続:バツイチ子持ちの君へ
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#501 [けん]
続けて俺は言った


「コウタ!お利口さんで偉いなぁ!」


クシャクシャと、また何度も頭を撫でてから腰をあげた



「それじゃ・・・」
そろそろ歌の催しが近づいていた為、俺はその場を立ち去ろうとした・・・

その瞬間ー!

⏰:09/12/28 19:47 📱:F905i 🆔:RhKRD3nQ


#502 [けん]
クイッ−



服の袖を引っ張られ



振り返ってみると・・・
コウタがいた


何を言いたいのかわからないけど、俺と離れるのがイヤなんだろう


「コウタも一緒に行くか!」

⏰:09/12/28 19:51 📱:F905i 🆔:RhKRD3nQ


#503 [けん]
感想板です。


bbs1.ryne.jp/r.php/novel/4451/

⏰:09/12/28 19:52 📱:F905i 🆔:RhKRD3nQ


#504 [けん]
披露宴会場の扉を開けると、後輩の女の子が駆け寄ってきた


「凄い懐いてますね!やっぱりさんは子供に好かれるみたいですねー」


確かに・・・昔から子供と動物には大人気だった



その光景を見て、今度は何人かの先輩が俺に向けて言葉を発した

⏰:10/01/13 10:57 📱:F905i 🆔:19m6/QmI


#505 [けん]
「おいおい!蒼汰とダブって連れて帰るなよ(笑)」


『そんな事するわけないでしょ!でも・・・やっぱ子供は可愛いっすわ!』

俺は素直にそう言った



そうは言ったものの・・・

⏰:10/01/13 11:02 📱:F905i 🆔:19m6/QmI


#506 [けん]
今、握っている


この小さな手・・・


この柔らかい感触・・・


この・・・
手を繋ぐ光景



蒼汰とダブらないはずがない


懐かしさと同時に
寂しさも込み上げてきた

⏰:10/01/13 11:06 📱:F905i 🆔:19m6/QmI


#507 [けん]
そうして・・・


結婚式も終わりが近づき


最後にコウタと記念撮影をして別れた


コウタが
離れ離れになるのがイヤで、ずっと泣いていたのが印象的だった


『よしっ!帰ろっか』

⏰:10/01/13 11:09 📱:F905i 🆔:19m6/QmI


#508 [けん]
俺の合図で後輩2人が車に乗り込み、そのまま帰路へ・・・


後輩を家まで送り届ける道中、ふとした事がきっかけで絵美の話題になった



さんは、まだ絵美さんの事が忘れられないんですか?」
そう言ったのは後輩の女の子


俺は
『何でまた急に?!』
そう返した

⏰:10/01/13 11:14 📱:F905i 🆔:19m6/QmI


#509 [けん]
「何でって・・・特に理由は無いんですけど・・・」



「未だに彼女ができないって事は未練があるのかなぁ〜って思っただけです」


『なるほど・・・確かに少し前までは未練があったよ。だから、出会いがあっても進展する事はなかった。』

俺は続けて言う

『でも、今は未練はない。そんな時に限って出会いがないんよな〜今日も期待してたけど、見事に運命の出会いはなかった(笑)』

⏰:10/01/13 11:19 📱:F905i 🆔:19m6/QmI


#510 [けん]
それを聞いて
別の後輩が質問してきた


「じゃあ・・・例えば今、元カノがヨリを戻したいって言ってきたらどうしますか?」



『・・・・・・』



思わず返す言葉に詰まった

⏰:10/01/13 11:23 📱:F905i 🆔:19m6/QmI


#511 [けん]
「やっぱり悩むって事は未練あるんですよー!」


『そんなんじゃないっつうの!ちょっと考えてみただけや。』


「じゃあ、どうするんですか?」


俺の答えを急かす後輩達

少し間を置いて・・・

⏰:10/01/13 11:28 📱:F905i 🆔:19m6/QmI


#512 [けん]
『ヨリを戻すつもりは無い!!』


そう力強く答えた


「何でですか?」
後輩は、またすぐ返してきた


『何でって言われても・・・』



考えたのち、俺の思いを全て話した

⏰:10/01/13 11:32 📱:F905i 🆔:19m6/QmI


#513 [けん]
『絵美と出会って、付き合って・・・俺は凄い成長できたと思う。男としてもやけど、何よりイチ人間として成長できたと思ってる。間違いなく絵美は、俺の初恋の相手やった。』


