○最後の四季○
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#101 [ゆり]
夜中の3時過ぎに家に着いた。

携帯を見ると
隼人からのメールはなかった。

多分あたしがバイト終わる前に
寝たんだろう。

昔居酒屋でバイトしてた時は
終わるのが夜中の2時でも3時でも
起きててくれたのになぁ。
 

⏰:06/09/02 00:55 📱:V703SH 🆔:wd4TjqJk


#102 [ゆり]
隼人があたしに
慣れれば慣れるほど

あたしは隼人に
求めるものが多くなる。

昔はこうだったのに…
って
比べてしまう。

ずっと変わらないで
なんて

無理だよね。
 

⏰:06/09/02 00:59 📱:V703SH 🆔:wd4TjqJk


#103 [ゆり]
身体は疲れてるのに
いろんな不安で
全然寝れなくて
明け方に寝た。

お昼に起きた。
夏休みの醍醐味。

バイトがないので
隼人と遊ぶ。
 

⏰:06/09/02 01:15 📱:V703SH 🆔:wd4TjqJk


#104 [ゆり]
「寂しかったよ〜!!」

これ隼人の台詞。
ほんと女の子みたい。
「あたしも!」

「ゆりバイト入れ過ぎだよ〜(*´`*)」

「うーん…ごめんよ」


だって夏休み明けには
あんたの誕生日があるから
稼がなきゃだもん。
 

⏰:06/09/02 01:19 📱:V703SH 🆔:wd4TjqJk


#105 [ゆり]
「どこ行こっか〜♪」

運転しながら
隼人はゴキゲン。

あたしに会っただけで
こんな笑顔になってくれるとか
感動だな。

そこは昔から
変わってないね。

ありがと。
 

⏰:06/09/02 01:22 📱:V703SH 🆔:wd4TjqJk


#106 [ゆり]
「隼人行きたいとこないの?」

「ん〜…
ゆりと買い物もしたいしーカラオケもいいな〜♪
あーでも1番はラブホかな!」

「それだ!」


ムードもなにもなく
ラブホに決定。

ルンルンな隼人が
可愛かった。
 

⏰:06/09/02 01:26 📱:V703SH 🆔:wd4TjqJk


#107 [ゆり]
「久しぶりだね〜」

ホテルのエレベーターに乗り
部屋に着いた。

隼人は暑い暑い言いながら
脱ぎ出した。
ちょっと早いよお兄さん。
 

⏰:06/09/02 01:29 📱:V703SH 🆔:wd4TjqJk


#108 [ゆり]
そんな隼人を横目に
あたしはソファに座って
テレビを付ける。

ドラマの再放送がやってた。
好きな俳優が出てる♪

「かっこいー♪」

「え、俺?♪」

「そうそう」

「せめてこっち見て言ってよ!笑」
 

⏰:06/09/02 01:33 📱:V703SH 🆔:wd4TjqJk


#109 [ゆり]
隼人は膨れっ面で
あたしの方に来て
両手を引っ張って立たせた。

「え〜ドラマ見たいよ〜」

「じゃ-ベットで見ようよ〜」

「わかったぁ」

テレビを回転させて
ベットに入った。
 

⏰:06/09/02 01:35 📱:V703SH 🆔:wd4TjqJk


#110 [にゃんちゅ]
ちょッとー!!笑))ゅりサン会いたかった☆覚えてるかゃーアタシのコト笑))ちょぅど昨日無性に二番目の四季読みたくなって読もぅと思ったら…コレ発見してマヂビックリしましたΣ(ノ∀`*)今回の内容…不安で仕方なぃ!!(РД`q)今回も終わりまで見守ってるカラ頑張って+.(・∀・)+.

⏰:06/09/02 06:33 📱:P901iS 🆔:XIdqFUQ6


#111 [ゆり]
にゃんちゅサン☆
(;ω;)(;ω;)(;ω;)
嬉し過ぎです。読み返してくれよ-としたとかッいい人!!今回の内容は多分あたしへの反感が多くなると思うからあたしも書くの恐かったりします。
でも感想や意見をくれる事を感謝しながら頑張るんで最後までよろしくデス☆書き込みありがとォ♪

