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#51 [t]
それから何がきっかけか分からんけど、ミナミと付き合うようになった
俺は相変わらず色んな女と遊んどったけど、ミナミは一途に思ってくれとるみたいやった
ミナミは、俺と付き合ってからも夜の女をやめんかった
それが原因かは、分からんけど半年も付き合った頃にはすれ違いが起きとった
:09/06/10 01:41 :F906i :mKpuQSLw
#52 [t]
『今日仕事いきたくないよぉ〜』
夕方になると、俺の袖をミナミは、毎日引っ張る。
『ほんならやめれば』
きっと優しい言葉かけて欲しかったんやろね
でも俺はその頃ガキやし冷たくしか出来んかった
俺は毎日、腕を強く振り払った
そして俺は、他の女が待っとる部屋に向かった。
ミナミだけが特別だなんて感情は無かったのだ
:09/06/10 01:43 :F906i :mKpuQSLw
#53 [t]
俺は夜の仕事しとったミナミがどうも気にいらんかった
そのうち面倒やと思うようになった
ミナミは俺がバイト中
女の子と喋るのが嫌や、とか絶対浮気しとるやろ。
とか俺と顔合わせる度、怒鳴りつけた
:09/06/10 01:46 :F906i :mKpuQSLw
#54 [t]
でも決まってミナミは、
自分なんか飯食い行ったり仕事以外でも営業してんのに何言うてんねん。
て言葉に言い返す事は無かった
外食しに行ったある日、喧嘩になった勢いで
『夜の女なんかめんどくさいわもう。』
そう言って一方的に別れを告げた
:09/06/10 01:47 :F906i :mKpuQSLw
#55 [t]
『ごめんなさい。別れたくないです、夜やめるから…ごめんなさいお願い…しますお願いします。』
と異常にミナミは泣きじゃくった
俺は。
『ええよ泣くな。もう
言わんよごめんな』
そう返した
(泣いたら話ならんやん!てかなんやねんそのブス面w)
内心は隠す事にした
:09/06/10 01:51 :F906i :mKpuQSLw
#56 [t]
俺は泣きじゃくって抱きついてきた瞬間に気づいてしまったんや…
出会った頃の腕の傷よりも、
もっと痛々しい線
が深く刻まれた腕の事を。
出血したままになっとる箇所もあった
だから言えんかった
それ以上強くは言えんかった。
言うのが怖かった
:09/06/10 01:54 :F906i :mKpuQSLw
#57 [t]
それから何ヶ月か経っても傷は増える一方やった
俺はいい加減嫌気がさして
だんだん連絡を無視するようになっとった
簡単に遊べる女がいい
そんな考えしか無かった
:09/06/10 01:55 :F906i :mKpuQSLw
#58 [t]
連絡が途絶えてから一週間がたった頃の出来事。
授業も全て終わって
駐輪場へ向かう途中やった
まさかのミナミの声が聞こえた
『タクマがいなきゃ無理。本間に無理やの!
やから会いにきたんもん!やーめてや!会わせて』
目に入った光景はミナミが校門の前で
生徒指導に力ずくでだだこねとる所やった
:09/06/10 01:57 :F906i :mKpuQSLw
#59 [t]
俺はさすがにしかと出来やんくて
近寄って止めに入った
俺を見つけたミナミは
俺に飛びつき周りからの冷たい視線に負けじと
わんわん泣きはじめとった
ミナミはしがみついたままなんも話さない
リスカの跡だけをチラチラさせとった
:09/06/10 01:58 :F906i :mKpuQSLw
#60 [t]
この時ばかりはちゃかす奴もいない。
重い空気が流れる
(あ〜ぁあ…)
何とも言えないもやもやとした気持ちのままとりあえず俺は慰めた
『ミナミもう泣かんで?後、なんだよこれ…』
ぐいっと持ちあげた手首は折れそうに細くて俺は力を緩めた
:09/06/10 10:59 :F906i :mKpuQSLw
#61 [t]
リスカの事も俺はあえて触れた
『タクマに会えんなら死にたい思って切った』
俺『だからってあかんよな?こんなんしたら。
