俺が一番と思った女2
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#300 [しゅん]
[あー澤田さんは嫌やなー]

「ん?」

[苗字で呼ばれるの何か壁があって嫌やなぁっち思って。優歌がいい]

「あーー…ごめんけど、澤田さんでいくわ!」

下の名前で呼ぶのは、特別扱いしているように感じる。
俺はな。
やけん、何となく俺にとっては初対面やし名前で呼ぶんはかなりありえないことやった。
澤田さん。妥当な呼び方やと思うけど…

⏰:08/07/28 16:15 📱:PC 🆔:4TmlXR5Q


#301 [しゅん]
[わかったーーー。まだあの彼女さんとは付き合ってるん?]

「いや、もう終わったで?そんで俺は引きずり中やんな」

[え?結構長かったんやないと?]

「あーまぁな。向こうはもう彼氏おるし、俺がこんなん引きずってるんは迷惑かもなー」

[え?彼氏おるの?ありえん。遊ばれてたん?]

⏰:08/07/28 16:15 📱:PC 🆔:4TmlXR5Q


#302 [しゅん]
「は?何でそうなるん?」

真剣にキレそうになった俺。
まじ、意味不明なことを言いやがった。

[いや、だって・・・]

「澤田さんは、俺らがどういう理由で別れたとか知らんやろ?勝手に遊ばれてたん?とか言うのは間違っとらん?そんなん、アンタに言う資格はねぇと思うんやけど。わりーけど、そういうの俺いっちゃん好かんのちゃね」

[…ごめん。]

⏰:08/07/28 16:16 📱:PC 🆔:4TmlXR5Q


#303 [しゅん]
遊ばれてたん?とか普通言うか?っち感じやし。
何様で俺に物を言いよんかちゃ!っち、マジでむかついた。
未来を悪く言われるのも腹立ったし。
ほんと俺そーゆんの許せんのちゃね。

⏰:08/07/28 16:17 📱:PC 🆔:4TmlXR5Q


#304 [しゅん]
黙る俺に続けて澤田さんがしゃべった。

[ごめんね!そういうつもりで言ったんやなくて…小彩くんみたいにかっこいい人を手放す人とかおるんやなぁっち。手放すっち言ったら変かもしれんけど…でも、ずっと小彩くんに憧れて好きやったあたしからしたら、どんな理由にせよ贅沢やなっち思う。羨ましい。]

そうれとこれとは話が全然ちげーし。

⏰:08/07/28 16:18 📱:PC 🆔:4TmlXR5Q


#305 [しゅん]
「いや、何かそう言われたら調子わりーけど。とりあえず、別れた理由は俺にあるけん未来を悪く言うのはやめとって。言い方わりーけど、他人にとよかく言われたくねぇし。」

[ごめんね。何か、あたし小彩くんのこと知ってるみたいな感じやったよね…]

「いや、わかってくれたならいいけん。俺も言い方きちーでごめんな。」

[ううん。全然大丈夫。あたしこそ、何か変に入ってしまってごめんなさい]

「じゃあもう終わりな!」

⏰:08/07/29 15:32 📱:PC 🆔:BRS7qYRE


#306 [しゅん]
この話は俺が無理矢理終わらせた。

澤田さんに未来のことを話すつもりもなかったし。
する必要もねぇっち思ったし。
そっからは、野球の話とか進路の話とか結構色んな話をした。
まぁまぁ野球も知っとる子やったな。

⏰:08/07/29 15:34 📱:PC 🆔:BRS7qYRE


#307 [しゅん]
澤田優歌。

この人の紹介もしとくかな!
俺とタメ。
女子大に通っていた。
ん〜見た目は俺のタイプやねぇけど綺麗やな。
服装も俺のタイプやねかった。
背がちっせーで華奢。
性格は、サバサバしとって結構口がわりぃ。
素直でいやらしい感じではなかった。
でも、言い方わりーけどちょっと天然を装った感じ?
のような気がする。
そんな子。

⏰:08/07/29 15:34 📱:PC 🆔:BRS7qYRE


#308 [しゅん]
その日はそれで終わったんやけど、向こうから連絡先を聞かれ教えた。
あんま女に連絡先とか教えたくねぇけん嫌やったけど、さすがにここまで話して嫌とも言えず自分のだけ教えて、俺は澤田さんの連絡先を聞かなかった。

次の日起きるとメールが入っていて、昨日はありがとうみないな内容やった。
適当に返してアドレスも番号も登録せず、そん時は終わったんやけど。

⏰:08/07/29 15:35 📱:PC 🆔:BRS7qYRE


#309 [しゅん]
何週間かして…。

またメールが来て、登録してなかった俺は誰かわからなかった。
でも、内容から女の子っちことと俺のことを知っとる人っちゅーのがわかって
それとなく返してみると、澤田さんやった。

⏰:08/07/29 15:35 📱:PC 🆔:BRS7qYRE


#310 [しゅん]
回りくどく色々言いよったけど、用件は遊ぼうっちこと。
もちろん二人でやったし、何となく気が引けた。
嵐に相談したら
《気分転換に行ってきたらいーやん!!お前から誘ったわけやねんやし、軽い気持ちでからさ!他の女を見てみるのも勉強ちゃ!》
と言われ、まぁいっかっち気持ちでOKした。

⏰:08/07/29 15:36 📱:PC 🆔:BRS7qYRE


#311 [しゅん]
俺が駅まで迎えに行くと、澤田さんはまだ来てなかった。
音楽を聴きながらボケーっち携帯をいじっていると、澤田さんから電話があった。

[ごめん!今ついた!!もうおる?]

「あー自販の前に止まってるで!黒の四駆」

そう言うと、めちゃめちゃ驚いた様子で
[あれ???うそやん!!]
とか叫んでいた。

⏰:08/07/30 16:18 📱:PC 🆔:xGJCGseI


#312 [しゅん]
よーわからんまんま俺は電話を切り、後ろを振り向くと走ってくる澤田さんが見えた。

助手席の前で戸惑っとったけ、俺が運転席から助手席のドアを開けると

[車???]

と驚く澤田さん。

⏰:08/07/30 16:19 📱:PC 🆔:xGJCGseI


#313 [しゅん]
「あ、車で行くっち言ってねかったっけ?」

[いや、聞いてないし…やけんビックリした。]

「これ小彩くんの車?]

「おう!俺の愛車!」

[親のとかじゃなくて?]