⏰:06/09/02 09:02 📱:V703SH 🆔:wd4TjqJk


#112 [ゆり]
ベットに入ると
お兄さんが興奮し出しちゃったので
ドラマを見るのを断念。

「はいッゆりチャンばんざーい♪」

「…たまにはロマンティックに脱がしてよ」

「え-?どんな風に?」

「ちゅ-しながらとかさぁ〜!」

「わ、わかった!」
 

⏰:06/09/02 09:07 📱:V703SH 🆔:wd4TjqJk


#113 [ゆり]
「あ-もぉいいよ(笑
笑えてきちゃった」

「ごめん〜勉強しとくから!」

「いや教科書通りは好きじゃないわ。
全ては経験から生まれるものよ。」

「名言出ました-!!
38ペ-ジにメモッときます先輩。」
 

⏰:06/09/02 09:12 📱:V703SH 🆔:wd4TjqJk


#114 [ゆり]
あたし今まで37個の名言を残してたんだ。

「…それよりあーた、ドラマ見ていい?」

「やーだ!!」

可愛いな〜隼人は。
あたしより可愛いな。

テレビを消して枕元の電気を調節した。
 

⏰:06/09/02 09:15 📱:V703SH 🆔:wd4TjqJk


#115 [ゆり]
隼人の上に乗ってキスしながら服を脱ぐ。
隼人を脱がす。

男と女…逆っすよ。

「あ〜もーやべぇ」

「早いって(笑」


あたしは男の荒くなる息に1番感じる。

Sかな。いや、Mもいけるな。
どっちでもいいか。
 

⏰:06/09/02 09:22 📱:V703SH 🆔:wd4TjqJk


#116 [桜]
>>40-100
>>101-200

⏰:06/09/02 09:24 📱:P902iS 🆔:WKFggLB6


#117 [ゆり]
下着は絶対隼人が脱がす。
これは彼の意地らしい。
意味わからん。

「あ〜まじいいなお前!
ここ!い〜ね〜このライン!この肌!最高!」

「…」

褒めてくれるのは嬉しいけど…
ほんとム-ド無くすの上手いよね。
感心しちゃう。
 

⏰:06/09/02 09:28 📱:V703SH 🆔:wd4TjqJk


#118 [ゆり]
桜サン☆
アンカ-ありがとうございます、嬉しいデス(^-^)

⏰:06/09/02 09:29 📱:V703SH 🆔:wd4TjqJk


#119 [ゆり]
それから騎乗位で
合体!!

こっからはもう二人の世界ってゆーか
一人の世界ってゆーか
溺れるだけ。

えっちはいいね。

なんか全部

忘れられるし。
 

⏰:06/09/02 09:32 📱:V703SH 🆔:wd4TjqJk


#120 [ゆり]
名前を呼んでくれる。
その声に入ってる
愛はきっと本物。

2年毎日一緒なんだから
それくらい分かるよ。

でもなんでだろう。

やっぱり寂しい。
やっぱり悲しい。


隼人に映ってるのは
ほんとにあたしだけかな。
 

⏰:06/09/02 09:35 📱:V703SH 🆔:wd4TjqJk


#121 [ゆり]
「あー気持ちよかった!!」

隼人が横で倒れてる。

あたしは天井を見てる。

「汗かいたな〜!ゆりチャン一緒にシャワ-浴びよ♪」

「ゆりチャンダウン中〜先入っててくりりん」

「悟空ー!!」

そう言って隼人はお風呂場へ行った。
 

⏰:06/09/02 09:39 📱:V703SH 🆔:wd4TjqJk


#122 [ゆり]
あたしは
この言葉に出来ない気持ちに
戸惑ってた。

好きなのに
何がいけないんだろう。
何で満たされないんだろう。

信じてないから?

あたしどうしたらいい?



ブ-ブ-…

…携帯?
 

⏰:06/09/02 09:42 📱:V703SH 🆔:wd4TjqJk


#123 [ゆり]
身体を起こして
布団を取ると
隼人の携帯が転がってた。

脱がした時に
ジ-パンから落ちたんだ。

部屋が暗かったから
光ったウィンドウの文字が

ハッキリ見えた。
 

⏰:06/09/02 09:46 📱:V703SH 🆔:wd4TjqJk


#124 [ゆり]
着信

若菜



あー


見たくなかった。


元カノの名前じゃん。

 

