先輩と旅立ちの唄
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#221 [あかり]
月日は経ち―
その月、私たちの班は教室掃除の担当だった。
私はいのちゃんと二人で、ごみ捨てに行くことにした。
私は室内をひたすら掃除するより、
移動できるような係を好んでいた。
タクロウ先輩と、どこかですれ違うかも知れないという、可能性に期待していた。
:08/10/31 11:05
:SH705i
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#222 [あかり]
二人でごみ捨て場まで行き、燃えるごみを出す。
この場所の清掃は、三年生が担当区域である。
渡されたごみを、数名の三年生の手によって、分別される。
:08/10/31 11:11
:SH705i
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#223 [あかり]
その日は普段あまり出ない、燃えないごみの袋も持って来ていた。
燃えるごみを出し終えた後、次は不燃物処理場へと足を運ぶ、私といのちゃん。
その場所に近づいてみると、楽しそうな男女の話し声が聞こえる。
:08/10/31 11:16
:SH705i
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#224 [あかり]
そこには―
タクロウ先輩と一年の女の子の姿が…。
女の子が私たちの存在に気がついて、こちらを振り向く。
その顔は―
いつかの体育委員の集まりの時、会話をした原 希緒ちゃんだった。
「あ、こんにちはです!」
希緒ちゃんは、あの時と同じ笑顔で、私に挨拶をした。
:08/10/31 11:21
:SH705i
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#225 [あかり]
その後、再び二人はまた会話をし出した。
私といのちゃんは、燃えないごみの分別をする。
希緒ちゃんは可愛い顔のつくりをしているが、
ショートヘアで、喋り方や振る舞いも少々男の子っぽいのだが、
耳から聞こえる先輩との会話では、いつもより声のトーンを下げ、気品よく話しているような気がした。
:08/10/31 11:27
:SH705i
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#226 [あかり]
あの光景を見てから、午後からの授業、放課後と、
一気に淀んだ気分でやり過ごした。
帰りの船の中で、怜香に尋ねてみる。
「一年三組の原 希緒ちゃんって分かる?」
:08/10/31 11:32
:SH705i
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#227 [あかり]
「うん、分かるよ。
明孝もクラスが違うけど、その子と話す仲だもん。」
明孝とは、彼女の同級生で、同じ高校に通うもう一人の男子である。
「へぇ、そうなんだー。
希緒ちゃんって、どんな子なの?
明るくて、いい子そうに見えるけど。」
:08/10/31 11:41
:SH705i
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#228 [あかり]
「とんでもない。
ナルシストで自分のことを自慢げに話すから、
女子からは嫌われてるよ。」
「えぇ!そうなの?
可愛いし、人懐っこい性格だから、周りから好かれてるのかと思ってた。」
怜香からの意外な情報に、私は目を丸くして驚いた。
私の目からは、あの子がそんな風には見えなかった。
それと同時に、ライバルになるかも知れない子が、
なかなかの不評で、ホッとする自分もいた。
:08/10/31 11:52
:SH705i
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#229 [あかり]
「今日あの子が、タクロウ先輩と話してる所を見たんだ。」
「男タラシだからねー。
かっこいい人には自分から近づいて行ってるよ。」
「先輩が希緒ちゃんを好きになるとか、ないかな?」
「んー、ないんじゃない?
先輩からしてみたら、希緒ちゃんなんかガキだよ、ガキ。」
:08/10/31 11:57
:SH705i
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#230 [あかり]
「アハハ(笑)。」
怜香の強気な発言に、私は笑った。
彼女は気の小さい私とは違い、ずばずばと物事を言う。
私はそんな彼女を、いつも羨ましいと思っていた。
年齢は私の方が一つ上だが、長年島で一緒にいたこともあり、対応は同級生と全く変わらなかった。
ちなみに島に住んでると、年上にでも、タメ口で話すのが自然なのである。
:08/10/31 12:04
:SH705i
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