〇ニ番目の四季〇
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#375 [ゆり]
「高原先輩はなんで私の事助けてくれたんですか…?」

(や、助けるつもりではなかったよ。)

「ん〜…あーゆうの好きじゃないから…かなぁ」

曖昧に答える。

「いいなぁ…強くて」

彼女が呟いたと同時に教室に着いた。

もう彼女の席は綺麗だった。

「よかったね」

あたしが笑うと彼女も安心した様に笑った。
 

⏰:06/06/04 21:47 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#376 [ゆり]
席に着くとギャル子ちゃんグループが集まってくる。

「先輩、昨日はすいませんでした」

「あ〜いいよ〜
どーせ湿気で髪ペタんこだったし(笑」

今日は晴れてるから気分がいい。
自然にニコニコしてる自分。

「先輩って髪どーやってるんですかぁ?
まゆもそんな風にしたいです〜」
 

⏰:06/06/04 21:53 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#377 [ゆり]
「あーあたしはコテとカーラーを…」

いつの間にか巻き髪レッスンが開かれてた。

みんなとも仲良くなれて
満足にこのクラスでの授業を終わろうとしてた。

でも
帰りに教室を出ようとすると
呼び止められた。
 

⏰:06/06/04 21:59 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#378 [ゆり]
「淳ちゃん…どーしたの?」

「あの…ちょっと時間ありますか?」

「んん〜…」

隼人と帰る約束をしてる。

「今日はちょっと…」

断ろうとした瞬間、一気に罪悪感に襲われた。

「あッやっぱ大丈夫!ちょっと待ってね」

ピリリリッ

「はーい」

「あ、隼人?ごめんけど今日友達と用あるで
先帰ってて〜」
 

⏰:06/06/04 22:06 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#379 [我輩は匿名である]
>>1-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400

⏰:06/06/04 23:58 📱:N900iS 🆔:jupj/QHQ


#380 [ゆり]
「え〜!!…分かったよ〜」

「まじごめんね」

「帰ったらちゃんと連絡しろよ!」

「分かったぁ〜隼人も気をつけて帰ってね☆」

ピッ

携帯を閉じる。

「すいません…約束あったのに…」

淳ちゃんが俯く。

「全然大丈夫だよ☆
どこで話す?」

校舎を出るのも暑いので空いてる教室に入った。

⏰:06/06/05 22:56 📱:V703SH 🆔:tPdHa1I.


#381 [ゆり]
いきなり二人きりで話すなんて
数日前から想像出来ない。

本当
些細なことで
人との繋がりって出来るものだ。

淳ちゃんは窓際の席に座った。

あたしはその隣の椅子に横向きに座った。

「先輩って…人生嫌になる事ってないですか?」

いきなりの質問に驚いた。
でも真剣な横顔だったから
真剣な質問なんだ
と思った。
 

⏰:06/06/05 23:01 📱:V703SH 🆔:tPdHa1I.


#382 [ゆり]
「嫌になる事かぁ…
そりゃあるよ」

あたしはかなりの幸せ者だけど
全て嫌になる事もある。

家事も
恋愛も
学校も
将来も
全部捨ててしまいたくなる事もある。

でも全て捨てて自由になっても

あたしはきっとまた
その捨てたものを探し始めるんだろうって
思う。
 

⏰:06/06/05 23:07 📱:V703SH 🆔:tPdHa1I.


#383 [ゆり]
淳ちゃんは下を向いたまま何も言わない。

あたしは聞いた。

「淳ちゃんは…人生が嫌になったの?」


「はい…」

右手で長袖の上から
左手首を強く握った。

瞬間になんとなく分かった。
この子リストカットをしてるんだ
って。
 

⏰:06/06/05 23:11 📱:V703SH 🆔:tPdHa1I.


#384 [ゆり]
あたしにも経験がある。

お母さんが家を出てく前に
激しい夫婦喧嘩が
毎日毎日毎日繰り返されてた。

お皿は何枚も割れて
叫び声が響き渡ってた。


あたしは誰も憎めない
やり場のない気持ちを傷として残した。

死にたかった訳じゃないから
肩の辺りを切って
血を見て
落ち着いたりしてたんだ。


この事は誰も知らない。

⏰:06/06/05 23:16 📱:V703SH 🆔:tPdHa1I.


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