⏰:06/09/02 09:47 📱:V703SH 🆔:wd4TjqJk


#125 [ゆり]
ショックなのかな。

なんか笑っちゃった。


携帯に布団をかけて
また横になった。

さっきと違って
天井が滲んで見えたから

これは現実なんだな。って
思った。
 

⏰:06/09/02 09:51 📱:V703SH 🆔:wd4TjqJk


#126 [ゆり]
「ゆりー!!まだー!?」

お風呂場からの
隼人の声。

あたしはあくびしながら
お風呂場に行った。
涙が溜まってたから
ごまかす為に。

「ゆりチャン遅いよ〜眠いの?」

「うん頑張り過ぎたぁ」

「確かに!笑」
 

⏰:06/09/02 09:56 📱:V703SH 🆔:wd4TjqJk


#127 [ゆり]
一人だったら
シャワー浴びながら
バレずに
泣けるのに。


それも出来なくて

問い詰める事も
出来なくて


ただ必死に

普通を演じたんだ。
 

⏰:06/09/02 10:02 📱:V703SH 🆔:wd4TjqJk


#128 [ゆり]
二人で湯舟に浸かった。

隼人が将来の話をしてた。

子供は男の子と女の子両方が欲しいとか

俺がお風呂掃除するからゆりは洗濯係ね、とか。

本当に幸せそうに話すから

何が本物かわからなくなるよ。
 

⏰:06/09/02 10:08 📱:V703SH 🆔:wd4TjqJk


#129 [ゆり]
あたしは冷静だった。

頭が真っ白だったから。


隼人の話に頷いて
微笑む事が
精一杯だった。


また嘘つかれた。
元カノに番号教えてないって
ゆったくせに。

せめて男の名前で登録するとか
してよね。
 

⏰:06/09/02 10:14 📱:V703SH 🆔:wd4TjqJk


#130 [ゆり]
「のぼせるから上がろっか♪」

隼人は先に出て
バスタオルを渡してくれた。

「ありがと」

「拭いてあげよっか?」

「恥ずかしいからいい〜」

部屋に戻って
隼人はベットに寝転がった。

あたしはソファから隼人を見てた。
 

⏰:06/09/02 10:19 📱:V703SH 🆔:wd4TjqJk


#131 [ゆり]
携帯に気付いたみたい。

開いてチェックしてる。

横顔で表情はあんまりわかんなかった。

メールを送った感じで
携帯を閉じた。

 

⏰:06/09/02 10:22 📱:V703SH 🆔:wd4TjqJk


#132 [ゆり]
「誰にメールしたの?」

とは
聞けなかった。

恐かった。

これ以上
隼人の口から
嘘を聞きたくなかった。


「ねー隼人」

「ん?!なに?」
 

⏰:06/09/02 10:23 📱:V703SH 🆔:wd4TjqJk


#133 [ゆり]
「あたし昨日ね
バイト先の男の子とドライブ行ったの」

「うそ!!」

「ほんと。
ごめんね。バイト終わってから送ってもらったし。」

「そっか…
でも何かあるよりはいいし。うん。」

怒ってよ。

あたしみたいに
怒ってよ。
 

⏰:06/09/02 10:27 📱:V703SH 🆔:wd4TjqJk


#134 [ゆり]
「怒らないの?」

「言ってくれたからいいよ!内緒にされてたら嫌だけど」


内緒か…

隼人は内緒だらけだね。

もうあたしにはわかんないよ。

何がなんだか。

信じれるものがなくなっちゃったよ。
 

⏰:06/09/02 10:31 📱:V703SH 🆔:wd4TjqJk


#135 [ゆり]
隼人

あたしは別に
優しくしてくれなくても
喧嘩ばっかりしてても

信じられたら
傍に居れると思うんだよ。

あたしはただ
ずっと一緒に居たいだけなのに。
 

⏰:06/09/02 10:34 📱:V703SH 🆔:wd4TjqJk


#136 [ゆり]
何事もなかったかの様に
毎日は過ぎた。

そんな中
両親が離婚。

成人過ぎたあたしでも
それなりにショックで


本当に独りぼっちになった
気がした。
 

⏰:06/09/02 10:38 📱:V703SH 🆔:wd4TjqJk


#137 [あやぽん]
今回も毎日見てまあす頑張ってねえ

⏰:06/09/02 18:09 📱:SH700i 🆔:OwcL6KsA


#138 [かけぽん]
なんか今回の話は、ゆりさんのわがまま?みたいに思っちゃうのは私だけ?隼人さんが可哀想だって、ゆりさん隼人さんよりひどい事してないですか?隼人さんの浮気っぽい行動がイヤなら、ゆりさんもしない事!じゃない?隼人さんがちゃんと話せば許せるのかな?また話してくれたらくれたで悩むでしょ?なんか、ゆりさんの気持ちが今、私には理解出来ないの……ゴメンナサイ!その後の展開がすごく気になっちゃう最後はハッピーで終わってね!