フンフンーっと、後輩が頷いているのがミラー越しに見えた




『でもな・・・』

⏰:10/01/13 11:36 📱:F905i 🆔:19m6/QmI


#514 [けん]
『絵美との別れもまた、俺を成長させてくれてん。今の俺があるのも、全て絵美と別れた事によるものやと思う。まぁ、絵美にフラれた事は俺にとって初めての失恋やったんかな!
出会いも別れも、俺を成長させてくれた・・・そんな女は中々おらんよ。
でも、できるなら別れた後の苦しみ、あんな思いは二度としたくない。
だからヨリは戻さない。

たぶん、別れた事によって成長した俺やからこそ、そう決断できるんやろな。
この決断が1番の成長の証かもなぁ(笑)』

⏰:10/01/13 11:45 📱:F905i 🆔:19m6/QmI


#515 [けん]
その話しが終わった頃、後輩達の家へと着き、解散する事になった



1人残った車内で考える

なんか不思議な感じー


あんな事を言った後なのに、後悔の念がまったく無い


むしろ、やっとスタートラインに立てた


そんな清々しい気分だ

⏰:10/01/13 11:49 📱:F905i 🆔:19m6/QmI


#516 [けん]
そして−


俺は、その足で次の目的地へと急いだ


結婚式の後は、忘年会の予定が入っていた


ソフトボールの忘年会だ

6時スタートと聞いていたけど・・・


『やべっ!今9時やん!』

⏰:10/01/13 11:52 📱:F905i 🆔:19m6/QmI


#517 [けん]
車のスピードを上げ
目的地へと急いだ


今更行っても、もう遅いかな


てか俺お酒飲まれへんし、行ってもしょうがないよな・・・



やっぱ止めとこうかな


電話一本入れとくか・・・

そう思い、携帯を取り出した


その時−

⏰:10/01/18 16:14 📱:F905i 🆔:q3MNemfc


#518 [けん]
ブーッ−ブーッ−


携帯が鳴った



着信は、ソフトボールの人からだった


ちょうどよかった・・・



『もしもし・・・』


【あっ、?何してんの?!早くおいでや!今から二次会に行くで】


そう話したのは、30代半ばのヤスさん


チームメートはほとんどが30代で、中には60代のおっちゃんもいる

⏰:10/01/18 16:19 📱:F905i 🆔:q3MNemfc


#519 [けん]
「えっ・・・二次会っすか?今、結婚式終わって・・・今更行っても遅くないですか?!」
正直言って俺は、行くのが面倒くさかった。だからヤスさんからも、共感してもらえる返答を待っていた



でも・・・



【遅くない!これからが忘年会も本番やで!とりあえずっていうスナックに今から移動するから!絶対おいでや!】


ヤスさんはそう言って電話を切った

⏰:10/01/18 16:24 📱:F905i 🆔:q3MNemfc


#520 [けん]
しかも・・・


二次会でスナックって!


明らかにオッサンの集まる場所やん!


お水系の店なんて行った事ないし、めちゃイヤや!


俺は電話を切った後、1人でそう呟いていた

⏰:10/01/18 16:27 📱:F905i 🆔:q3MNemfc


#521 [けん]
この時は、行くのがほんまにイヤやった



だけど・・・




今思えば



行ってよかった



無理矢理だったけど
誘ってくれたヤスさんに感謝しなきゃな・・・



この後、俺の運命を変える出来事がおこった

⏰:10/01/18 16:32 📱:F905i 🆔:q3MNemfc


#522 [けん]
10時くらいにお店へと到着


ドアを開けると同時に


カランカランッ−
と、鈴が鳴った

ドキッ!!
ビックリした俺は・・・


思わずドアを閉めた


何?今の音!
お水系ってドアを開けると鈴が鳴るの?


外で自問自答していると

「いらっしゃーい!君ね?もう皆さん揃ってるわよ!」

⏰:10/01/18 16:41 📱:F905i 🆔:q3MNemfc


#523 [けん]
お店のママさんらしき人が手招きして、店内に案内してくれた



「おーっ!!遅いわ」


皆さん・・・


かなりベロベロみたいですね・・・


カラオケまで歌ってるし!

