うそつき
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#1 [no name]
乾杯ー!

その声と共に始まるガールズトーク
久しぶりに集まった懐かしい顔ぶれ

店員さんが おめでとうごさいます!
と笑顔でケーキを運んできた。

ケーキは私の前に置かれ
みんなが 揃っておめでとうと口にする

⏰:14/10/21 00:16 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#2 [no name]
ケーキのプレートには

沙耶 結婚おめでとう

びっくりした顔をする私を見て
サプライズ成功!
とまわりのみんなが笑うなか
私はひとり嬉し泣き。

来月 結婚式を迎える私は24歳
数年前まではまだまだ子供だった
わたしたちはすっかり大人になっていた

⏰:14/10/21 00:22 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#3 [no name]
さかのぼること 〜11年前〜


大勢の人が群がる中
クラス分け表が貼られた掲示板の前にいた

新学期の楽しみでもあるクラス分け
周りにいるみんなは
友達と一緒だったり離れてしまったり
喜ぶ人や残念がる人
私は喜べる側だった。

⏰:14/10/21 00:29 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#4 [no name]
仲のいい友達とも一緒

そして、好きな人とも一緒。

新しいクラスに行き名前の順に
指定されている席につく
窓際の後ろから2番目

席替えしたくないほど嬉しい場所
斜め右後ろには好きな人もいたから。

⏰:14/10/21 00:33 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#5 [no name]
「沙耶ー!」

教室を入ってくるなり私の名前を呼び
走って抱きついてきた相手は親友の美奈

「一緒ー!めっちゃ嬉しい!」

美奈はすごい喜んでいた。そして
好きな人とも一緒だから余計喜んでいた。
私と一緒。

⏰:14/10/21 00:36 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#6 [no name]
「沙耶いーなぁー。席変わってほしい」

美奈が小さい声でいうと
私は右斜め後ろに目をむけた。

そう、美奈と私は好きな人が同じ。
美奈は私がその人を好きな事は知らない。

⏰:14/10/21 00:38 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#7 [no name]
美奈の方が好きになるのが早くて
あの人、って美奈に教えてもらった時に
私が一目惚れしてしまったから。

美奈に私も好きになった。

なんかあの頃の私には言えなかった。

チャイムが鳴り美奈が自分の席にもどる
右斜め後ろの人は席にいない。
あれ?休みかな?っておもっていたら
ただの遅刻だった。

⏰:14/10/21 00:41 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#8 [no name]
新学期がはじまってから数ヶ月がすぎたころには
席も近いこともあり
私は右斜め後ろの 大吾 と仲良くなっていた。

もちろん、美奈も。
美奈は可愛いくてクラスでもモテていて
大吾もかっこよくて女の子たちは
多分 好きな子が大吾って子は多かったと思う

⏰:14/10/21 00:45 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#9 [no name]
授業中 消しゴムが私の机の上にとんできた

まわりを見ると大吾がニヤッとこっちを向いて笑った

消しゴムにはノートの切れ端を丸めた紙が
挟まれていて
丸められた紙をひらいた

⏰:14/10/21 00:47 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#10 [no name]
ーなあ、好きなやつおるん?ー

ちょっとドキッとしたけど
紙に返事を書いて紙を丸めて
消しゴムに挟んで大吾に投げた

ーおらへんよー
そう返事を書いて

⏰:14/10/21 00:49 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#11 [no name]
消しゴムのやり取りは続いた
ーへぇー、圭が好きなんじゃないんや?ー

ー圭?なんで圭?ー

ー噂?沙耶は圭が好きってー

ー誰がそんなこというてるん?
そんな大吾こそ好きな人おるん?ー

返事を見るのは少し怖かった

⏰:14/10/21 00:55 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#12 [no name]
ー俺は微妙かなー

ノートの切れ端にかかれた
やりとりはいっぱいになり
またノートをやぶり返事をかいた

ーふーん、美奈とか?ー
聞きたくないけど聞きたかった。

ーさあ、誰かは秘密ー
ー教えてよ!ー
ーお前いうから無理ー

そんなやりとりが続きチャイムが鳴り
大吾の消しゴムは私が持ったままになった。

⏰:14/10/21 00:58 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#13 [no name]
昼休み美奈と話していると
大吾に告白しようと思うって相談された