「元は兄貴のやけど、貰ったん。やけ、今は俺のやんな」

[えーーービックリやし。車持ちやったんやね。学生なんに凄い。しかも四駆やし]

「そうかね?まぁ維持費とか大変やけど、実家帰る時とか車のが便利いいしな」

[へぇ〜周りにそんな人おらんもんなぁ]

「そーなん?結構おるくね?大学車で来よる奴とかもおるし。澤田さん女子大やけんかもな」

⏰:08/07/30 16:19 📱:PC 🆔:xGJCGseI


#314 [しゅん]
そう言いながらも、未来は女で学生で車持ちやったし、俺の周りは結構車持ちの奴が多かっけん、そう驚かれるのは不思議な感じがした。

「どこ行くか決めた?」

[車っち思ってなかったけん…考えてたとこは全部近場…]

「そやなー。とりあえず、走るで?右か左か言って!」

[じゃあ、右!]

その声と同時に走り始めた。

⏰:08/07/30 16:20 📱:PC 🆔:xGJCGseI


#315 [しゅん]
一日ドライブして、飯食って、澤田さんが海に行きたいっちゅーから行って語った。


つくづく思ったことやけど。

ほんと、きれいな顔。
スタイルもいいし。
ほんま俺のこと好きやったんか?
もっといい男いてたやろ?
勿体ねぇーー。
高校三年間、俺を想って潰れたと考えると、まじで勿体ねぇと思った。

⏰:08/08/01 14:55 📱:PC 🆔:5Jz2bV0o


#316 [しゅん]
澤田さんを家まで送るつもりやったんやけど
その後友達の家に泊まるらしく駅まで送ってその日はそれで終わった。

たいした話はしてないんやけど、ちょっとだけ澤田さんを女として見る自分がいたことは自分でもわかった。

好きとかそーいう感情やなしにな。
深い意味は全くねぇ。
ただ単に俺のことをずっと好きやったっちそう言われたことを意識しとったからかもしれん。

⏰:08/08/01 14:56 📱:PC 🆔:5Jz2bV0o


#317 [しゅん]
それからも澤田さんから何回か誘われて、予定が合わず断ることもあったけど2,3回は遊んだかな。

澤田さんの恋愛観とか過去の話とかも色々話してくれたし、結構ひどいことされた元カレもおったしな。
同情したんかも。



毎日ではないけど、頻繁にメールもするようになって。

こんなん彼女やない限り、俺にはありえんこと。

⏰:08/08/01 14:57 📱:PC 🆔:5Jz2bV0o


#318 [しゅん]
でも言い方はわりーけど、暇つぶしになったし、気は紛れた。

一人でおれば、考えることは未来のこと。
何をしていても、そこに行き着く。

澤田さんやけ一緒おりたいとかそんなんはねぇけど、常に誰かとおりたかった。

⏰:08/08/01 14:58 📱:PC 🆔:5Jz2bV0o


#319 [しゅん]
一人になった時。
寝る前とか。
朝起きてすぐとか。

バイトしている時。
カップルが客として来たりとか。
未来に似たタイプの女が来た時とか。


ふと、気が付くといきなり涙がふわーっと溢れてきたこともあった。

考えないようにしても、いつの間にか未来のことを考えていて
そんな自分に何しよんっちイライラした。

⏰:08/08/01 15:20 📱:PC 🆔:5Jz2bV0o


#320 [しゅん]
未来が笑ったり、泣いたり、怒ったり、すねたり、
抱きしめられたりとか抱きしめたりとか
一緒に寝たり、抱き合ったり…

今までは全て俺としよったことを今は浅田さんに対してしよるんや。
そう思っただけで、涙が出てイラついた。

何でなん?何で俺はこんなん未来のことが好きなんに…。
ほんま、俺が自分勝手やったのはわかっとんに…。


失って気付く。


今までで痛いほどわかっとったはずなんに、繰り返した俺はバカしか言いようがねぇ。

⏰:08/08/01 15:22 📱:PC 🆔:5Jz2bV0o


#321 [しゅん]
ちっさい手も
でけぇ目も
あの長い髪も
全部俺のものやったんに。
今は手すら届かんところに行ってしまった。

唯一嫌いなところ。
頑固で素直やないところやっか。
肝心なとこでは意外に素直やったりするんやけど。
今思えば、そんなギャップもよかったんかもしれん。

⏰:08/08/01 15:22 📱:PC 🆔:5Jz2bV0o


#322 [しゅん]
でも、そんな嫌いなところやけど


『しゅんと別れたい』


この言葉がいつものように素直な気持ちやなかってくれたらどんなにいいだろうか。
頑固な未来の意地であってくれたら。


そんなこと絶対ないっち決まっとるけど、そんな必死な思いも未来には届かない。
それでも、そんな淡い期待を持ってなければ俺の心は壊れそうやった。

⏰:08/08/01 15:23 📱:PC 🆔:5Jz2bV0o


#323 [しゅん]
でも、何回も澤田さんと遊ぶようになって
ちょっと違った目線で未来のことを考えれるようにもなったと思う。

女っちこんな考え方しとんやなとか、こんな行動はそういう意味を持っとるんやなとか勉強したこともたくさんあったし。

未来は思ったままに行動するタイプで、ありのまま裏表のない素な性格やった。
狙って行動するとか有り得ん。
そんな未来とは間逆な女の澤田さん。
何か、そんな子と接するのも新鮮だった。
今まで、そういうの毛嫌いしとったけんな。

⏰:08/08/04 16:02 📱:PC 🆔:KQTN0cKI


#324 [しゅん]
でも、澤田さん曰くそこをわからんようにうまくコントロールするのが大事らしいで…
っち、俺は最初会ったとき何となく裏がある女やなぁと思ったけん
出来てねぇやん!!っち話なんやけど…
そんなんも、愛嬌があって可愛いかったんかもな。

⏰:08/08/04 16:02 📱:PC 🆔:KQTN0cKI


#325 [しゅん]
澤田さんを一人の女の子と意識しはじめてからも
未来に対する気持ちが消えてないのは何となく自分でもわかっていた。

ずるいと思う。
遊んだりメールしたりしよんのに、違う女を心の中では思っている。
澤田さんが今も俺のことを思っているのかどうかはわからんけど、積極的に誘ってきたりメールの雰囲気を見るとなんとなくそうやないかなぁとは感じとったけん。
そのことでも悩んでいた。