⏰:10/01/18 16:43 📱:F905i 🆔:q3MNemfc


#524 [けん]
初めて見る・・・


お水の内装


俺は、しばらく店内をキョロキョロしていた



そこに・・・



「ハイ!おしぼりどーぞ!」

⏰:10/01/18 16:46 📱:F905i 🆔:q3MNemfc


#525 [けん]
1人の若い女の子が
おしぼりを渡してきた



まぁまぁ可愛いやん・・・


内心でそう考えながら

『ありがとう・・・』
と言って、それを受け取った


「何飲みますか?」

⏰:10/01/18 16:48 📱:F905i 🆔:q3MNemfc


#526 [けん]
『あぁ・・・コーラで!』


女の子は「えっ?」って顔をした


まぁ、こんなとこにまで来てコーラ飲むんだからビックリするよな・・・


『お酒飲めない体質やから・・・それに車なんで(笑)』


そう言い訳した

⏰:10/01/18 16:51 📱:F905i 🆔:q3MNemfc


#527 [けん]
間が空くので良ければ感想お願いします!

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/4451/

⏰:10/01/18 16:52 📱:F905i 🆔:q3MNemfc


#528 [けん]
手元に届いたコーラを片手に、とりあえずその場を楽しんでみた



みんなベロベロに酔っ払っていたから、まともな話しなんかできてなかったと思うけど・・・



そんな中−
先ほどの女の子が話し掛けてきた

⏰:10/01/21 22:42 📱:F905i 🆔:WvEui6lI


#529 [けん]
「初めて・・・ですよね?」

『ん?あぁ、そうやね。ここに来るのは初めて』と俺は答えた



「他の人達・・・ヤスさん達は常連さんなんですよ!これからも来て下さいね」
女の子はそう言ったが、俺の地元はこの場所から車で20分ほどの隣町。しかも、お酒飲めないし・・・これからもここに来る事は無いだろう・・・そう思っていた

⏰:10/01/21 22:47 📱:F905i 🆔:WvEui6lI


#530 [けん]
その彼女と話していた時、ヤスさんが横から口を挟んできた


「トモミちゃんに手を出したらアカンで!」


どうやらこの子はトモミちゃんという名前らしい・・・



元々彼女と同じ名前やん

⏰:10/01/22 19:59 📱:F905i 🆔:srC.WJiE


#531 [けん]
ヤスさんの発言に対し、俺はこう返した



『手を出すとかそんな事は考えてませんよ!僕、こう見えてかなりマジメですから(笑)』



お酒が入り、機嫌が良いヤスさんは軽い口調で言った


「なら良いんやけどな!なんたってトモミちゃんはさんの大事な娘やから・・・」

⏰:10/01/22 20:05 📱:F905i 🆔:srC.WJiE


#532 [けん]
えっ?



さんとは、ソフトボールで同じチームメイトのおっちゃんだ



今もカウンター席で楽しそうにお酒を飲んでいる


「ついでに言うと、あのママさんはさんの奥さんやで!」


そうヤスさんは教えてくれた

⏰:10/01/22 20:08 📱:F905i 🆔:srC.WJiE


#533 [けん]
娘とか、奥さんとか・・・


なんか気を遣って落ち着けないな・・・このお店



1人で、そう居心地の悪さを感じていた時トモちゃんに話しを持ちかけられた



「合コンしましょうよ♪」

⏰:10/01/26 21:09 📱:F905i 🆔:c0wJH6A2


#534 [けん]
合コン?


はっきり言って
合コンは行き過ぎて
飽きた



なんて言えるわけもなく


『合コン?いいよ!いつする?』


と、話しはトントン拍子に進んだ

⏰:10/01/26 21:13 📱:F905i 🆔:c0wJH6A2


#535 [けん]
ひとまずメアドを交換して、その日はお開きに・・・


この時・・・



トモちゃんのメアドは電話帳に登録しなかった



トモちゃんに限らず、俺は女の子とメアドを交換しても、今までほとんど登録してこなかった


理由は至って簡単

⏰:10/01/26 21:18 📱:F905i 🆔:c0wJH6A2


#536 [けん]
“メールをする事はない”


