僕しか知らない君へ
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#272 [太郎]
「中学から働き出すまでずっと付き合ってたし、本気でずっと好きだった。今の俺は必死でチャラチャラしようとしてるけど、それまでの俺はこんなこと全然出来るやつじゃなかった。よく言えば一途とゆうか真面目とゆうか。それがこっぴどく振られてから、俺の中でなんか狂い始めたんだ。もうなにもかも、全てがどうでも良くなった。もうあの頃には戻れないと思うと、それ以上の幸せなんて無いって思ったんだろうな。」
舞は俺の話を聞きながら何故か涙を流していた。
:14/05/10 01:57 :SBM302SH :EpZqM0TA
#273 [太郎]
「浮気ひとつしてこなかった俺が、誰とも付き合わずにやるだけやってみたり。まぁ、クズな事ばっかりしてきた。お前も知ってると思うけど…。」
「…。そんなとき、私と出会ったわけだ。」
「まぁ、そうだな。でも、舞は特別だった。舞には簡単に手も出せなかったし。大事だったよ、お前との時間が。」
「…もう、何が言いたいかわかっちゃったよ。私。もぉ、涙止まらない。」
:14/05/10 02:04 :SBM302SH :EpZqM0TA
#274 [太郎]
「舞にはいつもお見通しだな。今日めちゃくちゃ考えたんだ。ほんとにずっと考えた。」
「うん。わかるよ。」
「俺、やっぱり元カノの事が忘れられない。もう、過去を引きずって今の自分を嫌いになりたくないんだ。」
「うん。うん。」
泣いてるくせに微笑みながら頷く舞を、本当に良いやつだって改めて思った。
:14/05/10 02:09 :SBM302SH :EpZqM0TA
#275 [太郎]
「もう一度、当たって砕けてみようと思う。元カノに、もう一度ちゃんと会って話がしたい。もう無理かもしれない…ってゆうか…多分戻れるとかは無いと思うけど、そうしないと、俺一生クズなままだと思う。元カノとこのまま話すことなく、舞の所へ行っても、俺はきっと元カノを忘れられずにいつまでも舞を傷付ける。」
「うん…。」
「次またこっぴどく振られても、次はもう、潔く諦めて、もうこんなクズな事はしない。昔の俺に戻りたいんだろうな、俺は。」
:14/05/10 02:17 :SBM302SH :EpZqM0TA
#276 [太郎]
「私…待ってちゃダメなの?…だめだったら、私のとこ来てよ…」
涙を浮かべ本当に小さな、小さい声で言った。
「そんな都合良いことしたら俺、男としてマジで終わる気がする。舞を失う覚悟で、こう決意出来たんだ。そんな事出来ないよ。」
「はは…そうだよね。冗談。…冗談とは違うか。でも、純ちゃんらしい答えだね。ほんとに、真面目そのもの。」
:14/05/10 02:22 :SBM302SH :EpZqM0TA
#277 [太郎]
「ほんとにごめん。」
「謝らないでよ、私キャバ嬢だよ?もう何人も本物のチャラい男経験してきてるし、それに比べて純ちゃんが本当は真面目で、すごく真っ直ぐってことくらい、わかってた。その上で、軽いノリで近付いた。ソバにいるために。純ちゃんがたまに罪悪感を感じてる事や、私の事なかなか本気で好きになってくれないとこも、ほんとは気付いてたよ。」
:14/05/10 02:27 :SBM302SH :EpZqM0TA
#278 [太郎]
「やめてよ、なんかダサいじゃん、俺。笑」
「そんな真っ直ぐで真面目な純ちゃんを、こんな育ちの悪い、汚れた私なんかが好きになったらいけないって思ってた。」
「舞…。」
「それでも…本当に、大好きだった。一緒にいる時間幸せだった。大事にしてくれてるのもわかったから。もう、それだけで十分。本当に純ちゃんが、大好きだと思うその子と、結ばれてほしいって心から思ってる。」
:14/05/10 02:31 :SBM302SH :EpZqM0TA
#279 [太郎]
やばい。
涙が出そうだった。
必死でこらえる僕。
「職業とか、育ちとか、自分の事汚いとか、そんな事言うなよ、俺は舞の過去や仕事関係なく、良いと思ったから一緒にいたし、ほんとに楽しかった。」
「もう…こんなに誉め合うのも気持ち悪いね、はは、これ以上純ちゃんがうちにいると、私もっとワガママになって、ぎゅってしてとか、ちゅーしてって言っちゃいそうだから、もう、帰って。…最後のバイバイしよ。」
:14/05/10 02:40 :SBM302SH :EpZqM0TA
#280 [太郎]
涙をこらえているのがバレないように必死で、俺は最後に舞を抱き締めた。
「バイバイ、純ちゃん…。」
「舞…。」
「純ちゃんのばか。」
「なんだよ、最後なのに。」
抱き締めあいながらまた、いつもの俺たちの会話。
「だって私今日誕生日なのに。」
「うわ、ホントだ。」
:14/05/10 02:46 :SBM302SH :EpZqM0TA
#281 [太郎]
「誕生日おめでと。」
「ばーか。キャバ嬢には誕生日何個もあるんだよ。」
「は!?嘘?」
「ふふふ。」
「いや。嘘じゃないだろ。」
「秘密。」
「キャバ嬢こえ〜な。」
「でたでた、そのセリフ。」
「女はこえ〜よ。」
:14/05/10 02:50 :SBM302SH :EpZqM0TA
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