⏰:08/08/04 16:03 📱:PC 🆔:KQTN0cKI


#326 [しゅん]
嵐に相談すると
《別に、それでお前が悩むことやねぇと思うけど。気を持たせるような行動してねぇやろ。
誘われたら行く。お前から誘ったこととかねぇんやし。
しかも、思わせぶりの雰囲気出したか?
俺はお前の行動を見よっても、明らかに気がねぇようにしか見えんけどね。
まぁ、澤田さんは明らかにお前に気があるやろーけど…
それらしきことをきっぱり言われたわけやねんやけ、とりあえずこんままでいんやね?
好きとかそれっぽい言葉を言われたら、お前の気持ちをはっきり言えばいいと思うけど?
お前がそんなん気にする奴とは思わんやったわ!
未来と別れて変わったな。人の気持ち考えれるよーになったやん》

こんな答えが返ってきた。

⏰:08/08/05 16:50 📱:PC 🆔:7MBrTdkQ


#327 [しゅん]
「こんままでいいんかね。何かわけわからんくなってきたわ…。
澤田さんを意識すればするほど未来と重ねてしまうし、未来を思い出すんちゃ。
それは仕方ねぇと思うん。まだ吹っ切れたわけやねぇし。
でも、澤田さんの気持ち考えたら、俺嫌な奴やなぁっちね・・・
俺、その立場やったらめっちゃヘコむと思うし」

⏰:08/08/05 16:50 📱:PC 🆔:7MBrTdkQ


#328 [しゅん]
《んーそうやな。でも、それはそれと思うけど。
お前が未来のこと引きずっとるのは、澤田さんもわっかっとやろーし。
それでも、遊び誘ってきたりメールしてきたりするのは、お前のことがそんだけ特別な存在っちことやねん?
ほんとの気持ちを聞いたわけやねぇけん、もしかしたらそうやねぇかもしれんけど。
でも俺がそれだけのことをするっち考えたら、ぜってぇ気持ちあるもんね。
むしろ、何回か遊び誘ってOKでたり、メールして続いたらますます好きになると思うもんな。
それで向こうから告られてダメやったとしても、それはお前が自分を責めるようなことやねぇよ。
仕方ねぇちゃ。そういう運命やったっちこと。
もしかしたら、そうやって遊びよるうちに澤田さんの存在がでけくなるかもしれんし。
そうなったら、澤田さんが頑張った成果であって。お前も未来を吹っ切れたっちことやん。
お前は自分の気持ちに正直におればいいんちゃ!》

⏰:08/08/05 16:51 📱:PC 🆔:7MBrTdkQ


#329 [しゅん]
「んーそうなんやか…」


嵐にそう言われると少し気持ちが楽になった。

それからは、毎日楽しく過ごせるよう自分なりに心がけたつもり。
最後の学生生活楽しまな損やもんな。

⏰:08/08/05 16:51 📱:PC 🆔:7MBrTdkQ


#330 [しゅん]
澤田さんの気持ちを聞いたわけやないけど、そんな話を嵐にしてから
俺の中で澤田さんの存在がでかくなったような気がして、
一人になったり寝る前になると考えるようになっていた。

自分でもそれがすげぇ不思議やった。



俺の中で何かが動き始めた。

⏰:08/08/05 16:51 📱:PC 🆔:7MBrTdkQ


#331 [しゅん]
ちょっと余談なんやけど…

どうも!!
平日は少しでも絶対更新するっち決めたしゅんっす!!

この小説、8/1で書き始めて一年になりました。

更新遅いし、自分勝手で読んでくれてるみんなには
ほんまわりぃと思ってる。
でも、最後までちゃんと書くから、応援お願いしまっす!!

この小説には、ORDER設定で俺しか書き込み出来んようにしとんな^^;
荒らし入ったら、むかつくし…
もし、何か読みにくいとかこうして欲しいとかあったら
感想の方に書き込みお願いします!!!

↓感想のトピック

>>2

あっ、応援とか感想も待ってるんで★


読んでくれてるみんなほんまありがとう!!

⏰:08/08/05 17:02 📱:PC 🆔:7MBrTdkQ


#332 [しゅん]
そんな中、ついにやってきた。

未来と別れて一年。

やっと進みだしたのに、またあの時に引き戻される。
ほったらかした後悔で頭の中はいっぱいやった。

⏰:08/08/06 16:54 📱:PC 🆔:uocomd96


#333 [しゅん]
誰とも付き合ってねぇんやし、どんなに遊び呆けても、バイトしまくったとしても、誰からも何も言われん。
でも、一年前のことがトラウマになって、そういう自分が不安でたまらなかった。

誰かに連絡しとかんと気が済まない。

嵐とはほぼ一緒におるけん連絡せんし、わけわからんのやけど野球部の奴に無駄に何時に帰るとか連絡したりしよった。

⏰:08/08/06 16:54 📱:PC 🆔:uocomd96


#334 [しゅん]
自分から連絡したことはねかったけど、タイミングよくメールが来たり、遊びに誘われたり。

寂しい気持ちやどうしたらいいのかわからないもどかしい思いを
澤田さんに向けていたのかもしれない。

澤田さんは都合のいい相手。

その一人やった。

⏰:08/08/06 16:54 📱:PC 🆔:uocomd96


#335 [しゅん]
そんなんして過ごす春休みも終わりに近づき、また野球が始まる季節がやってこようとしていた。
バイトも楽しくやらせてもらったし、充実したOFFになった。
金も結構稼いだしね。

旅行の計画もちょっとずつ進んでいた。
まだまだ先のなげぇ話なんやけどな^^;

⏰:08/08/13 12:46 📱:PC 🆔:S0cR8z7o


#336 [しゅん]
次の日から練習という日。
みんなでキャッチボールをしようっち話になって、近くの公園に仲がいい奴らで集まった。
嵐はゆーちんと会う約束しとったみたいで、昼からオシャレして外出中。

残された俺らはと言うと…
野球部10人ぐらい上は半袖の速乾Tシャツ。下は野球部のハーパン。
片手にはグローブ。片手にはタオル。
ある奴は、野球バックにパンパンになるぐらい道具を入れてからっていた。

⏰:08/08/13 12:47 📱:PC 🆔:S0cR8z7o


#337 [しゅん]
そんな格好でマックで腹ごしらえをし公園に向かう。
明らかに異様な光景で、俺らまじ気持ちわりぃねとか話しながらキャッチボールをしていた。

で、最初はバラバラでキャッチボールしよったんやけど…
一人がバレーしようやとか言い出して。
野球バックの中身。
バレーボールやらサッカーボールやらバスケットボールやら。
なぜか、水鉄砲とかも人数分入っていた。

⏰:08/08/13 12:48 📱:PC 🆔:S0cR8z7o


#338 [しゅん]
バレー、サッカー、バスケ。
たらふく遊んで、もうヘトヘトなはずなんに…
鬼ごっこやら、水鉄砲で水の掛け合いやら…
小学生みたいな遊びなんに、大学生の俺らでも、こんなはしゃげるんはほんま楽しかった。