⏰:06/09/02 22:26 📱:F902i 🆔:y/vIcJho


#139 [ゆり]
あやぽんサン☆
前からずっと応援してくれてて本当にありがとう(;ω;)

かけぽんサン☆
ありがとう♪あ-…やっぱり今回の話わ他の事件を飛び飛びで書いてしまったので…ダメですね(*´`*)伝えたい事が伝わらない話になってしまった。どうしよう…
今これからを迷い中です×
今日はほんま疲れてしまったので更新はすみませんm(__)m

⏰:06/09/03 00:29 📱:V703SH 🆔:IasJY6xo


#140 [さくら]
ゆりさん毎日お疲れさまですOU<艸) 私も隼人サンの四季、ゆリさんの〇二番目の四季〇と読ませていただいた一人です 私も信頼は大切だと思っていますどおか、信頼を取り戻して隼人サンと‥‥ッて思ッていますこれからも見てるので頑張ッてください()キャッ

⏰:06/09/03 00:35 📱:N902i 🆔:Ea8s/Jzs


#141 [あんな]
私も信頼って大事だと思うなぁ…。人によって許せる範囲も違うし価値観もみんな違うから、最後はやっぱり信頼で繋がってると思うよユリチャンが伝えたいこと書いてください。応援してます

⏰:06/09/03 07:51 📱:D701i 🆔:2VtzsKXI


#142 [ゆり]
さくらサン☆
読んでくれてありがとうございますッ☆
ほんと励まされますッ(´Д`)
上手く伝えられないけど…最後まで書くのでこれからもよろしくデス(*ノω<*)☆

⏰:06/09/03 12:43 📱:V703SH 🆔:IasJY6xo


#143 [ゆり]
あんなサン☆
信頼について、考えて下さって嬉しいです。
読んでくれた方全員は無理だけど、一人にでも何か残る話になれば…と思っています。
本当にありがとデス♪(^-^)

⏰:06/09/03 12:47 📱:V703SH 🆔:IasJY6xo


#144 [ゆり]
両親が離婚したからといって

別に今までの生活が
変わる訳じゃない。

お母さんはいなかったし
お父さんも帰ってこないし

家であたしを呼んでくれるのは
にゃんこだけ。

ずっとそうだったんだから

大丈夫。
 

⏰:06/09/03 12:51 📱:V703SH 🆔:IasJY6xo


#145 [ゆり]
ただ違うのは


心が
埋まらなくなった事。


隼人と居ても。

 

⏰:06/09/03 12:53 📱:V703SH 🆔:IasJY6xo


#146 [ゆり]
夏の真ん中。

学校が始まる。

もう将来について
考え
就職の事も
段々現実になってくる。
 

⏰:06/09/03 12:55 📱:V703SH 🆔:IasJY6xo


#147 [ゆり]
妥協出来ない性格だけで

手に入れた
順位
手に入れた
数字

それはあたしに
プレッシヤ-を与えるだけで
何の役に立つだろう。

恵まれた国のオ姫サマ?

ドレスなんてもう
こんなにボロボロなのに。

⏰:06/09/03 13:02 📱:V703SH 🆔:IasJY6xo


#148 [ゆり]
就職担当の先生が
皆を集めて話をする。

隣から友達が小声で話しかけてくる。

「ゆりチャンならどこでも即採用だよね♪成績いーし顔いーし〜」

「じゃあ顔パスかね(笑」

「間違いない!笑
面接官は顔とおっぱいで落ちるよ♪」

「んなとこ行きたくないわ笑」
 

⏰:06/09/03 13:09 📱:V703SH 🆔:IasJY6xo


#149 [ゆり]
誰もがみんな
同じ様な事を言う。

悪気はない。
ただ褒めてくれてるんだって思う。

でも今のあたしには
追い詰められる言葉。

出来て当たり前。

分かる人なんていないかもしれない。
でも一気に墜落したらって考えると
不安でたまらなくなる。
 

⏰:06/09/03 13:12 📱:V703SH 🆔:IasJY6xo


#150 [ゆり]
頑張ってねって

もー何回言われればいいの?