しかとしたんは本間にごめんな』
…俺は最低よね。
一人の女の子の腕…
細くて折れそうな腕に
こんなにも傷がきっちりと。
:09/06/10 11:00 :F906i :mKpuQSLw
#62 [t]
でも俺は最低やけど、そんな姿を見ても
正直好きなら好きのままでいさせようって思った。
この頃は会えないだけで死ぬだとかなんだとかって言う女が多くて
死ぬとかリスカになんの恐怖もわかんかった
女なんか突き放しても追いかけてくる
ほんならほっといてたまに相手したら十分やんな
:09/06/10 11:03 :F906i :mKpuQSLw
#63 [t]
この時の俺は罪悪感+求められとる事が
すごくめんどくさく、でも嬉しくも感じとった
最低だよな俺は。
今になって思うわ
ごめん。
ここで俺がもっといい
男やったら
ミナミの人生も、今どこでなにしとるかさえ分からん女達も
違ったかも知れんよな
:09/06/10 11:05 :F906i :mKpuQSLw
#64 [t]
俺は10回の連絡で1回相手するペースで卒業まできた
俺は他にも色んな女に
手出す事を楽しんだ
束縛が出て来たり、彼女面になったら捨てた
そのうち、セックスだけ求めてくる女が増えた
そんないやらしい行為が嫌いでもあった
こんな俺に付いてくる女を見るのも嫌になった
でも1番は、こんな生き方しとる自分が大嫌いになった
:09/06/10 11:08 :F906i :mKpuQSLw
#65 [t]
ミナミとも会えばセックスを繰り返した
でも、俺からは絶対にしやんかった
でもミナミは、自分が必要とされとる時間が嬉しいから
って何度も俺にキスをせがんで
何度も何度もセックスを求めた。
俺は、複雑な気持ちのまま快楽に使った
:09/06/10 11:11 :F906i :mKpuQSLw
#66 [t]
ミナミとも、そんな日々を繰り返しとったけど。
その年の夏を境にミナミは
お客さんで南を大事にしてくれる人が見つかった
て、俺から急に離れていった
それでも俺は何の興味も無く何も触れんかった
少しでも話を聞いてやればよかった
なんかあったか?
てその一言がなんで出てこんかったやろか
:09/06/10 11:12 :F906i :mKpuQSLw
#67 [t]
充実したんだかしてないんだか分からんくなとった
高校生活も終わりを迎える時期がやってきたのだ。
俺は卒業後。
東京へ行って何かを
変えたい。そう思って
東京へ進出する事を決めた
:09/06/10 11:14 :F906i :mKpuQSLw
#68 [t]
これがさやかとの出逢いのきっかけになる
俺は東京へ来て良かった
さやかにたくさん教えてもらった
反省する気持ちや
人を愛する事
当たり前の大事さ。
女の子って存在の意味
:09/06/10 11:15 :F906i :mKpuQSLw
#69 [t]
俺は道代おばちゃんに東京へ行く事を話した。
道代おばちゃんはすぐに口を開いた
『…本間にゆっとんの?』
俺は大きくゆっくり頷いた
:09/06/10 11:17 :F906i :mKpuQSLw
#70 [t]
『あんたな、東京は甘くないで!でもあんたなら大丈夫やきっと。やりたい事やって飽きたら戻ってきいや?おばちゃん寂しいけどな、タクマが決めたんやもん。反対なんか出来んよね!応援するで』
俺『また心配かける事なるかも知れんね…。でもありがとう!頑張ってくる』
予想外の答えに一瞬だけ俺も素直になれた
そしてこの日東京に住む事を決めた。
:09/06/10 11:19 :F906i :mKpuQSLw
#71 [t]
▼親父へ
親父ごめんなぁ
親父に連絡してやれば
よかったな俺
何して何考えてたんかなー俺わ
親父やんな。最初に相談する相手って親父やんな?
知っとったかな?
道代おばさんから聞いた?
:09/06/10 11:25 :F906i :mKpuQSLw
#72 [t]
俺が東京行くってきめた事。
親父はその頃何しとった?
病気と戦ってたんかな?
俺の携番教えたやんか
何で連絡してこんかね?
