微妙な10センチ。〜最終〜
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#237 [あき]
なおちゃん。
自然と彼からも遠退いた。
昔の私なら、一番に彼の元へと逃げて、泣いて、そして乗り越えてきた。
だけど、今回ばかりは、そうはいかないと、無意識の中でそう知っていたのだろう。恐らく。それは
自分が、彼を裏切ってしまったんじゃないかという、後ろめたさー…
彼を頼ってしまったら
私を想ってくれる西条さんを傷つけてしまうんじゃないかという。
後ろめたさ−…
結局、答えを出せない自分は、自分自身の首を絞め続けただけ。

⏰:09/08/09 22:55 📱:W65T 🆔:OLCk8BEI


#238 [あき]
だけど、いつまでもそんな状況は続かなかった。
それは、突然に訪れた。

私の思わぬ所で、動き出したそれを、私には止める事は出来なかった。

またいつものように、夜の電話が鳴る。
いつもの…


―ピッ
『はいっ。お疲れ様ですっ〃』

《来週、そっち行くよっ!!今度は、俺が出張っ!会えるぞっ!〃》


突然の事だった。

⏰:09/08/09 23:01 📱:W65T 🆔:OLCk8BEI


#239 [あき]
『出張っ!?西条さんも出張するんですかっ!!』

《あるさっ。〃俺だって、昔は何度もそっち行ってるよっ。》

『いつ!?』

《来週の木曜日から、日曜日までの4日間っ!!あき、嬉しいかっ!?》

『…う…うん…』



正直
困った……

⏰:09/08/09 23:12 📱:W65T 🆔:OLCk8BEI


#240 [あき]
『でも会えるかなんて。』

《どおして?》

『…違うから。』

西条さんが、来る地方は、私の隣県。
同じ○○圏には変わらないから、地方の彼にすれば、一緒なのかもしれないが、隣県は隣県だ。

おまけに、私が住む街。
いや、せめて、私が生きてる街まで範囲を広げたとしても、彼が来る隣県からは、車で高速道を三時間。新幹線なら、二駅向こう。空港なら、大型国際空港と、しがない国内空港。
いくら隣県とは言えども、違うのだ。
彼はそう説明する私に、そうかと呟いた。

⏰:09/08/09 23:20 📱:W65T 🆔:OLCk8BEI


#241 [あき]
《…あきは、俺に会いたいって思ってはくれんの?》

『いや…そうゆう事じゃなくって。』

またこの流れだ。
うんざりしてきた。

先ほど、彼、が【そうか】と呟いたのは、決して私の説明に納得したからの返事ではない。
私の説明を聞いて、私の気持ちを、勝手に納得しての【そうか】なのだ。
今回ならば、恐らく、彼の思考はこうなった。
せっかくの吉報。
自分は嬉しい。
あきは、喜ばない。
会いたくないのか。
好きじゃないから。
男にまだ未練があるから…
俺はこんなにも好きなのにーっ!!
どうして、お前は俺を見ないんだーっ!!

となっただろう。間違いないっ。

⏰:09/08/09 23:32 📱:W65T 🆔:OLCk8BEI


#242 [あき]
《何が違う?》

ほらね。きた…

『だから、西条さんが来るのは同じ○○圏だけど、隣県であってさ…。違うじゃない?そりゃ、こっちに来るって言うなら話は違うけどさっ。隣県だし、お互い仕事あるし。会えるかなって思っただけで。』

ねえ。私の主張は、間違ってますか?
誰か教えて下さい。

《…俺は、そんな事を聞いてんじゃないよ、会いたいとは思ってくれんのって事を聞いてんの。》

だから、私はそうゆう問題じゃなくってさ。
私の言ってる意味が、伝わらないなぁ…

『私は、会いたい会いたくないの前に、会えるか会えないかの話をしてるんだよね…』

もう、こうなったら
西条 祐介。
止まりませんよ。

⏰:09/08/09 23:41 📱:W65T 🆔:OLCk8BEI


#243 [あき]
『会えるかなって思っただけで。』

ねえ。私の主張は、間違ってますか?
誰か教えて下さい。

《…俺は、そんな事を聞いてんじゃないよ、会いたいとは思ってくれんのって事を聞いてんの。》

だから、私はそうゆう問題じゃなくってさ。
私の言ってる意味が、伝わらないなぁ…

『私は、会いたい会いたくないの前に、会えるか会えないかの話をしてるんだよね…』

もう、こうなったら
西条 祐介。
止まりませんよ。

⏰:09/08/09 23:41 📱:W65T 🆔:OLCk8BEI


#244 [あき]
《…会いたくないんだね。》

ほらほらぁっ!
出ましたよ。
ミスター、マイナス思考!!

『だから、そうじゃなくって…』

《…俺ばっかりが浮かれてるのか。》

いよっ!!
キングオブ、マイナス思考っ!!

『…だからぁ…』

《どうせ、あきは、俺の事好きじゃないからなっ…》


……あんたが大将っ!!

⏰:09/08/09 23:46 📱:W65T 🆔:OLCk8BEI


#245 [あき]
『…会いたいとは思いますよ?』

《なら、それでいいだろ?…なぁ、俺の事好き?》

『…だからそれは…』

《まだわからない…か。》

『はい…。』

《……》
『……』

負けました。完敗です。
そして今夜も頭痛と乾杯です。
ともかく、気づけば、延々と私は、彼の独断会を受講して、来週、彼とまた再会をする事になっていた。

⏰:09/08/10 00:04 📱:W65T 🆔:AU/RUY7o


#246 [あき]
わからない。
本当に、わからないんだ。いや、正確に言うと、わからなくなったんだ。
彼は、【好き】という言葉に理由付けはないという。理由なんていらないという。それは、そう。気持ちの問題だからと。
私は、だからこそわからない。と主張する。

どう言った感情が
どう言った行動が
好き。で。
何が
愛。
なのか…

わからないから。
彼の問う問題に、私は答えられないんだ。
私は誰が好きで。
誰を愛しているのか…
わからない。

⏰:09/08/10 00:11 📱:W65T 🆔:AU/RUY7o


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