先輩と旅立ちの唄
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#294 [あかり]
文化祭開催が、もう明日へとなった日だった。

放課後、私は自分の席で、持っていた本を読んでいた。

周りには数人しかいなくて、とても静かであった。

「あかりっ。」
教室を入って来たやいなや、名美佳が私の方へと駆け寄ってくる。

⏰:08/11/04 04:21 📱:SH705i 🆔:Of3VRH9k


#295 [あかり]
「ん?どうしたの名美佳?」
彼女の異様な表情に、私もすぐに異変を察知した。

「ちょっと廊下で話そうっ。」
周りに聞こえないようにか、彼女は話す場所を変えたがった。

私たち二人は廊下へと移動した。

⏰:08/11/04 04:24 📱:SH705i 🆔:Of3VRH9k


#296 [あかり]
「あのね…。さっき女の先輩と話してた時に聞いたんだけどね…。」

「…?うん。」

「塩見…先ぱ…、かの…女が…いるんだって…。」

「え…。う、嘘…。」

名美佳からの思わぬ情報に、私は全身で震え上がった。

⏰:08/11/04 04:28 📱:SH705i 🆔:Of3VRH9k


#297 [あかり]
「相手はね…、同じクラスの…江戸川…小春先輩…。」

「あ…。」

聞いたことのある名前で、それは私が同性で憧れを抱いている人だった。

体育委員の集まりの時にいた、三年生の中でも、特に可愛い容姿をしている先輩。

「そ、そうなんだ…。」
私は小さい声で、精一杯の返事をした。

⏰:08/11/04 04:34 📱:SH705i 🆔:Of3VRH9k


#298 [あかり]
「ごめんね…。黙っていようかなって最初思ったけど、
やっぱり友達として、真実は伝えようって…。」
自分が悪いことでもしたように、謝る名美佳。

「ううんっ。むしろ本当のことが分かって嬉しいよ。
私がいつまでも気持ちを行動に移さないで、ただ遠くから見てるだけっていうのがいけないんだよね。

先輩に彼女が出来ても、全然おかしくないやーっ。」
彼女の優しさに、私は精一杯応えた。

⏰:08/11/04 04:40 📱:SH705i 🆔:Of3VRH9k


#299 [あかり]
「江戸川小春先輩、すっごい可愛いよねー。」
帰りの船の中、翔馬に一番に話し掛けた言葉。

「陸上部のマネージャーの人だっけ。
サッカー部の練習の時、よく見るわ。

えーっ。ちょっと鼻がでかい。」

「…あんたねぇ、一体どんな人だったら可愛いって思うのよ!?」

「そりゃ俺だって、栗原沙弥さんは可愛いとは思ってるわ。」

「…。」

⏰:08/11/04 04:49 📱:SH705i 🆔:Of3VRH9k


#300 [あかり]
「小春先輩とタクロウ先輩、付き合ってるんだってーっ。」

「タクロウって、お前の好きな人?あの帽子の。

それはドンマーイっ。」

「ちょっとぉ、少しは慰めてよねーっ!」

「…だからドンマイって言ってんじゃん。」

「翔馬の意地悪っ!」

⏰:08/11/04 04:52 📱:SH705i 🆔:Of3VRH9k


#301 [あかり]
「…諦めないといけないよねー。」

「もし俺が塩見さんの立場だったら、
江戸川さんからお前に乗り換えようとは思わないな(笑)。」

「もーっ!そんなことぐらい私も分かってるってばー!」

「アハハ。まあ後は別れるのを待つとか。」

「タクロウ先輩があの小春先輩に別れを告げるなんて、そんなの想像もつかないっ!」

⏰:08/11/04 04:59 📱:SH705i 🆔:Of3VRH9k


#302 [あかり]
「そんなのはわかんないぜ。どちらかというと、江戸川さんの方がベタ惚れという線もある。」

「もーっ。悲しくなるからこの話はやめよう…。」

「自分から話したんじゃん。」

「とにかく!これからどうしていいか分からないよ…。

ずっと、好きだったのにさ…。」

⏰:08/11/04 05:04 📱:SH705i 🆔:Of3VRH9k


#303 [あかり]
「まあ、心の中では何を思っても自由だぜ。」
かばんの中にあった紙パックのジュースに、ストローを挿そうとする翔馬。

「うん…。
私、せめて文化祭で先輩と写真撮りたいな…。」

「それくらいいいんじゃね。」
勢いよくジュースを飲む翔馬。

「ありがと。」
彼に聞こえないように、私は言った。

⏰:08/11/04 05:09 📱:SH705i 🆔:Of3VRH9k


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