ただ、それだけの理由だ


メアドの交換なんて、その場での社交辞令に過ぎない



交換しても、女の子からメールはこない



俺は、そんなひねくれた考えをしていた

⏰:10/01/26 21:22 📱:F905i 🆔:c0wJH6A2


#537 [けん]
次の日−



俺の予想に反して
トモちゃんからメールが来た



その内容は
昨日はありがとうとか
合コンはどうするかとか


至って普通のやり取りをしていた

⏰:10/01/29 20:27 📱:F905i 🆔:qwRahE5o


#538 [けん]
そして・・・
合コンの日程が決まり俺は即、メンバー集めに走った



久々の合コンやし、憂さ晴らしに思いっきり楽しもうと決めていた


しかし・・・


前日になって合コンがキャンセルになった

⏰:10/01/29 20:30 📱:F905i 🆔:qwRahE5o


#539 [けん]
トモちゃんの友達が、予定があるのを忘れてたようだった



少しガッカリした俺は、トモちゃんにメールをした

内容は
【せっかくやし2人で飯でも行く?】



返事はすぐ返ってきた

⏰:10/01/29 20:32 📱:F905i 🆔:qwRahE5o


#540 [けん]
【行きたい!行きたい!】


このメールがきっかけで俺とトモちゃんは、初めてのデートをする事になった



この時点で、俺の中で
長い間、溜め込んできた「絵美への想い」は
確かに・・・



影を潜めてきていた−

⏰:10/01/29 20:37 📱:F905i 🆔:qwRahE5o


#541 [けん]
初めてトモちゃんと2人で食事に行ったのは、12月の中旬



クリスマスも一緒に過ごした



毎日メールもした




いつしか、それが当たり前になってきた

⏰:10/02/02 21:13 📱:F905i 🆔:OofQbgYY


#542 [けん]
日を追っていくごとに、トモちゃんのツライ過去を知ることになった



どうやら・・・
元カレと結婚寸前までいった末に、裏切られて別れたみたいだった



結婚の為に、別れる1ヶ月前から同棲も始めたらしい


それが
裏切られる結果になり、ショックのあまり体重が減り、髪の毛まで抜けてきた・・・


トモちゃんは
そう俺に打ち明けてくれた

⏰:10/02/02 21:18 📱:F905i 🆔:OofQbgYY


#543 [けん]
その話しを聞いて
共感できる所がたくさんあった



トモちゃんとなら、お互いの過去を拭い去れるのではないか・・・



そう感じた



そして
俺も自分の犯した罪を打ち明けた

⏰:10/02/02 21:20 📱:F905i 🆔:OofQbgYY


#544 [けん]
トモちゃんは
人殺しの俺でも
優しく受け止めてくれた


また
俺はずっと募らせてきた、蒼汰への想いも話した


絵美との事は
「良い経験だった」と
思い出にする


でも・・・

⏰:10/02/02 21:24 📱:F905i 🆔:OofQbgYY


#545 [けん]
蒼汰の事は
一生忘れられない


いや、
忘れたくない



これからもずっと
蒼汰を影から見守りたい


その気持ちだけは
譲れない



そんなバカげた事も
トモちゃんに話した

⏰:10/02/02 21:26 📱:F905i 🆔:OofQbgYY


#546 [けん]
そんな
全ての事を話したあとでも



トモちゃんは
俺の気持ちを受け止めてくれた




もう
この子しかいない





もう
すべて・・・
終わりにしよう

⏰:10/02/02 21:30 📱:F905i 🆔:OofQbgYY


#547 [けん]
年が明け、2010年−



早いもので


絵美と別れてから
もう1年半が経った

明日は
絵美と別れてから
2度目の・・・誕生日



本当に時間が経つのは早い

⏰:10/02/03 20:52 📱:F905i 🆔:EpyGxf3s


#548 [けん]
今年で俺も29歳



来年の今頃は30歳になる



ずっと絵美と蒼汰を
引きずり続けていた俺に、母親は「いいかげん目を覚ましなさい!アンタももう30になるんやで!」と言う



そんな母親も
別れたばかりの頃は
絵美との復縁を応援してくれていた


時間は経過すると共に
母親の気持ちを変化させていった

⏰:10/02/03 20:59 📱:F905i 🆔:EpyGxf3s


#549 [けん]
そして・・・



「けんちゃん、今日の夜あけといてね!仕事場まで車で迎えに行くから」


トモちゃんからの急なお誘い・・・



何かあるのかな?