なんて
子供染みた事
考えてる。

頑張ったねって言って欲しいだけ。

ちゃんと頑張るから
もう頑張らなくていいよって
言って欲しいだけだよ。

あたしそんなに走り続けられる程

足腰強くないって。

⏰:06/09/03 13:16 📱:V703SH 🆔:IasJY6xo


#151 [ゆり]
「ゆーりー!!」

「隼人〜声でかいって」

隼人も同じ学校。
彼はまぁアホだったけど
「ライバルはゆり!!」
とか言って
下の成績から
中くらいまで上がった。
すごい奴だ。

「帰ろ♪」

「うん!」
 

⏰:06/09/03 13:20 📱:V703SH 🆔:IasJY6xo


#152 [ゆり]
隼人のチャリの後ろに立って
夏の風を受ける。

「就職どーしよう…」

あたしがそう漏らすと
隼人は言った。

「ゆりならどこでも行けるって!頑張れよ!」

「…あたしもう頑張りたくないわ」

「何言っとんの!!
お前が頑張らんでどーすんだよ」
 

⏰:06/09/03 13:25 📱:V703SH 🆔:IasJY6xo


#153 [ゆり]
どうもしないよ。


だって
なんも残らなかったよ。

家族も壊れたし
信頼も壊れたし

神様は
乗り越えられる奴にしか試練を与えないって
言うけど

あたし乗り越えられるかな。

こんな不安で
たまらない毎日。
 

⏰:06/09/03 13:32 📱:V703SH 🆔:IasJY6xo


#154 [ゆり]
夜は泣いた。

訳なく
壁を叩いたりした。

リスカはしなかった。

けど確実に
あたしは何かに
押し潰されてた。
 

⏰:06/09/03 13:36 📱:V703SH 🆔:IasJY6xo


#155 [ゆり]
学校の授業はどんどんハードになる。

実習も増えて
朝から夕方までが毎日。

あまりご飯も食べれなくなって


バイト中に倒れた。
 

⏰:06/09/03 13:39 📱:V703SH 🆔:IasJY6xo


#156 [ゆり]
頭が真っ白で
体中の血液がなくなった様な
感覚。

一人でカウンタ-を回してたから
気付いてくれたのはお客さんだった。

でも声が聞こえない。
声も出ない。

真っ白な世界に

自分独りだった。
 

⏰:06/09/03 13:42 📱:V703SH 🆔:IasJY6xo


#157 [ゆり]
あー
あたし死ぬのかな。

隼人をたくさん
傷付けた罰かな。

まぁいいか。

ちょうど疲れてたところだし。


でも最後に

やっぱ隼人に
会いたい。
 

⏰:06/09/03 13:45 📱:V703SH 🆔:IasJY6xo


#158 [ゆり]
そんな事
考えてたら

だんだん周りの声が
聞こえてきた。

ああ
常連のおじさんだ。
大橋くんだ。
三上くんだ。
社員さんだ。

あれ
隼人がいないじゃん。

「はやと…」

ハッキリ覚えてる。
最初に出た言葉がこれだった。
 

⏰:06/09/03 13:48 📱:V703SH 🆔:IasJY6xo


#159 [ゆり]
でもここはパチ屋。
呟いた声なんて聞こえない。

あたしはそれに
涙が出てきた。

隼人に声が届かない。

隼人がどっか行っちゃう。

いない。
いない。

隼人がいない。
 

⏰:06/09/03 13:50 📱:V703SH 🆔:IasJY6xo


#160 [ゆり]
「高原さん!!」

「ゆりちゃん!?」

みんなの声だ。

でも隼人の声で呼んで欲しいよ。

「救急車!」

その言葉に
あたしは首を横に振った。

「大丈夫です…」

意識と共に
真っ白な世界から
日常に戻った。
 

⏰:06/09/03 13:54 📱:V703SH 🆔:IasJY6xo


#161 [ゆり]
あたしはフラフラする身体を

両脇から抱えられて
事務所の奥の部屋に
寝かせてもらった。


「大丈夫?!」

「すいません、ちょっとクラッとしただけです…大丈夫だから戻って下さい☆」

笑ってそう言うと
心配そうに冷たいお茶を持ってきてくれた。
 

⏰:06/09/03 13:57 📱:V703SH 🆔:IasJY6xo


#162 [ゆり]
「なんかあったらすぐインカム(皆が付けてるマイク。内線みたいなもの)で呼ぶんだよ?」

「はーい☆ありがとうございます」

パタン

ドアが閉まった。
あたしは天井を見上げた。
 

⏰:06/09/03 14:00 📱:V703SH 🆔:IasJY6xo


#163 [ゆり]
白い天井。
そこに
あいつの顔が浮かぶ。

認めたくなかった。

だけどあたしは
完全に隼人に依存していたんだ。
 

