先輩と旅立ちの唄
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#224 [あかり]
そこには―
タクロウ先輩と一年の女の子の姿が…。
女の子が私たちの存在に気がついて、こちらを振り向く。
その顔は―
いつかの体育委員の集まりの時、会話をした原 希緒ちゃんだった。
「あ、こんにちはです!」
希緒ちゃんは、あの時と同じ笑顔で、私に挨拶をした。
:08/10/31 11:21
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#225 [あかり]
その後、再び二人はまた会話をし出した。
私といのちゃんは、燃えないごみの分別をする。
希緒ちゃんは可愛い顔のつくりをしているが、
ショートヘアで、喋り方や振る舞いも少々男の子っぽいのだが、
耳から聞こえる先輩との会話では、いつもより声のトーンを下げ、気品よく話しているような気がした。
:08/10/31 11:27
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#226 [あかり]
あの光景を見てから、午後からの授業、放課後と、
一気に淀んだ気分でやり過ごした。
帰りの船の中で、怜香に尋ねてみる。
「一年三組の原 希緒ちゃんって分かる?」
:08/10/31 11:32
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#227 [あかり]
「うん、分かるよ。
明孝もクラスが違うけど、その子と話す仲だもん。」
明孝とは、彼女の同級生で、同じ高校に通うもう一人の男子である。
「へぇ、そうなんだー。
希緒ちゃんって、どんな子なの?
明るくて、いい子そうに見えるけど。」
:08/10/31 11:41
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#228 [あかり]
「とんでもない。
ナルシストで自分のことを自慢げに話すから、
女子からは嫌われてるよ。」
「えぇ!そうなの?
可愛いし、人懐っこい性格だから、周りから好かれてるのかと思ってた。」
怜香からの意外な情報に、私は目を丸くして驚いた。
私の目からは、あの子がそんな風には見えなかった。
それと同時に、ライバルになるかも知れない子が、
なかなかの不評で、ホッとする自分もいた。
:08/10/31 11:52
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#229 [あかり]
「今日あの子が、タクロウ先輩と話してる所を見たんだ。」
「男タラシだからねー。
かっこいい人には自分から近づいて行ってるよ。」
「先輩が希緒ちゃんを好きになるとか、ないかな?」
「んー、ないんじゃない?
先輩からしてみたら、希緒ちゃんなんかガキだよ、ガキ。」
:08/10/31 11:57
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#230 [あかり]
「アハハ(笑)。」
怜香の強気な発言に、私は笑った。
彼女は気の小さい私とは違い、ずばずばと物事を言う。
私はそんな彼女を、いつも羨ましいと思っていた。
年齢は私の方が一つ上だが、長年島で一緒にいたこともあり、対応は同級生と全く変わらなかった。
ちなみに島に住んでると、年上にでも、タメ口で話すのが自然なのである。
:08/10/31 12:04
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#231 [あかり]
「原 希緒ちゃん―
タクロウ先輩のことを、どんな風な目で見ているのだろうか?
仮に二人が付き合うとかなったとしても、ここに怜香という、
一緒にブツブツ文句言える相手がいるから、いいっか。」
:08/10/31 12:10
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#232 [あかり]
そして、真夏日も続く中、学期末試験も無事に終了し、学校は夏休みに入った―
私は長期休暇を兼ねて、隣の県に住んでいる、いとこの姉の元を訪ねることにした。
黒田未央という人で、私は未央姉と呼んでいる。
美容専門学校生ということもあり、服装や髪型もお洒落で、自慢の身内だった。
:08/10/31 12:22
:SH705i
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#233 [あかり]
一人暮らしの未央姉の部屋に、数日間お泊りをさせてもらうことになった。
未央姉の住んでいる街は、田舎育ちの私からしてみれば、断然に都会に見え、
彼女に色んなお店などを案内してもらう度、自分もいつかはこんな所に住みたいと憧れた。
買い物から帰宅して―
買ったものを整理しながら、未央姉は言う。
「あ、今日の夜は、あたしの彼氏とその友達と、その後輩とか、色々来るけん。」
:08/10/31 12:31
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