私は頑張れ!美奈ならいけるわ

って笑った。腹黒っ。自分で虚しくなった。

「沙耶から大吾にいうてよ?」
「え?沙耶から?!」
「だって直接いうのは恥ずかしいしお願い。」

両手を合わしてお願い、一生のお願いと
美奈がいうから承諾し
いうタイミングは沙耶に任せるから
よろしくって言われて
その日は言えないまま、
そして私は大吾の消しゴムを持ったまま
次の日を迎えた。

⏰:14/10/21 01:03 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#14 [no name]
次の日の授業中

大吾に消しゴムを投げると
机に顔をつけて寝ていた大吾が
おきあがり消しゴムの中の紙をひらいた

すぐに消しゴムがとんでくる
ー大吾のこと好きな子いてるんやけどー

ーだれ?ー

ー美奈やでー
ーえ?ホンマに?ー
ー本間に好きって変わりに伝えてほしいっていわれたー

返事を見るのは嫌だった。

ーいーで。付き合う。ー

え、、、。

⏰:14/10/21 01:07 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#15 [no name]
内心すごいショックで、悲しくなった。
これでわたしが美奈にいったら

大吾と美奈は付き合うんや。

授業が終わるまでずっと考えていた。

チャイムが鳴り消しゴムを渡す
ー了解。美奈に言っとくー

⏰:14/10/21 01:09 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#16 [no name]
昼休み。
わたしの机の上で美奈と一緒にお弁当を
食べているとき

意を消して大吾の返事を伝えた

「大吾、いーよ。やって、付き合うって」

「え?えーーーっ!!!!」
美奈は予想通りびっくりしながらも
物凄く喜んでいて
もう、私の片想いは終わりを告げた。

と、思っていた。その時は。

⏰:14/10/21 01:12 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#17 [no name]
美奈と大吾が付き合ったことは
すぐに広まり
美奈と大吾は学校帰りに2人で帰ったりするようになり
幸せそうだった。

⏰:14/10/21 01:13 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#18 [no name]
そうなっても
すぐに片想いの気持ちがなくなるわけもなく
大吾を目で追ってしまっている自分がいて
たまに大吾と目が合うときもあったけど

大吾は
普通になに?って言ってくるから
あ、え、?ってごまかすことがよくあった。

⏰:14/10/21 01:16 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#19 [no name]
中学校3年の冬
美奈と大吾は相変わらず仲良く付き合っていて
私と美奈も仲良くて
3人でいることもよくあった。

その間に私も彼氏ができたけど
大吾より好きになれた人はいなかった。

⏰:14/10/21 01:17 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#20 [no name]
進路選択の時期

美奈は頭がかしこくて
進学する高校は偏差値も高い学校

私は進学の選択肢は3つ
定時制、通信、私立の馬鹿で有名な高校

美奈とは正反対で頭も悪く
内申点とかいうやつも担任には
宛にできひんなって言われていた。

⏰:14/10/21 01:21 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#21 [no name]
卒業式後
進路はそれぞれ決まり

美奈は進学校へ
私は偏差値最低レベルの高校へ

大吾は定時制へ

ばらばらになった。

⏰:14/10/21 01:24 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#22 [no name]
高校に入学すると
校則はゆるく でも可愛い制服
入学式はガヤガヤした中
すぐに友達は出来た。

人は見た目によらないって
本間にそうやなって思えた学校。
いじめなんか絶対ないってくらい
みんなフレンドリーで自由
高校生活は本当に楽しかった。

⏰:14/10/21 01:27 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#23 [no name]
すぐに仲良くなった数人で
大体は一緒にいた。
あずさ、みのり、あい、しほ、まり、あやか
その中でも
あずさとみのりとは
放課後も休みの日もずっと一緒ってくらい
仲良くなって

私の中学校の時の話もした。

⏰:14/10/21 01:31 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#24 [no name]
あずさもみのりもいうことは同じ
とりあえず好きやったっていえば?
それかまだ好きって言えば?
って口々に言われた。

⏰:14/10/21 01:32 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#25 [no name]
大吾のアドレスを知っていたけど
卒業していらい連絡はとっておらず
美奈とも連絡はほとんど取らなくなっていたけど
美奈と大吾が付き合っていることは
知っていたから
大吾に連絡するなんか無理だった。

⏰:14/10/21 01:34 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#26 [no name]
月日は流れ高校生活も3年目に突入し
就職するのか進学するのか
そんな時期を迎えるなか

