俺がホストじゃなかったら
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#246 [ゆう]
「ただいまー‥あつっ」
玄関を開けるとムワッと夏特有の暑さが俺を迎えた
「あっ、おかえり」
レナがリビングから出て来た
「暑くね?クーラーかけなかったの?」
俺はシャツをパタパタ仰いだ
:07/08/06 21:22 :D902iS :☆☆☆
#247 [ゆう]
「あぁクーラーかけるの忘れてた!暑いよね、今からつけるね」
俺は忘れるわけねーだろと心の中でレナに突っ込んだ
「今までどっか行ってたの?さっき家ついたとか?」
俺の問いにレナは
「ずっと家にいたよ」
と言っていた
こんな暑い部屋によくいれたな
俺はその時それしか思わなかった
:07/08/06 21:25 :D902iS :☆☆☆
#248 [ゆう]
ある日俺は同業周りで他の店のイベントに顔を出しに行っていた
その店は、セイヤがナンバーワンを勤める店だった
正直マジで嫌だった
「まさかユウくんが来てくれるとは思ってなかったよ」
そう行って俺に近づいて来たのはセイヤ
「仕事なんで、嫌々ですけど」
俺は愛想良く返した
:07/08/06 23:05 :D902iS :☆☆☆
#249 [ゆう]
「あ、俺子供産まれるんです」
ニコッと笑ってやった
セイヤは驚いた顔で
「‥レナとの子共?」
って聞いてきた
「そうっす。結婚するんで」
セイヤは黙ってた
ただ、何か可哀想なものを見るような目で俺を見た
:07/08/06 23:09 :D902iS :☆☆☆
#250 [ゆう]
セイヤの態度が気になったけど、適当にシャンパンを卸してすぐ自分の店に戻った
帰り際、セイヤに
「もうレナに近づかないでくださいね」
と言った
その時、この俺の言葉は無力だった
:07/08/09 10:32 :D902iS :☆☆☆
#251 [ゆう]
その頃の俺は、子供の部屋を見ると嫌なことも忘れられた
赤ちゃんのベッドや沢山のおもちゃを見ると、もうすぐ産まれてくる自分の子供が楽しみで、その日嫌なことがあっても自然と癒されたんだ
昔からの俺の客には
「最近ユウ楽しそう」とか「柔らかくなった」とか言われるようになった
ずっと友営でやって来てる子には結婚することも子供ができたことも打ち明けた
:07/08/09 10:38 :D902iS :☆☆☆
#252 [ゆう]
ある日俺は、本屋で赤ちゃんに名前をつける時に参考になる本を買って帰った
レナと本を見ているうちに、画数とか色々含め、女の子だったら桜って名前がいいねって話した
それから毎日、暇があればその本を読んでた
『直輝』
この名前を俺の親はどんな気持ちで俺につけたんだろう?
その親二人に捨てられた今では、何も分からなかった
:07/08/09 14:41 :D902iS :☆☆☆
#253 [ゆう]
それから一ヶ月くらい経った時のこと
レナに行ってきますと言って家を出た俺は、店について俺を指名していた客を接客した後、携帯を忘れたことに気づいて家に取りに戻った
別に取りに戻らなくても良かったのに、その日は平日で店が暇だったし、本当になんとなくの行動だった
:07/08/09 15:19 :D902iS :☆☆☆
#254 [ゆう]
家についてインターフォンを鳴らす
レナは出なかった
おかしいなと思いつつ俺は鍵で部屋に入った
部屋にレナはいなかった
時刻は確か午前2時
俺はその場でレナに
『今なにしてる?』
ってメールを送った
:07/08/09 15:22 :D902iS :☆☆☆
#255 [ゆう]
少し経ってレナから返信が来た
『テレビ見てるよ〜もう眠いから寝そうだけど』
部屋にレナはいないしテレビもついてない
『どこでテレビ見てんの?』
そう送った
レナからの返信は
『家だよ』
:07/08/09 15:25 :D902iS :☆☆☆
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