俺がホストじゃなかったら
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#11 [ゆう]
「おねーさん、何も頼まなくていいよ。今日は初回だからね、3500円でハウスボトルとソフトドリンク飲み放題だよ

おねーさんは「え?ホストクラブってそんなんなの?気合い入れて来ちゃったじゃん笑」

そう言って初めて笑った

この人なんにも知らないんだなーと思った

お酒はあまり強くないって言ったから、ソフトドリンクを出した


また近いうち来るな、そう思った

⏰:07/07/03 02:39 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#12 [ゆう]
その日は普通な会話をした。駅で会った時のこと、手袋のこと、おねーさんの友達がこの近くのホストクラブに通ってること。

おねーさんは「また来るね」と言って、基本料金3500円+TAX25%であろう金額でお会計を済ませ、俺の見送りで店を出た。

この仕事を初めてからこんなに早く固定の客ができると思ってなかったから、その日の接客はいつもより気合いを入れた

この日がある意味本当の初出勤って感じだった

⏰:07/07/03 02:48 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#13 [ゆう]
それからおねーさんはよく店に来た。

飛び抜けて高くはないけど、全然安くもないボトルをちょくちょく入れてくれた

でもそれが、俺の価値をボトルに表されてるみたいで悔しくて、営業熱心にもなった


そっから調子が良くなったか運気が味方したか、俺を指名する人も増えて、いつの間にかヘルプは簡単に上がっていて、先輩が言う¨一人前のプレイヤー¨になりつつあった。

⏰:07/07/03 03:22 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#14 [ゆう]
しばらくして俺は店を変えた

未熟な新米ヘルプだった俺を誰も知らない店で働きたかった

前より店のレベルも少し上げた

もう、ここでもやっていける自信と顧客が俺にはあった

もとから女関係にまじめじゃなかった俺は、イロもマクラも平気で出来た

求めて来る客なら、おばさんとだって平気で寝た

俺は19歳になっていた

⏰:07/07/03 03:51 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#15 [ゆう]
¨手袋のおねーさん¨は店を変えても通ってくれた

そのうち、平気でドンペリとかリシャールを入れてくれるようになった

俺がだんだん遠くにいく気がしたのか、高いボトルを入れるのは俺をつなぎ止める方法にも見えた

¨手袋のおねーさん¨とは絶対寝なかった

寝たら離れる、そう思った

⏰:07/07/03 03:59 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#16 [ゆう]
ある日俺は客引きについて行った

客を引くつもりなんてなかった

ただ適当について来ただけだった


この日のお前との出会いが後に俺を変えた



もう街は夏の匂いがした

⏰:07/07/03 04:06 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#17 [ゆう]
その日の天気予報は曇りのち雨だった

街を歩く人たちのほとんどは傘を持っていた

俺たちがキャッチしている途中、タイミングを見計らったかのように雨が降り出した

街を歩く人たちは傘をひらいたり雨宿りをしたり様々だった

俺はコンビニで傘と煙草を買って外に出た


俺は雨が大好きだった

⏰:07/07/03 15:47 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#18 [ゆう]
ひとりの女を見つけて、俺の足が止まった

誰もが急ぎ足で歩く中、その女だけが傘もささないで立ち止まって雨に濡れていた

派手に巻かれた髪、綺麗なドレス

見た目はもろ、キャバ嬢だった


ただものすごく、寂しそうな顔をしていた

なんとなく、俺に似てると思った

⏰:07/07/03 15:53 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#19 [ゆう]
「風邪ひくよ」

俺はその女に近寄って傘をさした

女は俺の顔を見るなり

「あ、○○のマクラ営業ホストだ」

そう言った

俺は笑った
「なんで店の名前まで知ってんの笑」

マクラなのは否定しなかった

「マクラホストには詳しいの。ね、あたしあんたの店行きたい」


これがお前との出会い

⏰:07/07/03 16:10 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#20 [ゆう]
「名前は?」

「レナ。あんたユウでしょ?」

「よく知ってんね」

「ホスラブでたまにあんたのスレ見るよ」

「あぁ、あのデマと中傷ばっかりの掲示板ね。俺もボロカス書かれてんのかな」

「でもマクラ営業はデマじゃないでしょ?」

「まぁね」

俺らは店に行く途中こんな会話をした

レナは俺より1歳年上のハタチのキャバ嬢だった

⏰:07/07/03 16:18 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


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