [Gibson]
「…んー。爆弾らしきものはどこにもないみたいだけど…。」

隅から隅まで探し回ってみるが、何度確認しても見当たらない。

「ダン、ここで間違いないのか?」

「…100%とは言い切れない。」

「現在の時刻は11時…。後1時間か…。」

ナナの表情に、焦りが見える。

⏰:09/02/07 22:39 📱:SH705i 🆔:jBtSb0nA


#75 [Gibson]
「爆発する時間は、正午ジャストなの?」

「ああ。それは間違いない。奴らは太陽が最も上昇した時に、計画を実行する。」

ナナが腕組みをしたまま言った。

「ふーん…。
ねえ、ダン。この建物全体の見取り図とか持ってる?」

「ん?これがそうだが…。」

彼が、小さな電子ノートのようなものをを渡す。

⏰:09/02/07 22:45 📱:SH705i 🆔:jBtSb0nA


#76 [Gibson]
「…やっぱり。」

「どうかしたのか!?」

ナナが私のぼやきに反応する。

「この建物は、15階から上の階は、実験室や保管所で覆いつくされているの。
つまり、人の出入りがあまりないって言う訳。
この階だって、私たち以外に人の気配はなかったし。

彼らは爆弾で人間を始末することが目的なのよね!?
だったら、もっと下の階を狙うんじゃない!?」

⏰:09/02/07 22:55 📱:SH705i 🆔:jBtSb0nA


#77 [Gibson]
「「なるほど…。」」

ナナとダンの声が重なる。

「…とまあ、ここまでは予測できても、肝心なのは爆弾のありかよねー。

昼の12時でしょー…。
ご飯時に狙われちゃしゃーないよねー。」

ん、まてよ…!?―

⏰:09/02/07 23:00 📱:SH705i 🆔:jBtSb0nA


#78 [Gibson]
「分かったよ!爆弾の設置場所!」

「本当か!?」

無我夢中で、実験室を勢いよく飛び出す私。

17階まで上りつめた階段を、全力疾走で一気に駆け降りる。

ナナとダンが、それを必死に後ろから着いていく。

1階まで下りず、とある階にたどり着くと、通路を右に曲がる。

⏰:09/02/07 23:08 📱:SH705i 🆔:jBtSb0nA


#79 [Gibson]
「…ここよ!」

「…厨房?」

私たちがやって来たのは、5階にある、主に調理が行われている場所であった。
それは、社内食堂と隣り合わせになっている。

「お昼になると、社員が昼食を求めて、食堂にどっと押し寄せる。
大勢の人を爆死させるなら、うってつけの場所じゃないかしら?」

「見事な推測だ、紗世子。」

⏰:09/02/07 23:23 📱:SH705i 🆔:jBtSb0nA


#80 [Gibson]
「そして、尚且つ人目につきにくい所…。」

私たちは裏側へと回って、食糧庫の前に着いた。

「11時15分…。急がなきゃ…。


腕時計に目をやる。

ここだと確信を持ち、一旦乱れた呼吸を落ち着かせる。
その時、自分がドアノブを回す前に、扉が開いた感覚があった。

⏰:09/02/07 23:31 📱:SH705i 🆔:jBtSb0nA


#81 [Gibson]
ドンッ!―

ドアが開いた瞬間、私の体が背後へと吹き飛んだ。

そのまま数メートル後ろへと、急ブレーキをかけたように地面へと滑り込む。

「痛ッ…。」

動きが完全に止まった後、防御に優れたモビルスーツを着ているというのに、腹部に激痛が走る。

そして食糧庫から、覆面を被った男が出てきた。

⏰:09/02/07 23:42 📱:SH705i 🆔:jBtSb0nA


#82 [Gibson]
「ククク。お前ら、まだ我々を追っていたのか…。」
男の、この世のものとは思えない、まがまがしい声が響き渡る。

どうやら私は、この男に咄嗟に腹部を殴られたらしい。

「"カラス"!貴様らの方こそ、まさか復活を遂げていたとはな!」

"カラス"?
それが組織の名称…!?―

攻撃のダメージでぼんやりとする意識の中、ナナと男の会話を聞く。

⏰:09/02/07 23:52 📱:SH705i 🆔:jBtSb0nA


#83 [Gibson]
「フン。70年前、お前らが雇ったっていう千葉瑠璃子は、随分甘かったよ。

当時の組織の子供らだけは、見逃してやろうって言うんだからな。

まあそのお陰で、俺もこうして存在しているのだがね。ククク。

そして我々は、長らく復讐のチャンスを待った!
そして時を経て、組織の数を増やし、今こうして計画を実行しているのだ!」

男が拳を握りながら、不気味に声高らかに笑う。

⏰:09/02/07 23:59 📱:SH705i 🆔:jBtSb0nA


#84 [Gibson]
「そしてまた、こんな人間の小娘をアテにしているのか。

たった一撃で、立ち上がれないほどダメージをくらうとは…とんだ使えない奴だ。」

「っ…!」

男が、私の髪の毛を引っ張り、顔を上げる。

「我々は相手が誰であろうと、決して容赦はしない!