学年の大半は就職する者ばかりで
学校に行っては求人誌を眺める
そんな生活。

でも 近隣から評判の良くない学校と
いうこともあり正社員新卒募集の
大手企業からの求人は数えるほど

だから自分で仕事を探すことにした

⏰:14/10/21 13:52 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#27 [no name]
高校卒業式 当日
あずさは就職が決まり
他の友達も就職が決まる中
みのりと私は就職が決まらないまま
卒業式を終え

担任にも心配されていた。
何より こんな馬鹿な娘を高校に
行かせてくれた親に申し訳なく思った
とりあえず就職が決まるまでは
高校2年の時から働いているバイト先で
そのままアルバイトを続けることになった

⏰:14/10/21 13:55 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#28 [no name]
高校生活を送っている間は
大吾とも美奈とも
会っていなかった。

美奈とは中学校のとき
大親友とゆうくらい仲が良かったのに
高校にはるとあっけなく
そんな関係はなくなった。

大吾とはたまに地元ですれ違ったり
するときはあったけど
連絡を取り合うこともなかった。

⏰:14/10/21 13:58 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#29 [no name]
高校卒業式後
高校の仲が良かったメンバー男女数名で
その内の友達の地元にある
ロッジ付きのキャンプ場みたいなところで
一泊二日で卒業おめでとうパーティーが
開かれた。

⏰:14/10/21 14:03 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#30 [no name]
もう車の免許を持っている子も多く
当日の夕方に食べ物、飲み物を
買い出しに行き ロッジに到着

人数は10人程度だったけど
二階建てのロッジはとても広くて
キッチン、お風呂、冷暖房完備
テンションは高くなり楽しかった

⏰:14/10/21 14:06 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#31 [no name]
季節は冬、バーベキューコンロが
ロッジの外には設置してあったけど
寒くてバーベキューどころではなく
定番のお鍋に決まり用意をしていたら

続々と人が集まりはじめた

⏰:14/10/21 14:08 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#32 [no name]
え?高校のメンバーだけじゃないんや?

そう思いながらも あずさとみのりと
準備をしていたら
あずさの彼氏で 高校の友達でもある健が

「ごめん、K高の奴らとR高の奴らも来るけど大丈夫?」

⏰:14/10/21 14:10 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#33 [no name]
「はぁ?」というあずさに対して

ごめんごめん、と謝る健。
「まあ、多い方が楽しいしええやん!」
私の一言であずさは でもなー
と言いつつ承諾した。

R高とは大吾が行ってる学校

でも夜の10時をすぎても大吾は来ることはなかった。
R高もK高も何人か遊んだりしたことがあり

大吾と仲がいいメンバーも来ていたから
てっきり大吾も来るんじゃないか?と
少し期待していた自分がいた。

⏰:14/10/21 14:15 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#34 [no name]
時間は夜中の1時をまわり
私とあずさとみのりは
3人でお風呂に入った。

お風呂を上がると
寝ている子もいれば
まだ飲んでる子もいて
熱気が溢れていた部屋とお風呂上がりということもあり
涼しさを求めてロッジの外にある
ベンチに腰をおろした

⏰:14/10/21 14:18 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#35 [no name]
あずさが続いてロッジから出てきた

「大吾くん来るらしいで?」

「え?まじで?」

「R高の子が今さっき電話かかってきたって」

「ふーん」

⏰:14/10/21 14:20 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#36 [no name]
にやにやしながら
こっちを向くあずさ

「良かったな♡」

「好きちゃうし!」

「初恋は別物やん?」

「もー、寝る!」

からかうあずさを置いてロッジの中に入ると
あずさも後ろから追いかけてきて
2人で少し片付けて寝ることにした

⏰:14/10/21 14:22 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#37 [no name]
みんなが転々ばらばらに寝ている中

布団は10人分程度しかないのに
気付けば20人くらいに増えていて
あずさは健の隣へ

私は二階に布団を敷いて
みのり、その他3名ほどいる中に
横になった。

⏰:14/10/21 14:26 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#38 [no name]
部屋の電気は薄暗く
オレンジ色の豆電球が部屋の中を照らす

その時 ロッジの外に車のライト
誰かきたんかな?
誰かの携帯電話がなり
鍵をあける音がした。

ロフトになっている二階にいる私は
下の状況は覗かないとわからないけど
声で誰が来たかすぐにわかった。

⏰:14/10/21 14:30 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#39 [no name]
声の主は大吾

