微妙な10センチ。〜最終〜
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#786 [あき]
《なにっ!?》
握り締めた手から汗が吹き出て、小刻みに体が震える。
『あのっ……私達……もうっ…終わりませんかっ…?』
なおちゃんが見つめる中。勇気を振り絞って出した言葉は。
自分でも驚く位に曖昧なものだった。
:09/12/10 21:32
:W64S
:denBUdqw
#787 [あき]
なおちゃんを見ると、案の定、彼はそんな私の情けない姿に笑っていた。
どあほ。ハッキリ!
そう口で言っている。
私は、必死に首を横に振り、これでも精一杯の言葉で伝えたつもりだっと意思を伝える。
《ああっ?ふざけた事言ってんじゃないよ。》
こちらの状況を勿論知る由もない西条さんは、突然の私の発言に怒りを露にした。
私は、プルプルと首を横に振り、なおちゃんを見つめる。
再び泣きそうになり、心が折れそうになった。
:09/12/10 21:44
:W64S
:denBUdqw
#788 [あき]
『…もう、無理なの。』
そう伝えながら、なおちゃんを見る。
なおちゃんは、大きく頷いていた。
その姿にまた安心する。
『何度も言ってるけど、私達合わないと思う。』
震える体を必死に押さえながら、電話の向こう側の彼に伝える。
《あきっ!!ふざけた事言うのもいい加減にしろよっ!!!》
怒鳴り声が、電話口から漏れる。
耳から伝わったその声がバクバクと心臓を早めた。
:09/12/10 21:53
:W64S
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#789 [あき]
『………』
《とにかく、また電話するっ!今日はもう寝るからっ!!お前も早く寝ろっ。》
『待ってっ!!切らないでっ!!』
《ああっ?》
『…話終わらせてから、切ろうよ。大切な話してんだよ?
いつもそう。
西条さんは、いつも、自分の言い分ばかりで、私の話なんて聞いてやくれないじゃないっ!!』
《はぁ?俺に寝るなって言うのかっ?明日、事故でもしたらどうすんだよっ!!!》
西条さんは、もう自身訳が分かっていないようだ。ハチャメチャな言い分を述べた。
:09/12/10 21:59
:W64S
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#790 [あき]
再び、なおちゃんの顔を見る。
首を横に振り、ダメだと伝えた。
なおちゃんは、肩をすくめ、一枚のメモにカリカリとペンを走らせた。
私の横に立ち、紙をテーブルに置く。
【はっきりと言えよ。それじゃ、伝わらない。あほか。】
メモには、そう書かれていた。
【言ってるじゃんっ!泣きそう!】
筆談で、そう答える。
電話の向こうでは、西条さんさんの怒りは続いていて、散々と私は非難され続けていた。
:09/12/14 00:56
:W64S
:Xa3EAJMk
#791 [あき]
【話にならない。】
走り書きで、なおちゃんに渡す。
なおちゃんは、無言でそれを見つめ、またさらさらと何やら書き出した。
【ごちゃごちゃ言わずに、はっきり言え。】
なおちゃんの目は、強く強く私を見守ってくれている。
私は、頷き、電話の向こう。私を非難し続ける西条さんに再び向き合った。
『だから、私が許せないんでしょ?だったら別れてくれればいいじゃん…。もういいって…』
:09/12/14 01:04
:W64S
:Xa3EAJMk
#792 [あき]
《はぁ??悪いのはどっちだよ!?開き直るのかっ?!》
西条さんの怒号に再び小さく小さくなった体。震える手を必死に押さえ、なおちゃんを見る。なおちゃんの口が
〈大丈夫だ〉
静かに動いた。
そして
〈頑張れ〉
そう動いた。
私は頷き、また大きく深呼吸をする。
負けない。そう思った。惨敗続けたこの勝負も。今は、なおちゃんがいる。
それだけで強くなれた気がしていた。
:09/12/14 01:21
:W64S
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#793 [あき]
『お願いだから、私を解放して下さい。…わ…私はっ…!!貴方の物じゃないの!!ちゃんと意思があるのっ!!もう別れてよっ!!!うんざりだしっ!!!』
その言葉を発した時、興奮したのか、何故か涙が溢れてた。
すぐに、なおちゃんの気配を感じる。
【よく言った。あとは、もう電話を切ればいい。】
そう走り書きをした後、ソファーの前にしゃがみこみ、震えながら、泣き出す私のヘタレっぷりを覗き込んでは、指差し笑っていた。
:09/12/14 01:38
:W64S
:Xa3EAJMk
#794 [あき]
《おまっ…!!何だその言い種っ…》
『だから別れるっ!!ばいばいっ!!』
慌てて電話を切る。
恐怖をソファーに投げ、逃げるように目の前にしゃがみ込んだ体に震える体を埋めた。
『大馬鹿者。』
すっぽり収まった私の体をそう言って、頭をポンポンと叩くその手は、優しくて暖かくて。また涙が出てきた。
『うぇ……ごめん……怖かったよぉ…』
『知るか』
そう言いながら、なおちゃんは、黙って私の震えを受け取めてくれていた―…
:09/12/14 01:53
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#795 [あき]
――――――――
『…まただ…しつこい…』
『まじもんだな。』
『……うん。』
『はぁ。俺が出る?』
『却下。余計ややこしい。』
あの別れ話から、数時間。ソファーの上では、分刻みで、携帯電話が震えていた。見なくても相手は誰かわかる。
震える携帯電話をちら見しながら
『私、刺されるかな。』
『刺されちまえ。』
『……はい…すみません…』
さっきから、なおちゃんとは、こんな会話ばかり。
:09/12/14 01:59
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