微妙な10センチ。〜最終〜
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#227 [あき]
『ねぇ。西条さん…?職場で、私の事何か話た?』

《何を?》

『だからっ。私とこうやってプライベートで連絡してるって事!』

《言ったよ?》

『言ったのっ!?』

《まぁね〃仲良い奴に話てたら、そこに、上司がいてね、良かったなって!うちの会社の専属になってくれんかなぁって言ってたよっ!あははは〃》


…あははは…〃
じゃねーだろっ!!

⏰:09/08/07 21:16 📱:W65T 🆔:pu1DvuhY


#228 [あき]
『それっ…かなり困るんですけど…』

冷静さを保ちながら、やっと出た言葉だった。

《えっ?どうしてさ?》
脳天気な彼は、聞き返してくる。

『あのね…うちの会社は、そうゆうの、かなり厳しくてね。仕事関係者と、プライベートでうんぬんは、バレたら、かなりマズいのよ。だから言わないでっ。』


《…でもさ、こっちでは話広まったとしても、そっちまでは届かないっしょっ。》


こいつ。
どこまで素っ頓狂なんだっ!!

⏰:09/08/07 21:21 📱:W65T 🆔:pu1DvuhY


#229 [あき]
『届いてるから、止めてって言ってんでしょっ!?』

思わず、叫んでいた。
そんな私に、彼は、一瞬たじろいだように見えたけれど、さすが大人だ。
冷静に切り返してくる。

《…そっか〃早いねぇ…〃》

『…笑い事じゃないんだけどっ。』

《でも、どうして、そっちに流れたんだろ?》

『あのさ、西条さんと私がペア組んだように、その他にも、うちからそっちに行く事、あるでしょ!?
そっち側の誰かが、こっち側の誰かに話たんでしょっ…名前は出さなくても、そんなの調べりゃ、すぐわかるって。』

こいつ…
事の重大さに気づいちゃいねぇ…

⏰:09/08/07 21:30 📱:W65T 🆔:pu1DvuhY


#230 [あき]
《そっか…恐らくあいつが喋ったんだな…。》

『とにかくっ…田中さんか山田さんか、アナタが誰に話たかは、知らないけどさ、困るんだよっ。これからは、何も言わないでねっ。』

《どうして困るの?恋愛は自由なんじゃない?会社がダメだなんて、そんな話聞いた事ないけど。》

『もちろん恋愛は自由だけど、うち的には、仕事に支障がでるから駄目だって事なんじゃないっ?』

《君も、公表すりゃいいじゃんっ〃隠すよりかは良いと思うけどっ。》

『……そうゆう問題じゃなくってさ…。』

駄目だ。
話にならない…
この人…おばかさん?

⏰:09/08/07 21:40 📱:W65T 🆔:pu1DvuhY


#231 [あき]
『そもそも、私は嫌なの。
私は、狭く深くの付き合いをしてきた人間だからさ。仕事仲間。知人。友人。友達。親友。そうやって分けて、それなりの付き合いをして、生きてきたの。だからね、仕事関係者に、プライベートな事を詮索されるのは嫌なの。
それにね、私にも、それなりの立場とか、作り上げたキャラとかがあって…
そゆうの、壊したくないのね?
とにかく、本当に困るんだっ…仕事もしづらくなるし…』

理解を得ようと、今まで言わなかった思いの全てを話ていた。
なのに、さすがに
だから干されました。
とは言えなかった弱い私。悲しい性である。

⏰:09/08/07 21:53 📱:W65T 🆔:pu1DvuhY


#232 [あき]
だけど、話は終わらなかった。ただ、秘密にしたい。
そう理解を求めようと、必死に伝えた私の思いは、彼の何かに触れた。
それは突然だったー…

《さっきから、黙って聞いてりゃ、困る困るって……じゃ、俺って一体なんなわけ?迷惑なわけ?…なんなんだよっ!》

突然、彼が聞いた事もないような、激しい怒りを露わにして電話口で叫んでいた。突然の事に、体が萎縮する。

《君は、俺の事を一体どう思ってんだっ!!いい加減にしろよ!!俺が、どんなに我慢してんのか、君は気付いてくれてるのかっ!?》

怒りが頂点に達していたのか…
彼は、その後。

私を
私という人間を。

否定し続けたー…

⏰:09/08/07 22:02 📱:W65T 🆔:pu1DvuhY


#233 [あき]
『…ごめんなさい。』

やっと冷静さを取り戻してくれた西条さん。
無言の電話に向かって、それしか言葉が出てこない。

《…君は俺の気持ちをわかっちゃいない。》

『…ごめんなさい。』

《…ほらな、何を聞いても、何を言っても、わかりません。ごめんなさい。そればっかりだ…》

『…ごめんなさい…』

《…いつまで敬語?》

『………』

《…少しくらい、俺を見てくれよっ…》

最後に、そう言って、電話は切れた―…

⏰:09/08/08 00:03 📱:W65T 🆔:YYIFW1UU


#234 [あき]
切れた携帯電話を、テーブルに置く。ドクンドクンとこめかみが脈打つ。また、いつもの頭痛が始まった。そのままソファーに横になる。ぐったりとした体は、まるで鉛のように重く、自分の意志では自由が利かなかった。

《それはおかしい!》
《普通は…》
《違うっ!!》

《俺を見てくれよ》

何を言っても、どう言っても、否定的な答えしか言ってはくれなかった彼に。
最後に卑怯な言葉を残し、一方的に切られた話に。


この雨に。
私の頭痛は酷くなるばかりだった…

⏰:09/08/08 00:11 📱:W65T 🆔:YYIFW1UU


#235 [あき]
《昨日はごめんね。仕事で疲れててイライラしてたんだ。》

《いえ…》

《会社では何も言わないようにするねっ。》

《うん。お願いします。》

そう言って、また元通り。彼は優しい声で、暖かいなまりで、私に笑いかけた。
だけど。
突然の彼の噴火。
そして私への執着。
これはスタートに過ぎなかった。
少しづつ、私は彼に呑み込まれて行った。
気付かないうちに、じわりじわりと。

⏰:09/08/09 22:24 📱:W65T 🆔:OLCk8BEI


#236 [あき]
相変わらず、私は職場では浮いた存在。

極端に減らされた仕事。
極端に増やされた休日。

もう誰しもが、私を好奇の目で見ているんじゃないかと、体が萎縮するばかり。上辺では、仲の良いふりをして、陰では何を言ってるのかわからない。
そんな毎日。

体力も神経もすり減らす毎日。

そんな毎日を知らない西条さんは、相変わらず、夜になると電話を寄越してきた。
昼も夜も
何事もないように、笑って話す、そんな自分に疲れていた。

⏰:09/08/09 22:31 📱:W65T 🆔:OLCk8BEI


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