自然界を破壊し続け、その痛みすら感じない貴様ら人間など、苦しみもがきながら滅びるといい!」

男が一発、二発と、拳に強く力を入れて、私の顔面を殴る。

⏰:09/02/08 00:08 📱:SH705i 🆔:KdpEsNy2


#85 [Gibson]
痛い、痛いよ…―

「ククク。まあいい。
あの爆弾は、誰にもどうすることもできまい。
今日はこの場所で、うぬらも灰へと化す運命にあるのだ!
ハハハハハハ!」

男が立ち去っていく。

「紗世子!大丈夫か!?」
男が消えると、ナナが私の元へと駆け寄る。

「…。」

殴られた痛みで、声を出すこともできない。

⏰:09/02/08 00:15 📱:SH705i 🆔:KdpEsNy2


#86 [Gibson]
「すまぬ…。我々の力だけでは、組織には全く太刀打ちできない。

お主一人だけにこんな大役を任せて、申し訳ないと思っている。」

ナナが、乱れた髪を優しく掻き分ける。

「そ…な…こと…な…よ…。」

ナナの要求を引き受けた瞬間から、私はもう、弱音を吐いたり、後戻りすることはできない。

でも、それは想像していたよりも苛酷で、危険で、そして辛い。

⏰:09/02/08 00:41 📱:SH705i 🆔:KdpEsNy2


#87 [Gibson]
「私の…体…。
どん…ど…消…てる!?」
足元から次第に、モビルスーツの下があらわになっていく。

もしかして、変身が解けていってる!?

