俺が一番と思った女2
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#800 [しゅん]
《未来が前の日に電話しとったんやって。
泣きながら手術怖いっち言ってきたらしーで心配してかけてきたらしーぞ》
「未来が?泣きながら?」
《そう浅田さんは言いよったけど…》
「そーなんや。あいつと浅田さんまだ繋がっちょんや」
:09/01/27 15:55 :PC :O/I4Y0GE
#801 [しゅん]
信じられなかった。
俺には見せてねぇ未来の一面。
あいつは弱いところを隠そうとする。
意地でも強がる。
心配をかけないようにと自分で自分をコントロールする。
未来が浅田さんに助けを求めたことを知り、嵐がどう言おうと未来はまだ浅田さんのことが好きと確信した。
やっぱ、そーやんな…。
一番にそう思った。
:09/01/27 15:55 :PC :O/I4Y0GE
#802 [しゅん]
それと同時に悔しい気持ちや泣きたい気持ちが俺に一気にこみ上げる。
俺はまだ未来が好きや。
散々嵐に文句を言っておきながら、その通りだった。
それを認めたくねぇで反論し、認めるのが悔しいでいいわけを作っていた。
期待して、でもそれがもし違ったらと思うとこえーで、もっともらしい言葉を並べていたのかもしれない。
でも、あの時は未来のことが好きという気持ちがわからなかったのは確か。
色々ありすぎて、自分の気持ちが訳わからんかったし。
なのに、浅田さんと未来の関係を知った途端
俺の気持ちは一気に未来へと向っているのが自分でもわかった。
:09/01/27 15:55 :PC :O/I4Y0GE
#803 [しゅん]
《俺、昨日お前に言ったこと、間違っとったかもしれん。
未来はお前がまだ好きっちこと》
「やんな。これで確実や
あいつは、浅田さんが好きや」
そう言うと嵐は黙った。
:09/01/28 16:16 :PC :DWYt12Tg
#804 [しゅん]
「俺謝らないけんわー。
昨日、お前に未来に対しての気持ちわからんとか色々言いよったけど。
俺、やっぱあいつが好きやわ。
今、浅田さんとのこと聞いて悔しいし。ムカつくし。
そんでもって何かめっちゃ切ねぇし。
こっちも確実やな。」
《やっぱ、言わんがよかったかな》
「んーどーやろ。
今は何かなんでやねん!っち感じやけど…
聞いてよかったっち思うときがくると思うわ。」
《ごめんな》
:09/01/28 16:17 :PC :DWYt12Tg
#805 [しゅん]
「何でお前が謝るんかちゃ!!
ちゅーか浅田さん、何で病院来んの?
手術した後、電話になんか出れんのわかっとろーもん」
《何かな、未来と浅田さん遠距離やったらしーよ。
大阪おったんやって。》
「は?嘘やん!
俺ら、福岡で見たくね?」
《たまたま帰ってきとったんやねぇんやっか?
そこまで聞いてねぇけど。》
「やけ来れんっちこと?」
《そそ。
今は転勤して長崎おるらしーけど》
:09/01/28 16:17 :PC :DWYt12Tg
#806 [しゅん]
「長崎?ちけぇやん。遠距離っちゅー距離やねぇやろ」
《いや、大阪と福岡で遠距離しよって、別れた後長崎に転勤したっち。
長崎結構遠いと思うで?
市内でも3時間はかかるやろ》
「大阪に比べたらちけーやん。遠距離が原因で別れたん?」
《そりゃそーやけどさ。
わからんけど、普通に考えたらそーやね?》
「ふーん。」
:09/01/28 16:17 :PC :DWYt12Tg
#807 [しゅん]
《あんまさ、お前と未来のことも話したくねかったし
詳しく聞いても変な風に勘違いされるのが嫌やったけん、あんま自分から聞くことはせんやった。》
「やんな。」
《でも、浅田さん彼女おるらしーよ。》
「今?」
《うん》
「嘘やろ!!!」
:09/01/28 16:18 :PC :DWYt12Tg
#808 [しゅん]
《今度は女が大阪で浅田さん長崎らしーけど》
「まじ?それ、未来知っとるん?」
《言ったっち言いよった》
「それ知っとって、浅田さんに電話しとんやろ?
あいつ本気やな」
《んー・・・》
「寝る!!」
そう言って無理やり目を閉じた。
未来のことを心配しながらも、いつの間にか寝ていた。
:09/01/28 16:19 :PC :DWYt12Tg
#809 [しゅん]
朝になり、起きようか二度寝しようか迷っていたとき、俺の携帯が鳴った。
着信を見ると、俊哉から。
[ねーちゃんの意識が戻った!!]
俊哉の声には安堵したことが伝わる気持ちがこもっていて
それを聞いた瞬間、全身の力が抜けた。
:09/01/29 15:51 :PC :TFLdPPQY
#810 [しゅん]
「嵐!!!起きろ!!未来の意識が戻ったらしーぞ!!
