先輩と旅立ちの唄
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#481 [あかり]
旅行前にチューくらいしときなよ〜―
藍美が冗談めいて言ってたのを思い出す。

いざ、そういう雰囲気になると、全く笑える状態ではない。

「うっ、うん…。」
しどろもどろになりながら、彼の要求を飲み込む。

⏰:08/11/12 18:19 📱:SH705i 🆔:FpZ7JzEk


#482 [あかり]
彼は上半身を起こし、私の方に前のめりになって来る。

自分の右手を、私の左頬に添えた。

顔の顔がぐんぐん近づくてくる。

私は瞼を心持ち強く閉じた―

その瞬間―
彼の唇と、私の唇が合わさった。

私たちは、初めてキスをした。

⏰:08/11/12 18:30 📱:SH705i 🆔:FpZ7JzEk


#483 [あかり]
彼がその唇を離しては、私の唇に優しく押し当てる。

その繰り返しの何度目かで、私は目を開けてみた。

彼と視線が重なる―
今更ながらこの状況に緊張してしまい、体が硬直していく。

キスが終わっかと思ったその後、彼は私の体に架けてあった布団をめくった。

⏰:08/11/12 19:18 📱:SH705i 🆔:FpZ7JzEk


#484 [あかり]
「あかり…っ。」
年下の彼が、初めて私を呼び捨てで呼ぶ。

彼が、私の左の首筋を這う。
少しくすぐったくて、小さく、ひゃっ、という声を出してしまった。

そして、さっき私の頬に触れていた右手を、私が着ているスエットの中に入れてきた。

⏰:08/11/12 19:29 📱:SH705i 🆔:FpZ7JzEk


#485 [あかり]
その腕は、ぐんと私の背中の方にまで回った。

ブラジャーのホックを、片手でパチンと外す。

それから、彼の右手は、私の左胸に触れる。

彼が手を動かす度に、私の口から、あっ、という声が、何度も漏れる。

今まさに、未知の世界に飛び込もうとしている、そんなエクスタシーを感じていた。

⏰:08/11/12 19:37 📱:SH705i 🆔:FpZ7JzEk


#486 [あかり]
嫌ではなかった―
ただ、普段優しい彼の、こんな一面にいざ出くわすと、何かは分からない恐怖があった―

このまま抵抗しないとどうなるのか―
なろうとする結果を、今の私は望んでいるのだろうか―

涙が少しばかり出そうになった。
「いやっ。」と一言、ふいに漏らしてしまった。

それと同時に、体も僅かほど左に傾けた。

⏰:08/11/12 19:47 📱:SH705i 🆔:FpZ7JzEk


#487 [あかり]
彼の動きが止まった―

「あ…ごめ…。」
そのまま体を起こし、ベッドの上に座る体勢になった。

「洗濯、もう終わったよな。
干してくる。」
そう言い残して、部屋を後にした。

私は布団をまた被り、その中で体を丸めた。
心臓の音が、嫌になるほど騒がしかった。

⏰:08/11/12 20:15 📱:SH705i 🆔:FpZ7JzEk


#488 [あかり]
ギィーッ―
ドアを開ける音で、彼が戻ってきたのが分かった。

私は布団の中に潜ったままだった。

ギシッ。
彼はベッドに座ったみたいであった。
その重みが私の方にも伝わった。

「さっきはすいませんでした…。」

⏰:08/11/12 20:28 📱:SH705i 🆔:FpZ7JzEk


#489 [あかり]
「…。」
私は言葉が出なかった。

「俺、こんなんじゃダメっすよね。」

違う、そうじゃないの。
ただ、まだ心の準備が―

「続きはつか、ね…。」
体を起こして、彼の隣に座った。
彼の顔の表情が、明るくなった気がした。

⏰:08/11/12 21:49 📱:SH705i 🆔:FpZ7JzEk


#490 [あかり]
初めてのお泊りの夜は、彼に包まれながら眠りに就いた。

彼の中は、布団もいらないんじゃないかというくらい、暖かかった。

これでいい―
これがいいんだ―

夢の中でも、私は噛み締め続けていた。

⏰:08/11/12 23:25 📱:SH705i 🆔:FpZ7JzEk


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