そんなんしよったら、ちょっとずつ脱落してくる奴が出てきて。
ひとまず、休憩。
なんに、まだ帰ろうとはならん笑

誰かが ≪帰ろう≫ と言うのを待っとるんやけど、誰も言わん。笑
どんだけなんっちね…

一番、ドン臭かった奴にコンビニまで飲みもんを買いに行かせて
残った俺らは、アスレチックの上で大の字になり休憩していた。
もう周りは薄暗い。

⏰:08/08/13 12:49 📱:PC 🆔:S0cR8z7o


#339 [しゅん]
暗くなったらアレが始まる。
みんな心の中でワクワクしていた。

そのアレ。

それはカクレンボ。

でたんおもろいんちゃ。
夜の公園でカクレンボ。
暗いで見えん中、探す方は必死。
探される方は常にドキドキ。
走ってくる足音とか聞こえたら、やべぇぐらいアドレナリンが出る。

⏰:08/08/13 12:49 📱:PC 🆔:S0cR8z7o


#340 [しゅん]
そいつらが戻ってきて、水分補給すると、速攻でじゃんけんが始まった。
カクレンボに夢中になり、気が付いたら2時間ぐらい経っていた。


【そろそろ帰る?明日早えーし。】

誰かがこの一言を言った。
みんな、やっと出たっち感じでため息がもれる。

【お前、今言うならもうちょい早く言えちゃー】

そんなことを言いながら、寮に戻る準備をしていた。

⏰:08/08/13 12:50 📱:PC 🆔:S0cR8z7o


#341 [しゅん]
そしたら。

【焼肉食いたくねぇ?】

また誰かが言う。

確かに。
マック以来何も食ってねぇし、腹減った。
全員賛同し、そんまま寮の近くにある焼肉屋に食べに行くことにした。

⏰:08/08/13 12:50 📱:PC 🆔:S0cR8z7o


#342 [しゅん]
良太が
【嵐、あいつ夜飯食って帰るん?】
っち俺に聞いてきた。

「いや、何も聞いてねぇけど。電話してみよーか?」

【もし食べて帰らんのやったら、一緒行ったらいいやん!】

「そやな!多分、ゆーちんと食って帰ると思うけど、とりあえず連絡してみるわ!!」

そう話して、嵐に連絡しても電話に出ない。
いつもやったら、ゆーちんと一緒やっても俺からの電話だけは出るんに。
ちょっと疑問に思いながらも切った。

⏰:08/08/13 12:51 📱:PC 🆔:S0cR8z7o


#343 [しゅん]
「あ〜〜嵐出らんわ!何かあったんやっか?」

【珍しいな!お前からの電話に出らんとか。
やりよんやね?野球始まる前に一発!いや二発か?】

「あ〜〜そうかもな!!笑」

【また一時して電話かかってくるやろ!!】

そんな笑い話にみんなで大爆笑しながら、焼肉屋に向かった。

たらふく食べて、もうこれ以上何も入らん状態で寮に戻る。

点呼ギリギリで8時45分。

⏰:08/08/13 12:52 📱:PC 🆔:S0cR8z7o


#344 [しゅん]
部屋に戻ると、まだ嵐が帰ってきてない。
そーいえば、電話もかかってきてねぇし。
みんなも焦っていた。

まぁ4年やから点呼にちょっと遅れたぐらい大丈夫。
俺らが一番上やからな。

でも、嵐は時間には正確やし点呼に遅れたことなんか一回もねぇ。
何でやろ。
そう不安になった。

⏰:08/08/13 12:52 📱:PC 🆔:S0cR8z7o


#345 [しゅん]
そんで点呼ギリギリ5分前。
嵐から電話がかかってきた。

「もしもし?お前何しよん?もうすぐ点呼ぞ?」

《わりぃ。ちょっと今日遅れるわ。てか、頼みがあるんやけど…点呼終わったら天神まで迎えきてくれん?》

「いや、別にいいけど。どーしたん??珍しくね?お前が遅れるとか」

《とりあえず、会って話すけん。いつもんとこで待っとくわ。わりぃ》

「おう!わかった。点呼終わったら速攻出るわ」

⏰:08/08/13 12:53 📱:PC 🆔:S0cR8z7o


#346 [しゅん]
みんなに嵐が遅れることと、今から嵐を迎えに行くことを伝えて寮を出た。
何でか色々考えたけど、原因は浮かばず。

まさかゆーちんと何かあったわけやねーよな…
めちゃめちゃ順調やったし。
心配するようなことねかったし。

いや、ゆーちんがケガかなんかしたとか・・・?

ほんと何やかーーー。
本気で心配した。

そんなん考えている間に天神に着いた。
いつもの場所に行くと、嵐は一人で待っとってゆーちんはいなかった。

⏰:08/08/13 12:54 📱:PC 🆔:S0cR8z7o


#347 [しゅん]
《まじわりぃな!》

「全然いいで〜。日頃お世話になってますんで。てか、どしたん?」

《いや…まじありえんけ。》

「何??」

《祐子からフラれた。》


一瞬周りの空気が凍りつく。
俺は一気に鳥肌がたった。

⏰:08/08/13 12:54 📱:PC 🆔:S0cR8z7o


#348 [しゅん]
「はぁ〜???何それ。」

《俺もほんと意味分からんのやけど。別れたいっち》

「お前何ち言ったん?」

《いや、何かもうわかったしか言えんやった》

「は?何で?」

《わからん…》

「普通に納得して帰ってきたんか?」

《いや、納得してねぇよ。でも、どーしょうもねぇもん》

⏰:08/08/13 12:56 📱:PC 🆔:S0cR8z7o


#349 [しゅん]
「理由は?」

《好きな人が出来たっち》

「はぁ〜?」

《意味わからんよな。今までずっと一緒おってそんな素振り全然見せんやったし。
普通に俺は仲良くやっていきよるっち思いよったんに。それ俺だけ?
何なん。好きな奴が出来たっち。意味分からん》

「いや、まじありえんやろ!!何でなん。」

まじへコみの嵐を目の前に、どんなに頭ん中を絞りまくってもかける言葉が見つからん。
でも、ただ聞いてやるだけでも違うと思い、嵐の話に耳を傾けていた。

⏰:08/08/13 12:56 📱:PC 🆔:S0cR8z7o


#350 [しゅん]
《祐子にさ、嵐は気持ちを口に出してくれんけ、どう思っとるんかわからんかったっち言われたんちゃ。
俺は祐子を大事にしとったつもりやし、それは態度で伝えとったつもりなんやけどね。
好きとかそういう言葉っちしょっちゅう口に出さないけんのかね?
そんな簡単に使って言う意味あるん?》