「遅すぎ、みんなこのとおり」

「まぁ、ちょっと用事で」

その時 薄暗い中 あずさの声が聞こえた

「沙耶 上おるでー」

「あいつもおるんや」

こそこそ喋っているつもりだろうけど
丸聞こえ。
少ししてから 階段をのぼる足音

寝たふりをするため
布団を深めにかぶった。

⏰:14/10/21 15:16 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#40 [no name]
二階でもばらばらに寝ていて
私は奥の窓辺の下で寝ていた

「おい、寝とん?」

大吾の声にすごいドキドキして
返事が出来ずにいたら布団をめくられ
思い切り目が合った。

「あ、大吾やん」

なにも知らなかったように振る舞う

⏰:14/10/21 15:18 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#41 [no name]
「なんか、飲む?食べる?」

「いや、大丈夫やけど眠い」

「そりゃ眠いよな、」

というと私の隣に大吾が寝転ぶ

「美奈とはどう?」

「別れた、知らんの?」

「え?いつ?」

「結構前」

ふーん と後はなにも聞かなかった。

⏰:14/10/21 15:22 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#42 [no name]
美奈から何も聞いてないなぁ、
っと思ったけど
今さら なぜ別れたのか
根掘り葉掘り聞いたところで
大吾も嫌かなと思って無言のまま。

⏰:14/10/21 17:48 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#43 [no name]
久しぶりに見た大吾は
中学生の時と変わらず
かっこよくて
幼さはなくなり大人の顔になっていた

⏰:14/10/21 17:49 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#44 [no name]
「来月からどうするん?」

みんなが寝ているせいか小声で話す大吾

「就職決まってない、バイト続行」

「本間アホやな」

「大吾は?」

「俺は定時制やったから昼間は仕事しとるから、まぁ、俺も今の仕事続行」

⏰:14/10/21 17:52 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#45 [no name]
「沙耶と変わらんやん」

「一緒にせんといて」
笑いながらいう大吾の横顔

会ったらやっぱり好きな人ってわかる。
初恋の人だから?
それとも ただ惹かれてるだけ?
憧れなのか。

自分でもよくわからない感情

⏰:14/10/21 17:55 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#46 [no name]
こっちはドキドキして眠れなくなったのに
大吾はいつの間にか眠っていた。

数時間後には外が明るくなり
ロッジの後片付けをして出た

いつもなら
また明日 っていえば
仲良しなメンバーにまた学校で会えて
馬鹿な話で盛り上がって
笑ったり泣いたりしていたけど
明日からそんなこともないと思うと
寂しくなった。

⏰:14/10/21 17:58 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#47 [no name]
春 ー4月ー
バイトをしながら 就職先を決めようとしていた私のもとに
嬉しい話がとどいた。

友達の先輩がファッション関連の通販会社を
していてそこに面接に行かないか?と
友達からのお誘い。

私はすぐに教えてもらった番号に電話をして
面接日を指定され
バイトが終わってからスーツを買いに行った。

⏰:14/10/21 18:02 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#48 [no name]
面接日当日 面接って
物凄い想像をしていた私は
スーツを着て 化粧は薄め
背中まで伸びている髪の毛を
軽く巻いて一つにまとめてくくり
いかにも な服装、身なりで
待ち合わせのカフェに向かう

⏰:14/10/21 18:05 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#49 [no name]
カフェに着くとお店の前で
スーツを着た 綺麗なお姉さんが
立っていて 私に気付き
一緒にカフェに入った。

てっきりこのまま会社に行って面接
って思っていた私は
なにもわからないまま オシャレな
ソファータイプの席についた

⏰:14/10/21 18:07 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#50 [no name]
「コーヒーにする?好きな物たのんで!」
すごく気さくに優しい口調

「あ、コーヒーでお願いします」

店員さんにコーヒーを注文して
履歴書を出してお姉さんに差し出す

「沙耶ちゃんやんね?そんな堅苦しくせんでいーよ?そんな立派な会社ちゃうしね?」

お姉さんは私のいかにも な身なりを見て
笑っていた。

⏰:14/10/21 18:10 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#51 [no name]
後で聞いた話によると
その人が代表取締役 社長だった。