病院行くぞ!!」
嵐もバッと起き、まだ寝ぼけながらも安心していた。
《まじーーー。もうほんとよかったし》
「とりあえず、用意しろ!!病院行く!」
嵐にはそう言い、
俊哉には、とりあえず今から病院に行くと伝えすぐに切った。
:09/01/29 15:52 :PC :TFLdPPQY
#811 [しゅん]
その辺にあった服をてきとーに着て、ダッシュで病院まで行く。
未来は一般病棟に戻されていて、前と同じ個人部屋にいた。
嵐と部屋に入ったが、カーテンをなかなか開けられなかった。
思い切って開けると、未来は目を閉じたまま横を向いていた。
手には点滴の管がつながれていて、周りにでけぇゴミ箱、たくさんのティッシュが積み重ねられていた。
俺たちがいることをわかっているのか、わかっていないのかもよくわからない。
ただ、口にたまった血の塊と唾をティッシュに出して捨てる。
それを定期的に繰り返していた。
:09/01/29 15:54 :PC :TFLdPPQY
#812 [しゅん]
「未来?」
そう話しかけても、ぱっと俺を見るだけで目も合わさず閉じてしまう。
表情は苦しそうで、目尻からはうっすらと涙が滲んでる。
こっちまでどこかが痛くなるような感覚に陥った。
俺のことをわかっていないのか、痛くて話せないのかもわからない。
俺はただ背中をさすり、吐いた血のついたティッシュをゴミ箱に捨ててやる。
そうやって時間だけが過ぎた。
:09/01/30 15:57 :PC :AWnbN/XA
#813 [しゅん]
目の前にいる未来はこの前とは打って変わり弱り果て
苦しそうに息をしながら、時々嗚咽を我慢する素振りも見せ、手はベットの鉄パイプを握り締めている。
こいつが笑う日がくるんやか…
正直そう思った。
それぐらい苦しそうやった。
俺は何も出来ず、こんな苦しい思いをこいつがするぐらいなら、俺が変わってやりたい。
本気でそう思った。
こんな痩せた体で、目を背けたくなるような光景がずっと続いた。
:09/01/30 15:58 :PC :AWnbN/XA
#814 [しゅん]
ふと周りを見ると、いつの間にか嵐の姿はなく
耐え切れなくなったのか、途中で病室から出て行ったらしい。
そうこうしていると落ち着いてきたのか、未来は寝ていた。
その間も先生が何度か巡回に来て、未来の様子を見ていく。
脈を取ったり、聴診器を当てたり、痛み止めを点滴の中に入れたり。
未来は無反応のままだった。
:09/01/30 15:59 :PC :AWnbN/XA
#815 [しゅん]
患者以外は病院から出る時間になり、未来の様子を心配しながらも病院を後にした。
未来は何度か起きたり寝たりを繰り返したが
その間一回もしゃべらず、俺と目を合わすことはなかった。
:09/01/30 16:00 :PC :AWnbN/XA
#816 [しゅん]
俺と嵐はそのまま実家に寄らず、福岡の自分の家に戻った。
まだ北九におりたかったんやけど、どうしても抜けれない授業があり仕方なく帰ってきた。
あの未来の姿を見て、俺の気持ちがどうのこうのとか言うよりも
体のことが心配でそんなことを考える余裕がなかった。
学校のことでもバタバタしたし、気がつけば2,3日あっという間に過ぎていた。
:09/02/02 16:20 :PC :CAi.8IK6
#817 [しゅん]
ふと思い立ち俊哉に連絡すると、飯はまだ食えんらしく点滴で栄養を入れよって
喉が腫れうまくしゃべれんらしい。
そして、思いも寄らないことを聞かされた。
:09/02/02 16:20 :PC :CAi.8IK6
#818 [しゅん]
未来の手術結果の話。
何度も繰り返したせいで、癒着がすごく全部を取りきれなかったこと。
また再発するかもしれないこと。
手術すれば、未来の体はよくなるとそう思っとったんに…。
せっかく、苦しい思いをして頑張ったのに意味なかったんか。
何でもっと早く手術せんかったんか。
:09/02/02 16:21 :PC :CAi.8IK6
#819 [しゅん]
死に直結する病気ではないが、また物が食べれんとかしゃべれんっちなって、あんな苦しい思いをすることになるのはもう見たくねぇ。
未来の体調が良くなっていくのに、気が晴れないというか…
不安が残る結果に、俺は手放しで喜べなかった。
未来と連絡を取らないまま、1ヶ月が過ぎた。
:09/02/02 16:21 :PC :CAi.8IK6
#820 [しゅん]
未来のことも気になりつつも
教育実習に向けての準備やバイトとの両立が大変で自分のことで精一杯だった。
嵐ともまともに話もしてねかったし、会ってもねかった。
そんなある日、知らん番号から電話がかかってくる。
何となく見覚えのある番号で、確信は持てなかったが、多分未来だと思った。
授業中やったけんその時は出ず、授業が終わってからかけ直した。
:09/02/03 14:51 :PC :ZEg5jPDw
#821 [しゅん]
「もしもし?」
『もしもし?』
一発で、未来とわかった。
「おう!体調はどうか?
俺あれからバタバタしとってからさ」
『うん。全然大丈夫!心配かけてごめんね!』
「ほんとか?」
『大丈夫!もうご飯も食べれるようになったし、前と同じ』
:09/02/03 14:52 :PC :ZEg5jPDw
#822 [しゅん]
「そっか!ならよかった。
その報告電話?」
『んー。しゅん。今日ちょっと会える?』
「今日?俺、北九おらんちゃ!バイトはねぇけど明日も授業あるし…
どした?」
『今ね、福岡に来てるん。やけ会えんかなっち思って
しゅんが無理なら、出直すけど…』
「は?福岡おるん?」
:09/02/03 14:52 :PC :ZEg5jPDw
#823 [しゅん]
『うん。ちょっとだけでいんやけど…無理っぽい?』
「いや、バイトねぇし。今どこ?」
『今ね、ソラリア』
「じゃー迎え行くわ!今から行くけん、あと20分ぐらいな!