俺はその時・・・
これから起こる事を
まったく想像していなかった

⏰:10/02/03 21:03 📱:F905i 🆔:EpyGxf3s


#550 [けん]
読んでくれてる人いてますか?
いたら感想頂けると嬉しいです

⏰:10/02/03 21:06 📱:F905i 🆔:EpyGxf3s


#551 [りょうエ]
読んでます~
頑張って下さい

⏰:10/02/03 21:26 📱:W62H 🆔:YKJ1IpQg


#552 [けん]
りょうさん


読んで頂きありがとうございます!

⏰:10/02/03 22:17 📱:F905i 🆔:EpyGxf3s


#553 [けん]
1月某日


時刻は夜の10時



トモちゃんが会社まで迎えに来てくれた



『ゴメン!遅くなって・・・』


「ううん、全然いいよ!気にしないで!あっ、缶コーヒーよかったら飲んで!」


そう言って
缶コーヒーを差し出してくれたトモちゃん

⏰:10/02/03 22:20 📱:F905i 🆔:EpyGxf3s


#554 [けん]
こんな優しさにも
程遠く縁がなかった俺


俺にとって
トモちゃんは特別な存在になっていた



『てか、会社まで来てくれてどうしたん?!』
俺は思ってる事をそのままぶつけた


それに対して・・・

⏰:10/02/03 22:23 📱:F905i 🆔:EpyGxf3s


#555 [けん]
「何となく・・・けんちゃんの職場もどんなとこか知りたかったし」
と、返すトモちゃん



俺は鈍感な男−



『そうなんや〜それだけの為にここまで来てくれたんか!ありがとう!』


「けんちゃんの家までの道のりは案内してね!」

そんな会話をしながら
約1時間かけて家に着いた

⏰:10/02/03 22:28 📱:F905i 🆔:EpyGxf3s


#556 [けん]
車を家の近くに停めて
色んな話しをしていた


体重が痩せ
髪の毛も抜けまくっていたトモちゃんの体調



俺と出会ってから
全てが回復の傾向にある


ありがとう
そんな事も言われた

そして
楽しい時間は過ぎ・・・
もうすぐ日が変わろうとしていた

⏰:10/02/03 22:34 📱:F905i 🆔:EpyGxf3s


#557 [けん]
と、その時
トモちゃんが車から降りて、トランクでゴソゴソと・・・



足早に運転席に戻ってきたトモちゃんの片手には、紙袋が1つ



何かのお土産・・・??


俺は
ほんまに鈍感だから
まだ気付いていなかった

⏰:10/02/03 22:37 📱:F905i 🆔:EpyGxf3s


#558 [けん]
「けんちゃん!
お誕生日おめでとうー!」



そこでやっと自分の誕生日に気がついた



目を丸くしている俺の前で


「これプレゼント!」
と、ネックウォーマーを紙袋から出してくれた

⏰:10/02/03 22:41 📱:F905i 🆔:EpyGxf3s


#559 [けん]
「汚くて下手くそやけど大事に使ってね!」


『えっ?!もしかして手編み!?』


「うん!初めてやから失敗しちゃったけど(笑)」


この時点で
俺は強く胸を打たれていた


嬉しさのあまり
ネックウォーマーに頬ずりをする俺

⏰:10/02/03 22:44 📱:F905i 🆔:EpyGxf3s


#560 [けん]
その光景を嬉しそうに、横で見ていたトモちゃんは、また何かを紙袋から取り出そうとしていた




そして−




「やっぱり誕生日と言えばコレよね!」


俺の目に飛び込んだのは

手作りケーキ

⏰:10/02/03 22:48 📱:F905i 🆔:EpyGxf3s


#561 [けん]
何で・・・


何でここまで
してくれんの・・・??