社長を入れて10人程度でやっている
会社で 個人まりしてて
アットホームな会社だった。

⏰:14/10/21 18:13 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#52 [no name]
その面接日の翌月から
働くことになり
バイト先に報告し、就職先を
探していたことを知っていた
バイト先の人達はみんな喜んでくれた。

家族にも就職が決まったことを伝えると
母親は本当に喜んでくれた。
まだはじまってもいないのに社会人気取りだった。

⏰:14/10/21 18:16 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#53 [no name]
仕事は覚えることがたくさんあって
少しPCをさわれて良かったと思いながらも
毎日毎日 仕事を覚えることに必死で
気付けば 入社して三ヶ月がすぎていた。

⏰:14/10/21 18:18 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#54 [no name]
研修期間が終わり晴れて正社員となった
季節は夏

車の免許も取り 会社にもなれ
ファッション関連の会社というから
おしゃれにも敏感になれた と思う。

ある日 仕事が終わって携帯を見ると
何件かある着信履歴の中に
地元の友達からの着信があった

⏰:14/10/21 23:00 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#55 [no name]
「もしもしー」

電話の相手は友達の愛

「沙耶 今からあいとる?」

「仕事帰りでいいなら♪」

「じゃぁ今から遊ぼうよ」

場所を聞いて 向かうと地元の友達が
男女5人
その中には大吾もいて大吾含め 男3人
女は私を入れて3人
久しぶりに集まる顔ぶれに嬉しくなった

⏰:14/10/21 23:04 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#56 [no name]
話によると 何人か誘ったけど
集まったのはこのメンバー

6人とも仕事している子たちで
みんな仕事帰りだった

とりあえずカラオケ行こっ!
愛の一言で 近くにあるカラオケ店へ
ご飯を食べながらカラオケしたり
喋ったり 久しぶりなこともあり
話はつきなかった

⏰:14/10/21 23:07 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#57 [no name]
カラオケ中 マナーモードのままだった
携帯のバイブがなり
メールをひらくと 大吾から
え?
っと一瞬大吾を見たらニヤッと笑い

携帯に視線をもどす

ー2人にならん?ー

ーえ?どうやって?ー

ー俺が先 帰るから沙耶も適当に帰るって言うとか?ー

変な期待をしている自分

ーわかった。ー

そう送ると返事はなく10分程たった時
大吾が席をたち

「ごめん、俺 仕事ミスって連絡来たから行かなあかんなった」

⏰:14/10/21 23:12 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#58 [no name]
周りのみんなは
それやったら仕方無いなーって
大吾はあっさりとカラオケを後にした


どうしよう。なんていうべき?

それから何分かたったとき
着信 大吾

えーっ。
とりあえず部屋から出て電話にでる

⏰:14/10/21 23:14 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#59 [no name]
「演技演技」

と笑いながらいう大吾

「なんていうたらいーかな?」

「ちょっと急用でええやん」

「わ、わかった。」

「○○のコンビニいてるから」

、、、、、。
部屋に戻り みんなに急用ができた
というと 沙耶もかよ!って
言われたけど仕方無いなで カラオケを後にした

⏰:14/10/21 23:17 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#60 [no name]
大吾がいるコンビニに走っていくと
車の前に大吾が立って煙草を吸っていた

「ばれた?」

「ばれてないから」

「ちょっと付き合ってよ」

「これ大吾の車?」

「そう、行こや」

車の助手席に乗り込むと大吾の香水の匂いがした

⏰:14/10/21 23:20 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#61 [no name]
「なにに付き合うん?」

「用事はないけど」

「え?」

車は地元の公園がある駐車場にとまる

「なつかしー!」
「懐かしいやろ?」
それから車内は沈黙、、、

するといきなり
大吾からキス

えっ??!
抵抗することもせず
私はそのキスを受け入れた

⏰:14/10/21 23:24 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#62 [no name]
唇が離れたとき
「嫌じゃないんや?」

小さい声でいう大吾

何も言わず大吾を見ていると
またキスは繰り返され
それと同時に服の中に大吾の手が入ってきた
「ちょ、ちょっと待って!」

「いや?」

「いや、っていうかここはいや」

大吾は笑った

「じゃぁどこならいん?」

⏰:14/10/21 23:27 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#63 [no name]
「さ、さあ?」

「俺んちくる?」

「今日はやめとく、、」

「じゃぁ次あうときな」

っと言って大吾が笑う

⏰:14/10/21 23:29 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#64 [no name]
家まで送ってもらって
部屋に入ると
今さら ドキドキしている自分がいた

なんで?