⏰:06/09/03 14:21 📱:V703SH 🆔:IasJY6xo


#164 [ゆり]
小さい頃から
幸せではあったけど

当たり前にあるはずの

両親の愛を
あたしは見た事がなかった。

過去の恋愛も
純愛ってのは
見た事がなかった。

そんな中で
作り上げられた

あたしという人格。
 

⏰:06/09/03 14:23 📱:V703SH 🆔:IasJY6xo


#165 [ゆり]
サバサバしてて
男っぽい性格。

頑固で
負けず嫌いで
プライド高くて
妥協しない。

上手く人に甘えられない。
弱音を吐かない。
止まる事は許さない。

そんなあたしだから
そりゃ強いって
思われる。
 

⏰:06/09/03 14:26 📱:V703SH 🆔:IasJY6xo


#166 [ゆり]
あたしも自分は強いって
思ってた。

強い自分が好きだった。

何もしないで
文句、弱音ばかり吐いてる奴は嫌いだったから。

でももう認めるしかない。

本当はめっちゃ
弱いって事。

隼人に支えられて
生きてるって事。
 

⏰:06/09/03 14:29 📱:V703SH 🆔:IasJY6xo


#167 [ゆり]
自分で思ってた以上に
傷は深かった。


隼人の
ほんの些細な裏切りだけで。

たいした事じゃない。

でも理屈じゃない。

こんなに不安定になってしまった。

ねぇ隼人


どこにも行かないで。
 

⏰:06/09/03 14:33 📱:V703SH 🆔:IasJY6xo


#168 [ゆり]
次から次へ
涙が落ちてゆく。

こんな気持ち
何ていうんだろう。


コンコンッ
ガチャ

ドアがいきなり開いた。


「あ〜ら〜…
泣いてるじゃーん」


三上くんだった。
 

⏰:06/09/03 14:37 📱:V703SH 🆔:IasJY6xo


#169 [ゆり]
涙でぼんやりした視界の中
三上くんが隣に来たのがわかった。

「…大丈夫なりかー?」

瞬きもしないあたしの瞳。
涙は止まらない。

三上くんが指で拭った。

 

⏰:06/09/03 15:39 📱:V703SH 🆔:IasJY6xo


#170 [ゆり]
「なんも言わなくていいけど…
ちょっと横にいさせてね」

少し笑って
そう言った。

切ない声だった。

全部わかってる様な
そんな声だった。
 

⏰:06/09/03 15:43 📱:V703SH 🆔:IasJY6xo


#171 [ゆり]
静かな空間で
時間がゆっくり流れる。

「お茶飲む…?」

「…いい…」

三上くんは
なんとなく少しだけ
隼人に似てる。


「ゆりちゃん…」

隼人に呼ばれた様な
感じがした。
 

⏰:06/09/03 15:52 📱:V703SH 🆔:IasJY6xo


#172 [ゆり]
頭を少し傾けて
天井から三上くんの方を見た。

「…そんなに頑張らなくていいよ。」



呼吸が乱れる。
涙が溢れる。

好きとか
愛してるとかより

ずっと欲しかった。
 

⏰:06/09/03 15:58 📱:V703SH 🆔:IasJY6xo


#173 [ゆり]
なんにも言えなくて
ただ赤ちゃんみたいに
泣いてた。

恥ずかしいくらい泣いてた。

三上くんは
そんなあたしに驚きもしないで

「よしよし」って

手を握ってくれた。
 

⏰:06/09/03 16:01 📱:V703SH 🆔:IasJY6xo


#174 [ゆり]
全てが
壊れた訳じゃない。

今までの自分が
無意味だった訳じゃない。


隼人に似た手は
そう言った。

倒れた体に
染み込む
熱いくらいの体温。


「彼氏に電話しなさーい♪」

悲し気に笑いながら
三上くんは休憩室に置いてあった
あたしの携帯を渡してくれた。

⏰:06/09/03 16:06 📱:V703SH 🆔:IasJY6xo


#175 [ゆり]
あたしはそれを泣きながら
無言で受け取った。


三上くんは
笑って

「いっぱい泣くのはいい事だ♪」って
言って

部屋を出て行った。

あたしは横向きに転がったまま
携帯を見つめた。
 

⏰:06/09/04 12:20 📱:V703SH 🆔:CRozBxLc


#176 [ゆり]
もうすぐ21時か…

隼人…
何してるかなぁ。


ピッ…

プルルル…プルルル…

なかなか出ない。

留守電に繋がっちゃった。

もう一回。

ピッ…

プルルル…プルルル…

「…はぁ-い♪もしもおし?」
 

⏰:06/09/04 12:25 📱:V703SH 🆔:CRozBxLc


#177 [ゆり]
…あれ?

