先輩と旅立ちの唄
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#311 [あかり]
ズキンズキンズキンズキン…
それからの私は、あまり明るい気持ちではいられなかった。
二人のあれだけのやり取りで、一気に現実を突き付けられたような気分になった。
文化祭一日目は少しブルーな思いと共に終了した。
:08/11/04 15:43
:SH705i
:Of3VRH9k
#312 [あかり]
その放課後―
「あかりちゃん。」
廊下で一人の女子に、声を掛けられた。
「あっ、佑里ちゃん。」
隣のクラスの、新坂佑里ちゃんという子だった。
佑里ちゃんとは、今年からひょんなことで仲良くなり、二人で図書館まで勉強しに行ったり、放課後一緒に行動したりしていた。
佑里ちゃんはおっとりとした外見が好を為すのか、男子に告白されて付き合うことが多かった。
:08/11/04 15:51
:SH705i
:Of3VRH9k
#313 [あかり]
「塩見先輩のドラム姿、かっこよかったよー。
上半身裸だったんだけど、意外と筋肉がついてて、ちょっとときめいちゃったね。」
私がタクロウ先輩を好きなのを知っている彼女は、
自分が知ってる限りの情報をいつも教えてくれた。
私は今日ばかりはそれが切なくなり、先輩に彼女がいることを言った。
佑里ちゃんと小春先輩は、同中という関係であった。
:08/11/04 15:56
:SH705i
:Of3VRH9k
#314 [あかり]
「そっかぁ。あの二人がくっつくなんて、思いそうで思わなかったなあ〜。」
「私、これからどうしたらいいんだろうって…。」
「先輩のことはまだ好き?」
「略奪したいとは微塵も思わないけど…。」
私は応えるのに迷った。
私の先輩に対しての思いは、一体何であったのだろうか?
:08/11/04 16:01
:SH705i
:Of3VRH9k
#315 [あかり]
「いいんじゃない。遠くから見てるだけなら。
全然罪にならないよ。」
昨日の翔馬と似たようなことを、彼女も言った。
「…。」
私は黙って考えた。
:08/11/04 16:04
:SH705i
:Of3VRH9k
#316 [あかり]
「私ね。」
一時して、私は口を開いた。
うん、と佑里ちゃんが相槌をする。
「先輩と出会ってね、こんな人がいるんだあって思った。
皆に笑顔を振り撒いて。
自分は色々と辛く悲しいことがあったのにさ。
明日のステージ発表も、先輩が見てると思うから、一生懸命頑張った。
家でもたくさん練習した。
先輩がいるから、目の前の出来事が明るくなってる部分は多かったな。
私は先輩に、ただ『ありがとう』って言いたい。」
:08/11/04 16:11
:SH705i
:Of3VRH9k
#317 [あかり]
帰りの船の中―
今日一日で起こった、ありとあらゆることが思い巡ってきた。
タクロウ先輩と小春先輩のツーショット、
佑里ちゃんにタクロウ先輩への気持ちを告げた自分。
諦めてしまいたい思いと、諦めたくない思いとが頭の中で交錯する。
考えたくないけど、考えずにはいられない。
世の中は矛盾だらけだ。
「あっかりちゃん。」
そんな私を尻目なのか察したのか、明るく怜香が話し掛けてきた。
:08/11/05 22:28
:SH705i
:w2wy4Vzs
#318 [あかり]
「見てこれ。かっこいいよ。」
怜香は、上半身裸でピースをしてる、タクロウ先輩の写メを私に見せてきた。
「これは…?!」
「塩見先輩たちのライブの後に、友達が頼んで撮らせてもらったんだって。
私も転送してもらった。
あかりちゃんに喜ばせようと思って。」
「う、うん…。」
彼女持ちの先輩を直視できないという気持ちよりも、後輩の優しさに泣けてきた。
:08/11/05 22:34
:SH705i
:w2wy4Vzs
#319 [あかり]
「あかりちゃんいるでしょ?送るよ。」
「え…えっと…。」
戸惑いが走る。
それを所持する必要があるのだろうか…。
そこに映っている人は、違う女の人のことを思っている。
その時、
『思うくらいならいい』
翔馬と佑里ちゃんから、同時に叫ばれた気がした。
「うん!欲しい!」
私は決意した。
どんな先輩であろうと、やっぱり好きなものは好きだ。
:08/11/05 22:43
:SH705i
:w2wy4Vzs
#320 [あかり]
「怜香、付き合うってどういうことだと思う?」
「んー…、好き同士が一緒になるってことなんじゃない?」
「じゃあ、人を好きになることは?」
「私の場合は、あーこの人じゃなきゃダメだって…って感じ。」
:08/11/07 03:06
:SH705i
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