頭によぎったのは セフレ

セフレみたいな関係になるんじゃないか
そう考えていたけど
大吾に触れたことで愛しさは増し
もし そんな関係になったとしても
相手が大吾なら良いかなって思えた

⏰:14/10/21 23:32 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#65 [no name]
次の日 大吾からまた連絡がきて
週末に会う約束をした

複雑な気持ちと
大吾に会える嬉しい気持ちで
週末までがとても長く感じた

⏰:14/10/21 23:33 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#66 [no name]
大吾に会う当日
仕事が終わり帰宅しても大吾から
連絡はなく
夜 11時すぎに連絡がきた

ー今からあえる?ー

ー大丈夫ー

ー迎えにいくわー

10分後 大吾が迎えに来てくれて
向かった先はラブホテル

やっぱりセフレか、、
大吾は至って普通
部屋に入ると 大吾が先にシャワーを浴びる

そわそわして落ち着かない私
そうしているとシャワーを浴び終えた大吾が上がってきて
次は私がシャワーをあびた

バスローブを着て大吾のもとへ向かうと

おいで という大吾
広いベッドの上に座った

⏰:14/10/21 23:42 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#67 [no name]
薄暗くなった部屋

大吾に身をゆだね
優しいキスから激しいものにかわり

優しく抱いてくれる

こんな関係になるなんて
思ってもいなかった自分だったけど
大好きだった、いや、今でも好きな人に
こうされていることは幸せだった。

⏰:14/10/21 23:45 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#68 [no name]
やり終えたときは少し虚しくもなったけど

大吾はホテルを出るまで優しくて
家まで送ってもらったときも
またな、って笑ってくれた

またな って一言がすごく嬉しくて
また会えるってその時の私は大吾しか見えていなかった。

⏰:14/10/21 23:48 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#69 [no name]
大吾とそんな関係が続くなか
地元のみんなでまた集まることになった

今回は同窓会っぽいかんじで
人数も多く 途中参加で行ったら
20人以上は集まっていたけど
美奈の姿はなかった。

話によると 大学で他県にいるとかで
なかなか地元に帰ってくる時間がないそう。

盛り上がってる最中に参加
だからみんなのテンションについていくのに大変だった

⏰:14/10/22 23:54 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#70 [no name]
その場にもちろん大吾もいたけど
大吾は一番奥の端っこの席
私は正反対の場所にいて少しホッとしていた。

もしかしたら大吾との関係を
誰かが知っているようでドキドキしていた

⏰:14/10/22 23:56 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#71 [no name]
「みんな集まったことやし、あれやろ!あれ!」

テンション高いムードメーカータイプの淳がいう

「この中で 子孫を残すなら誰!?
はい!端っこから!」

みんな えーっ と言いつつも
誰々かな?
っという女の子。
大吾はやっぱり人気だった。

⏰:14/10/23 00:00 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#72 [no name]
そして順番がまわり
大吾の番、、、。

「俺は、、、」

女の子の顔を一通り見渡し

「沙耶かな。」

、、、。え?少しニヤけてしまった自分。

「沙耶を選んだ理由は?!」

淳がテンション高めに問いかける

⏰:14/10/23 00:02 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#73 [no name]
「1番は性格かな?」

それを言われた瞬間
私が良いのではなく、こんなセフレな関係を周りには言わず
大吾からの誘いにノーを言わないさややから
性格がいいって言われてる気がした。

⏰:14/10/23 00:05 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#74 [no name]
「あ、ありがとう」
笑いながら 一言返した。

そして私の番になり

「沙耶は友樹くんかな?」

っと私の目の前にいる中学時代も仲が良く
顔も男前で優しい彼を選んだ
大吾って言いたかったけど、なぜか言えなかった。

⏰:14/10/23 00:08 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#75 [no name]
その後、大吾の方をチラッと見たけど
普通に友達と喋っていて興味なさそう。

そりゃそうですよね。
心の中でぶつぶつ言っていた。

そろそろお開きの時間
車で来ている子が大半で
飲んでる子は彼氏の迎えだったり
家が近所の子は一緒に帰ったりと
解散する中

大吾が近寄ってきて
「俺、沙耶と淳 送るわ、帰り道やし」

淳はラッキーと淳の車に乗り込み
私も ありがとう と言い後部座席に座った

⏰:14/10/23 00:13 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#76 [no name]
帰り道からすると淳が先に降りる