近くなったら連絡するけん、いつもの警固らへんで待っとけ」
『うん、わかった。ありがと。』
電話を切り、ダッシュで家に帰って待ち合わせ場所に向かった。
:09/02/03 14:53 :PC :ZEg5jPDw
#824 [しゅん]
近くになって連絡すると、未来はすでに待っていた。
警固らへんは路駐するとこがねぇけん、信号が赤のうちに未来を乗せバタバタで走り出した。
昔から未来はそういうのがうまいと言うか、運転する人の気持ちを考えて行動する。
今回もスムーズに未来を拾えた。
「お前さすがやな!」
『そう?信号赤やったけん、グットタイミングやったね!』
そんな会話をしながら、車を走らせていた。
:09/02/04 14:52 :PC :aZb9sPw2
#825 [しゅん]
あの苦しそうだった未来はどこへいったのか、術後の経過は良さそうで顔色もいい。
体重はまだ元の未来とまではいかんけど、痩せすぎでもない、いい感じに収まっていた。
そして、俺が一番ビックリしたのは服装。
今まではオシャレさんっち感じで、カジュアルな感じやったのに
レベルUPしたっちゅーか、ますますオシャレになっていた。
可愛いくもあり、かっこいくもあり、カジュアル感も抜けてねぇで…
何か表現しずれーけど、とりあえず、俺好みの服装。
:09/02/04 14:53 :PC :aZb9sPw2
#826 [しゅん]
「お前、服装変わったな!」
『うん。ちょっとは大人っぽくなった?』
「やなー。相変わらずセンス抜群やなーお前。」
『しゅんが好きな服装なだけやろー』
「いやー。そーやねぇよ。まぁ、お前がハズレの時とか見たことねぇけどね」
:09/02/04 14:54 :PC :aZb9sPw2
#827 [しゅん]
『しゅんも大人っぽくなっとる!』
「まぁ一応、大学4年やけな!」
多分未来も俺の服装は好きで、やっぱ未来とは好みが合う。
久しぶりに俺のヒットを見て、テンションが上がった。
:09/02/04 14:55 :PC :aZb9sPw2
#828 [しゅん]
「北九送っちゃーけ。何時ぐらいに帰るか?」
『ううん。いいよー!明日授業あるんやろ?
あたし明日会社休んだん。やけ、友達ん家泊まり行こっかと思って
やけ、時間は何時でも大丈夫。
まだ友達には何も話ししてないんやけどねー』
「何で仕事休んだん?」
『今日ね、朝から病院で術後の検査やったと。
あたしの予想では夕方までかかるんやったんやけど、お昼で終わってからさ〜
検査いっぱいするっち思ってたけん、次の日きついやろうなーっち思って休み取ってたん』
:09/02/04 14:55 :PC :aZb9sPw2
#829 [しゅん]
「そーなん!ちゅーか検査の結果は?大丈夫やったんか?」
『うん!経過良好っちー!!よかった』
「そっか!よかったな!」
「じゃーうまいもんでも食い行くか?
快気祝いしちゃー」
『いいん??行くーーー!!』
はしゃぐ未来を見ると、心配も吹っ飛んだ。
:09/02/04 14:55 :PC :aZb9sPw2
#830 [しゅん]
「何食いてぇ?」
『ご飯。ガッツリ系』
「よっしゃ!」
変わってねぇ表現が、何となく昔を思い出させながら
未来とこうやって一緒におることも何か不思議に感じていた。
:09/02/04 14:56 :PC :aZb9sPw2
#831 [しゅん]
焼肉屋に連れて行くと、キャッキャ言う未来。
たらふく食って、ドライブしていると連れてってほしい場所があると言いだし
便所に行きてぇのもあってコンビニで車を停めた。
お菓子を買うとか言って一緒に降りる未来。
戻ると、未来は買い物を済ませ俺を待っていた。
:09/02/05 16:17 :PC :dkrGJPz.
#832 [しゅん]
「お前さ、今あんだけ食ったんに、お菓子とか食えんやろ!」
『アイスやもん』
「食欲旺盛すぎやな!また太るぞ!」
『うるさい!!食べたいもの我慢してストレス溜めるよりマシ!!』
:09/02/05 16:18 :PC :dkrGJPz.
#833 [しゅん]
そんな言い訳を言いながら
『はい』と水を渡された。
「おぉ!」
未来は俺の分の飲み物も買ってくれとって。
しかも水。
俺はジュースが苦手で飲みもんはもっぱら水。
それは昔から変わってねぇ。
忘れてねぇんやっち思いながらも、当たり前のように俺は受け取った。
相変わらずお前気が利くな!っち言いそうになったんやけど…
昔を思い出す気がして言わなかった。
:09/02/05 16:19 :PC :dkrGJPz.
#834 [しゅん]
「どこ行きてぇん?」
『海の中道。内海外海のとこに連れてって』
「夜の海の中道行ったことねぇなー。」
『じゃあ行こ行こーーー』
:09/02/05 16:20 :PC :dkrGJPz.
#835 [しゅん]
その未来の言葉に車をまた走らせ、30分もしないうちに着いた。
着いてすぐ未来は一人で砂を触ったり絵を描いたりしてはしゃいでいる。
そんな光景を見ながら、深呼吸をした。
潮の匂いとちょっと湿った風があたり、気持ちがいい。
ここんとこ最近、学校かバイトでほぼ勉強の毎日やったのもあったけか、何かめっちゃ新鮮やった。
:09/02/05 16:27 :PC :dkrGJPz.
#836 [しゅん]
『もうすぐ泳げるねー』
「お前、水着着れるん??」
『プニプニしとるだけで、お腹出てないし!!』
「いんやね?痩せたし。誰もお前の水着姿見て発情するやつはおらんけん」
『ちゅーか水着着らんし!』
「ふーん」
そんな冗談を言い合うのも楽しかった。
:09/02/06 16:19 :PC :lMyr/aPU
#837 [しゅん]
『しゅんー。』
「なん?」
『お見舞いきてくれてありがと』
急におとなしくなった未来は、遠くを見つめていた。
:09/02/06 16:20 :PC :lMyr/aPU
#838 [しゅん]
「いいえ!よかったな良くなって」
『うん』
「あん時のお前はどこ?っちぐらい元気やし。ほんまよかったわ」
『意識が朦朧としとってあんま覚えてないんやけど、しゅんが来てくれて
背中さすってくれたのはなんとなく覚えとるん。
すごい楽になったよー』
:09/02/06 16:22 :PC :lMyr/aPU
#839 [しゅん]
「どんな記憶力やねん!
まぁ俺の手にかかればそんなもんやんな!!」
『それは自意識過剰やし』
「うるせーちゃ!でもほんとよかったわ〜よくなって」
『うん!』
:09/02/06 16:23 :PC :lMyr/aPU
#840 [しゅん]
「ちゅーかさ、ごめんな。あの日。いきなり会いに行って。
しかも、優歌来たんやろ?」
『ん?優歌?誰それ。』
「そんなんしらばくれんでいいちゃ!