「いや、俺は特別な時に言うけこそ、真実味があって深いと思うよ。
逆にそういうときに取っとく言葉と思うけど。
そりゃ、相手が不安な時に好きっち気持ちを伝えるのは大切やし、そんな例外もあるけど。
でも、やたらと使うのは俺も嫌やな。
相手からも言われたくねぇ。」

⏰:08/08/13 12:57 📱:PC 🆔:S0cR8z7o


#351 [しゅん]
《よな?ほんと、祐子はしょっちゅう好きっち言うっちゅーか。
何かあったら、すぐ好き?とか聞いてきよったんな。
で、一回話し合いしたん。俺はそういうの嫌やって。
一時よかったけど、また同じ繰り返しでからさ。
わかって欲しいで、ほんと自分からは好きとか言葉に出すのは極力避けとったん。
そしたら、結果コレ。
態度でそんなんはしてねんばい?
何なん。まじ。》

「ん〜。ただ、女はそういうのが多いんやねんやか。
態度とかそんなんやねぇで、言葉で言って欲しいっちゅーの。
ゆーちんみたいに、しょっちゅう好き好き言うのはどうかと思うけど、
自分が言って欲しい時にその言葉がねぇと寂しかったりするんやねぇやか。
ただお前の気持ちが俺にはわかるけん、俺も同じ状況やったら言わんようにすると思うわ。
わかって欲しいもんな。好きやからこそ。」

⏰:08/08/13 12:57 📱:PC 🆔:S0cR8z7o


#352 [しゅん]
《言葉にね…。
あーーーーーーーー!!今更おせーわ!!!
もういい!何かムカついてきたわ。
真剣に考えとった俺の気持ちなんか全然伝わってねぇし。》

俺はそれ以上何も言えず、沈黙が続いた。

⏰:08/08/13 12:58 📱:PC 🆔:S0cR8z7o


#353 [しゅん]
確かに、嵐は思っていることを簡単に口に出したり、女の子が嬉しがるようなことを率先してするようなタイプではない。
でも、肝心な時にはちゃんと気持ちを伝えて嵐なりの表現で精一杯頑張っていた。
普段以上、いや、周りの男と比べても嵐の表現の仕方はかっこよかった。
未来も、嵐が彼氏やったら絶対幸せ。っちしょっちゅう言いよったし。
見習えっちね…

それは俺が一番知っていた。

なのに、ゆーちんが嵐を振った理由が気持ちの表現の仕方なのかがわからない。
嵐は、人一倍頑張っていたはずだ。

⏰:08/08/13 12:58 📱:PC 🆔:S0cR8z7o


#354 [しゅん]
《俺さ。何の為に祐子と付き合いよったんやろ。
別れたとか信じられんし、まじやべぇ。
向き合って分かり合って行きよったつもりやったんに。
それは俺だけやったんやろーね。
伝えきらんやった俺がわりーんやっち思うけど…》

「俺は、お前は充分やりよったと思う。
お前に落ち度なんかねぇよ。」

無言の嵐に俺は続けた。

「でも、厳しいこと言うようやけど、お前が伝えたっち思っても
それが相手に伝わってなかったら、それは伝えたことにならんのやねぇやか…」

⏰:08/08/13 12:59 📱:PC 🆔:S0cR8z7o


#355 [しゅん]
俺の言葉に、嵐は一時黙ったまま

《そやな…》

その一言だけ言った。

「何かすげぇ難しいけど…お前まじ大丈夫か?」

《たいじょばん》

「よな…」

《ほんと真剣やったんに。最後、責められて泣かれて終わったわ。
俺の前でさ、めちゃめちゃ泣くん。
ごめんねっち謝りながら。
そんなん見たら、やっぱ冷たく当たれんやん?
涙拭いて抱き寄せようとしたら、拒まれたちゃ…
もう本気で終りなんやっちそーとー泣きそうになった。》

そんな場面、想像出来んぐらい仲良いで
今の状況を誰が予想していただろうか。

嵐の状況を俺自身も受け止められずにいた。

⏰:08/08/13 13:00 📱:PC 🆔:S0cR8z7o


#356 [しゅん]
冷めた心 取り戻せるように今なら
錆びた恋に 終わりを告げることの意味

ケツメの失恋っち曲。
未来と別れた時、この曲が俺の中でガッチリはまってしまい
何回も何回も聞いて自分を追い込んだ。



こん時の嵐は
ケツメの儚しっち曲。
これが出回っていれば、ガッチリはまっていたと思う。

出会ったのに なんで君を失う
別の人に 寄りかかりながら
解りたくて なんで涙を流す
気付ければと 振り返る


やべーやろ…。

⏰:08/08/13 13:09 📱:PC 🆔:S0cR8z7o


#357 [しゅん]
寮に戻ると、みんな心配していたらしく俺らの部屋に集まっていた。

【嵐、どした?何かあったんか?】

《祐子と別れたわ。》

全員その言葉に凍りつく。

誰も言葉を発しなかった。

《とりあえず、そーいうこと。寝る。》

そう嵐が続けると、みんなどうしたらいいのかわからない様子で仕方なく部屋を出た。

⏰:08/08/13 13:10 📱:PC 🆔:S0cR8z7o


#358 [しゅん]
「今日、俺良太の部屋で寝るな。明日はぇーけん、早く寝ろよ!練習にひびくぞ」

そう言って、俺も部屋を出た。
嵐を一人にさせてあげたかった。

良太の部屋は俺らの隣。
夜中、俺の部屋からドスっと言う音が何回かした。
嵐が悔しい思いをふとんにぶつけたんやと思う。
普段、物にあたったり感情がセーブ出来ないほど高ぶったりすることはないのに
今日ばかりはそうなるのも無理はなかった。
嵐にとって相当なダメージやったに違いない。

⏰:08/08/13 13:10 📱:PC 🆔:S0cR8z7o


#359 [しゅん]
次の日、朝早くから練習でみんな眠たい目をこすりながら集合する。
その中に嵐もいる。

嵐の顔はひどく、明らかに寝てないのがわかった。

練習初日。
あたりめぇで練習はきちぃ。
俺らでも死にそうになるぐらいきちぃんに、ほとんど寝てねぇ嵐にすれば生き地獄や。
そんなきつい練習も嵐はリタイヤすることなく、最後までやりきった。