携帯を耳から離して
画面を確認。

ちゃんと隼人の携帯に
かけてるよなぁ。

「もしもお-し?
誰え??」

後ろはガヤガヤしてる。
クラブって感じじゃないし
多分居酒屋?

なんで女の人が出てるの???

⏰:06/09/04 12:31 📱:V703SH 🆔:CRozBxLc


#178 [ゆり]
電話の相手は
かなり酔っ払ってる様子。

ろれつが回ってない。

あたしは頭が回ってない。

「間違えましたー」

そう言って
電話を切った。


呼吸は落ち着いてる。

でも心臓は
確実に早くなってた。
 

⏰:06/09/04 12:34 📱:V703SH 🆔:CRozBxLc


#179 [ゆり]
「ん〜…」

あたしはゆっくり体を起こして
お茶を飲んで

更衣室に向かった。

「帰ろ-…」

ふらふらする。
霞む視界のまま
着替えて鏡を見た。
 

⏰:06/09/04 12:37 📱:V703SH 🆔:CRozBxLc


#180 [ゆり]
「ひど…笑」

髪を軽く整えて
軽くメイク直しをした。

事務所に行って
社員さんに帰る事を告げ様と思ったら
誰もいない。

仕方なく店内へ行った。
 

⏰:06/09/04 12:41 📱:V703SH 🆔:CRozBxLc


#181 [ゆり]
爆音の中で
ぼけ-っと社員さんを捜す。

「頭に響くよ…」

そんなあたしを見つけてくれたのは三上くん。

「何しとんのッ寝てなきゃダメじゃん!!」

「帰る〜…」

「ん?何?!」
 

⏰:06/09/04 12:46 📱:V703SH 🆔:CRozBxLc


#182 [ゆり]
音に声が消される。

三上くんは顔を近付けて聞いてくれた。

「ああ!帰るのね!わかった!インカムで社員さんに言っとくから」

「ありがとう…」

何から何まで
ほんますいません。

「ちょっと待ってて!!」

三上くんはインカムで話してた。
 

⏰:06/09/04 12:50 📱:V703SH 🆔:CRozBxLc


#183 [ゆり]
あまり瞬きしない瞳
相変わらず働かない思考回路

あたしは向きを変えて
裏から帰ろうとした。

「ちょっと待ってて!!」

肩を叩いて三上くんは更衣室に走って行った。

「後ろ姿も
隼人に似てるなぁ…」
 

⏰:06/09/04 12:54 📱:V703SH 🆔:CRozBxLc


#184 [ゆり]
あたしはただ
ぼーっと
してた。


数秒?数分で着替えた三上くんが息を切らしながら来た。

「送ってくからおいで」

心配そうな顔。
あたしは大丈夫だよ。

「でも仕事…」

「いーから♪社員さんにも送ってあげてって言われたし!」

⏰:06/09/04 13:00 📱:V703SH 🆔:CRozBxLc


#185 [ゆり]
「…ありがとう」

「素直でよろしい!」

子供みたいに
笑って
裏のドアを開けてくれた。

ザアアアア-…ッ

「うわッまぢ!?」

目が覚める様な
雨の音。
 

⏰:06/09/04 13:03 📱:V703SH 🆔:CRozBxLc


#186 [ゆり]
「す-ごいね…」

「ね〜!
俺車回してくるから
ゆりチャンここで待っててね」

「あ、はい」

傘も指さずに
駐車場に走って行った。

なんか皆優しいなぁ。
恵まれてるよ
あたしは。
 

⏰:06/09/04 13:07 📱:V703SH 🆔:CRozBxLc


#187 [ゆり]
ザアア…

タイヤが水溜まりを蹴って
あたしの前に静かに止まった。

ガチヤ

「お邪魔します…」

「どーぞどーぞ♪」

うあ-やばい。

「三上くんって香水クロ-ム?」
 

⏰:06/09/04 13:15 📱:V703SH 🆔:CRozBxLc


#188 [ゆり]
「お-!よくわかったね!最近ずっとクロ-ムだよ」

あたしは匂いに敏感。

音楽でも思い出したりするけど
匂いは特に思い出す。

クロ-ムは
隼人が付けてる香水。
 

⏰:06/09/04 13:18 📱:V703SH 🆔:CRozBxLc


#189 [ゆり]
「ゆりチャン気分大丈夫?」

「…うん」