ごめんな、優歌がまじいたらんこと言ってから。
まじ悪いと思っとる」
『もういいよ。大丈夫やし』
「ほんまごめん。」
あのときのことを思い出すと、優歌に腹立って仕方がなかった。
:09/02/06 16:24 :PC :lMyr/aPU
#841 [しゅん]
『しゅん。』
「ん?」
『何もないー』
「何かちゃ!それ。」
『しゅんー』
そう繰り返され、半笑で目をしかめながら横目で未来を見ると、未来は目に涙を溜めていた
:09/02/06 16:24 :PC :lMyr/aPU
#842 [しゅん]
俺は焦り、しかめていた顔は一気に目が点になる。
「いや…どした?」
『しゅん。あたしやっぱしゅんが好き』
さらりと言った言葉は一瞬何のことかわからず
「は?」
っと聞き返した。
:09/02/09 14:35 :PC :ejK.3WxQ
#843 [しゅん]
『しゅんが好き。』
今までの態度とは全然違って、真剣な目で俺を真っ直ぐ見ている。
その目から一粒の涙が落ちると、未来は目を瞑った。
涙は止まることを知らないのか、次々と零れ落ちる。
俺の頭の中は吹っ飛び、今なんでこうやって未来といるのかさえわからなくなっていた。
:09/02/09 14:35 :PC :ejK.3WxQ
#844 [しゅん]
「ちょっと待て。本気か?」
『うん。』
「いや…」
『ずっと会いたかった。』
「お前、浅田さんは?」
『ヒロ?ヒロの話知ってるん?』
「んー詳しく知っとるわけやねぇけど。」
『・・・』
:09/02/09 14:36 :PC :ejK.3WxQ
#845 [しゅん]
未来が俺を好き?
そんな訳ねぇ。
未来は浅田さんのことをまだ引きずっとるはずや。
「お前が本当に好きなんは浅田さんやろ?
自分の気持ちから逃げんなちゃ。」
『逃げてない!もうヒロとは終わってるもん!!』
「手術の前の日、浅田さんに電話したんやろ?
怖いっち。
繋がっとるやん」
『それは…』
:09/02/09 14:36 :PC :ejK.3WxQ
#846 [しゅん]
「な?そんな嘘ついて俺と戻ってどーなるん?
浅田さんには新しい彼女おるし、それで俺に逃げたいんか?
お前はそういう奴やねぇやろ。」
『違う。それは、しゅんが彼女おるっち知ってしまって色々あってどうしていいかわからんくて…
それで、電話してしまったん。好きとかそんな感情でしたんやない。
電話したのめっちゃ後悔しとるし、ほんとそんな理由やない。』
「そんなん俺にはわからんちゃ!」
『違うもん。信じてよ』
何も返せず
一時、沈黙が流れた。
:09/02/09 14:37 :PC :ejK.3WxQ
#847 [しゅん]
未来は相変わらず震えながら泣いている。
それを見ても俺は何も出来なかった。
その沈黙を破ったのは未来。
『しゅん…。ごめんね。
あの時自分で勝手に決めて、しゅんの気持ちなんか聞こうとしてなかった。
自分でいっぱいいっぱいになって勝手に思い込んで。
しゅんにバイバイ言っちゃったん。
自分が弱かったんと思う。
ごめんね。』
「何でお前が謝るんかちゃ!!
あれは俺が悪かった。
何でいっつもお前は自分を責めるん?」
:09/02/10 15:00 :PC :u95ROELk
#848 [しゅん]
『だって…』
「浮気したっち嘘ついて。
アホかお前は。」
黙る未来を見て、嵐が言ったことは本当やったと確信した。
『あの時毎日辛かった。
しゅんが相手してくれんくて。
好きな人が出来たんかなとか、気持ちなくなったんかなとか。
長くなれば長くなるにつれてあたしは気持ちが増してくるのに、しゅんは離れていって。
友達と遊んだり気を紛らわしてもどっか寂しいし、どうしたらいいかわからんかった。』
:09/02/10 15:01 :PC :u95ROELk
#849 [しゅん]
「ごめん」
『ううん。
絶えれんくなって別れてっち言ってしまって、しゅんは必死で止めてくれたのに、後に引けんくなって。
しゅんと別れても、涙を流す日は変わらんやったん。
付き合いよるときよりももっと辛かった。
今しゅん何してるんやろとか、しゅんちゃんと練習してるかなとか
そんなん考える度にもっと頑張れたのにっち後悔したっちゃ』
そう、泣きながら話す未来。
今まで未来がどう思ってやってきたのかを、未来の口から聞くのは初めてだった。
俺はただ前を見つめて聞いていた。
:09/02/10 15:01 :PC :u95ROELk
#850 [しゅん]
『そんなときに、ヒロがいっぱい話聞いてくれていっぱい遊んでくれて、しゅんのことから離してくれたん。』
「…そっか。
俺と会ったとき、もう付き合いよったんやろ?」
『うん…。
いつの間にか、ヒロのこと本気で好きになっとって付き合うことになって。
ヒロと付き合ってるときは、ヒロしか見えてなかったし、結婚したいなともまで思ってたんね。
遠距離なるっちわかってたけど、好きやったけん頑張れるっち思ってた。
遠距離っちそんな辛いもんとも思ってなかったし。
最初はヒロもメールとか電話とかすごいくれてうまくいってたんに