:09/06/10 11:27 :F906i :mKpuQSLw
#73 [t]
この頃すっかり親父の事忘れとった俺が
後から聞いた話やけど
親父はこの頃もう、だいぶ弱っとるみたいやった
でも俺の番号が書いてある紙を見ては
公衆電話まで看護婦さんと歩いとったんやって
:09/06/10 11:30 :F906i :mKpuQSLw
#74 [t]
でも受話器持つ度いつも言うねんて。
『頑張れ。…』
それから受話器を下ろして
『気分だけ味わえました。俺が電話したらタクマはきっと前に進めない。今タクマは前に進んでるんですきっと。看護婦さん、ありがとう。いつもごめんねぇ。部屋に戻りましょう』
涙がとまらんかったよ
この話を聞いた俺は、
何回も何回も謝ったんやで
:09/06/10 11:35 :F906i :mKpuQSLw
#75 [t]
▼出逢い!東京
俺はまるで青春ドラマのように大きい荷物1つ担いでで東京へ出て来た
この日、東京に出て来た意味はさやかに逢うためやねきっと
俺はどこへ行ったらいいかも分からん中、住む所だけは確保してあった
:09/06/10 11:37 :F906i :mKpuQSLw
#76 [t]
昔仲良かった先輩が
東京へ出てきとったから
落ち着くまで住まして
もらう事になっとった
待ち合わせはスTaバに12:00やった
今日から東京生活が始まる
そして大好きなさやかにすぐに、出逢う
:09/06/10 11:39 :F906i :mKpuQSLw
#77 [t]
俺が煙草に火をつけてすぐ
竜さん(先輩)が黒いスーツ姿で車から降りてきた。
車はオデッセ?て言うんかな。
知らんけども。
:09/06/10 11:41 :F906i :mKpuQSLw
#78 [t]
竜さんと目が合い俺は軽く頭を下げた。
竜さんは電話をかけ初めた
(あ…?)
【〜〜〜〜♪】
俺『もしもし?』
竜さんからやったから不思議そうに俺は出た
『どこにいんのー?』
俺『えっ竜さん目の前だよ、黒のライダース、見える?(笑)』
:09/06/10 11:43 :F906i :mKpuQSLw
#79 [t]
『嘘?目の前の奴?おい、タクマかよっ(笑)』
俺『何してんすか竜さん(笑)ハハッ』
竜『何かホストか何かか思ったわまじで!』
俺『何言ってんすか(笑)俺ですやん!』
こんな冗談飛ばしながら俺達は一気に懐かしくなって色んな話をしだした
竜さんは一個一個うんうんと頷いて聞いてくれた
ちょっとだけ暖かい気持ちになった
:09/06/10 11:45 :F906i :mKpuQSLw
#80 [t]
【プルルルルルル♪】
『あっ俺や』
竜さんは何故か画面を見て携帯を閉じた。
俺『竜さん今時、プルルルルって!(笑)』
『うるせーよ(笑)』
俺『出ないんすか?』
『おう、今はいいや』
【プルルルル♪】
電話はいつまでも鳴り響いとるようやった
:09/06/10 11:47 :F906i :mKpuQSLw
#81 [t]
『あぁ!なんだよ〜!!』
竜さんは軽く嫌な顔して電話に出た
『もしもし?』
竜さんはさっきまでとは別人のように優しい声で電話をとった
『ああ。ごめんな?
今車洗ってたから気づかなかったんだよ!どうした?』
俺は複雑な気持ちでいっぱいになった
:09/06/10 11:49 :F906i :mKpuQSLw
#82 [t]
『あいよ〜じゃまたな』
話が終わったようだ
俺は煙草を灰皿へ押し当てる
俺『竜さんホスト辛いんすか?』
『なんで?そう見えた?』
俺『いやっ。まぁはい』
竜『随分ストレートに聞くなお前(笑)まー半々ってとこかな、女の子の嫌な部分、いい部分がハッキリ見れるからなー複雑!俺もそりゃ辛い時もあるさー』
:09/06/10 11:50 :F906i :mKpuQSLw
#83 [t]
って
少し目に入る前髪を分けながら
寂しそうに寂しげに笑う竜さんは
NO1になれるだけの顔の持ち主やなー
と俺は惚れ込んだ
。
:09/06/10 11:51 :F906i :mKpuQSLw
#84 [t]
『それじゃ移動しますかあ〜』
俺『よっしゃ行きますかっ』
竜さんはコーヒーありがとなって言って
(スッと1万円を出して去って行ったのは言うまでもない…話や)
完
:09/06/10 11:54 :F906i :mKpuQSLw
#85 [t]
『え?いいっすよいいっすよ』
(なんて言う事なんかせず、あざあーす!そんな気持ちでいっぱいやった)
う〜ん情けない(笑)
何せその頃の俺はごく平凡な金しか持ってない
いやっ。むしろ貧乏やったから(笑)
:09/06/10 11:54 :F906i :mKpuQSLw
#86 [t]
俺は車に乗る前に、ある女を目に止めて止まった
そうその女がさやかやった。
昼間だと言うのにドレス?
