$ 貢ぎちゃん「ユリサ」 $
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#275 [りぃ]

「暑いね〜。日陰、日陰…」

私たちは入場の列には目もくれず、
列ができている駐車場の前を
なにくわぬ顔で通りすぎる。

がっつり盛った髪で存在感を
振り撒きまくる萌が、ヒップギリギリの
ミニスカートをひらひらと
閃かせて歩く後ろ姿に着いていきながら
周りからの視線をバシバシ感じる。

⏰:09/08/04 19:38 📱:P905i 🆔:UyF5TAVo


#276 [りぃ]

開場後、少し離れた所で
入場の列を眺めながら時間を潰し、
列の人数はだいぶ少なくなった。

「そろそろ混ざってみよっか♪」

隣でご機嫌に鼻唄を歌っていた萌が
様子を伺いながら立ち上がった。

「さりげなく混ざれば
 わかんないっしょ〜♪
 行こ、ユリサ。」

⏰:09/08/04 22:55 📱:P905i 🆔:UyF5TAVo


#277 [りぃ]

整理番号順に並んでいる列の中に
さりげなく入り、そのまま入場する。

二重扉の奥へ入ると
狭い会場内は3分の2ほど
人で埋まっていた。

フロアに段差は無く、
真ん中辺りに数本の柵が
あるだけだった。

⏰:09/08/04 23:13 📱:P905i 🆔:UyF5TAVo


#278 [りぃ]

「段が無いから、特に見やすい
 って場所が無いね〜」

萌が辺りを見回しながら呟く。

「ヘタに前のほう行くと
 埋もれて見えないから
 後ろのほうで見よっか。」

フロアに入場したお客さんは
基本的にステージに近い
前のほうから詰めていくため
フロアの後ろのほうはわりと
スペースにゆとりがあることが多い。

⏰:09/08/04 23:22 📱:P905i 🆔:UyF5TAVo


#279 [りぃ]

萌に促されるまま、
一番後ろの壁際で見ることにした。

「荷物置けるし、壁に寄り掛かれるし
 楽に見れるから後ろも悪くないね!」

ライブハウス自体が広くないため
一番後ろでもステージまでの距離は
さほど感じない。

場所を確保し落ち着いたところで、
私はじゅん君との約束を思い出し
メールをしてみた。

⏰:09/08/04 23:32 📱:P905i 🆔:UyF5TAVo


#280 [りぃ]

━━━━━━━━━━
フロアのいっちばーん
後ろにいるよ

  ─END─


何を書けばいいかよくわからず、
とりあえず言われた通り
自分の場所だけ知らせたけど
開演時間が迫っていたこともあり
返事は返ってこなかった。

⏰:09/08/04 23:37 📱:P905i 🆔:UyF5TAVo


#281 [りぃ]

それにしても…

「後ろのほうで見てるのって
 お姉系っていうか何ていうか
 age嬢だらけじゃん。」

私の言葉に、手鏡を覗き込んでいた
萌が顔を上げる。

「あ〜、どうせ狙いでしょ?
 じゅん君狙いじゃない?」

「……」

薄々そんな気はしていたけど
萌に言われると100%
事実のように思えてしまう。
じゅん君を狙ってる(と思われる)
女の子を目の当たりにして
私は繋がりの優越感と同時に
闘争心も感じた。

⏰:09/08/04 23:55 📱:P905i 🆔:UyF5TAVo


#282 [りぃ]

しばらく周りの狙いさん達
のことが気になり人間観察を
しているうちに、会場内の
BGMが止まり照明が落ちた。

メンバーの登場に、大きな歓声が上がる。

⏰:09/08/05 19:38 📱:P905i 🆔:hpLB0dMg


#283 [りぃ]


笑顔で登場したじゅん君の姿を
自然と目が追ってしまう。

やっぱりじゅん君は
ステージの上が一番輝いていて
誰よりもかっこいい。

改めてそう思いながら
にやにやしていると
萌が私に耳打ちしてきた。

「じゅん君、早速気付いたね」

⏰:09/08/05 19:48 📱:P905i 🆔:hpLB0dMg


#284 [りぃ]

「え?何が?」

突然の言葉に戸惑ってしまう。

「じゅん君ユリサのこと気付いたよ。
 がっつり見てるもんね!
 あからさまだなぁ〜」

萌は面白がって
爆笑しながら続ける。

「せっかくユリサが目立たないように
 気遣ってるのにじゅん君が
 あれだったらわかりやすすぎるよ〜」

⏰:09/08/05 20:00 📱:P905i 🆔:hpLB0dMg


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