本当に嬉しくて
涙が出そうになった



しばらくして
ケーキを食べようとした時


「ちょっと待って」
と、トモちゃんはポケットから何かを取り出した

⏰:10/02/03 22:51 📱:F905i 🆔:EpyGxf3s


#562 [けん]
「誕生日なんだから、これもしなきゃ!」
トモちゃんはおもむろに、それをケーキに刺した



ケーキの上に立てられたロウソク−



ユラユラと揺れる
小さな灯り−



小声でバースデーソングを歌うトモちゃん



この光景・・・

⏰:10/02/03 22:55 📱:F905i 🆔:EpyGxf3s


#563 [けん]
今、俺の目の前で広がるこの光景



あの時と同じだ−



3年前
絵美も同じように祝ってくれ、心打たれたあの時とまったく同じ・・・





まったく同じ

⏰:10/02/08 20:16 📱:F905i 🆔:MNaTq2kc


#564 [けん]
不謹慎だけど
トモちゃんの事より
絵美の事が頭に浮かんでしまった



嬉しいんだけど
悲しい・・・
そんな心境だった



そして
ハッピーバースデーを歌ってくれたトモちゃん


何も知らない
その笑顔を見ると
自分がバカに思えた

⏰:10/02/08 20:21 📱:F905i 🆔:MNaTq2kc


#565 [けん]
そうして
俺は、この日−




トモちゃんと付き合う事にした



3年前、絵美と初めて歩み寄る事になった俺の誕生日は・・・



今日から
トモちゃんとの記念日に塗り替えられた


少しずつ


少しずつだけど
こうやって、全ての事が塗り替えられていこうとしていた

⏰:10/02/08 20:28 📱:F905i 🆔:MNaTq2kc


#566 [けん]
もう後悔はしない


もう振り返らない



もう終わりにする・・・



色んな想いを胸に
俺からトモちゃんに告った


新たなスタートを切る

⏰:10/02/08 20:31 📱:F905i 🆔:MNaTq2kc


#567 [けん]
翌日、俺はあらゆる人に彼女ができた事を話した


みんな自分の事のように喜んでくれた



彼女ができただけなのに、大袈裟に喜んでくれた


そうして、気付けば俺は笑顔を見せる事が増えていった


自然な笑顔を・・・

⏰:10/02/09 21:37 📱:F905i 🆔:Tl/ONdiM


#568 [けん]
しかし、神様は
そんな俺を黙っては見てくれなかった



俺が笑顔を見せる事を
許せなかったのだろう




これ以上ない
苦悩の時間を与えられた


それはトモちゃんと付き合い始めて、1週間経った時に起きた

⏰:10/02/09 21:40 📱:F905i 🆔:Tl/ONdiM


#569 [けん]
その日もいつも通り営業で外回りをしていた



そこに1本の電話が−



【おー?お疲れ様!】
上司からだった


『どうしたんですか?』

【ちょっと悪いんやけどさぁ・・・】上司はバツが悪そうに話し始めた

⏰:10/02/09 21:44 📱:F905i 🆔:Tl/ONdiM


#570 [けん]
どうやら、別の営業マン宛てに掛かってきた顧客を代わりに対応してくれないか?という内容のようだった


その営業マンが顧客を怒らせてしまったみたいで、担当を変えろ!と吠えているとの事・・・


他に対応できる人間がいなく、しかも今からすぐに来い!と言っている。その要望に応えられるのは俺しかいない・・・上司はそう思い、俺に電話を掛けてきた

⏰:10/02/09 21:48 📱:F905i 🆔:Tl/ONdiM


#571 [けん]
理由が理由なだけに断ることもできず、俺は渋々了承した



ただ、その顧客の住所を聞いてイヤな予感がした



絵美の家の近くだったから




俺は、ちょっとだけためらった

