幸せの歌
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#27 [水雄]
次の日の学校、頭の中はモヤモヤしっぱなしだった
心配無いとは返したものの、友人の言葉が気がかりだった

『本人に聞くべきか?いやそれは疑ってることになる、優は人に怪しまれるようなことはしない、信じなきゃ…!』
根拠も無く信じるほど若かった

学校のみんなは浮かれない顔を見て心配してくれていた
大丈夫だから、そう呟いた、本当はみんなに話したかった

⏰:12/12/09 16:54 📱:iPhone 🆔:8OcNPcH6


#28 [水雄]
またほんの少しだけ時間が経って四月
たくさん遊んでたくさん話して、喧嘩も無く過ごしてきた
これからもずっと、一緒の道を歩んでいこう、そんな約束を何度も交わした

そしてある日、思い切ってこう切り出した

僕「優、大阪行こうよ!最近近場ばかりだったからさ、たまにはちょっと違うところに行こうぜ!」

優「うん!行く行く!食べ歩きしたり、買い物したり、楽しめそうだね!いつが良いかな?」

僕「そうだな…来週の日曜日は大丈夫?」

優「うん!楽しみにしてるね!」

実のところ大阪に遊びに行ったことなんてほとんど無かった
しかし楽しみで仕方がなかった

そうこうしてる間に日曜日がやってきた
電車に乗って大阪に向かった、車内でもては離さなかった

⏰:12/12/09 17:07 📱:iPhone 🆔:8OcNPcH6


#29 [水雄]
話がちっとも進んでないなぁ…
書いてると懐かしいくてなんとも言えない気持ちになります

⏰:12/12/09 17:18 📱:iPhone 🆔:8OcNPcH6


#30 [水雄]
自分で書いてて懐かしさに負けて自爆
バカみたいだけどちゃんと書いていきます

⏰:12/12/09 17:47 📱:iPhone 🆔:8OcNPcH6


#31 [水雄]
電車に乗って約2時間、大阪に着いた

優「うーん、大阪久しぶりだなー!お腹も空いたし、食べ歩きしようよ!」

僕「よし、じゃあたこ焼きでも食べに行くか」

美味しいものを食べ、たくさん歩いて、お互い楽しんでいた
優は服を買い、僕は本を買った
HEPの屋上の観覧車で、ゆっくり話をした

僕「今日はありがとな、突然大阪に行こうなんて誘いに付き合ってくれてさ。お目当ての服は見つかったか?」

優「うん!水雄にはまだ見せてないけど、ちょっと感じの違う服買ったんだ〜。次のデートで着てくるから、楽しみにしててね」

僕「うん、楽しみにしてるよ」

⏰:12/12/10 11:04 📱:iPhone 🆔:D.8iEEJk


#32 [水雄]
優「私たち、まだ出会って3ヶ月しか経ってないんだね」

僕「もっと長いものかと思ってたけど、案外短いんだな」

優「もっと他に思う事無いの?」

僕「心底幸せって思ってるよ」

やがて時間も遅くなり、僕たちは帰る事になった
帰りに立ち寄ったディズニーストアで、優が突然立ち止まった

優「このプルートのぬいぐるみ可愛い!欲しいな〜」

そっと値札を見た
一万円のぬいぐるみ、所持金は七千円、当然買えない

僕「よし、じゃあまた今度来た時に買おう!誕生日プレゼントだ、九月まで我慢できるか?」

優「本当に?ありがとう!楽しみに待ってる」

そう言った優の顔はとても嬉しそうだった

優「水雄の誕生日は六月だっけ?」

僕「あぁ、十九日だよ、覚えてくれてたんだな」

優「もちろん、絶対驚かせてあげるんだから」

僕「今言ったら意味無いだろ」

そんなことを話しながら、駅まで歩いた
でもこの約束は叶わなかった

⏰:12/12/10 13:31 📱:iPhone 🆔:D.8iEEJk


#33 [水雄]
四月が過ぎようとしていた
優とは相変わらず喧嘩もせず、楽しく良好な関係を保っていた

ある日優からこんなメールが届いた

優「水雄、来週家に遊びに行ってもいい?」

僕「え?別に大丈夫だけど…」

メールからも分かるほど、優の気持ちは落ち込んでいた

僕「どうかしたのか?」

優「うん…でも直接話したいんだ、別れ話じゃないから安心して」

僕「今は話したくないんだな、無理しなくていい、来週は時間空けとくよ」

優「うん、ありがとう…今日はもう寝るね、おやすみ」

その日がやってくるまで、僕は落ち着くことなんてできなかった

⏰:12/12/10 14:54 📱:iPhone 🆔:D.8iEEJk


#34 [水雄]
五月、ついに優が僕の家に遊びに来る日がやって来た

最寄りの駅で待っていると優が来た

僕「おっす!待ってたぞ!」

優「うん、ありがと…」

どう見ても大丈夫ではない、それでも僕は底抜けに明るく振る舞い、家まで一緒に歩いた

僕「じゃあ上がって、お菓子も用意してあるぞ〜」

それでも優の表情は曇ってる、どうやって聞き出すべきか迷った

僕「…少し頑張り過ぎたか?」

優「…うん」

僕「何があったか、話せる範囲で良いから教えてくれないか?」

その瞬間、優が僕の顔を見た
涙を必死で堪えた、今にも崩れてしまいそうな表情だった

⏰:12/12/10 15:03 📱:iPhone 🆔:D.8iEEJk


#35 [水雄]
優が話してくれた事は、とても悲しいことだった
同じ学校の人達から酷い事を言われ続け、心が悲鳴をあげていた
耳を覆いたくなるような言葉を浴びせられていた、それがとても辛くて悲しかったそうだ

抑えようのない怒りがこみ上げてきた、しかしどうすることもできなかった
優が通っていた学校は女子高で、恋愛どころか身内以外の異性と話すことすら禁止している奇妙な学校だった

下手に僕が動けば、優も罰を受けることになる、それだけは避けなければならなかった

僕「ごめんな、そんなに辛いことがあったのに、気付いてやれなくて…」

優「…ううん、いいんだよ、こうして話を聞いてくれることがありがたいから…」

それでも優の涙は止まらない、肩は震えて声が消えていく
そんな優を真正面から抱き締めた、力強く、大丈夫だよと言い聞かせるように

そして僕は優を抱き締めたまま歌を送った、僕が辛くてどうしようもない時にいつも聴いていた歌だった

⏰:12/12/10 16:43 📱:iPhone 🆔:D.8iEEJk


#36 [水雄]
誰もが皆幸せなら歌なんて生まれない
このフレーズから始まる歌は、THE BACK HORNのキズナソング

ずっと優は泣いていた、でも震えた声で
『ありがとう』
と確かに呟いた
背中を摩りもう一度強く抱き締めた

歌が終わり、もう一度優の顔を見た、笑顔に変わっていた

優「さっきの歌、なんていう歌?」

僕「もう一度歌おうか?」

優「いい!泣いちゃうから。でも良い歌だね」

何があっても一緒だ、改めて強く約束した
それが簡単に崩れるなんて思ってもいなかった

⏰:12/12/10 16:58 📱:iPhone 🆔:D.8iEEJk


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