先輩と旅立ちの唄
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#624 [あかり]
「あーいっ。」
タクロウ先輩と一番仲の良い順也先輩が、
真面目な式とはそぐわない、ひょうきんな返事をした。

静まり返った会場に、一瞬小さな笑いが起きた。

私もおかしくて、顔がニヤニヤしていた。

⏰:08/11/25 00:13 📱:SH705i 🆔:JwgW5bj.


#625 [あかり]
「…塩見タクロウ。」

そして、タクロウ先輩の番が来た。

「はあぁぁいっっ!!」
先輩はこれでもかという大きな声で、起立をした。

クスクスクス…
順也先輩の時と同様、再び小さな笑いが起こった。

⏰:08/11/25 00:15 📱:SH705i 🆔:JwgW5bj.


#626 [あかり]
私が好きだった時の先輩だ―

確かに、先輩はふざけることが多いし、下品なことばかりやってみせるし、
何でこんな人を好きになったんだろう?と思うこともあった。

でも確かに私は、そんな先輩に恋をしていて、憧れていた。

⏰:08/11/25 00:19 📱:SH705i 🆔:JwgW5bj.


#627 [あかり]
私の目には、自然に涙が溜まっていた。

先輩に接触をしようと、あれこれ考えていた時のこと、
先輩と初めて会話した時のこと、
先輩をとにかく、追いかけていた日々。

今、私の視界には、ここから旅立とうとしている、先輩の姿しか見えていない。

⏰:08/11/25 00:24 📱:SH705i 🆔:JwgW5bj.


#628 [あかり]
式最後の、卒業生退場の時―

パンパンパンパン…

在校生や先生たちで、拍手でその姿を見送る。

私は両手が痛くなる位、大きな拍手をした。

⏰:08/11/25 00:32 📱:SH705i 🆔:JwgW5bj.


#629 [あかり]
そして、タクロウ先輩が起立をし、その場を立ち去ろうとした。

振り返った時、先輩は私の方を見ていた。
偶然なのか必然なのかは分からないが、私たちは、目が合った。

先輩はフッと視線を逸らし、会場を後にした。

⏰:08/11/25 00:54 📱:SH705i 🆔:JwgW5bj.


#630 [あかり]
三年生全員が会場から姿を消した後、
二年生も、脚立イスを直したりした後、先生の指示で教室へと戻った。

各クラスのホームルーム中…
今頃、上の階にいる卒業生たちも、最後のホームルームを行っているだろう。

時々、上から拍手や歓声の音が聞こえた。

⏰:08/11/25 01:22 📱:SH705i 🆔:JwgW5bj.


#631 [あかり]
「あかりちゃん。」

帰りの会が終わった後、いのちゃんが話し掛けにきた。

「三年生、個性的で面白い人が多かったから、何だかもういなくなるなんて、寂しいね。」
いのちゃんが窓の景色を見ながら、私に言った。

「うん…。」

⏰:08/11/25 01:25 📱:SH705i 🆔:JwgW5bj.


#632 [あかり]
「あー!」
突然、いのちゃんが叫んだ。

「な、何、いのちゃん!?」

「あかりちゃん、カモノハシのキーホルダー、自分のかばんに着けてどうすんのよ!?」
いのちゃんが、机の横に掛けていた、私のかばんを指差しながら言った。

⏰:08/11/25 01:29 📱:SH705i 🆔:JwgW5bj.


#633 [あかり]
「え?えっと…」

「これは塩見先輩にあげるものでしょ!?
自分のものにしちゃいけないじゃん!」

「タクロウ先輩のことは、竜樹くんに忘れるって言ったから…。」

「それとこれとは、話が別じゃない!?
あかりちゃんいつも言ってたじゃん、塩見先輩に『ありがとう』が言っていたって!」

⏰:08/11/25 01:41 📱:SH705i 🆔:JwgW5bj.


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