微妙な10センチ。〜最終〜
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#811 [あき]
『この先、彼が、誰とどんな人生歩くのかはわからないけど…
繋がってられたら、それでいいんだ。
もしね〃
もし!叶うなら!!
そうやって私か彼。
どっちかが人生を終える時に。それが、例えば一時間前でも三十分前でもいいから…一瞬でも、彼の奥さんなれたら…ラッキーって。
そうなればいいなって〃今は本気でそう思えてるの〃
もちろん、彼には言ってないけどね!』
私のこの言葉に、西条さんは、苦笑いをして、そうかと呟いた。
:09/12/14 05:31
:W64S
:Xa3EAJMk
#812 [あき]
そして、最後に、西条さんは言った。
《あきの気持ちは、よく分かった。でもな…
俺も、あきにそう思ってる。俺にとってのあきも、いつか一緒にいられたら、それでいいって思える相手になってるんだよな〃
だから、もう邪魔はしないけど、待ってるから。〃その彼…なおちゃん…だっけ?に振られた時は、いつでもこっちにおいで。》
その言葉に、また涙が込み上げてくる。
『もう、散々、コテンパン、めった刺しで振られまくってます〃』
明るく答えた私に、西条さんは、それも同じだと笑っていた。
じゃあと電話を切ったそれ以降。西条さんからの連絡は、プツリと途絶えた―…
:09/12/14 05:45
:W64S
:Xa3EAJMk
#813 [あき]
――――――――
懐かしい匂いのする静かな木段から立ち上がり、再びドアを開ける。彼はベッドに座り、愛用のギターを抱えていた。
『終わりっ!』
『あっそ。』
ポロリンと奏でられる音楽が、また懐かしさを呼び覚ます。
そのメロディに耳を傾けながら、私はソファーに腰を沈めた。
西条さんに告げた最後の告白。これから先、一生誰に話す事もない私の儚くて淡い夢は
目の前のギターを抱え、くわえ煙草でメロディを奏でる愛しい顔に重ねて。
消えた―…
:09/12/14 21:00
:W64S
:Xa3EAJMk
#814 [あき]
―――――
『私ね?』
『ん?』
『…好き。』
『は?』
『なおちゃんのギター…』
『…そう。』
『これからもずっと聞かせてね。』
『おぉ。』
―――――――――
:09/12/14 21:12
:W64S
:Xa3EAJMk
#815 [我輩は匿名である]
切なくて
歯痒くて
泣けるー(:_;)
:09/12/16 15:12
:SH906iTV
:2LqcTIZQ
#816 [あき]
――――――――
互いに、何も聞かなくなって。
互いに何も言わなくなって。
もうどのくらい経つのかな。
それでも
時間は流れて
月日は流れて
季節も変わる。
淡々と
なおちゃんの知らない私の時間が流れて。
私の知らないなおちゃんの時間が流れる。
時間も忘れて
月日も忘れて
季節も忘れて。
語り合った日々が懐かしい。
何が私達をこうしてしまったのだろう。
:09/12/17 00:20
:W64S
:HAXB1mOk
#817 [あき]
まだ何も知らない純粋無垢なままサヨナラした私達は。
大人になって再び出会った。
あの時。
素直に言えたら。
あの時
素直に言ってくれたら。
私達の-今-は違っていた。
:09/12/17 00:23
:W64S
:HAXB1mOk
#818 [あき]
そうわかっていても、もう後戻りは出来なくて。
ただひたすらに伸びていく平行線。
その道が、重なりあいそうになった
あの時
素直について行けば。
あの時
手を引っ張ってくれれば。
やっぱり違った-今-があったのかもしれない。
:09/12/17 00:26
:W64S
:HAXB1mOk
#819 [あき]
二本の道は、一瞬交わって…重なる事なく伸びて行った。
この先、どんなに歩けど、もう二度と交わる事のない道だと知った時は、もうあの分岐点は遠く離れ過ぎていた。
何度も何度も立ち止まり、振り返り…
手を伸ばしたけれど、やっぱり届きはしなかった。
:09/12/17 00:31
:W64S
:HAXB1mOk
#820 [あき]
いつかの夜。
私を理解する男は、なおちゃんしかいないと言った。
俺を理解する女は、あきしかいないと言った。
小さな部屋で、淡いオレンジのライトの中、私達は長過ぎる腐れ縁を笑い、互いを認め合った。
私達の間には
甘ったるい愛の言葉も。改めて交わす誓いの言葉も何もなかった。
ただ。何も言わず
朝を待った。
:09/12/17 00:42
:W64S
:HAXB1mOk
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