時間がたつに連れてヒロは仕事に一生懸命やし、会いたい時に会えんくて。
3ヶ月に1回会えるか会えんかやったと。』
「3ヶ月に1回??」
:09/02/10 15:04 :PC :u95ROELk
#851 [しゅん]
『うん。そんなんが積み重なって、あたしはわがままになるし、それに面倒臭そうなヒロはどんどん離れていったん。
ほんとに毎日が辛いで泣いてばっかやった。
頑張ったけど、耐えれんくなってまたあたしからバイバイした。
止めてくれるっち思いもあって言ったのに、すんなり受け入れられたんちゃー。
そんなもんよね…
好きなんに自分から別れたけか、ずっとヒロのこと引きずってて。
しゅんの時と同じ。
そしたらね、ヒロ長崎に転勤になったと。
それで長崎とか遠距離やない!!っち思って、戻ってっち伝えたらもう彼女おったん。
無理っち即答されたっちゃ。
その彼女とはまた遠距離やって。
大阪と長崎。』
「そっか」
その一言しか言えなかった。
:09/02/10 15:05 :PC :u95ROELk
#852 [しゅん]
『それでも好きやったんやけど、もうどうしようもなくなって。
毎日泣いて、仕事中も急に涙が出たりして、毎日が凄いきつかった。
そしたら病気になって、手術せんないけんとかなるし、本当誰かに助けてほしいで。
そんなときに思い出すのはしゅんのことで、しゅん元気にしてるかなーとか考える自分がおって。
何か、都合が悪くなったらしゅんに気持ちが戻る自分がすごい嫌で考えんようにしとったんやけど
行き着くとこはしゅんで…
最初は寂しいだけっち思ってたん。
でもね、しゅんから電話があって、会いに来るっち言われて』
:09/02/10 15:06 :PC :u95ROELk
#853 [しゅん]
『もしかしたらっち期待もあったし、でも今更どんな顔で会ったらいいんかわからんで
本当はめっちゃ嬉しいのに、今会ったら、絶対戻りたいっち思ってしまうっち思って、会いたくないとか思ってもないこといっぱい言って。
それでも、しゅんは会いに来るっち言うし…。』
「お袋に話聞いて、会いに行かんっちゅー選択肢は俺にねかったんちゃ。
気持ちうんぬんやねぇで、会いてぇっち素直にそう思った。」
:09/02/10 15:06 :PC :u95ROELk
#854 [しゅん]
『そっか。
久しぶり見たしゅんはさ、ちょっと大人っぽくなっとって、あたしが好きなチーズケーキ覚えてたり、ニッっち笑った笑顔も大きいでゴツゴツした手も全然変わってなくて、一気に色々思い出してしまって。
涙は絶対我慢しようっち思って会ったのに、会った瞬間流れ出た。
戻りたいっち言ってしまって、でも、しゅんには逃げたいだけやっち言われて
やっぱ、言うべきことやなかったっち後悔して、冗談みたいに流した。
言ったことに後悔したんに、これで終わりになったらどうしようっち不安になって、帰らんでとか言ってしまって。
しゅんは困った素振りを見せるし、もうあたしに会う気なんかないなーっち感じて。
あの時、もう会う気なんかなかったよね?』
:09/02/10 15:07 :PC :u95ROELk
#855 [しゅん]
「ねかった」
『よね…。
しゅんが病室から出て、もう会えんのやっち思ったら
めっちゃ悲しくて、もっと真剣に戻ってっち言ったら何か変わってたかなとか思った。
もし、もっと押してたら戻れてた?』
「いや…多分戻ってねぇやろ。
優歌とも付き合いよったし、そんな簡単な話でもねぇし。」
:09/02/10 15:09 :PC :u95ROELk
#856 [しゅん]
『しゅんはそう言うと思いよったけど。
やっぱそうよね。
でもね、彼女おること知ってもうダメっち思ったん。
自分もヒロと付き合ったくせに、しゅんが他の人と付き合ったっち知ったら何か嫌やったんちゃね。
めっちゃ自分勝手やけど。
しゅんも好きな人が出来て、あたしと違う道歩きよんやなぁっち。
優歌ちゃん?がすっごい羨ましかった。
電話の会話でしゅんが振り回されてる感じがしてさ、あたしやったらそんなんせんのになぁとか思ったりして。』
「うん。」
:09/02/10 15:09 :PC :u95ROELk
#857 [しゅん]
『そんなん考えたら涙止まらんし、もうどうしたいいかわからんやって。
そしたら、優歌ちゃんがあたしんとこ来くるし、もうほんと意味わからんやった。
優歌ちゃんが言ったことは絶対嘘っち思ったけど、それなりにショックやったし。
もし、本当やったらどうしようっち思ったし。
そんな人としゅんが付き合いよるのが信じれんやって。
ムカついたし、悔しいし、悲しくて、余計意味わからんくなって、何日も寝れんやった。』
「ごめんな・・・」
『しゅんが謝らんでいいよ。』
「ごめん」
:09/02/10 15:10 :PC :u95ROELk
#858 [しゅん]
『それで手術の前の日、ヒロに電話してしまって…
でもね、電話してめっちゃ後悔したん。
ヒロはやっぱどっか冷たかったし、前とは違うんやなぁっち』
「そーでもねぇと思うよ?