変身出来るのは一日に一度まで。
今ここで元の体に戻ってしまうのは、かなりの深手となってしまう。

誰も救えないまま、そして私自身も爆発に巻き込まれて死んじゃうのかな…!?―

⏰:09/02/08 00:54 📱:SH705i 🆔:KdpEsNy2


#88 [Gibson]
昨日まで、本当に何処にでもいるようなOLだった。

そんな私が、突然人々の為に闘う運命を告げられて…―
そして、変身によって強い力を手に入れた。

今でもこれが全部夢なんじゃないかって、ううん、夢であって欲しい位だよ。

組織とか、復讐とか、訳分かんないよ。

でも、最後まで諦めずに絶対やるんだ。

まだ死にたくないし、沢山の人が死ぬ悲劇を作りたくない…!―

⏰:09/02/08 01:02 📱:SH705i 🆔:KdpEsNy2


#89 [Gibson]
「くっそぉぉおおー!!」

気力を取り戻すかのように、その場で大きく叫び上げる。

変身した時と同様、再び全身が光熱を放つ。

こんな痛みが、何だって言うのよ。
私の手に、この国の未来がかかっているって言うのよ。
もっとしっかりしなさいよ、紗世子…!―

⏰:09/02/08 01:08 📱:SH705i 🆔:KdpEsNy2


#90 [Gibson]
私の体は、元の姿に戻ることなく、変身が解けそうになった部分も、再びモビルスーツに覆われた。

「…いつまでもこうしちゃいられない…。」

傷だらけの体を起こし、よろめきながら食糧庫へと向かった。

「…あった!爆弾だわ!」

棚の奥の方に置かれてあった、時限装置が設置されてあるそれを発見した。

⏰:09/02/08 01:23 📱:SH705i 🆔:KdpEsNy2


#91 [Gibson]
「…後20分…。」

目の前にある爆弾が、デジタル表示で爆発までのカウントダウンを、正確に刻んでいる。

私には爆弾に関しての、専門の知識がない。
下手にいじって、起爆させてしまったら、元も子もない。

私はそれを慎重に持ち上げ、落とさないように両手で抱えた。

「紗世子、どうするつもりだ!?」

ナナの言葉に返事もせず、食糧庫を出る。

⏰:09/02/08 01:32 📱:SH705i 🆔:KdpEsNy2


#92 [Gibson]
とにかく、人気のない場所へ…―

その思い一心で、1階まで階段を駆け下りる。

そして外に出ると、全力疾走で街を走る。

特異な体質を得た私は、もはや電車や自動車を追い越すことも訳ないほど、凄まじい速さで駆けている。

⏰:09/02/08 01:46 📱:SH705i 🆔:KdpEsNy2


#93 [Gibson]
この辺りの地理は、だいたい把握している。

私は街の外れにある、広い河川敷へとやって来た。

デジタル表示を見ると、残り10秒、9秒、8秒…と、既に時間はほとんど残されていなかった。

「だぁぁああーっ!!」

私は川に向かって、思い切り爆弾を投げた。

⏰:09/02/08 01:53 📱:SH705i 🆔:KdpEsNy2


#94 [Gibson]
3秒、2秒、1秒…―

…ドォォオオン!!

空に、巨大な黒い閃光が放たれた。
物凄い爆発音に、思わず両耳を塞ぐ。

「お、終わった…。」

爆発の煙が、ゆっくりと川の中に垂れ下がっていく。

安心とそれまでの緊迫感から解放された思いで、腰が抜けたように、その場にへなへなと座り込む。

「紗世子!大丈夫かっ!?」

後を追って来たナナが、私の元へと駆け寄る。

⏰:09/02/08 02:02 📱:SH705i 🆔:KdpEsNy2


#95 [Gibson]
数日後―

「ニュースや新聞では全然爆弾騒動のこと取り上げられていないし…なーんか正義のヒロインって言っても、地味な仕事ね!」

私はナナと、爆弾を投げた河川敷に再び来ていた。

命懸けでやったことの扱いのされなさに、少しふて腐れる。

「まあ、爆弾のことも組織のことも、お主以外は誰も知らないのだから。

それに、この任務に華やかさを求めているようでは、まだまだ半人前だな!」

「はぁーい。」

⏰:09/02/08 02:11 📱:SH705i 🆔:KdpEsNy2


#96 [Gibson]
「…私、おばあちゃんの素質を引き継いでないみたい。
すごかったんでしょ、私のおばあちゃんは。」

「いや紗世子、お主は千葉瑠璃子を越える逸材かも知れない。
的確な判断力に行動力、そして、負けん気の心。
今回はどれをとっても素晴らしかったぞ。」

「やっだぁー!急に誉めたりしないでよー!」

嬉しさから、私はナナをどついた。

⏰:09/02/08 02:18 📱:SH705i 🆔:KdpEsNy2


#97 [Gibson]
「それにしても、組織は何故こんなにも私たちに憎悪を抱いてるのかしら?

…まあいいわ、次に奴らがどんな行動を取ったとしても、それにひたすら立ち向かっていくだけよ!」

その場を立ち上がり、ガッツポーズをする私。

「…いい心意気だ。」

人間ではないナナと見る夕日は、いつもよりうんと綺麗だった。

⏰:09/02/08 02:24 📱:SH705i 🆔:KdpEsNy2


#98 [Gibson]
平穏を壊したり、人々を苦しみの中に放り込む、
そんな奴らは、この私が許さないわ。

私たちにどんな憎しみを抱いているのかはわからないけど、そのやり方はきっと間違ってる。

組織はこの手で、必ず崩壊させてみせる…!

それまでは全力で、与えられた任務を遂行するわ!

⏰:09/02/08 02:30 📱:SH705i 🆔:KdpEsNy2


#99 [Gibson]
「あっ、いけない!
今日は7時から、特撮のスペシャルがあるんだった!」

猛ダッシュで河川敷を走る。

「紗世子、本当に生身の姿か?
変身した時みたいに速いぞー!?」

その後を追うナナ。

そう、平和はただそこにあるんじゃない。
人々の手で、作り上げるものよ。

誰の手も借りられない私は、夜空に一つだけぽつんと煌めく星のように孤独だわ。
だけど、寂しく思ったり、くじけたりなんかしない。

その声を聞かなくても、皆が私の力を必要としているのだから。

Chapter01 END.―

⏰:09/02/08 02:43 📱:SH705i 🆔:KdpEsNy2


#100 [Gibson]
 
*即興で考えた話なので、イマイチだったと思います(T_T)

機会があれば、また続きを書きたいと思います(p^_^q)

お付き合いして下さった全ての方、有り難うございました!(>_<)/

⏰:09/02/08 02:48 📱:SH705i 🆔:KdpEsNy2


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