⏰:10/02/09 21:51 📱:F905i 🆔:Tl/ONdiM


#572 [我輩は匿名である]
書いてー

⏰:10/02/27 22:30 📱:L01A 🆔:eSCO.ljE


#573 [けん]
顧客に電話をし、すぐさま会社まで訪問した



延々と前任の文句を垂れ込む先方の担当者



長い長い説教から開放されたのは、夕方の6時頃だった



会社の入り口を出て、俺はしばらく立ち止まった

⏰:10/03/04 17:19 📱:F905i 🆔:VW2EwaME


#574 [けん]
今、この場所から右に向かえば駅までの道のり



左に向かえば・・・


わずか数百メートルで、絵美の家へと着く



この見慣れたはずの景色も、もう1年半見ていない


俺は迷った

⏰:10/03/04 17:22 📱:F905i 🆔:VW2EwaME


#575 [けん]
幸せな時間を過ごした場所


玄関で待ち続けた辛い場所



色んな体験をした
あの場所に
少しでも立ち寄りたい



ダメだ!
それはダメ!
もう俺には新しい彼女がいてるんだ


そんな葛藤を繰り返していた

⏰:10/03/04 17:28 📱:F905i 🆔:VW2EwaME


#576 [我輩は匿名である]
一気に読みました
頑張って下さい
はまりました
続き気になります
お願いします

⏰:10/03/24 06:12 📱:SH02B 🆔:r90xdahY


#577 [我輩は匿名である]
>>200-400
>>401-600

⏰:10/03/24 22:58 📱:SH02A 🆔:hFWhTUDI


#578 [けん]
そうして・・・


悩んだあげく
俺は右の道を・・・


駅までの道のりを歩く事にした



これが、今の自分にとって
最良の選択だと思っていた

⏰:10/03/25 15:00 📱:F905i 🆔:JCNpzIeQ


#579 [けん]
トボトボと重い足取りで駅まで歩いていると



前方に絵美の姿が見えた


蒼汰を後ろに乗せて自転車を漕いでいる



ヤバい!
瞬時に俺はそう思った

⏰:10/03/25 15:05 📱:F905i 🆔:JCNpzIeQ


#580 [けん]
徐々に近づいて来る絵美


何も悪い事はしていないが、今さら顔を会わすのが怖く感じていた俺は

とっさに建物の陰に隠れた



絵美が通り過ぎるのを横目で確認して、事なきをえた

錯覚かもしれないが・・・
この時、絵美と一瞬目が合ったような気がした

⏰:10/03/25 15:09 📱:F905i 🆔:JCNpzIeQ


#581 [けん]
翌日−


俺の耳に悪い知らせが入った



絵美と俺の共通の知人である、上司のNさんが


「お前ストーカーしてるんか?」

と突然言ってきた


・・・はっ?

⏰:10/03/25 15:12 📱:F905i 🆔:JCNpzIeQ


#582 [けん]
当然、俺にはその言葉の意味がわからなかった


「絵美ちゃんから連絡あって、昨日けんちゃんが家の近くを歩いてた!怖いから止めさせてって頼まれたんよ」



・・・!!


あの時、目が合ったと思っていたのは錯覚じゃなかったのか


絵美も俺に気付いていたのか・・・

⏰:10/03/25 15:16 📱:F905i 🆔:JCNpzIeQ


#583 [けん]
さらにNさんは言う



「しかも、絵美ちゃんが近づいて来た時にお前隠れたんやろ?それが余計に怪しく見えたらしいぞ」


もはや返す言葉が見つからない



会社の中でも冗談半分で【は元カノをストーカーしている】と噂が広まってしまった

⏰:10/03/25 15:19 📱:F905i 🆔:JCNpzIeQ


#584 [けん]
感想などはこちらにお願いします
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/4451/