そんな姿を見て、ほんと嵐はすげぇ男と思った。

⏰:08/08/13 13:11 📱:PC 🆔:S0cR8z7o


#360 [しゅん]
嫌やったんと思う。
ゆーちんにフラれて、野球をあきらめることが。

それだけは、負けたくないっち意地があったんやねぇやか。

そういうときこそ、人間は成長すると思う。

⏰:08/08/13 13:11 📱:PC 🆔:S0cR8z7o


#361 [しゅん]
女と野球。

どっちがでかかったり、ちっさかったりもせん。

でも、俺はイコールでは結べない。

嵐もきっと同じ考えだと思う。

⏰:08/08/13 13:12 📱:PC 🆔:S0cR8z7o


#362 [しゅん]
中には、女がおるから野球を頑張れるっち人もおると思う。
俺も実際そうだった。
未来が応援してくれるからこそ、しんどい時踏ん張れたり耐えたり出来た。
けど、ほんとに大事なのは自分自身がどうするかであって相手がどうとか関係ない。
俺はそう思う。


野球は野球。
女は女。

俺はそう思う。

⏰:08/08/13 13:12 📱:PC 🆔:S0cR8z7o


#363 [しゅん]
{嵐!!お前今日よく頑張ったな!!}

コーチに言われていた。
それを聞いた嵐は満面の笑顔で

《はい!!頑張りました!!》

と言っていた。

コーチに言われたその一言で、少し気持ちが軽くなったんやねぇやか。
見ている人は見ている。
自分が知らんところで。

頑張る嵐を見て、俺も負けてられんっち気合が入った。


そして、俺に転機が訪れた。

⏰:08/08/13 13:13 📱:PC 🆔:S0cR8z7o


#364 [しゅん]
それから一時たって。

急に澤田さんからメールが来た。
練習も始まり、連絡もあまり取っていなかった。

いつものように開くと

[今日、ご飯食べ行ける?]

と打ってあった。

⏰:08/08/18 16:58 📱:PC 🆔:OdwSfNzs


#365 [しゅん]
別に何の用事もなかったし

「行けるで!何時?」

そう返事をすると電話がかかってきた。
普段、飯食いに行ったり遊んだりするのを決めるのはメールやし
滅多に電話とかせんから、ちょっとドキっとした。

⏰:08/08/18 16:58 📱:PC 🆔:OdwSfNzs


#366 [しゅん]
「もしもし!どした〜?」

[ううん。別に深い意味はないよ!何時にしよっか?」

「澤田さん誘ってきたんやろ?決めてねんかちゃ!」

[いや、小彩くんの都合聞こうっち思ってやん!!]

「俺は、暇あるから何時でもいいで?」

[じゃあ、用意したら連絡するね!お迎え頼んでもいいかなぁ??]

「おう!じゃあまた連絡してな!」

[はーい!またメールするね!!]

こんな会話で切った。

⏰:08/08/18 16:59 📱:PC 🆔:OdwSfNzs


#367 [しゅん]
この澤田さん。
めちゃめちゃ用意するのに時間がかかる人でからさ。
女の子っちみんなそーなんかな。
俺、用意とか10分あれば余裕で出来るけね…。


一時して、また澤田さんからメールが来た。

[用意できました。お迎えお願いしまーす]

この時、電話を切ってから2時間…。
若干、待ちくたびれて寝そうになりよったけね…

⏰:08/08/18 16:59 📱:PC 🆔:OdwSfNzs


#368 [しゅん]
いつものように俺が澤田さんの家まで迎えに行き、いつものように助手席に澤田さんが乗る。
今までは全然そのことに抵抗とかねかったのに、なぜか変に緊張した。

飯を食って、ゆっくりしていた時。

澤田さんが海に行きたいっち言うから、海まで車を走らせた。

⏰:08/08/18 17:00 📱:PC 🆔:OdwSfNzs


#369 [しゅん]
外に出て、砂浜まで歩いたんやけどめちゃめちゃさみぃで…
澤田さんがぶるぶる振るえよったけん

「さみぃやろ?車戻ろーや」

そう言うと、首を横にめいいっぱい振った。

[大丈夫!!!]

「ほんと大丈夫なんかちゃ〜」

[全然大丈夫!!]

そう言う澤田さんに押され、そのまま砂浜の岩に座って話した。

⏰:08/08/19 16:32 📱:PC 🆔:6IJGQadU


#370 [しゅん]
最初は元気やったくせに、さすがにさみぃの我慢できんくなったんかしらんけど
明らかに口もまめってねぇし、小刻みに震えよるし。。。

「ねね、さみぃやろ?車、戻ろーや!」

[いや!!]

何回かこんなやり取りをして、でも澤田さんは聞かんから、俺のパーカーを貸した。

「じゃあ、これ着とけや!震えよるの見たらこっちまで耐えれんくなる」

最初はいい!!とか言いよったくせに、ほんと寒かったんやろーね。
最終的には俺のパーカーを自分の物のように着ていた。笑


ここだけの話。
俺、まじさみかったけね。。。

⏰:08/08/19 16:32 📱:PC 🆔:6IJGQadU


#371 [しゅん]
そんな中、澤田さんのマシンガントークは続いた。
んで。
一時たって、ほんと俺が耐えれんくなったぐらいの時に、澤田さんも無理っち思ったのか
車に戻ろうと言う言葉がやっと出た。

「だけ言ったやろ?早くもどるぞ!!」

[だってぇ〜〜〜]

と言いながら、2人で車まで競争した。
全速力で戻る2人に、何かめっちゃウケた。

⏰:08/08/19 16:33 📱:PC 🆔:6IJGQadU


#372 [しゅん]
車に戻って、暖房全開にし、必死にあったまった。

「パーカー返して〜?」

そう俺が言うと、澤田さんは

[いや!]

そう言った。

「何でやねん!」

[まだ寒いもん]

「もう暖房入れとるやんけ!」

[やけまだ寒いと!!]

まさかこんな答えが返って思わんやって、頭ん中は???っち感じ。
何やねん〜〜〜!!っちね…
わけわからんまま、諦めた。

微妙な空気が流れて、一時沈黙になった。
口を最初に開いたのは澤田さん。

⏰:08/08/19 16:33 📱:PC 🆔:6IJGQadU


#373 [しゅん]
[小彩くん。ちょっと真剣な話していいかな?]

「何かちゃ〜?」

パーカーを返してもらえんやったし、ちょっと機嫌が悪いフリをして澤田さんを見ると
ふつーに真剣な顔。

こう言いながらも、何となく言われることはわかっていた。

⏰:08/08/20 11:06 📱:PC 🆔:kU1RMwCE


#374 [しゅん]
[小彩くん、まだ元カノのこと引きずってる?]

