俺がホストじゃなかったら
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#15 [ゆう]
¨手袋のおねーさん¨は店を変えても通ってくれた

そのうち、平気でドンペリとかリシャールを入れてくれるようになった

俺がだんだん遠くにいく気がしたのか、高いボトルを入れるのは俺をつなぎ止める方法にも見えた

¨手袋のおねーさん¨とは絶対寝なかった

寝たら離れる、そう思った

⏰:07/07/03 03:59 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#16 [ゆう]
ある日俺は客引きについて行った

客を引くつもりなんてなかった

ただ適当について来ただけだった


この日のお前との出会いが後に俺を変えた



もう街は夏の匂いがした

⏰:07/07/03 04:06 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#17 [ゆう]
その日の天気予報は曇りのち雨だった

街を歩く人たちのほとんどは傘を持っていた

俺たちがキャッチしている途中、タイミングを見計らったかのように雨が降り出した

街を歩く人たちは傘をひらいたり雨宿りをしたり様々だった

俺はコンビニで傘と煙草を買って外に出た


俺は雨が大好きだった

⏰:07/07/03 15:47 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#18 [ゆう]
ひとりの女を見つけて、俺の足が止まった

誰もが急ぎ足で歩く中、その女だけが傘もささないで立ち止まって雨に濡れていた

派手に巻かれた髪、綺麗なドレス

見た目はもろ、キャバ嬢だった


ただものすごく、寂しそうな顔をしていた

なんとなく、俺に似てると思った

⏰:07/07/03 15:53 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#19 [ゆう]
「風邪ひくよ」

俺はその女に近寄って傘をさした

女は俺の顔を見るなり

「あ、○○のマクラ営業ホストだ」

そう言った

俺は笑った
「なんで店の名前まで知ってんの笑」

マクラなのは否定しなかった

「マクラホストには詳しいの。ね、あたしあんたの店行きたい」


これがお前との出会い

⏰:07/07/03 16:10 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#20 [ゆう]
「名前は?」

「レナ。あんたユウでしょ?」

「よく知ってんね」

「ホスラブでたまにあんたのスレ見るよ」

「あぁ、あのデマと中傷ばっかりの掲示板ね。俺もボロカス書かれてんのかな」

「でもマクラ営業はデマじゃないでしょ?」

「まぁね」

俺らは店に行く途中こんな会話をした

レナは俺より1歳年上のハタチのキャバ嬢だった

⏰:07/07/03 16:18 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#21 [ゆう]
「ねぇ、ユウは何でホストになったの?」

レナが突然聞いた

「んー、早く家出たかったからかな。寮あって稼げる仕事って水商売しか思いつかなくて」

俺はこの手の話しが嫌いだった

他人に過去を詮索されるみたいで、いつも適当に返していた

他の子ならいつも「そうなんだ」で終わるのに、レナは違った

⏰:07/07/03 16:47 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#22 [ゆう]
「何で早く家出たかったの?」

レナが食いついてきた

「中学に上がった頃おかんが家出して帰ってこなくなって、親父も他の女の家に住み着いてたから俺一人暮らしみたいなもんでさ。

学校行かなくても何も言われないし好き放題してたんだけど、やっぱ親のスネかじんのは嫌じゃん。

だから中学卒業してすぐメンズバーで働いて家出たんだよね」


俺はここまで喋って後悔した。今日会ったばっかりの女に何ベラベラ喋ってるんだろうと思うと恥ずかしくなった。

だけど逆に、もう会うこともなさそうだしいいかな、とも思った

⏰:07/07/03 16:54 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#23 [ゆう]
レナは

「あたしとそっくり」

とだけ言った

俺は何も聞かなかった

他人に興味のないフリをするのが俺の癖だった


それからまた他愛のない話しをしてレナはチェックを済ませた

レナはホストクラブに慣れていた

俺とレナは番号を交換した

その日は

「また来るね」
「今度店行くよ」

という口約束を交わして終わった

その時お互いに何の感情もなかった

⏰:07/07/03 17:06 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#24 [(´T`Pq⌒みなみ]
読んでます
頑張って(。・・b

⏰:07/07/03 17:37 📱:D902i 🆔:☆☆☆


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