俺がホストじゃなかったら
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#140 [ゆう]
会いたくない人に会ってしまった俺は少し機嫌が悪かった

そんな夜、最も会いたくない女が店に来た


その女は俺を指名した

その女は一番奥のテーブルに座っていた



レナだった

⏰:07/07/14 18:37 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#141 [ゆう]
「‥ひさしぶり」

レナは気まずそうに、ちょこんと座っていた

あぁ、やっぱり俺、この女好きだなぁ‥

そう思った


「すげー久しぶりじゃん!元気だった?」

俺は普通に接した

このテーブルにつく前にトウヤに

「レナちゃんはユウを裏切ったんだから‥もうあんま深入りすんなよ」

と釘を差してきた

それは俺も分かってた

でも、レナに会ってしまうとそんなことどうでもよくなってしまう

⏰:07/07/14 20:21 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#142 [ゆう]
久しぶりに会うレナは少し変わっていた

雰囲気が柔らかくなって、落ち着いてた

「あたしね、キャバ辞めたの」

レナが突然切り出した

「そうなんだ‥何で?」

「貢がなきゃいけない相手もいなくなったし、やっぱshop店員好きだからさ」

「セイヤさんは?」

「あの人はもういいや」

俺は素直にうれしかった

⏰:07/07/15 01:38 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#143 [ゆう]
「あの夜の電話、聞いてたんだよね?」

レナが気まずそうに切り出した

俺は、うん。とだけ言った

「あの電話の相手ね、ユウのお客さんだったの」

「え?」

「あたしと本気で付き合ってるって噂が流れててさ‥ユウのお客さんが、レナがいるならもう指名するの辞めようかな〜って言ってたから、気がないフリしたの」

⏰:07/07/15 02:52 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#144 [ゆう]
俺はなにも言わなかった

レナは話しを続けた

「ほんとはあんなこと思ってなかったよ。ただ、ユウのお客さんをあたしのせいで減らすのが嫌だったから‥あたしがああやって、ユウに気がないようなこと言えば大丈夫かなって思ったの」


信じていいのか?

そんな疑問はすぐ消えた

好きな女を信じないで誰を信じる?もうレナの悪い噂とかもどうでもよかった。俺はレナを信じる

きっと女に騙される奴はみんなこう思うんだろうなと思った

⏰:07/07/15 02:56 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#145 [ゆう]
「帰って来る?」

俺はレナに聞いた

レナは驚いた顔で

「いいの?」

って言った

「嫌ならいわねーよ笑」


俺はレナが大好きだった

何故かは分かんないけど、本当に大好きだった

⏰:07/07/15 03:09 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#146 [ゆう]
この日からまたレナと俺は一緒に暮らし始めた

トウヤは、やれやれって顔しながらでも応援してくれた

レナが夜の世界から足を洗ったから、俺たちの生活は真逆だった

レナが起きる頃に俺は仕事終わるし、レナが仕事終わる頃に俺は仕事に行く時間だった

けど楽しい毎日だった

⏰:07/07/15 03:15 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#147 [ゆう]
「ユウ最近元気よな」

営業が終わって、家に帰ろうとしていた俺にトウヤが言った

「そう?俺そんな分かりやすい?」

「うん。ユウ恋愛とか下手そうだし」

アフターがない日とか通常営業で終わる日は、レナが起きる時間に帰ってレナを起こすのが日課になっていたから、早く帰りたかった

⏰:07/07/15 04:51 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#148 [ゆう]
「俺さ、ホスト辞めるわ」



トウヤは確かにそう言った

「そうなんだ、何で?」

俺は別になにも思わなかった

トウヤは「夜の世界って怖いわ。もうこんな汚いこと続けていく自信ない」と言った

俺は、辞めれるトウヤがすごいなと思った

⏰:07/07/15 04:57 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#149 [ゆう]
確かに夜の世界は怖い


会いたくなったら金がいる

好きになったら金がいる

好きな人の一番になりたいならもっともっと金がいる

俺も夜の世界は怖いと思う

だけど俺にはこの仕事しかない

だから、

辞めて別の道を選べたトウヤがすごく羨ましかった

⏰:07/07/15 05:01 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


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