俺がホストじゃなかったら
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#115 [ゆう]
俺はしばらくの間落ち込んだままだった

初めての失恋だった

ってか、物心ついた頃から今まで、誰かを好きになったことってなかった

付き合った人数は結構いたけど、ただそれだけだった

20歳にしてやっと、初恋と初失恋を経験した

今まで女を傷つけて来たそのツケがまわってきたのか?

そう思うくらい、俺のショックは大きかった

⏰:07/07/09 16:01 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#116 [ゆう]
「ユウもレナに利用された男のひとり」

これで話しは片付いた

それからもちろん、レナと会うことはなかった

トウヤは俺を元気づけるために、俺をキャバクラに連れ回した

俺の傷は癒えぬまま、女癖がまた悪くなっていくだけだった


そんな時期にハルカに出会う

ハルカは最近よく店に来る、俺の客だった

⏰:07/07/10 16:06 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#117 [ゆう]
ハルカは細客だったけど、無茶に飲ますようなこともしないし、ちょっとの間席を離れてヘルプに任せていても怒らない、いわゆる「休憩場所」だった

「お前の席が一番落ち着く」

そう言う度にハルカはニコニコ笑っていた

そんなに積極的じゃない、ホストと現実を割り切ってる子だと思ってた


だけどそれは突然だった

⏰:07/07/10 16:13 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#118 [ゆう]
「付き合って?」

俺は耳を疑った
こんなことはよくあること

だけどそれを言ったのはハルカだった

「ごめんもう付き合ってると思ってた笑」

内心びっくりしながら俺はふざけて返した

ハルカからこんなこと言われるなんて思ってもみなかったから

⏰:07/07/10 16:23 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#119 [ゆう]
本当か嘘か、色カノか本カノかも分からない所から俺たちの付き合いは始まった

だけどそれはすぐ分かることだった



付き合うことになった日のハルカの来店から一週間が経った

いつもなら2日に一回のペースで店に来ていたから、おかしいと思ってハルカに電話をかけた

⏰:07/07/10 16:28 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#120 [ゆう]
「はい。ユウくん?」

ハルカは3コール目で出た

「ハルカ?最近会いに来てくれないじゃん。なんかあった?」

「‥だって彼女だから店に行くのはおかしいでしょ」

そう言われて俺はやっと気づいた

ハルカは本気だったんだ

俺は、軽はずみにOKしたことを後悔した

⏰:07/07/10 16:35 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#121 [ゆう]
「その子やばいって」

そう言ったのはトウヤだった

「客とホストとして知り合った男に、真剣にそんなこと言うとか相当だね」

確かに俺もそう思った

けど今更ハルカを傷つけることは、俺が嫌だった


だけどその気持ちがハルカを傷つけた

俺はただのバカだった

⏰:07/07/11 01:17 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#122 [ゆう]
ハルカとは店以外で会うことになった

ハルカは俺の『彼女』になった

それから毎日のように「早くホスト辞めて」「いつ辞めるの?」「あたしが本当の彼女だってみんなに言って」とか言うようになった

俺は正直それに疲れてた

けど誤魔化すだけで何も言えなかったんだ

⏰:07/07/11 01:21 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#123 [ゆう]
ハルカの行動はだんだんエスカレートしていった


ハルカには、手首を切る癖があった

俺が仕事に行く度に

「腕を切った」

というメールや電話が来た

だから少しの間仕事を休んでみても、今度は「辞めてくれないから」という理由で手首を切った

店からは「ユウに休まれると困る」と言われ、まさに板挟みだった

俺は頭がおかしくなりそうだった

⏰:07/07/11 02:20 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#124 [ゆう]
『ユウなんか早くホスト辞めろ』『本カノはハルカって子だよ』『ユウ辞めろ』

ホスラブの俺のスレにはこんな書き込みがあるとトウヤが教えてくれた

直感でハルカだと分かった

本気で辞めることも考えた

けど‥どうしてもハルカのためにこの仕事を辞めることは考えられなかった

俺は最低な人間

それは分かってた

⏰:07/07/11 02:25 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


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