やっぱり。
未来の話か。

「ん〜自分でもようわからん」

[そっか…。あたしね、小彩くんが好き。大好き。
高校生の時すっごい好きで、でも諦めて。スノボで会ったとき本当運命かもっち思った。
元カノ忘れさせるぐらい好きにさせる自信があるん。
これからまだいっぱい思い出つくっていきたい。
あたしと付き合ってくれませんか?]

⏰:08/08/20 11:08 📱:PC 🆔:kU1RMwCE


#375 [しゅん]
一時沈黙が続き、
俺は

「ありがと」

この一言しか出なかった。
ついに言われた好きの言葉。
何となく予想はしていたが、何も考えられなかった。

⏰:08/08/20 11:09 📱:PC 🆔:kU1RMwCE


#376 [しゅん]
そんな俺の言葉に澤田さんはこう言った。

[小彩くんの中で元カノの存在がおっきいことは、何となく感じてた。
未来ちゃん?未来ちゃんのことまだ好き?]

今まで、澤田さんに未来の話は一斉してねぇ。
気になるのは当たり前や。

⏰:08/08/20 11:09 📱:PC 🆔:kU1RMwCE


#377 [しゅん]
「未来の話聞きたいか?嫌やねぇ?」

[聞きたい。小彩くんが今どう思ってるんか聞きたいから。話してくれる?]

「俺、ウソつくつもりもねぇし、飾る気もねぇ。話すなら全部ほんとのこと話すよ?
それでも聞く?」

[うん。聞きたい]


俺のことを好きと言ってくれている相手に元カノの話をするのはどうかと思ったが
澤田さんは聞きたいと強く言ったけん、話をすることにした。

⏰:08/08/20 11:09 📱:PC 🆔:kU1RMwCE


#378 [しゅん]
「俺ね、ほんと今自分の気持ちがわからんの。
ごめんな。

未来と別れた原因は俺の考えが甘かったのもあるし、自己中で自分勝手やったんな。
別れてもう一年ぐらい経つんに、未だに思いだして後悔するし。

未来と俺、中学のとき初めて会ったんな。最初の印象は最悪で。
普通にしときゃー可愛いっち感じなんに、一本筋が入っとって頑固で。
初対面で俺に文句言ってきたし。
俺の周りにはおらんタイプの子やった。
あん時はまさか付き合うとか思ってねかったけんね。

⏰:08/08/21 15:57 📱:PC 🆔:cQfvn9uo


#379 [しゅん]
それまで俺は本気で好きとかいう気持ちがないまま、告られた奴が可愛かったら付き合って、何となく好きなんかなぁーっちゅー気持ちしかねかったん。
未来と出会ったときも、学校で一番可愛いっち言われよった子と付き合いよったし。
何でようかわからんのやけど、未来といつの間にか仲良くなって、よく遊ぶようになったんな。
未来はありのままをさらけ出すっちゅーか、猫かぶったりが全然ねかったん。
喜怒哀楽を自由に表現するんな。嬉しい時は思いっきり笑うし、うめぇもん食った時はほんとうまそうに食うし。
そんなん関係が楽しいっちゅーか一緒おって楽でから。

⏰:08/08/21 15:58 📱:PC 🆔:cQfvn9uo


#380 [しゅん]
でも、その理由でその子に振られて。俺は、あっそ!っち軽くしか考えてねかったんやけど、未来が泣いたん。
あたしのせいで悲しい思いさせてしまったっち言ってからさ。
そん時、何でかこいつの涙見たくねぇっち思ったんよね。
もう好きやったんと思う。
その気持ちに耐えれんくなって初めて自分から告白してから。
好きになるっちこういうことなんやっち初めて知った。

⏰:08/08/21 15:59 📱:PC 🆔:cQfvn9uo


#381 [しゅん]
で、やっと繋がったのに、俺のせいで別れて。
もう未来とは終わったと思った。
次はないっち。それでもずっと好きやったん。
その思いが通じて、また付き合えるようになって、一緒の道を歩いてきたんに、また俺は裏切ったんちゃ。
俺は本気で未来との将来のことを考えとったし、フラれた時は何が何かわからんで必死やった。
それでも、向こうの別れたいっち気持ちはかわらんやってからさ。

⏰:08/08/21 16:00 📱:PC 🆔:cQfvn9uo


#382 [しゅん]
でも、未来、浮気しとったんちゃね。
俺がほったらかしとった間に…。
それを言われて、ほんと信じられんやったん。
そうなったのは自分のせいでもあるのはわかっとるんやけど、浮気は許せんし。

それ以上すがることはしききらんで、別れることになったん。
めちゃめちゃ泣いたし、ほんと後悔しかなかった。
いっぱいした約束も結局守ってやれれんで…何で俺っちこうなんっち責めた。

⏰:08/08/21 16:00 📱:PC 🆔:cQfvn9uo


#383 [しゅん]
それから一時たって、未来が彼氏とおる所を目撃してしまってからさ。
ほんと幸せそうに笑いよったんな。
やっぱショックはショックやったけど、それ見てほっとした気持ちがあったことも自分でもわかって。
あいつも幸せなんやけ、俺も幸せならんないけんなっち。
そう簡単に抜け出せるもんやねかったけど、時間が経つにつれて前ほどきつくもなくなってきてさ。

⏰:08/08/21 16:02 📱:PC 🆔:cQfvn9uo


#384 [しゅん]
そんなときに現れたのが澤田さんやったんな。
言い方ほんとわりぃけど、未来を忘れるために、連絡取ったり遊び行ったりしよった。
ごめんな。
でも、でも澤田さんのこと意識してなかったわけやねぇし、いつの間にか俺の中ででけぇ存在になっとるのはほんとで。
でも、それが好きかっち言われたらまだよくわからん。
もうちょっとゆっくり考えさせてくれん?
ちゃんと真剣に考えるけん。澤田さんの気持ちほんと嬉しいし、未来以外の女を考えたこともねかったけん。
時間くれん?こんな答えでごめんな。」

⏰:08/08/21 16:03 📱:PC 🆔:cQfvn9uo


#385 [しゅん]
そう言うと、澤田さんは泣いていた。

[そんなことがあったっち知らんくて、遊ばれてたん?とか言ってごめんね]

「いや…もうそれはいいけん!わかってくれたならそれでいい。
もう終わったことなんやけ、気にせんでいいけん」

[ありがと。ちゃんとあたし待つよ。小彩くんの答えが出るまで]

「ごめんな」

[もしダメやったとしても、大丈夫やけんちゃんと言ってね]

「わかった」

⏰:08/08/21 16:03 📱:PC 🆔:cQfvn9uo


#386 [しゅん]
[告白するのね、この海っち決めてたん]

「ん?そうなん?」

[ここ、小彩くんと2人できたはじめての場所。覚えてる?]