⏰:10/03/25 15:51 📱:F905i 🆔:JCNpzIeQ


#585 [けん]
そして−
月日は流れ・・・



3月になった



トモちゃんとは
何の問題も無く順調に付き合っていた


いや、少し問題はあったのかもしれない

⏰:10/04/07 14:38 📱:F905i 🆔:x8Mak1bw


#586 [けん]
2人でいる時に


無意識だが
トモちゃんの前で、絵美や蒼汰の話しをしてしまう



悪気は全く無いけど
話さずにはいられない



そんな衝動に駆られる

⏰:10/04/07 14:42 📱:F905i 🆔:x8Mak1bw


#587 [けん]
最初のうちは、そんな俺の話しも笑って聞いてくれていたトモちゃん



だが、時間が経つにつれて我慢ができなくなったようだ



「けんちゃん!!いつもいつも元カノの話しするけど、トモはそんな話し聞きたくないから!」


大人しいトモちゃんが珍しく声を荒げた

⏰:10/04/07 14:46 📱:F905i 🆔:x8Mak1bw


#588 [けん]
当然、それ以来トモちゃんの前では過去の話しはしていない



だが・・・
季節は3月



3月と言えば
卒園式の季節だ



蒼汰もこの3月で卒園する

⏰:10/04/07 14:49 📱:F905i 🆔:x8Mak1bw


#589 [けん]
出会った頃は
まだ3歳で


ミッキーのオムツをしていた



ご飯を食べる時も
こぼしてもいいように
首からエプロンみたいなのをぶら下げていた


お箸は使わずに
全部スプーンで食べていた

⏰:10/04/07 14:53 📱:F905i 🆔:x8Mak1bw


#590 [けん]
外出する時は
お気に入りの三輪車に
歩くと音が鳴る靴を履いていた


歩く度にプップッ−と音が鳴って、その姿を背中から見守る事が幸せだった



そんな蒼汰も3月で卒園し、4月からは小学生になる

⏰:10/04/07 14:57 📱:F905i 🆔:x8Mak1bw


#591 [けん]
3歳だった子が
もう小学生に・・・



そんな、はやる気持ちを誰かに話さずにはいられなかった



でも今更、誰にも話せない


今まで色々相談に乗ってもらってきた会社の後輩にすら、新しい彼女ができた以上話す事はできない

⏰:10/04/07 15:06 📱:F905i 🆔:x8Mak1bw


#592 [けん]
ふと横に目をやると



1つの青いポーチが飛び込んできた



蒼汰が父の日にって
プレゼントしてくれたポーチだ



少し色褪せてきているが、俺の似顔絵はまだハッキリと描かれている

⏰:10/04/07 15:10 📱:F905i 🆔:x8Mak1bw


#593 [けん]
そのポーチを見ていると、何だかすぐそばに蒼汰がいてそうな・・・

そんな
不思議な気持ちになった



そうして俺はこの日から、そのポーチの中に小さな手紙を入れるようになった



本当に小さな手紙だ

⏰:10/04/07 15:15 📱:F905i 🆔:x8Mak1bw


#594 [けん]
手紙の内容は・・・



[蒼汰!卒園おめでとう!]


とか


[大きくなったか?]


とか


紙切れ一枚に書けそうな内容だ

⏰:10/04/07 15:17 📱:F905i 🆔:x8Mak1bw


#595 [けん]
もし、今でも蒼汰がすぐそばにいたら


きっと俺、こんなこと言うやろな〜って事を書いた


誰にも話せないから
1人虚しく
自分の想いを文字にしている



誰も知らない俺の秘密だ

⏰:10/04/07 15:21 📱:F905i 🆔:x8Mak1bw


#596 [けん]
また
その手紙をポーチに入れる事によって、蒼汰に届くんじゃないかってバカな夢を見ている俺(笑)


そうして・・・
とりあえずこの日の俺は、卒園おめでとう!とメッセージを残しポーチの中に入れた




ちなみに
今日の段階で、このポーチには5枚の手紙が積まれている

⏰:10/04/07 15:27 📱:F905i 🆔:x8Mak1bw


#597 [けん]
ある日のこと



トモちゃんとドライブしていた時に、初めて秘密を打ち明けられた



“それ”は、神様が俺に与えた罰


“それ”は、トモちゃんがずっと言えずにいた事・・・

⏰:10/04/12 16:25 📱:F905i 🆔:Jp6geXRU


#598 [けん]
例の青いポーチ−


車の運転席に引っかけてあるため、助手席に座るトモちゃんの目にも飛び込んでくる



付き合う前から、蒼汰への想いは理解してくれていたトモちゃん



そのポーチを見て
「この似顔絵、けんちゃんに似てるね」
とか言ってくれていた

⏰:10/04/12 16:29 📱:F905i 🆔:Jp6geXRU


#599 [けん]
この日も
ポーチを手に取り
何か言いたげなトモちゃん


沈黙を見かねて
先に俺が口を開いた



『トモちゃんと結婚して子供が産まれて、もし男の子なら野球させて・・・一緒にキャッチボールしたい』なんて笑いながら話した



この後、トモちゃんの口から出る言葉は全く想像していなかった

⏰:10/04/12 16:36 📱:F905i 🆔:Jp6geXRU


#600 [けん]
「けんちゃん・・・」



『ん?どうした?』



「私、けんちゃんとずっと一緒にいたい!!」



『どうしたん急に?!笑』



「けんちゃんと結婚して、毎日けんちゃんの帰りを玄関で迎えたい・・・」

そう話すトモちゃんは、少しずつ声のトーンが下がっていった

⏰:10/04/12 16:41 📱:F905i 🆔:Jp6geXRU


#601 [けん]
『そんなん俺も同じ気持ちやで!』



そうやって笑って話す俺を見て、トモちゃんは俯いた・・・



「けんちゃんが蒼汰君の事を想う気持ちは、めっちゃ良い事だと思う。本当に子供が好きなんだなぁって、トモもそんなけんちゃん見てると嬉しくなるの・・・」

続けて言う

「だから・・・
だからこそ
話しておかないといけない事があるの・・・」

⏰:10/04/12 16:47 📱:F905i 🆔:Jp6geXRU


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