先輩と旅立ちの唄
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#614 [あかり]
「俺、自分に自信がなくて…。
先輩に、いつも触れてないと不安で…。
傷つけてしまったよね…。
ごめん、ごめんなさい…。」
「ううん、悪いのは私だよ…。
私、もう塩見先輩のことは何とも思ってないから…、忘れるから…。」
:08/11/24 18:23
:SH705i
:KS/NgqI2
#615 [あかり]
それからの私たちは、より関係が深くなったと思う。
彼は前以上に、穏やかで優しくなった。
相手を思いやるとは、こういうことなのかと、解ったような気がする。
バレンタインも、奮闘して作ったクッキーとショコラを、彼に渡した。
彼はいびつな形を気にせず、喜んでくれた。
日常に、平凡な笑顔が溢れていた。
そして、三年生の卒業も目前に控えている時だった。
:08/11/24 22:38
:SH705i
:KS/NgqI2
#616 [あかり]
「克次先輩から、もう一度付き合って欲しいって言われたー。」
放課後、屋外の渡り廊下で、藍美に相談をされた。
私たちは自販機で買った、ココアの缶を手に持っていた。
「まじで!?この学校も、もう卒業するっていうのに、
藍美のこと、本当に好きなんだね。」
「うーん…。
でも私はやっぱり、ヨリを戻す気なーい。
何か…違うんだもん。」
そう言った後、藍美がココアを飲み干した。
:08/11/24 22:49
:SH705i
:KS/NgqI2
#617 [あかり]
「それじゃあしょうがないね。
人間には相性というものがあるから。」
「うん、断るつもりー。
当分男はいいや。
あかりはいいよねー。
年下クンとラブラブで。
ねぇねぇ、
どこまでいってんのよー?」
:08/11/24 22:53
:SH705i
:KS/NgqI2
#618 [あかり]
「えっ、な、何言ってんの藍美っ…。」
「あーあー、何にも知らなさそうな顔して、男を色々知っちゃってるのねー。
城山さん、なーんか寂しっ。」
「ブッ!!」
「これからも、彼氏と仲良くね。」
「うんっ。」
:08/11/24 23:08
:SH705i
:KS/NgqI2
#619 [あかり]
卒業式前日―
放課後、その予行練習が行われた。
在校生出席は、毎年二年生だけである。
後ろの席から、先輩たちの晴れ舞台を見ることになる。
起立や着席、一礼の確認、進行の手順などを一通りやっていた。
:08/11/24 23:49
:SH705i
:KS/NgqI2
#620 [あかり]
私はその間、タクロウ先輩の姿を、意識して見ないようにした。
練習は一時間ほどで終わって、生徒は解散をした。
放課後、私は一人で学校の近くのコンビニに、お菓子を買いに行った。
日が暮れるのもすっかり早くなってきた。
駅に向かっている時だった。
:08/11/24 23:55
:SH705i
:KS/NgqI2
#621 [あかり]
学校の目の前にある川沿いの道で、タクロウ先輩が一人、反対方向から歩いていた。
先輩は、紺のマフラーを首に巻いていた。
「あ…。」
先輩の姿に気づいた私は、無意識に声を出してしまい、その場で足を止めた。
先輩も私の目の前に立った。
:08/11/24 23:58
:SH705i
:KS/NgqI2
#622 [あかり]
「あ…あのぅ…、
卒業、おめでとうございます…。」
社交辞令にと、こんな台詞を言った。
「ありがと。」
辺りが暗くてよく見えなかったけど、先輩が微笑んでるのが読み取れた。
「じゃ、また…。」
お辞儀をして、その場を後にしようとした。
「ああ…。」
先輩も、反対側から歩き始めた。
:08/11/25 00:04
:SH705i
:JwgW5bj.
#623 [あかり]
そして、卒業式本番―
式は順調に行われていた。
卒業証書授与の時―
三年五組の担任の先生が、一人一人の生徒の名前を読み上げていた。
「…小松順也。」
:08/11/25 00:10
:SH705i
:JwgW5bj.
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