手術の日、お前の携帯に浅田さんから電話あったらしーし、心配は心配やったんやね?」
あのときのことを未来に話すと、未来はうつむいた。
『そっか。』
ただその言葉だけで、また会話が止まった。
:09/02/10 15:10 :PC :u95ROELk
#859 [しゅん]
『しゅん。あたしやっぱりしゅんが好き。
でも、この思いは繋がらんね…
そうわかっとるのに、ダメっち言い聞かせてるんに好きな気持ちがいっぱいで
こうやってしゅんの隣におるのが辛い。
自分から会ってっち言ったのに。』
涙を流しながら微笑み、未来はそう言った。
:09/02/10 15:11 :PC :u95ROELk
#860 [しゅん]
俺の中に何かが一気にこみ上げてくる。
無意識のうちに俺は未来を抱き寄せ、きつく抱きしめた。
未来は俺の胸で声を押し殺して泣いている。
未来と戻りたいという思いと、戻ったことでのプレッシャーで揺れていた。
でも、未来が話してくれたことがすげぇ嬉しいで。
戻りたいっち思いのが強い。
:09/02/10 15:16 :PC :u95ROELk
#861 [しゅん]
『気持ちがないのに、抱きしめたりせんで 』
そう言われ、一瞬手が緩みそうになった。
自分の気持ちを正直に言ってねぇんに、こんな行動を取る俺は卑怯や。
でも、手を離せなかった。
:09/02/10 15:17 :PC :u95ROELk
#862 [しゅん]
「俺さ、自信ねぇんちゃ。
お前を幸せにする。」
『意味わからん。
あたしの気持ち知っとってこんなんするの。
ずるいよ』
「ごめん…」
俺は未来のことが好きや。
そんなこと自分が痛いほどわかっとる。
でも…
:09/02/10 15:20 :PC :u95ROELk
#863 [しゅん]
『しゅん。離して。
こんなんされたらもっとしゅんのこと好きになってしまう。
嫌や。』
泣いて、顔をぐちゃぐちゃにして俺から無理やり離れようとする未来。
そんな未来を見てますます手を解けない俺。
解かれないように、俺も力を入れた。
すると未来の動きが止まった。体だけが細かく震えている。
:09/02/10 15:20 :PC :u95ROELk
#864 [しゅん]
そして、一言こう言った。
『しゅん。お願い離して。』
そう言われた瞬間。
「お前が好きや。」
俺は自分の気持ちを言ってしまった。
:09/02/10 15:25 :PC :u95ROELk
#865 [しゅん]
『もういいよ!困らせてごめん。
せっかく楽しかったのにこんなことになってごめんね。』
信じてない未来に俺はもう一度言う。
「俺はお前が好きや。
違う女と付き合って思ったんちゃ。
俺はお前やないと無理。」
俺に抱きしめられたまま、未来は固まっている。
頭ん中を必死に整理しているのか、動かない。
自分に正直にいくのか、それとも未来を突き放すのか、どうするべきなのかを必死で考える俺。
実際、気持ちを言ってしまった手前、後には引けん。
当たり前や。
そんなんはわかっとんやけど。
気持ちを言ったことに後悔していた。
:09/02/10 15:26 :PC :u95ROELk
#866 [しゅん]
突然未来が動き出し、抱きしめられた腕の中から俺を覗いた。
その顔は涙でぐちゃぐちゃになっとって、もう目が腫れている。
『ほんとに?』
静かにうなずくと未来が続けた。
「でも、それを形に出来ん。
お前の気持ち知っとんのに、こんな中途半端なことしてさ。
自分でもどうしたいんかわからん」
:09/02/10 15:26 :PC :u95ROELk
#867 [しゅん]
『しゅん。あたしね大人になったと思うと。
しゅんと別れて、いっぱい後悔も勉強もした。
他の人を好きになって付き合った。
でもね、やっぱりあたしはしゅんが好きなん。
もうしゅんの隣から離れたくない。
幸せにせんでもいいし、守ってくれんでもいい。
ただ、ずっとあたしの隣におって?
それだけでいいけん。
お願い。』
目を涙でいっぱいに溜めて流しながら体がヒクヒクなっている。
一生懸命伝えようとする気持ちが伝わってきて鳥肌が立った。
:09/02/10 15:27 :PC :u95ROELk
#868 [しゅん]
「そんなん泣くなちゃ。」
『ごめん。強くなったつもりなんに、しゅんの前では全然強くなれんね。』
「お前泣き虫やもんな」
『しゅんが泣き虫にさせたんやもん』
:09/02/10 15:27 :PC :u95ROELk
#869 [しゅん]
「これから学校がもっと忙しくなるし、勉強もせんないけんし、遊んだりできんと思うん。
寂しい思いさせると思う。
浅田さん時と同じ様な思いさせたくねぇんちゃ。
そうなるのがすげぇ怖ぇ。」
『強くなったもん。しゅんとなら頑張れる。』
「俺の前では強くなれんのやなかったん?」
『強くなると!!』
:09/02/10 15:28 :PC :u95ROELk
#870 [しゅん]
「ほんま、俺自信ねぇん。
同じこと何回も繰り返して、今までお前にほんと辛い思いさせた。
それが、プレッシャーなんちゃ。」
『もうそれはいいもん!
過去は過去。
また一からゆっくり歩いて行けたらそれでいい。』
:09/02/10 15:28 :PC :u95ROELk
#871 [しゅん]
「俺は過去に出来るかわからん。
これからやって、先生なれたら余裕ねぇと思うし、どうなるか俺すらわからん。
なれんやっても、お前をかまう暇ねぇと思う。
お前に八つ当たりする時だって続くかもしれん。
そんなんでも耐えられるんか?」
『うん。大丈夫。
しゅんが頑張れるように全面バックアップするもん!!
しゅんが受からんわけないし!!
もし辛くなった時は、自分だけで悩まんでちゃんとしゅんに言う』
「…」
:09/02/10 15:29 :PC :u95ROELk
#872 [しゅん]
『あたしはしゅんから離れんもん。
好きだけじゃやっていけんことも、いっぱいあると思うん。
それは、今まで経験してきた中で痛いほどわかった。
でも、好きっち気持ちがなかったら何も始まらんやん?
やけん、しゅんがあたしのこと嫌いになっても、あたしはずっとしゅんを想っとく。
あたしの気持ちをわかってくれるまで、あたしはしゅんをずっと好きでおるよ。
しゅんが気づいてくれるまでずっと。
もう前みたいに諦めん。』
「お前のがずりーちゃ」
『ほんとのことやもん』
:09/02/10 15:29 :PC :u95ROELk
#873 [しゅん]
未来が投げかける言葉ひとつひとつが俺の心に響く。
泣き虫なとこは変わってねぇ。
でも、物の見方や考え方も、そして強がっていた性格も今は明らかに違う。
未来は成長している。
この真っ直ぐな気持ちを受け止めるだけの器が、俺にあったかどうかはわからん。
でも、こんなん俺のことを想ってくれて涙を流してくれる奴は他にいるだろうか。
:09/02/10 15:30 :PC :u95ROELk
#874 [しゅん]
未来と過ごしてきた日々が一気にフラッシュバックしてくる。
ちょっとしたことでも、幸せと思えた毎日がそこにはあった。
幸せにするという決意もあった。
そして、何よりも未来が好きだった。
未来とまた一緒に歩きたい。
その気持ちが勝った。
:09/02/10 15:31 :PC :u95ROELk
#875 [しゅん]
「未来。
浅田さんとは連絡取ってほしくねぇ。」
『もう絶対取らん!!絶対絶対取らん!!