案の定 淳を送り二人きりになった車内

「明日休みやんな?」

赤信号で止まり大吾が後ろを向いていう

「うん。休み」

「どうする?」

「まかせる」

お決まりパターン
ホテルに着いて唇が絡み合う
変な関係。でも幸せな時間。

意をけして エッチ真っ只中の時に
大吾に問いかける

⏰:14/10/23 00:19 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#77 [no name]
お互いの息は荒く

「沙耶な、」

「うん」

「中1から大吾が好きやった」

一瞬え?っという表情をする大吾

「今も好き でも付き合いたいとか思ってない でも好き」

「俺は好きでもないのにこんなんすると思う?しかも地元のやつに。
相手が誰でもええなら地元のやつなんかに手出さん」

その言葉がその場限りだったとしても
その一言がすごく嬉しくて幸せだった

⏰:14/10/23 00:25 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#78 [no name]
数日後、友達と仕事終わりに待ち合わせをして
ご飯を食べに行った。

週2くらいで会う友達の美紀 その日も
普通に食べて飲んで喋ってしていたら

「美紀やん!久しぶりー!」
私達の座っている席に走ってきた


「わぁ!久しぶりー」

その子は美紀の昔からの友達らしい

⏰:14/10/23 00:30 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#79 [no name]
名前はえりな

人懐っこい感じで可愛いくて
初対面の沙耶にもすごく愛想よく話してくれた

えりなはすぐに帰って行ったけど
美紀がまた3人で遊ぼうよ
って言ってくれた

⏰:14/10/23 00:33 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#80 [no name]
その約束は意外と早く訪れ
次 美紀とご飯に行く日に
えりなも誘っていいか聞かれ
3人で会うことになった

初めてとは思えないくらい
いろんなことを話して えりなとは
気が合うしすぐに仲良くなれた

⏰:14/10/23 00:37 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#81 [no name]
えりなは彼氏大好きな子で
彼氏ネタが多かったけど
彼氏の話しをするえりなは本当に幸せそうで
見ているこっちが彼氏がほしくなるくらいだった

⏰:14/10/23 00:38 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#82 [no name]
アドレスも交換し すっかり仲良くなった私達を見て美紀も喜んでいた



その時は何もわかっていなかった。

⏰:14/10/23 00:40 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#83 [no name]
数週間後、
夜中に大吾から電話がかかってきた

寝ていたけど着信音で目覚め
相手が大吾だったため すぐに電話にでた

「ごめん 寝とったよな?」

「うん、めっちゃ。」

「あんな、○○えりな と友達なん?」

「あ、うん、友達繋がりで仲良くなった子」

⏰:14/10/23 00:43 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#84 [no name]
「そいつな、俺の女」

⏰:14/10/23 00:44 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#85 [no name]
え、、、?

開いた口が塞がらないとは
こうゆうことなのか

女?えりなが?彼女?
てか、彼女いたんや、、

「うそやん?」

⏰:14/10/23 00:45 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#86 [no name]
「友達できたって写メ見せてくれて
前飯行ったやろ?沙耶ちゃん沙耶ちゃんいうし、俺めっちゃびっくりして」

「そ、そうなんや、、。
大丈夫、大吾の彼女とか知らんかったし
大吾の話なんか出てないし
安心して。」

⏰:14/10/23 00:47 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#87 [no name]
「そっか、いや、沙耶知ってたんかな?思って。」

「知らんし、大吾に彼女がいてるんも今知った。えりなちゃんには言わへんし 大丈夫やから」

多分 大吾は二人の関係を私が
えりなにいうと思っていたらしい。

⏰:14/10/23 00:50 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#88 [no name]
なんでこんな身近で。
しかも仲良くなった子が大吾の彼女で、
大吾には彼女がいた。

電話を切ったあと
自分が虚しすぎて泣いた。

遊びやったんや、、、
そうだよね。ただのセフレ。
それだけの関係。

⏰:14/10/23 00:52 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


#89 [no name]
その日から大吾と連絡は取らなくなった。

⏰:14/10/23 00:53 📱:iPhone 🆔:☆☆☆


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