目を閉じたら
隼人と居るみたいで
ちょっと幸せ。
なんて
三上くんに失礼な事
考えてた。

「よかった♪
彼氏とは大丈夫だった?」

「…彼氏…今誰といるんだろ…」

「え??」
 

⏰:06/09/04 13:21 📱:V703SH 🆔:CRozBxLc


#190 [ゆり]
「さっき電話したらね〜
女の人が出たんだー」

笑いながら言った。

なんでかわからないけど
笑うしかなかった。

こんなあたし
ますます惨めに
見えるかな。

「まじか…」

片手でハンドルを握り
前を向いたまま三上くんは苦い顔をした。
 

⏰:06/09/04 13:25 📱:V703SH 🆔:CRozBxLc


#191 [ゆり]
バックから携帯を出してみたけど
隼人から連絡はない。

「なんか…こんな事ってほんとにあるんだね!
ドラマの中みたい」

笑うあたしに
何も言わず
悲しそうに微笑んだ。

「この夏は
踏んだり蹴ったりだよ」

溜め息が出る。

もうほんとに終わりなのかな

あたし達。

⏰:06/09/04 13:31 📱:V703SH 🆔:CRozBxLc


#192 [我輩は匿名である]
ゆりさん血液型何ですかぁ

⏰:06/09/04 13:43 📱:D902iS 🆔:.DL1ha5E


#193 [ゆり]
匿名さん☆
ふつ-にA型です(笑)

⏰:06/09/04 14:15 📱:V703SH 🆔:CRozBxLc


#194 [ゆり]
「よし
彼氏んとこ行こ-か」

「うん………
ん???」

思わず顔を上げた。

「いや、会わないと
ほんとの事わかんないっしょ」

「…」

全くその通りです。

「…でもどこいるか
わかんない」

「もっかい電話出来る?」
 

⏰:06/09/04 14:20 📱:V703SH 🆔:CRozBxLc


#195 [ゆり]
さっきの事が蘇る。

今度またあの人が出たら
完全に終わりな気がした。

さっきのは間違いだって
思えなくなる。

でももう
涙は出ない。

やけくそで行こう。


携帯画面に隼人の名前を出して
手を伸ばした。
 

⏰:06/09/04 14:24 📱:V703SH 🆔:CRozBxLc


#196 [ゆり]
「高原ゆり!行きまーすッ!!」

「いってらっしゃ〜いッ!!笑」

三上くんは
ビストロの中居くん並の声で
あたしの背中を押してくれた。

親指で
通話ボタンを押す。

ピッ…

…プルルル-…プルルル…
 

⏰:06/09/04 14:27 📱:V703SH 🆔:CRozBxLc


#197 [ゆり]
これ以上
きっと傷付く事は
ない。

もう怖くも
なんともない。


相手が電話に出た。

「もしもお-し!こちらわかなあ♪」

チーン。

やられたぜ。
 

⏰:06/09/04 14:29 📱:V703SH 🆔:CRozBxLc


#198 [ゆり]
なんかもう
怒りも悲しみもないし

ショックも通り越して

めっちゃ笑えてきた。

人間っておもしろい。

「アハハ!若菜チャン?あたしーゆりチャン!!隼人いるー??」

相手側がガヤガヤうるさいから
あたしも大声で答えた。
 

⏰:06/09/04 14:33 📱:V703SH 🆔:CRozBxLc


#199 [ゆり]
「おいおい大丈夫かよ…笑」

とりあえず駅の方に走りながら
三上くんは苦笑いしてる。

でもあたしはめっちゃ楽しい。

頭おかしくなったかなぁ。

「隼人っちー!!ゆりちあんから電話よー!!」

「アハハ!!」
 

⏰:06/09/04 14:36 📱:V703SH 🆔:CRozBxLc


#200 [ゆり]
ベロベロに酔ってるのに
ちゃんと電話に出てくれる若菜ちゃんに
なんか笑えた。

「今どーなってんの!?」
横から小声で三上くんが聞く。

「今彼氏呼んでもらってる!笑
電話出たの元カノちゃんだった!」

「はぁー!??」
 

⏰:06/09/04 14:40 📱:V703SH 🆔:CRozBxLc


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