「あ〜そうやったな!あん時も海行きたいっち言って来たもんな」

[あたし、ほんとに小彩くんのこと好きやから。
小彩くんの笑った顔見ると幸せっち思える。これからもずっとその隣にいたい。
それだけで幸せ。]

「うん。わかった」

海を後にし、澤田さんを家まで送った。

⏰:08/08/21 16:04 📱:PC 🆔:cQfvn9uo


#387 [しゅん]
家に戻り、いつもなら嵐にこのことを報告しに行くんやけど、この日は行かなかった。
自分一人で考えようと思ったから。

俺はどうしたいのか。
澤田さんが好きなのか。
まだ未来が好きなのか。

その夜考えても考えても結論は出ず、いつの間にか寝ていた。

⏰:08/08/22 11:29 📱:PC 🆔:Sm/U.W4A


#388 [しゅん]
何日か経って、日々考えることは澤田さんのこと。

自分が出した答えに後から後悔するのもすげぇ嫌やった。
一個ずつ一個ずつ、気持ちの整理をした。

⏰:08/08/22 11:30 📱:PC 🆔:Sm/U.W4A


#389 [しゅん]
未来と別れて一年。
俺は、どう変わったのか。
自分のしたことに後悔して、泣いて、苛立って。
逃げて、悩んで、それでも未来を追いかけていた。

人間、変わろうと思ってもそう簡単に変われるものやない。
そんなことは充分わかっている。
でも、自分自身でも少しは変わったと思える。

⏰:08/08/22 11:30 📱:PC 🆔:Sm/U.W4A


#390 [しゅん]
未来が俺以外の男と幸せになることなんか、考えられもしなかった。


でも


今の未来が幸せなら。

心の底から幸せと思えるなら。



それは俺が望んだことや。

⏰:08/08/22 11:31 📱:PC 🆔:Sm/U.W4A


#391 [しゅん]
未来の笑った顔を見れれば、それだけで幸せにだった。

こいつとずっと一緒にいたい。
それをずっと願っていた。

今、浅田さんも同じ気持ちだと思う。


そう思えるようになっただけでも、進歩したやん。

⏰:08/08/22 11:32 📱:PC 🆔:Sm/U.W4A


#392 [しゅん]
浅田さん。

俺にとっては嫌な奴。
浅田さんがおらんやったら、今も俺と未来はまだ付き合ってたかもしれない。
それはねぇやか…
でも。
でも、あの浅田さんなら未来を幸せにしてくれるはずや。

幸せな2人の関係をぶっ壊す気もねぇし。

⏰:08/08/22 11:32 📱:PC 🆔:Sm/U.W4A


#393 [しゅん]
何より、浅田さんが付き合いよるけとか関係ねぇ。
未来が誰を好きであろうと、俺は未来が好きや!!振り向かせる!!俺について来い!!っち言える気持ちも無いのが事実。

それはもう未来を好きやねぇからなのか。

ただ自信がねぇだけなのか。


でも…今更、未来に戻る気もねぇんかもしれん。

もう俺は俺。
未来は未来。

⏰:08/08/22 11:34 📱:PC 🆔:Sm/U.W4A


#394 [しゅん]
お互いが歩き出したならそれでいいんやね?
それは、行き先は違っても間違ったことではない。
遠回りしよーと近道しよーと、交わる時は交わるし、一生かさなることだってねぇかもしれん。
そんなこと誰にもわからん。

ここで一歩踏み出す勇気。
殻を破る勢い。
今の俺なら…


俺が幸せな気持ちにさせてもらった変わりに、今度は誰かを幸せにしてやるべきやないんやっか。
そして、自分も同じように幸せになるべきや。

⏰:08/08/22 11:35 📱:PC 🆔:Sm/U.W4A


#395 [しゅん]
それは

[澤田優歌]

こいつとなんか?

その答えはまだ出なかった。


漠然と、俺も誰かと幸せになりてぇ。
そう思ったのは確か。

⏰:08/08/22 11:35 📱:PC 🆔:Sm/U.W4A


#396 [しゅん]
一週間ぐらいたって。

澤田さんの気持ちを考えると、そろそろ返事をしたほうがいいんやねぇか。

焦る気持ちをよそに、俺の気持ちはまだ固まってない。

⏰:08/08/26 11:41 📱:PC 🆔:XOv/qvuQ


#397 [しゅん]
そんな時、突然決まったけど、気分転換。

その日、練習がフリーで朝から自由やった俺らは、久しぶりに地元に帰った。
いつものように俺の車に乗って帰る。

たまたま、俺の兄貴もおって、夜は嵐ん家と俺ん家で飯を食うことになった。

何年ぶりやろう。
昔は月一ぐらいのペースでどっちかの庭でバーベキューしたり、焼き芋したりしていた。
俺らが実家を離れてから、そんなこともなくなり、そのこと自体忘れかけていた。

⏰:08/08/26 11:41 📱:PC 🆔:XOv/qvuQ


#398 [しゅん]
鍋をみんなでつついて。
なぜか、夏の残りの花火を嵐の親父が出してきて。
湿気ていると思いきや、ふつーに出来てめちゃめちゃはしゃいで。
キャッチボールも。
何か昔に戻れた気がして楽しかった。

⏰:08/08/26 11:42 📱:PC 🆔:XOv/qvuQ


#399 [しゅん]
何の悩みも無かったちっせー頃に戻りてぇ。
単純に野球選手になることが夢で、無我夢中に野球を頑張っていたあの頃。
そして、可愛いお嫁さんをもらって幸せになること。

野球も、学校も、友達も。
全部大好きやった。

⏰:08/08/26 11:43 📱:PC 🆔:XOv/qvuQ


#400 [しゅん]
《昔に戻りてぇな》

久しぶりに俺の部屋の屋根に寝そべって空を眺める。
冷たい風がなぜか気持ちい。

「まじ。戻りてぇな」

《ここに寝たら、まじ昔思いだすな〜やべぇ》

「何かあったらここ上って星見よったもんな」


一時2人とも黙ったまま時間が流れた。

⏰:08/08/26 16:08 📱:PC 🆔:XOv/qvuQ


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