みたいなの来て街をうろうろしとったから
その姿はまるで迷子になった小動物のようで遠くから見ても可愛いこやな。
と分かるお人形さんみたいな顔した女の子やった
何やあの子
:09/06/10 12:46 :F906i :mKpuQSLw
#87 [t]
その女はすぐに高いビルの中へ消えていった。
『なあ?どうした?』
竜さんが窓から顔を出して不思議そうにしとった
俺『なんでもないっす』
俺はその女が、一体昼間から何者なのか?と
気になる事でいっぱいでまともに竜さんの話が
入ってこんかった(笑)
:09/06/10 12:55 :F906i :mKpuQSLw
#88 [t]
『なあなあなあ!!』
目の前で手を叩かれた俺はハッとなった
俺『あぁすんません(笑)』
『どうした?まさか元カノでもいたか?(笑)』
俺『何で東京にいんすか、いないっすよ〜』
俺『ねえ竜さん、キャバやっとる子もホストって遊び来るんすか?』
『ああ…そりゃあな、夜の女の子は出入りしやすいよ。なんだよなんだよ』
:09/06/10 12:58 :F906i :mKpuQSLw
#89 [t]
…(やっぱりかぁ)
俺『まじっすかぁ…』
『なんだよなんだよ!!何かまずい事言った?』
竜さんはむっちゃ
不思議そうにしとった
俺はその反応が正しい、と気持ち悪い笑みを浮かべた(笑)
『なんも無いならいーけどーあっドンキ寄らせて』
近くにあったドンキの駐輪場へ軽快に車を止めた。
:09/06/10 13:01 :F906i :mKpuQSLw
#90 [t]
ドンキの中はむっちゃ狭くてすれ違う度に棚の物が落ちとらんか
と気にしたのを覚えとる。
俺も可愛いかったのだ(笑)
ボンッ
:09/06/10 13:04 :F906i :mKpuQSLw
#91 [t]
俺『あっすんません』
俺はとっさにぶつかったから謝った
『ああ。』
(ああって何じゃい、
お前が避けんかったからぶつかったんやろが!)
なんて言うわけもなく(笑)
まあそこは大人ですからスルーしましたけども。
:09/06/10 13:04 :F906i :mKpuQSLw
#92 [t]
奴の顔はスッと鼻筋の通った顔して髪はコンパクトにスプレーで固めてある綺麗な形をした奴やった。
こいつもホストか。
東京はホストが多いな
こんな事を思った
その時こいつを殺しときやよかった!
て、後々思う事になる
なんてまだこの時は思いもせんかった。
:09/06/10 13:08 :F906i :mKpuQSLw
#93 [t]
俺がこの時、先読み出来る能力があったら
って
今でも思うのだ
いや
ガチでね
。
:09/06/10 13:09 :F906i :mKpuQSLw
#94 [t]
竜さんはパッパッと
車のファーとか芳香剤とか
なんやかんや買ってたんやけど
俺は特に揃えるもんも無かった
せやから俺は
ミンティアを2、3個とガムを2、3個、歯ブラシをとって会計を済ませた。
:09/06/10 13:12 :F906i :mKpuQSLw
#95 [t]
いやいやっ!
けして口臭を気にしてる訳やないですよw!
それから一旦、竜さんのアパートへ向かった。
ドキドキワクワクやった
:09/06/10 13:13 :F906i :mKpuQSLw
#96 [t]
車の中で竜さんとこんな話をした
俺『金あるのに一軒家建てないんすかー?』
『ここに土地は買わねーな、ここはずっといる場所じゃねーよ、俺はいつか田舎に帰りてえ』
俺『へえ〜』
(竜さんみたいに売れっ子でもこの東京という場所は好まないんや)
そう心で思って深い話やななんて思った
:09/06/10 13:17 :F906i :mKpuQSLw
#97 [t]
俺ったら後先なんか考えないで
一軒家ヘーイ!ヘーイ!
ここにもヘーイ!
とホイホイ何件も建ててしまうだろう
俺は本物のバカヤロウ
。
:09/06/10 13:19 :F906i :mKpuQSLw
#98 [t]
竜さんのアパートは
白と黒の新築やった。
中は3LDK
一人暮らしには、余る広さやった
気付くと
ひょいと置かれたのはシーFUードヌードル。
俺『あっあざす』
お湯も入れてあって、なんも言わんと
2つ作って置いてくれる所が
俺は好きやった
:09/06/10 13:21 :F906i :mKpuQSLw
#99 [t]
まさに言葉無しとも優しさ滲む。
やな
こんな俳句やことわざがあったかは知らんけども
。
:09/06/10 13:23 :F906i :mKpuQSLw
#100 [t]
『あっ、俺は夕方から仕事だから適当にしててなタクマなら俺ん家の何
いじってもいいから(笑)』
俺『まじすか?AVとか見つけちゃったりしたら俺、』
『やーやーやーやー!それわガチで無いw想像したくもねえから言うな』
:09/06/10 13:24 :F906i :mKpuQSLw
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