番号も消したし、着信拒否する!!』
「絶対?」
『絶対!!!』
:09/02/10 15:32 :PC :u95ROELk
#876 [しゅん]
「お前は俺が好きやんな?」
『うん。しゅんが大好き』
「やっぱ、お前を好きな気持ちには勝てんわ。
幸せにするっち約束はできん。
でも、幸せにする努力はする。
その努力は絶対怠らん。それは約束するけん。
もう俺から離れんなよ。
ちゅーか離さんけ。」
『しゅんーーー』
未来はそう言って、俺をぎゅっと抱きしめた。
俺も抱きしめ返す。
:09/02/10 15:32 :PC :u95ROELk
#877 [しゅん]
「今まで辛い思いさせてごめんな。」
『もう、しゅんのごめんは聞きたくない。
悲しくなる』
黙って頷き、にこっと笑いながら頭をポンポンすると
未来は、今まで俺に抱きしめられていた手を解き、逆に俺に抱きついてきた。
俺は未来を抱きしめられる幸せをかみ締めていた。
:09/02/10 15:44 :PC :u95ROELk
#878 [しゅん]
「お前、まだ痩せとるな。」
『今、スタイル抜群やけいいと』
「そーやな。でも前ぐらいが俺は好きや」
『じゃーいっぱい食べて太るね』
「太りすぎんなよ。」
『太りすぎても嫌いにならんでね?』
不安そうに聞く未来がすげぇ可愛いで
「お前のそーいうのたまらんな」
っち思わず言うと
にーっち笑って返した。
:09/02/10 15:44 :PC :u95ROELk
#879 [しゅん]
「お前をこーやって抱きしめとるときが一番幸せや。」
『あたしもしゅんに抱きしめられてるときが一番幸せー。』
「もうこんなん出来るときが来るとか思ってもねかったわ。」
:09/02/10 15:45 :PC :u95ROELk
#880 [しゅん]
『今まで辛かったのはこの日が来るけんやったんやね。
がんばってよかった。』
「そやな。お前も辛かったかもしれんけど、俺も辛かったけん。
それだけわかっとって。」
『知っとる』
「ほんとかちゃ!」
『知っとるもん!!』
手を離し、キスをすると未来はまた涙を流した。
その涙は今までのとは違って、未来の幸せが溢れ出したように思えた。
:09/02/10 15:45 :PC :u95ROELk
#881 [しゅん]
未来は友達の家に泊まるとか言いよったけど、結局俺ん家に来ることになった。
途中で歯ブラシや洗面道具やお菓子を買う。
付き合っていたころの未来の影響を受けて、洗顔やシャンプーは未来と一緒のを使っていた俺。
別れたあとも、ずっとそのまま変わってなかった。
未来にそれを話すとびっくりした様子を見せたが、しゅんと繋がっとったみたいで嬉しいと言っていた。
:09/02/12 16:03 :PC :Zy..1jZ2
#882 [しゅん]
初めて優歌以外の女を家にあげる。
未来には何となく申し訳ねぇような気がしたが、仕方ねぇし。
マンションの玄関を入るや否や、そわそわしている。
俺の玄関を開けると、未来のテンションは最高潮に達した。
:09/02/12 16:04 :PC :Zy..1jZ2
#883 [しゅん]
『すごーーーーい!!めっちゃオシャレ!!!』
「やろ?俺のセンスはこんなもん!
SIMPLE IS BESTやけ」
『しゅんっぽーーーい!!
ってか、きれいにしすぎやろー。モデルハウスやん。
男の部屋やないみたいやし』
「もうッ!しょうがないわーとか言って片付けたかった?」
そう笑いながら聞くと
『ぜんぜーーーん。しゅんが汚くしとー方が引く』
とか言っていた。
:09/02/12 16:05 :PC :Zy..1jZ2
#884 [しゅん]
俺の部屋を見て、未来も気に入ってくれたみたいやった。
お互い別々で風呂に入り、未来は俺のジャージを着る。
もちろんでけぇでダボダボしていた。
『しゅんの匂いがするー
汗臭い。』
「はぁ?ちゃんと洗濯しとーけど」
『嘘ー。しゅんのいい匂いがするとー』
そんな未来の一言一言が嬉しかった。
:09/02/12 16:05 :PC :Zy..1jZ2
#885 [しゅん]
夜中まで色々と今までの知らん時間を話しまくった。
野球の話とか、学校の話、バイトの話。
対外は俺が聞き役なんに、この日は未来が聞き役で楽しそうに聞いていた。
「明日どーする?」
『しゅん授業あるんやろ?』
「そーっちゃ。でも、1限。」
『1限!!終わってから、遊べる!!!』
「やな!!」
:09/02/12 16:06 :PC :Zy..1jZ2
#886 [しゅん]
『ゆっくり起きて、俺が終わるぐらいに用意しとけ』
「しゅんと一緒起きる!!」
「バカ!講義1時間半あるんぞ?
何しよくんかちゃ!それより前に家出るし。
ちゅーか、学校迎え来て!俺の車で。そんまま遊び行った方が効率いいし。
運転できるやろ?」
『無理!!!四駆無理!』
「はぁ〜?出来るやろ!」
『無理に決まってるやんー。ボコボコなってもいいならいいよ』
:09/02/12 16:06 :PC :Zy..1jZ2
#887 [しゅん]
「いや、あぶねーな。
車ボコボコなるぐらいならいーけど、人傷つけたらやべーし。」
『しゅんはあたしの心配してくれんのやね』
「いや、それも含めてやけん。
じゃあ、一緒授業受けるか?講義やし。」
『いいん?』
「別にバレんし。関係ねぇやろ」
『えーーしゅんの友達おるんやろ?』
「おるけど、いっつも一緒に受けるわけやねぇよ。
俺、嵐以外やったら、だいたい一人で受けるし。」
:09/02/12 16:07 :PC :Zy..1jZ2
#888 [しゅん]
『あたし連れて嫌やないん?』
「何で?」
『えええーー何かさー。』
「こんな可愛い彼女がおって?
