先輩と旅立ちの唄
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#304 [あかり]
そして、
文化祭一日目―
この日は一日中、藍美と出店の販売員を担当した。
といっても、私たちがやったことは、カレーの食券を、
希望者にひたすらお金と引き換えに配る係だった。
二人で一つの机に、仲良く座っていた。
その近辺では、主に三年生たちが、焼きそばやかき氷などをせっせと売っていた。
:08/11/04 14:51
:SH705i
:Of3VRH9k
#305 [あかり]
「おーい、二人とも頑張ってるかーい。」
「あっ、いのちゃん。」
いのちゃんが、他のクラスの友達と共に、私たちの様子を見にやって来た。
「いのちゃん、写真撮ろう。あっ、皆で一緒に写真撮ろう。」
藍美にカメラを頼んで、思い出の瞬間をおさめたりしていた。
:08/11/04 14:56
:SH705i
:Of3VRH9k
#306 [あかり]
顔なじみの人や、そうでない人、先生であったり、
色んな顔ぶれが、私たちの元へ食券を求めにやって来た。
そんな時間をやり過ごしている時だった。
「あ、小春先輩だ…。」
江戸川小春先輩が、女友達と出店へ買いにとやって来た。
販売員と親しげに話している所から、先程のいのちゃんたち同様、
きっと様子を見に来たのだろう。
:08/11/04 15:03
:SH705i
:Of3VRH9k
#307 [あかり]
「藍美、小春先輩とタクロウ先輩、付き合ってるらしいよ…。」
昨日名美佳から告げられたばかりの事実を、私は藍美に話した。
「えっ、そうなの?
えーっ、エドコハ先輩は、もっと落ち着きのある人が好きなのかと思ってたー。」
私も、物静かな小春先輩のことだから、
てっきり大人な人じゃないと、合わないのかと思ってた。
タクロウ先輩は、大人びた見た目に似合わない、おちゃらけたやんちゃな人である。
:08/11/04 15:12
:SH705i
:Of3VRH9k
#308 [あかり]
タクロウ先輩のことは、一年の希緒ちゃんや、後輩の怜香みたいに「かっこいい」と思う人もいれば、
「何あれ。」「調子乗ってる。」と、その存在をあまり良く思わない人とに、はっきりと分かれていた。
「エドコハ先輩、あの人でいいんだーっ。」
こんな台詞を吐く藍美も、どちらかというと、後者の立場であろう。
そんなやり取りをしていると、今度はタクロウ先輩が友達と出店の方にやって来た。
方向は、小春先輩のいる所。
:08/11/04 15:25
:SH705i
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#309 [あかり]
「タッちゃん。」
小春先輩が、先輩を愛称で呼んだ。
胸の奥が、ズキンと痛みだした。
少し離れた所にいた私にも、タクロウ先輩が、
明らかに"好きな人の目の前にいる"オーラになっているのが理解できた。
私はその光景を見るのをやめた。
:08/11/04 15:30
:SH705i
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#310 [あかり]
「あっ、エドコハ先輩が塩見先輩にお好み焼きを食べさせてる…。」
ずっと二人の姿を見ていた藍美が言い出した。
私は思わずもう一度目をやった。
ちょうどタクロウ先輩が、私とは背中越しになっていて何も見えない。
でも、先輩はかがんでいた。
小さな小春先輩に、合わせるようにかと。
藍美の言うとおりの映像が浮かんだ。
:08/11/04 15:39
:SH705i
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#311 [あかり]
ズキンズキンズキンズキン…
それからの私は、あまり明るい気持ちではいられなかった。
二人のあれだけのやり取りで、一気に現実を突き付けられたような気分になった。
文化祭一日目は少しブルーな思いと共に終了した。
:08/11/04 15:43
:SH705i
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#312 [あかり]
その放課後―
「あかりちゃん。」
廊下で一人の女子に、声を掛けられた。
「あっ、佑里ちゃん。」
隣のクラスの、新坂佑里ちゃんという子だった。
佑里ちゃんとは、今年からひょんなことで仲良くなり、二人で図書館まで勉強しに行ったり、放課後一緒に行動したりしていた。
佑里ちゃんはおっとりとした外見が好を為すのか、男子に告白されて付き合うことが多かった。
:08/11/04 15:51
:SH705i
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#313 [あかり]
「塩見先輩のドラム姿、かっこよかったよー。
上半身裸だったんだけど、意外と筋肉がついてて、ちょっとときめいちゃったね。」
私がタクロウ先輩を好きなのを知っている彼女は、
自分が知ってる限りの情報をいつも教えてくれた。
私は今日ばかりはそれが切なくなり、先輩に彼女がいることを言った。
佑里ちゃんと小春先輩は、同中という関係であった。
:08/11/04 15:56
:SH705i
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