微妙な10センチ。〜最終〜
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#127 [あき]
だけど、本当は、それじゃダメなんだ。
きちんと言葉を交わさないと、自分の思いは伝わらないんだ。
相手の思いも伝わらないんだ。
きちんと時間を共有していないと、自分の気持ちは確かめられないんだ。
相手の気持ちもわからないんだ。
そっか。
私達。そういや
たった一言。
好きって言葉すら
言えてないね。

心だけじゃ…
不安だよ。

⏰:09/07/26 01:59 📱:W65T 🆔:G/V7tpkE


#128 [あき]
あの出張から、時間が経った。
私は、毎日を仕事に追われ、早朝から深夜まで、仮面を付けた日々。
ただ、唯一違う事が起きた。
西条さん。

あの日から、彼が毎夜、私の携帯電話を鳴らす。
お疲れ様から始まって、1日の報告を費やし、おやすみなさいで締めくくる。
その時間が、毎夜毎夜続く。
いつしか
彼は、遠方にいる知人。
私の中で、そう位置付いていった。

⏰:09/07/26 02:07 📱:W65T 🆔:G/V7tpkE


#129 [あき]
その夜、また彼からの電話。私は帰宅して、ソファーに体を投げ出したところ。

―ピッ
『はいはーいっ』

《おーっ。お疲れい》

『お疲れ様ですっ。』

また何気ない会話。
私は、ジャケットを脱ぐと、煙草に火をつけながら、彼の声を聞いた。

《なに?今帰ってきたの?》

『うん。疲れたしっ』

彼の方言にも、もう幾分か慣れた。(※文章では標準語ですが、彼は方言なまりで話ます。)

⏰:09/07/26 02:13 📱:W65T 🆔:G/V7tpkE


#130 [あき]
『西条さんは?』

《俺は今から帰るんだよね。》

だいたい彼は、会社から帰宅道中に、私の携帯を鳴らす。それから約一時間の道のりを、私達は共有するのだ。そして、彼が無事に帰宅する頃、私の睡魔は限界に近づいて、じゃぁまたと終了する。

そんな毎日だった。

⏰:09/07/26 02:24 📱:W65T 🆔:G/V7tpkE


#131 [あき]
彼の言葉を聞きながら、今夜も、そろそろ私の睡魔も、限界だと思った頃。
私の瞳孔がかっぽ開く言葉が、飛び込んできた。

《俺の事、どう思ってる?》

『どうって?何んですかっ〃きゅうにっ。』

笑って流す私に
彼は静かに、言った。


《…彼女になってくれる?》



それは突然の―告白―だった。

⏰:09/07/26 02:33 📱:W65T 🆔:G/V7tpkE


#132 [あき]
『なっ…何言ってるんですかっ!〃』

突然の出来事に、私は笑った。
いや、正確に言うと、とっさに、私でいる為の防御策。笑う。しか出来ないでいたのだ。
本当は、バクンと音が鳴って、ぎゅっと胸が掴まれて。、毛穴という毛穴がかっぽ開いて、その穴から妙な汗が吹き出していた。


《俺、結構真剣なんだけどっ…。君の気持ちを聞かせて欲しいな。》


そう、彼は私にトドメを刺した。

⏰:09/07/26 02:57 📱:W65T 🆔:G/V7tpkE


#133 [あき]
『はっ…鼻水出たっ!〃』

突然の告白に、なんとも色気のない返事をしてしまう。
仕方ない。
本当に、あまりの事に、鼻水が吹き出たのは事実で、冷静さを失った私は、ばか素直に、その現状を伝えてしまったのだ。

そんな私の答えに、彼は、きたねーと、笑っていた。

『何を突然言い出すかと思ったらっ〃もうっ!そりゃ吹き出ますよっ!!〃』

⏰:09/07/26 03:03 📱:W65T 🆔:G/V7tpkE


#134 [あき]
《でも、俺、そうゆう飾らない君が好きなんだよね〃。彼女なる?》


『いやいや…〃話飛びすぎでしょ…』

《そう?》



もう。
勘弁して下さい。
西条 祐介。
新人種だ。
イケイケオラオラなんですね…

私、鼻水どころか
脇汗が止まりませぬ…

⏰:09/07/26 03:12 📱:W65T 🆔:G/V7tpkE


#135 [あき]
やはり、女の涙は武器なのかもしれない。
ただ、私は見せる相手を間違った事も明確だった。

彼は、言った。

あの夜、泣いてる私に何もしてあげられなかった事が、悔しかった。
間違いなく男で泣いてるんであろう君を守ってやりたいと思った。
笑う昼の私と
泣いてる夜の私
頭から、離れなくなったと−…

そう言った。

⏰:09/07/26 03:30 📱:W65T 🆔:G/V7tpkE


#136 [あき]
『そんな事言われても…』

《わかってる。だから最終日、駅に消えて行く君を見送りながら、忘れようと思った。一週間の思い出だと言い聞かせて君を見送った。 だけど、君はいた。とっくに帰ったと思ったハズの君が…いたんだよなぁ。なんか、そしたら、もう止められなくってさっ…そして、君は笑ってくれた。》


あの時、私は、彼の想いに微笑んだんだ。
彼のあの勇気に、私は微笑んだ…彼にとっては、それが全てだった。

⏰:09/07/26 03:48 📱:W65T 🆔:G/V7tpkE


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