逆に自慢やろ。
やっぱあいついい女連れとるわーっち」
『ええええーそんなん絶対思われん!!』
「友達おったら、自慢するし。
いつも通りのお前でおればいいんちゃ!
そっちのがいーやん。学校から直で遊びいけるし!
決定な!!」
未来は納得してなかったみたいやけどね。
:09/02/12 16:08 :PC :Zy..1jZ2
#889 [しゅん]
二人ベットに入り、また色んな話をした。
「あ!!そー言えば、嵐隣に住んどるで」
『は????』
「隣同士で引っ越したんちゃ」
『嘘やん!!!!』
「ほんとちゃ!ピンポンしてきてん!
嵐出てくるけん」
『何でもっと早く言わんのーーーー!!』
「何か用事あるん?」
『いや、ないけど・・・』
:09/02/12 16:09 :PC :Zy..1jZ2
#890 [しゅん]
「何かそれ!
嵐にもちゃんと報告せんないけん。
めっちゃお前のことも心配しとったし、俺らに戻ってほしいっち一番思っとったんはあいつやけ。」
『嵐に会いたいなー』
「はぁ?何それ。」
『あたし嵐のこと好きやもん』
「ふーん」
『やきもち妬いた?』
「ちょっとな。」
正直に言うと、未来はえ?みたいな意外な顔をし笑った。
:09/02/12 16:09 :PC :Zy..1jZ2
#891 [しゅん]
『しゅんでもそんなん言うときあるんやー』
「俺、結構嫉妬深いし。態度に出さんだけちゃ」
『じゃあ、もしあたしが男の友達とご飯行くーとか行ったら嫌?』
「嫌に決まっとーやんけ!てかお前は行かんやろ!
好きになったらそいつしか見れんくなるタイプやもんな!」
『わからんよー。』
「まぁ別に行っていいしそんな束縛はせんけど、いい気はせんね。」
『行かんもんーー』
:09/02/12 16:10 :PC :Zy..1jZ2
#892 [しゅん]
「知っとーちゃ!でも、行きたいのに我慢すんなよ!
そーいうの俺嫌やし。
地元の友達同士とかでワイワイしたいときだってあるやろーし。
お前なら信じれるし、嫌やけど不安なわけやねぇけん。」
『ふーーーん。
あたしはしゅんが行ったら嫌!!
しゅんみたいに行ってきていいよっち言いたいところやけど
ほんとは絶対嫌!!!』
「心配せんでも行かんけん!!」
俺に抱きつき、胸に顔を押さえつけながら
『やっぱ行きたいなら行ってもいい』
そう言う。
:09/02/12 16:12 :PC :Zy..1jZ2
#893 [しゅん]
ほんとは行ってほしくねぇんに、俺が行っていいとか言うけん
仕方なく行っていいっち言ったんと思う。
ガキみたいな奴やけど、そんなところがたまらなく可愛いと思う俺。
やべーーね。
:09/02/12 16:12 :PC :Zy..1jZ2
#894 [しゅん]
『それから、嵐のこと好きやけど、しゅんのことは大好きなんやけ』
「その好きと大好きっちどんぐらい違うん?」
『天国と地獄ぐらい』
「それ、大好きと大嫌いやろ」
『そんぐらい違うと』
「はいはい。わかったけん。
もう寝り。明日はぇーよ。」
未来の表現の仕方に俺は一人微笑みながら、その日は何もせず寝た。
:09/02/12 16:13 :PC :Zy..1jZ2
#895 [しゅん]
次の日嵐の家に二人で報告しに行き、経緯を話した。
嵐はびっくりしとったけど、めっちゃ喜んでくれてほんま俺らのこと心配しとったんやなと感じた。
俺と未来との問題なんに。
嵐はいっつも俺らのことを心配してくれいている。
口に出しては言わんけど
そんな嵐にその日も感謝の気持ちでいっぱいだった。
:09/02/16 16:18 :PC :nZS.U4oQ
#896 [しゅん]
そのまま学校に行き、みんなから注目されながらも、未来と二人で講義を受けた。
やっぱ、大学と言えども同じ講義受ける奴とか決まっとるし。
ちょっと見たことない奴がまじっとけば、不審に思うやろう。
俺は別にふつーやったけど、未来は見られるのが嫌らしく挙動不振。
堂々としとけばいんに、余計目立つ。
:09/02/16 16:18 :PC :nZS.U4oQ
#897 [しゅん]
『ねぇ、めっちゃ見られよる』
「そう?俺がイケメンやからみんな見てくるんちゃ」
『違う!!』
「あっ、お前が可愛いけやな!」
『もう!そんな冗談言いよる場合やない!!』
「ふつーにしとけちゃ!お前がそんな態度やったら余計目立つやろーがちゃ!」
『…うん』
:09/02/16 16:19 :PC :nZS.U4oQ
#898 [しゅん]
仕方なくか、俺がちょっと強く言ったけか静かになった未来は
真剣に講義を受けていた。
一時おとなしく受けていた未来が俺に紙をまわしてくる。
その紙には
『ちょっと慣れてきた。この講義面白いね』
と書かれていた。
:09/02/16 16:42 :PC :nZS.U4oQ
#899 [しゅん]
「ふつーにしゃべっていいで?」
そう言うと、
また紙に
『こうやって書くほうがいーと』
と書いてあった。
:09/02/16 16:43 :PC :nZS.U4oQ
#900 [しゅん]
未来に付き合ってやろうと思って
「お前もなんちゃって大学生やんな!!やろ?俺、この授業休んだことねぇけね。」
『めっちゃ懐かしい!!また、暇な日あったら一緒受けていい?』
「いいで!おもろい授業まだいっぱいあるけん、時間合ったら受けさしちゃーよ」
『ありがと』
そう言って、また講義に集中する未来。
隣にいる未来を直接見ることは出来んけん、わざと後ろに持たれ横目で未来を見ると
真剣に耳をすまし目がキラキラしとってまた違った一面を見た。
:09/02/16 16:44 :PC :nZS.U4oQ
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