微妙な10センチ。〜最終〜
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#261 [あき]
《んんっ?》
『…私ね…プロポーズされた……結婚を前提に付き合ってって言われてる人がいるの。……私、どうしたらいい??』
お願い。
少しでいい。
少しだけでいいから…
アナタの気持ちを見せて?
:09/08/11 01:29
:W65T
:Dy86vzVI
#262 [あき]
卑怯だと思う。
本当に卑怯だと思う。
こんな事して…
試すような事して…。
だけど。
知りたかった。
アナタの気持ちを知りたかっただけ。
:09/08/11 01:32
:W65T
:Dy86vzVI
#263 [あき]
何でもいいから。
アナタの気持ちを見せて欲しかった。
またいつものように
くだらない理由をつけて。
今すぐ来いって…
言って欲しかった。
そしたら、私は救われた。もう迷わなかったのに。
:09/08/11 01:38
:W65T
:Dy86vzVI
#264 [あき]
《……良かったじゃんっ。〃》
アナタは笑って、そう言った。
そこには
動揺も、焦りも、怒りも。
何も見せてはくれなかった−…
:09/08/11 01:43
:W65T
:Dy86vzVI
#265 [あき]
『…うん。そだねっ…』
《あきもいい歳だし、最後のチャンスだろ。》
『うんっ。…そだねっ…』
《良かったな。》
『うん…』
そうなんだ…。
良かったんだ…。
なのに
どうして胸が痛いんだろう。
どうして、涙が溢れてくるんだろう。
ねぇ。なおちゃん。
どうしてなのかな…。
:09/08/11 01:50
:W65T
:Dy86vzVI
#266 [あき]
相変わらず、出勤しても、大した仕事は割り当てられず、唯一割り当てられた初歩的仕事、雑用、雑務を淡々とこなす。こんな日々にはもう慣れた。デスクの上、カレンダーを見る。西条さんが来るのは、二日後からの四日間。
小さくつけた丸印をなぞってみる。
あの後、新事実が発覚。
実質、彼の出張期間は二日間だった。
週末の二日間は、彼は、リフレッシュ公休としてそのまま、留まる予定となっていたのだ。
彼は初めから、この出張を利用して私の住む街に来るつもりだった。
だから、あの時あんなにも怒ったんだと、ようやく理解した。
:09/08/11 02:12
:W65T
:Dy86vzVI
#267 [あき]
《仕事の都合つけれそうですからっ。迎えに行きますよ!》
《ほんと?会える?》
《はいっ。〃今度は、私が案内しますね。》
《…よしっ!〃》
こんな私に会いたいと言ってくれる。
無邪気に喜んでくれる。
全身で、ぶつかってきてくれる。
そんな西条さんの気持ちに…答えよう。
私は新しい道を歩く。
:09/08/11 02:17
:W65T
:Dy86vzVI
#268 [なすっこ]
この小説だいすき!アゲ
:09/08/13 11:21
:SH905i
:xFcgKDn2
#269 [あき]
なすっこさん、ありがとう!
―――――――
行き交う人々を眺めながら、やっとの思いで私はロータリーへと車を着けた。ここまで来るのに三時間以上かかってしまった。既にグッタリである。
もともと、極度の方向音痴なうえに、機械音痴な私には役に立つはずのない備え付けられたカーナビ。
勿論、自慢じゃないが、地図なんて読めるはずもなく。
結果、私は初めての遠出を標識看板と研ぎ澄まされた勘だけで来たのだ。
いや、無事に此処まで来れた事は奇跡に近かった。
:09/08/13 21:50
:W65T
:Jv9iWXkM
#270 [あき]
行き交う人々を眺めながら、その時を待つ。
時計を確認すると、彼が乗っているはずの電車はホームに着く頃だ。
慌ただしく人が南出口から出てくる。
おそらく、この中にいる。なんだか急にドキドキしてきた。
必死に、その影を探して。
いたー…
相変わらず、すらりと長身で、このくそ暑いのに、涼しさ漂う出で立ちで、爽やかな匂いを出しながら、その人は南出口から舞い降りてきた。
:09/08/13 21:58
:W65T
:Jv9iWXkM
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