微妙な10センチ。〜最終〜
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#297 [あき]
『もう、ただの幼なじみだからっ。』
『好きだったんだろ?』
『昔はねっ…』
『過去に出来る?』
『過去だよ。』
『…本当に?』
『…私は、あなたを選んだの。もっと自信持って、私を信じて?』
『……わかった。』
:09/08/14 04:23
:W65T
:0SdBI476
#298 [あき]
同じ夜、また彼に抱かれた。彼は優しく包み込むように私を抱いた。
なおちゃんを忘れたいが為に、重ねてきた体。
いつも寂しさなんて埋まらなかった。
利用しているようで、利用されている事はわかっていた。
どんなに好きだと囁かれても、肌が感じた。
今、私に回された彼の腕が、彼の背中に回した私の腕が、心地よいと感じるのは私が彼に想われて、私も彼を想う証拠。
そうに違いない。
:09/08/14 04:40
:W65T
:0SdBI476
#299 [あき]
私は幸せになりたいだけなんだ。彼が私を望むのなら、こんなチャンスは二度とないかもしれない。
だったら私は彼の望む私でいればいい。
私は、この日、彼の胸に包まれながらそう誓った。
『なおちゃん以外に、俺に何か隠してる事ない…?』
『…ないよ?どうして?』
『…いやっ。いいっ…おやすみ。』
『おやすみなさい』
あの捨て去った幼少時代も。
あの忌まわしい過去も。
だから、アナタに恐怖を覚えた事も。
私は、一生言わない。
私は仮面を付けた。
未来を掴む為に―…
:09/08/14 04:49
:W65T
:0SdBI476
#300 [愛]
仮面をつけてしまったの?仮面を付ける事で、幸せになれるかな?(>_<)
これからも読んでいきます☆
あきさんには幸せになってもらいたい!
:09/08/14 08:50
:SO903i
:☆☆☆
#301 [あき]
愛さん。ありがとう。
そうですよねっ。
でも、この時の私は、そう思ったんですよ。
バカでしょ?笑
ありがとう。
:09/08/15 01:46
:W65T
:MIdAGCFQ
#302 [あき]
朝目覚めて、相変わらず伸ばされた腕が私に絡まりついている。
正直、かなり寝苦しかった。真夜中何度も試みたけれど、離れようと体を動かせば、寝ぼけながらも、彼の腕は私を強く引きつけた。強く引きつけて、絡まりつくのだ。
その絡まった腕を静かに離すと、彼は目覚める。
『…おはよぅ…』
『うん。おはよう。喉乾いたのっ。起きていい?』
『…ん…』
そう言って、彼はやっと私を離してくれる。
ベッドから降りて、冷蔵庫を開けて水を飲んだ。
:09/08/15 01:54
:W65T
:MIdAGCFQ
#303 [あき]
冷えたミネラルウォーターはとても美味しい。
一気に飲み干すと、私は剥ぎ取ったシーツをズルズルと引きずりながらソファーに座った。
パチンとテレビを付ける。朝のワイドショー、コメンテータ達が芸能人の私生活を、面白ろおかしく、はやし立てていた。
ちらりとベッドを見ると、スヤスヤと眠る彼。
シーツを失った布団が私の代わりに彼にまとわりついていた。
:09/08/15 02:04
:W65T
:MIdAGCFQ
#304 [あき]
しばらく一人の時間を過ごすと、彼がようやく目覚める。
『あき…おいで。』
横たわったまま、寝ぼけ眼で、両手を私に伸ばした。
私は微笑み、立ち上がる。
ベッドへと歩み寄り、彼の両手の中へと体を入れると空調で少し冷たい腕が、すぐに絡まり、少し冷たい唇が私の顔を覆った。
それを優しく受け入れると、彼の体がまた熱を帯び始めて、強く私を抱きしめた。
:09/08/15 02:13
:W65T
:MIdAGCFQ
#305 [あき]
『ずっとこうしていたい…』
彼は私を腕の中に入れてそう呟いた。
私は、頷く事も何もせず、ただ微笑み返す。
『…離したくないんだよ。』
まるで赤ん坊が母親の胸の中で無償の愛を欲しがるように。彼は私の胸に顔をうずめて、愛を求めた。私は、彼の髪を撫でながら、うんと囁く。
これでいい。
これでいいんだよね…
なおちゃん…
:09/08/15 02:22
:W65T
:MIdAGCFQ
#306 [あき]
ギリギリまで、そんな時間を過ごした後は、しぶる彼を急かすように、その場を後にして、また車を東に走らせる。
西条さんは、帰りが心配だからと、一番近い駅でいいよと笑って言った。
それひどい、なんて笑いながら、彼の言葉に逆らわず、私は一番違い大きな駅へと車を向かわせる。
一時間程で、車は駐車場へと入った。
彼がこの地を後にするまで残り、二時間。
また二人並んで、手を繋いで歩く。
『あっ…ちょっとここ見ない?』
西条さんが突然に、立ち止まり指を指した場所。
私は、笑顔で頷いた。
:09/08/15 02:31
:W65T
:MIdAGCFQ
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