微妙な10センチ。〜最終〜
最新 最初 🆕
#377 [あき]
『…ごめんなさい…。楽しくって…つい…』

《…朝帰りはしないって言ったろ?》

『…うん…でもっ…久しぶりに会った友達で…』

《待ってる俺の事考えた事ある?どんな気持ちだったのか、わかってんのかよっ!!》


泣きたくなった。
もう疲れた。
そう言いたくなった。

あなたは、私から何もかもを奪うの…?

⏰:09/08/26 23:36 📱:W65T 🆔:7GfJ8U0o


#378 [あき]
《なんも連絡してこないでっ!!何考えてんだよっ!!》


やってんじゃん…
毎日、毎日…
起きたよ。
今から仕事行くよ。
今昼休みだよ。
今休憩だよ。
今終わったよ。
今から帰るよ。
今着いたよ。

一生懸命やってんじゃんっ…。

前から言ってたじゃん。
久しぶりに会うんだって。
楽しみなんだって。
大好きなんだって。
そう言ってたじゃん…

どうして?
どうして、わかってくれないの…?

⏰:09/08/26 23:45 📱:W65T 🆔:7GfJ8U0o


#379 [あき]
『…もうヤだ…もういい…』

一気に涙が溢れた。
さえちゃんに言われた言葉が、胸を駆け巡る。

『もう、こんなのヤダよ…西条さん、毎日イライラしてるじゃん…』

《もういいって何だよっ!!イライラさせてんのは誰だっ!!》

彼は電話の向こうで怒鳴った。

『…大きな声出さないでよ…もうやだよ…もういい…』

嫌だ。
あんなに優しかった西条さん。そんな彼の、あの姿はもうない。私と一緒にいると、怒りに満ちる。それも悲しかった。

⏰:09/08/26 23:52 📱:W65T 🆔:7GfJ8U0o


#380 [あき]
電話口で泣き出す私に、彼は更に怒りを増した。

《もういいって何だよ!!何が言いたいっ!!はっきり言えよっ!!》

怖くて言えない。
ただ涙が溢れ出た。

『……もういいって…西条さん、怒るばっかりで私の話聞いてくれない…私を認めてはくれない…私を信じてはくれない…もう、そんなの嫌だ…』

泣きながら必死に伝えた私の意志は、彼には伝わらなかった。


《当たり前だろっ!!約束を破られて、何を信じろって言うんだよっ!!!》

⏰:09/08/26 23:59 📱:W65T 🆔:7GfJ8U0o


#381 [あき]
『……だから、西条さんと私は合わないと思う…こんなんじゃ、付き合えない…』

必死の思いでそう言った私の言葉に彼は怒りを爆発させた。
爆発と同時に思わぬ所へ矛先が向けられたのだ。
それが、毎夜毎夜傷付け合う原因だったのだ。
彼の言葉に私は初めて言葉を失った。


《結局、未練があんだろっ!!その男に!!!》

⏰:09/08/27 00:08 📱:W65T 🆔:4Iumt6lI


#382 [あき]
『未練って…そんな事思ってたの…?』

《…あきは、俺には何も言ってくれないだろ…。俺が何を言おうが、何をしようが、何も言わない。》

『それは、あなたを信じてるからっ!!だから…』


《違うよっ。興味が無いんだよ。…だから、好きも、会いたいも…言ってくれないんだよ。一度も言ってくれてない…。そんな俺の気持ちわかるか?》


西条さんの、怒りの裏に言いようのない淋しさを感じた。
言葉が出なかった。

⏰:09/08/27 00:15 📱:W65T 🆔:4Iumt6lI


#383 [あき]
『……』

《頭では、わかってんだよ。
その彼の事忘れられてないって事は。》

『……』

《だけど、あきが、俺を好きでいてくれてるって確信があれば、俺は何も言わない。
なのに、それすらないんだ。
不安になるだろ…
怒りたくもなるだろ…》

『……』

《いつもあきの傍にいるのは俺じゃない。その彼だ。
俺は、会いたい時にすぐには会えないんだ。こうやって声を聞くのが精一杯なんだよ。
それなのに、それすら、あきは、俺にくれない…。そんなんじゃ俺、勝てないじゃん…》

⏰:09/08/27 00:24 📱:W65T 🆔:4Iumt6lI


#384 [あき]
『…ごめん…』

やっとの思いで出た言葉は、やっぱりこの三文字だった。

彼の怒りにばかり、不満を抱き、苦痛を覚えた日々。
彼と言い合いをする度に傷付き、怯えた。
だけど
私の数百倍も、彼は傷付き。
私の数百倍も、彼は怯えていたんだ。


『…もう会ってないし、連絡も取ってないから。』


彼には気休めの言葉に過ぎないけれど、それしか今の私には言えなかった。

⏰:09/08/27 00:32 📱:W65T 🆔:4Iumt6lI


#385 [あき]
《…でも…今すぐには忘れられないのは仕方ないよ。

だってずっと好きだったんだよ…好きで、好きで、たまらない人だった。
だから、何年もずっと傍にいたし、彼も、いつも傍にいてくれた。
そんな関係だったから…
だから、すぐには忘れられないよ…
でも、私は、貴方を選んだの。
それだけはわかって欲しい…》

自分の想いを初めて口に出来たと思えた。彼に、伝わって欲しいと願いながら、必死に伝えた。
けれど、彼は言った。

《ほらな、俺には言ってくれない言葉を彼には言うんだ!!好きだって。俺に向かって、何度も何度もっ!!俺の気持ちなんて、これっぽっちも考えてない証拠だろっ!!そんなに好きなら、俺は身を引くよっ!!俺はそいつには勝てない!!!》

⏰:09/08/27 00:44 📱:W65T 🆔:4Iumt6lI


#386 [あき]
『…勝とうとは思ってくれないんだ…』


悲しくなった。
私は強く引っ張って欲しいだけなのに。
その手を握って、離さないでいて欲しいだけなのに。


《…それを俺に求めるのは、間違ってるとは思わないのか?》

⏰:09/08/27 00:47 📱:W65T 🆔:4Iumt6lI


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194